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第5章 丸付けは、全部終わってからだよ?後手に回ったからって、それが何?

119.転生貴族令嬢レベッカ・ショア。それは、コップの中の嵐。どうして、コップの中に嵐?誰が、コップの中に嵐を作った?誰のため?何のために?

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ラストの彼女は、私に言う。
「貴女、貴女の存在が、どれほど周りに迷惑か、考えたこと、ないんじゃない?」

私はカチンときた。
「さっき、感情を爆発させたのは、うるさかったと思うから、反省する。
でも。
私との関わりがろくにないのに、嫌う理由はないよね?」

なんで、周りが敵ばかりなの?
なんで、味方が1人もいないの?

『12歳の少女の周りが、敵だらけって、おかしくない?』
と前世の意識。

「そんな調子だから、侍女に愛想を尽かされたわけね?」
と、ラストの彼女。

「回りくどいのか、嫌味なのか、知らないけど、意味が分からないから。分かるように話して。」
私は、ラストの彼女に、はっきり言った。

ラストの彼女に、見返りを期待して動くのはだめ。

要求は、要求として突きつけないと。

「昨日も言ったけど。私や、他の誰かが、貴女の勝手な言い分を聞き入れてくれると思い込んで、好き勝手されるのは、迷惑だから。」
ラストの彼女の話し方に、私は、カッと頬が熱くなった。

ラストの彼女の説明じゃ、私が悪者みたいに聞こえる。

「私は、私の侍女をどこかで見ていないか、貴女に聞いただけ。
貴女は、私に、侍女が居なくなったと答えさせておきながら、侍女について何も答えずに、侍女が居なくなったことをネタにして、私のことを馬鹿にしてきた。
人間として、問題があるのは、どっち?
私じゃないよね?」

玄関ホールは、ラストの彼女と私の2人芝居状態。

私達は、耳目を集めていた。

こうやって、対峙してみて分かったことがある。

人の輪に入れない私に、比較的たくさん声をかけてきたラストの彼女のこと。

今まで、ラストの彼女と私は、一対一の関係で、完結していたから、私にはどうでもよかったこと。

私は、ニンデリー王立学園の学生から、好かれていない。
今、嫌というほど実感している。

『私ほどじゃないけれど、私と対峙しているラストの彼女も、好意的に思われていない。』
前世の意識が教えてくれる。

『嫌われ者同士で、面白いことをしていると腹の底で笑い合っている。』
前世の意識は、周囲の反応について、解説してくれた。

嫌われ者同士?

私に向けられている感情には、親しみが込められたものはない。

ラストの彼女にも?

私は、ラストの彼女から視線を外して、周りを見てみた。

本当だ。

『自分達に関係ない知人同士のいさかいは、密閉空間における、ちょっとした娯楽。』
と前世の意識。

他人の娯楽のために、ラストの彼女は、私と争う2人芝居をしている、ということになるけど、なんで?

私もラストの彼女も2人芝居のつもりは、微塵もない。

でも、外野からは、そう見えている、ということ。


何の意味があるの?

こんな、大注目を集めながらの口論。

娯楽のためだけ?

それとも。
誰かが得をするの?
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