子爵令嬢マーゴットは学園で無双する〜喋るミノカサゴ、最強商人の男爵令嬢キャスリーヌ、時々神様とお兄様も一緒

かざみはら まなか

文字の大きさ
224 / 826
第6章 可動式魔法遺跡、クークード遺跡の見学ツアーに参加しよう。

223.バネッサ・オッドア伯爵令嬢。『私は、コーハ王国の貴族。ニンデリー王国のナユカ・ジョンストンの軍門に下ることはない。』

しおりを挟む
聞こえてくる学生の声の数が増えてきた。

パートラン卿は、レベッカ・ショアが自発的に来るのを待つのは止めて、実力行使に出ることにしたようだ。

バネッサは、チャンスを見誤らない。

バネッサは、クロッグ・カーブに向かって、不敵に笑ってやる。

バネッサは、クロッグ・カーブに、宣言した。

「ナユカ・ジョンストンの使者。

帰って、己の主に伝えなさい。

私、バネッサ・オッドアは、コーハ王国の貴族。ニンデリー王国のナユカ・ジョンストンの軍門に下ることは、決してない。」

「散々馬鹿にしやがって!」
とクロッグ・カーブ。

クロッグ・カーブは、激昂した勢いのままに、バネッサに掴みかかる。

避けるバネッサ。

クロッグ・カーブの動きと共に、いつでも戦いを再開できると様子を見ていた男達が再起動。

クロッグ・カーブは、使者として、生かして帰すが、男達に遠慮はいらない。

レベッカ・ショアの動きに邪魔される心配もなくなったバネッサの動きは、一騎当千。

使者の手足は、所詮、手足。

もいで、動けなくしてしまえば、使者は丸裸。

クロッグ・カーブは、地に倒れていく男達を見て、叫んでいる。

「なんで簡単にやられているんだよ!」

手足がもがれ、おたおたしながら後退するクロッグ・カーブをどんどん追い詰めていくバネッサ。

バネッサは、実戦経験があるが、それだけではない。

コーハ王国のオッドア伯爵令嬢として生きるバネッサの矜持と覚悟が、バネッサの原動力。

ナユカ・ジョンストン伯爵令嬢の使者と名乗りながら、虎の威を借る狐のクロッグ・カーブは、本領を発揮したバネッサの敵ではない。

学生が、辿り着き、目撃者となるタイミングで、クロッグ・カーブに敗北を宣言させること。

クロッグ・カーブは、貴族の配下である真の意味を理解していない。

覚悟もなく、節操なしのクロッグ・カーブ。

バネッサは、クロッグ・カーブに逃げ道を用意させない。

貴族と貴族のやり合いは、社交界で優雅に火花を散らすばかりではない。

泥臭くとも、刃を交えて、力で甲乙をつけることなんていくらでもある。

貴族ならば、戦いには、勝たねばならぬ。

時代を築くのは、勝者のみ。

家名の元には、有形無形のたくさんの集いしものがある。

その全てを使う代わりに、その全ての責任を背負う。

それが、貴族。

バネッサ・オッドアは、誇り高き、コーハ王国の伯爵令嬢。

ナユカ・ジョンストンが、ニンデリー王国のジョンストン伯爵家の嫡女だろうとなんだろうと。

かつて、友人として言葉を交わした者であろうと。


オッドア伯爵令嬢バネッサの、生まれてから12年にわたって培われてきた、貴族としての覚悟と矜持をへし折ることは、できぬ。


バネッサ・オッドア伯爵令嬢は、ナユカ・ジョンストン伯爵令嬢の誘いを断り、刃を交えることを選んだ。

当然の帰結。



レベッカ・ショアは、バネッサが、一心不乱に戦う姿を見て、困惑している。

クロッグ・カーブは、今朝まで、普通に喋っていた人なのに。

バネッサは、簡単に、刃を向けられるの?

それは、私に対しても同じなの?

もう、友達とは見てくれないの?

レベッカ・ショアに見向きもしないで、戦いを始めたバネッサ。

私は、まだ、バネッサのことを友達として、諦めていないのに。

諦めたくないのに。


レベッカ・ショアは、何もせずに、バネッサが戦う姿を目で追っていた。

レベッカ・ショアが、聞こえてくる足音が大きいことに気付いて、バネッサから自身へと意識を戻したときには、レベッカ・ショアは、パートラン卿の手の届く距離にいた。

「ひっ。」
悲鳴をあげるレベッカ・ショア。

逃げ出そうとしたレベッカ・ショアは、パートラン卿に背中を向けた。

「逃がすか!」
パートラン卿の手がのびる。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

目覚めたら公爵夫人でしたが夫に冷遇されているようです

MIRICO
恋愛
フィオナは没落寸前のブルイエ家の長女。体調が悪く早めに眠ったら、目が覚めた時、夫のいる公爵夫人セレスティーヌになっていた。 しかし、夫のクラウディオは、妻に冷たく視線を合わせようともしない。 フィオナはセレスティーヌの体を乗っ取ったことをクラウディオに気付かれまいと会う回数を減らし、セレスティーヌの体に入ってしまった原因を探そうとするが、原因が分からぬままセレスティーヌの姉の子がやってきて世話をすることに。 クラウディオはいつもと違う様子のセレスティーヌが気になり始めて……。 ざまあ系ではありません。恋愛中心でもないです。事件中心軽く恋愛くらいです。 番外編は暗い話がありますので、苦手な方はお気を付けください。 ご感想ありがとうございます!! 誤字脱字等もお知らせくださりありがとうございます。順次修正させていただきます。 小説家になろう様に掲載済みです。

タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。

渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。 しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。 「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」 ※※※ 虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。 ※重複投稿作品※ 表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。

ねえ、今どんな気持ち?

かぜかおる
ファンタジー
アンナという1人の少女によって、私は第三王子の婚約者という地位も聖女の称号も奪われた 彼女はこの世界がゲームの世界と知っていて、裏ルートの攻略のために第三王子とその側近達を落としたみたい。 でも、あなたは真実を知らないみたいね ふんわり設定、口調迷子は許してください・・・

私を家から追い出した妹達は、これから後悔するようです

天宮有
恋愛
 伯爵令嬢の私サフィラよりも、妹エイダの方が優秀だった。  それは全て私の力によるものだけど、そのことを知っているのにエイダは姉に迷惑していると言い広めていく。  婚約者のヴァン王子はエイダの発言を信じて、私は婚約破棄を言い渡されてしまう。  その後、エイダは私の力が必要ないと思い込んでいるようで、私を家から追い出す。  これから元家族やヴァンは後悔するけど、私には関係ありません。

【完結】婚約者なんて眼中にありません

らんか
恋愛
 あー、気が抜ける。  婚約者とのお茶会なのにときめかない……  私は若いお子様には興味ないんだってば。  やだ、あの騎士団長様、素敵! 確か、お子さんはもう成人してるし、奥様が亡くなってからずっと、独り身だったような?    大人の哀愁が滲み出ているわぁ。  それに強くて守ってもらえそう。  男はやっぱり包容力よね!  私も守ってもらいたいわぁ!    これは、そんな事を考えているおじ様好きの婚約者と、その婚約者を何とか振り向かせたい王子が奮闘する物語…… 短めのお話です。 サクッと、読み終えてしまえます。

石女を理由に離縁されましたが、実家に出戻って幸せになりました

お好み焼き
恋愛
ゼネラル侯爵家に嫁いで三年、私は子が出来ないことを理由に冷遇されていて、とうとう離縁されてしまいました。なのにその後、ゼネラル家に嫁として戻って来いと手紙と書類が届きました。息子は種無しだったと、だから石女として私に叩き付けた離縁状は無効だと。 その他にも色々ありましたが、今となっては心は落ち着いています。私には優しい弟がいて、頼れるお祖父様がいて、可愛い妹もいるのですから。

【完結】巻き込まれたけど私が本物 ~転移したら体がモフモフ化してて、公爵家のペットになりました~

千堂みくま
ファンタジー
異世界に幼なじみと一緒に召喚された17歳の莉乃。なぜか体がペンギンの雛(?)になっており、変な鳥だと城から追い出されてしまう。しかし森の中でイケメン公爵様に拾われ、ペットとして大切に飼われる事になった。公爵家でイケメン兄弟と一緒に暮らしていたが、魔物が減ったり、瘴気が薄くなったりと不思議な事件が次々と起こる。どうやら謎のペンギンもどきには重大な秘密があるようで……? ※恋愛要素あるけど進行はゆっくり目。※ファンタジーなので冒険したりします。

帰国した王子の受難

ユウキ
恋愛
庶子である第二王子は、立場や情勢やら諸々を鑑みて早々に隣国へと無期限遊学に出た。そうして年月が経ち、そろそろ兄(第一王子)が立太子する頃かと、感慨深く想っていた頃に突然届いた帰還命令。 取り急ぎ舞い戻った祖国で見たのは、修羅場であった。

処理中です...