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第8章 魔法使いのいる世界で、魔力を持たないまま生きていく君へ。

347.ベリーベリー・イニーと父親は、スラッルス・トークンの見通しと覚悟を聞く。『俺は、弱っちいから、誰も彼も助けられるわけじゃねー。』

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ベリーベリー・イニーの父親は、体を拭きながら顔をしかめるスラッルス・トークンから、布を受け取り、スラッルス・トークンの背中を拭いた。

「スラッルスくんは、もう決めたのかい?」
とベリーベリー・イニーの父親。

「決めた。俺の人生だ。」
とスラッルス・トークン。

スラッルス・トークンが服を整えたので、ベリーベリー・イニーが部屋に入ってきた。

「家の人は、何も言わないのかい?」
とベリーベリー・イニーの父親。

「そこは、分からねー。ただ、俺の家は貴族だから。家に利があるうちは、何も言わねーよ。その先は、話し合いで、済めばいいけどなー。」
とスラッルス・トークン。

スラッルス・トークンは、自然をうろうろさせているベリーベリー・イニーに声をかけた。

「悩むんなら、悩みまくれよ、ベリーベリー。
今だけだぞ?悩む時間がとれるのは。」
とスラッルス・トークン。

ベリーベリー・イニーは、スラッルス・トークンの痛々しい傷だらけな手足を見てしまい、スラッルス・トークンが服を直しても、正視できずにいる。

「このまったりした時間がいつまでも続くわけじゃねー。」
とスラッルス・トークン。

ベリーベリー・イニーは、スラッルス・トークンに視線を合わせる。

ベリーベリー・イニーの父親は、難しい顔をした。

「今は、小休止ってやつだ。派手にやりあったから、一時的に鳴りを潜めているだけで、またすぐに活発になる。」
とスラッルス・トークン。

「スラッルスくんの見通しかい?」
とベリーベリー・イニーの父親。

「今のは俺の見通しだけど、マーゴットもキャスリーヌもバネッサもレベッカも、次を見越して動いている。」
とスラッルス・トークン。

「そうかい。ありがとう。」
とベリーベリー・イニーの父親。

「ベリーベリー。
俺は、マーゴットをボスと定めた。
俺は、マーゴットが高みにのぼるのを全力で支えると決めている。

だからな、ベリーベリー。

今度、同じようなことが、ベリーベリー親父さんの身に起きて、ベリーベリーが、悪いやつらに利用されようとしていても。
マーゴットが、助けろと俺に命令しないなら、俺は動かねー。

マーゴットが、俺に命令する状況というのは、ベリーベリーがマーゴットの味方で、マーゴットを裏切らないとはっきりしているときだ。

俺は弱っちいから、誰も彼も助けられるわけじゃねー。

俺は、マーゴットを助けたいし、マーゴットの助けになることをしたい。

今回は、ベリーベリーを友達として助けたいという意思が俺にあったから、ベリーベリーを助けにいった。

結果的に、痛い目にあったのは、弱っちい俺の勉強料だと思っている。

俺の体を見て、痛々しいと思うなら、親父さんとベリーベリーが今後を考える材料にしてくれねーか。

その方が、俺も報われるなー。」
とスラッルス・トークン。
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