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383.ラキちゃんの正義が勝たないデスゲーム待機期間、ケンゴはどうしていた?
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ケンゴは、ん?という顔をしてからすぐ、合点がいったと破顔した。
「新人くんが運動について粘る理由は、そこかい?」
とケンゴ。
「気になるに決まっている。」
「俺は、ラキとは一緒に暮らしていないよ。
ラキは、正義が勝たないデスゲームの参加者になるまで、待機場所で生活していた。
俺は、今も、タケハヤプロジェクトの参加者として暮らしている。」
とケンゴ。
「正義が勝たないデスゲームの参加者とタケハヤプロジェクトの参加者は、慣れ合わないと言いたいのか?」
「タケハヤプロジェクトの参加者同士、正義が勝たないデスゲームの参加者同士では、話すことがある。」
とツカサ。
「プロジェクトの枠組みを越える交流はしないわ。」
とメグたん。
「タケハヤプロジェクトの参加者と正義が勝たないデスゲームの参加者では、参加の目的や、参加する意義が異なるんだよ。」
とケンゴ。
「参加する目的や意義など建前にして、交流することはなかったということか?」
「ないよ。新人くん、人によるかもしれないけれど、そういうのは、仕事にかこつけてするようなことじゃないんだよ。」
とケンゴ。
「そうか。」
「タケハヤプロジェクトの参加者は、正義が勝たないデスゲームの参加者とは、一線を画しているわ。
どの立場でも。」
とメグたん。
「タケハヤプロジェクトの参加者と正義が勝たないデスゲームの参加者は、参加者たる資格も含めて、何もかもが一致しないからね。」
とツカサ。
「ドッジボールでタツキを殺してラキちゃんにトドメをさされたオウカは。
タケハヤプロジェクトの参加者でありながら、正義が勝たないデスゲームの参加者であるタツキと深く関わっていなかったか?」
「タケハヤプロジェクトの参加者であることを悪用して、正義が勝たないデスゲームの参加者のタツキの側にいたオウカが、ドッジボールまでしか生きられなかったのは、一線を越えるのを止めなかったオウカ自身の責任。」
とメグたん。
「オウカのドッジボールでの死が決定したのは、タケハヤプロジェクトの規則を破ったからか?」
「オウカは、タケハヤプロジェクトの参加者が遵守することになっている規則を破り、正義が勝たないデスゲームの参加者に肩入れして、正義が勝たないデスゲームの娯楽性を歪めたからね。
一発アウトだった。」
とツカサ。
「オウカがタケハヤプロジェクトの参加者ではなく、正義が勝たないデスゲームの参加者だったら、タケハヤプロジェクトの参加者としてのオウカの権利は使えなかった。
正義が勝たないデスゲームね参加者としてのオウカと共闘していたら、タツキはもっと早くに亡くなっていた。」
とケンゴ。
「ケンゴはタケハヤプロジェクトの参加者として、ラキちゃんに肩入れしていないと言っているのか?」
「ラキとは、いつも一緒にいたわけではないよ。」
とケンゴ。
ケンゴが仕事の範囲だけだと断ずるほど、ラキちゃんに会わずにいたのは真実か?
俺は、ケンゴにかけた疑いを取り下げられない。
「ケンゴがタケハヤプロジェクトの参加者としての役割を果たしていない時間。
ラキちゃんとケンゴは、一緒にいたか?」
「ラキが、精神的に不安定にならないように付き添うことはしていたよ。」
とケンゴ。
「元気に刑事として振る舞っていたラキちゃんが、待機中は精神的に不安定?」
「社会から隔離され、先輩刑事のハコが正義が勝たないデスゲームに参加している様子を視聴する暮らしは、元の生活と違いすぎるわ。」
とメグたん。
「新しい環境に、望んで来てはいないとなればね。」
とツカサ。
「ラキは、到着直後から、不満と不安を抱えていた。
ハコが先陣を切って正義が勝たないデスゲームに参加する姿を見て。
不安や不満をあらわにしては、ハコに失礼だと飲み込んでいたんだよ。
一人で。」
とケンゴ。
「ケンゴの話からすると。
ラキちゃんと常にいるわけではないにしても、ラキちゃんとケンゴが過ごす時間は短くなかったのではないか?」
「時間が短かったか長かったかの認識は、個人の感覚だよ。」
とケンゴ。
「一緒にいる時間が長かろうが短かろうが。
頼る相手がケンゴだけという環境だったラキちゃんは、ケンゴを頼りにして生活するようになったのではないか?」
「ラキは、一日の大半を、正義が勝たないデスゲームの視聴と運動と睡眠時間にあてていた。
俺は、ラキが心身共に健康でいられるように協力しただけだよ。」
とケンゴ。
「社会から隔離されて正義が勝たないデスゲームの待機に入ったラキちゃんは、抱えている不満と不安ごと、ケンゴを頼りにしていたということにならないか?」
「新人くん、俺は、頼りになるんだよ。
新人くんは参加早々に死亡する、という事態を免れていなかったかい?」
とケンゴ。
ケンゴの忠告は役に立った。
この場では、そう言いたくない。
「最初から五体満足で大手を振って正義が勝たないデスゲームから脱出する以外、俺の頭にはなかった。」
俺は、最初から俺のために利用できるものは、利用すると決めていた。
「先輩の俺から情報だけを抜き取って好きにやってやろうと決め込んでいた新人くんは、ラキと対極にいたよ。」
とケンゴ。
ラキちゃんは、俺とは違って、刑事という立場があった。
潜入捜査の辞令を受けてハコさんの次の出番を待っていたラキちゃんには。
正義が勝たないデスゲームから逃げ出すという発想がなかった。
そんなラキちゃんの側にいたのが、タケハヤプロジェクトの参加者であるケンゴ。
ケンゴは、公安の所属でもある。
俺は、ラキちゃんが、死期を悟る段になるまで、刑事として振る舞い続けた原因に辿り着いた。
「新人くんが運動について粘る理由は、そこかい?」
とケンゴ。
「気になるに決まっている。」
「俺は、ラキとは一緒に暮らしていないよ。
ラキは、正義が勝たないデスゲームの参加者になるまで、待機場所で生活していた。
俺は、今も、タケハヤプロジェクトの参加者として暮らしている。」
とケンゴ。
「正義が勝たないデスゲームの参加者とタケハヤプロジェクトの参加者は、慣れ合わないと言いたいのか?」
「タケハヤプロジェクトの参加者同士、正義が勝たないデスゲームの参加者同士では、話すことがある。」
とツカサ。
「プロジェクトの枠組みを越える交流はしないわ。」
とメグたん。
「タケハヤプロジェクトの参加者と正義が勝たないデスゲームの参加者では、参加の目的や、参加する意義が異なるんだよ。」
とケンゴ。
「参加する目的や意義など建前にして、交流することはなかったということか?」
「ないよ。新人くん、人によるかもしれないけれど、そういうのは、仕事にかこつけてするようなことじゃないんだよ。」
とケンゴ。
「そうか。」
「タケハヤプロジェクトの参加者は、正義が勝たないデスゲームの参加者とは、一線を画しているわ。
どの立場でも。」
とメグたん。
「タケハヤプロジェクトの参加者と正義が勝たないデスゲームの参加者は、参加者たる資格も含めて、何もかもが一致しないからね。」
とツカサ。
「ドッジボールでタツキを殺してラキちゃんにトドメをさされたオウカは。
タケハヤプロジェクトの参加者でありながら、正義が勝たないデスゲームの参加者であるタツキと深く関わっていなかったか?」
「タケハヤプロジェクトの参加者であることを悪用して、正義が勝たないデスゲームの参加者のタツキの側にいたオウカが、ドッジボールまでしか生きられなかったのは、一線を越えるのを止めなかったオウカ自身の責任。」
とメグたん。
「オウカのドッジボールでの死が決定したのは、タケハヤプロジェクトの規則を破ったからか?」
「オウカは、タケハヤプロジェクトの参加者が遵守することになっている規則を破り、正義が勝たないデスゲームの参加者に肩入れして、正義が勝たないデスゲームの娯楽性を歪めたからね。
一発アウトだった。」
とツカサ。
「オウカがタケハヤプロジェクトの参加者ではなく、正義が勝たないデスゲームの参加者だったら、タケハヤプロジェクトの参加者としてのオウカの権利は使えなかった。
正義が勝たないデスゲームね参加者としてのオウカと共闘していたら、タツキはもっと早くに亡くなっていた。」
とケンゴ。
「ケンゴはタケハヤプロジェクトの参加者として、ラキちゃんに肩入れしていないと言っているのか?」
「ラキとは、いつも一緒にいたわけではないよ。」
とケンゴ。
ケンゴが仕事の範囲だけだと断ずるほど、ラキちゃんに会わずにいたのは真実か?
俺は、ケンゴにかけた疑いを取り下げられない。
「ケンゴがタケハヤプロジェクトの参加者としての役割を果たしていない時間。
ラキちゃんとケンゴは、一緒にいたか?」
「ラキが、精神的に不安定にならないように付き添うことはしていたよ。」
とケンゴ。
「元気に刑事として振る舞っていたラキちゃんが、待機中は精神的に不安定?」
「社会から隔離され、先輩刑事のハコが正義が勝たないデスゲームに参加している様子を視聴する暮らしは、元の生活と違いすぎるわ。」
とメグたん。
「新しい環境に、望んで来てはいないとなればね。」
とツカサ。
「ラキは、到着直後から、不満と不安を抱えていた。
ハコが先陣を切って正義が勝たないデスゲームに参加する姿を見て。
不安や不満をあらわにしては、ハコに失礼だと飲み込んでいたんだよ。
一人で。」
とケンゴ。
「ケンゴの話からすると。
ラキちゃんと常にいるわけではないにしても、ラキちゃんとケンゴが過ごす時間は短くなかったのではないか?」
「時間が短かったか長かったかの認識は、個人の感覚だよ。」
とケンゴ。
「一緒にいる時間が長かろうが短かろうが。
頼る相手がケンゴだけという環境だったラキちゃんは、ケンゴを頼りにして生活するようになったのではないか?」
「ラキは、一日の大半を、正義が勝たないデスゲームの視聴と運動と睡眠時間にあてていた。
俺は、ラキが心身共に健康でいられるように協力しただけだよ。」
とケンゴ。
「社会から隔離されて正義が勝たないデスゲームの待機に入ったラキちゃんは、抱えている不満と不安ごと、ケンゴを頼りにしていたということにならないか?」
「新人くん、俺は、頼りになるんだよ。
新人くんは参加早々に死亡する、という事態を免れていなかったかい?」
とケンゴ。
ケンゴの忠告は役に立った。
この場では、そう言いたくない。
「最初から五体満足で大手を振って正義が勝たないデスゲームから脱出する以外、俺の頭にはなかった。」
俺は、最初から俺のために利用できるものは、利用すると決めていた。
「先輩の俺から情報だけを抜き取って好きにやってやろうと決め込んでいた新人くんは、ラキと対極にいたよ。」
とケンゴ。
ラキちゃんは、俺とは違って、刑事という立場があった。
潜入捜査の辞令を受けてハコさんの次の出番を待っていたラキちゃんには。
正義が勝たないデスゲームから逃げ出すという発想がなかった。
そんなラキちゃんの側にいたのが、タケハヤプロジェクトの参加者であるケンゴ。
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