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第3章 混じり気のない黒は、濁りのない白と同じくらい純粋で強烈。だから、惹きつけられる。
17.お父さんと私。お父さんは、私にごめんねって謝った。私に謝るのは初めてだね、お父さん。お母さんと妹と私。妹には妹の意思があるんだよ。
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「その質問には、聞かなかったことにしていいかな。きーちゃん、ごめんね。」
とお父さんは、謝った。
創造主の権限で、お父さんは、創造主について話せないのかもしれない。
「答えられない質問には、そう答えてくれたら、十分だよ、お父さん。」
「きーちゃんは、これからも、お父さんと一緒がいいんだね?」
とお父さんは、何回も確認する。
私は、お父さんが不安にならないように、お父さんの両手を握った。
「お父さんといたいから、お父さんには元気でいてもらいたいの。
普通のお医者さんにかかって不調が治せるなら、頭を握り潰したがる医者とは喧嘩別れでも、サイアク、決別でもいい。
でも、お父さんの不調を取り除ける人が、頭を握り潰したがる医者の他にいないのなら。
お父さんが私と一緒にいる間、私が原因で、医者との繋がりを断つ事態は避けたい。
お父さんが元気でいるために、繋ぎ止めておかないと。
人格がどれだけ破綻していても。」
「きーちゃんは、はっきりと自分の意見を言うようになったね。」
とお父さんは、目を細めた。
「黙っていても、私のしたいことはできない、と分かったから。」
「きーちゃんは、何がしたいの?」
とお父さん。
お父さんは、いつも、私の意思を確認してくれる。
「家族といたいの。私の家族と。私達の誰か一人でも生きている限り、家族であり続けたい。」
心の中で考えていたことをお父さんに伝える。
「きーちゃん。」
とお父さん。
「私の思いを聞いてくれるのは、お父さんだけ。」
「きーちゃん。」
とお父さん。
「昨夜、お母さんには、私の意見を押し付けてきた。
くーちゃんは、私の意見を聞くのは正論だからイライラするって、聞きたがらない。
今は、くーちゃんが、聞いてくれなくてもいい。
お父さんとお母さんが揃っていたら、私の家族はバラバラにならない。」
「きーちゃん。お父さんは、家族からはみ出てしまったんだよ、ごめんね。」
とお父さんは、情けなさそうに背中を丸めた。
「お父さんは、食卓でよく、妹に謝っていたね。
私に、謝ったのは、初めてじゃない?
大丈夫。
お父さんは、家からはみ出したけど、家族のままだから。」
「きーちゃん。」
とお父さん。
「お父さん。お父さんは、私から逃げないでね。
お父さんはお母さんの夫であるけれど、私のお父さんなんだから。」
私のお父さんは、お父さんだけだよ、お父さん。
「きーちゃん。分かったよ、きーちゃん。一緒にいるよ。お父さんからは、さよならしない。」
とお父さん。
「良かった。お父さんは、急がなくてもいいから、聞けるときに、頭を握り潰したがる医者から、お父さんの体について聞いてみて。
私も準備をするから。」
「準備?」
とお父さん。
頭を握り潰したがる医者が、医者なのか、分からない。
頭を握り潰したがる医者と話をするために、私は人体と医者について、詳しくなろう。
お父さんとは、学校帰りに毎日会うのは止めた。
お父さんも私も調べることがある。
お母さんは、まだ、妹の矯正に着手していない。
今のお母さんは、今のままの妹が、楽。
今、楽だからと、妹に対して何の手も打たないなら。
あと何年もしないうちに、妹の楽さが、お母さんにとっての苦痛に変わっていくと思う。
その頃には、妹の視界には、お母さんしかいない。
今でさえ、何も言わずに大人しくしていろ、と姉の私に言う妹。
何年もしないうちに、妹は、完全に私を見なくなっているだろう。
お母さんが、新しく家族を増やそうとしても、お母さんにべったりな妹は、お母さんが増やした家族を受け入れない。
妹は、お母さんの言うことを理解して動いているのは、お母さんの言いなりだからじゃない。
お母さんを独り占めするためだよ。
お母さんは、いつ気づくかな?
とお父さんは、謝った。
創造主の権限で、お父さんは、創造主について話せないのかもしれない。
「答えられない質問には、そう答えてくれたら、十分だよ、お父さん。」
「きーちゃんは、これからも、お父さんと一緒がいいんだね?」
とお父さんは、何回も確認する。
私は、お父さんが不安にならないように、お父さんの両手を握った。
「お父さんといたいから、お父さんには元気でいてもらいたいの。
普通のお医者さんにかかって不調が治せるなら、頭を握り潰したがる医者とは喧嘩別れでも、サイアク、決別でもいい。
でも、お父さんの不調を取り除ける人が、頭を握り潰したがる医者の他にいないのなら。
お父さんが私と一緒にいる間、私が原因で、医者との繋がりを断つ事態は避けたい。
お父さんが元気でいるために、繋ぎ止めておかないと。
人格がどれだけ破綻していても。」
「きーちゃんは、はっきりと自分の意見を言うようになったね。」
とお父さんは、目を細めた。
「黙っていても、私のしたいことはできない、と分かったから。」
「きーちゃんは、何がしたいの?」
とお父さん。
お父さんは、いつも、私の意思を確認してくれる。
「家族といたいの。私の家族と。私達の誰か一人でも生きている限り、家族であり続けたい。」
心の中で考えていたことをお父さんに伝える。
「きーちゃん。」
とお父さん。
「私の思いを聞いてくれるのは、お父さんだけ。」
「きーちゃん。」
とお父さん。
「昨夜、お母さんには、私の意見を押し付けてきた。
くーちゃんは、私の意見を聞くのは正論だからイライラするって、聞きたがらない。
今は、くーちゃんが、聞いてくれなくてもいい。
お父さんとお母さんが揃っていたら、私の家族はバラバラにならない。」
「きーちゃん。お父さんは、家族からはみ出てしまったんだよ、ごめんね。」
とお父さんは、情けなさそうに背中を丸めた。
「お父さんは、食卓でよく、妹に謝っていたね。
私に、謝ったのは、初めてじゃない?
大丈夫。
お父さんは、家からはみ出したけど、家族のままだから。」
「きーちゃん。」
とお父さん。
「お父さん。お父さんは、私から逃げないでね。
お父さんはお母さんの夫であるけれど、私のお父さんなんだから。」
私のお父さんは、お父さんだけだよ、お父さん。
「きーちゃん。分かったよ、きーちゃん。一緒にいるよ。お父さんからは、さよならしない。」
とお父さん。
「良かった。お父さんは、急がなくてもいいから、聞けるときに、頭を握り潰したがる医者から、お父さんの体について聞いてみて。
私も準備をするから。」
「準備?」
とお父さん。
頭を握り潰したがる医者が、医者なのか、分からない。
頭を握り潰したがる医者と話をするために、私は人体と医者について、詳しくなろう。
お父さんとは、学校帰りに毎日会うのは止めた。
お父さんも私も調べることがある。
お母さんは、まだ、妹の矯正に着手していない。
今のお母さんは、今のままの妹が、楽。
今、楽だからと、妹に対して何の手も打たないなら。
あと何年もしないうちに、妹の楽さが、お母さんにとっての苦痛に変わっていくと思う。
その頃には、妹の視界には、お母さんしかいない。
今でさえ、何も言わずに大人しくしていろ、と姉の私に言う妹。
何年もしないうちに、妹は、完全に私を見なくなっているだろう。
お母さんが、新しく家族を増やそうとしても、お母さんにべったりな妹は、お母さんが増やした家族を受け入れない。
妹は、お母さんの言うことを理解して動いているのは、お母さんの言いなりだからじゃない。
お母さんを独り占めするためだよ。
お母さんは、いつ気づくかな?
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