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第2章 憶測で語らない。可能性は否定しない。
14.監視カメラ設置反対派の抗議活動で、牡丹の庭中学校の学校機能が停止?
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「答えがとても気になる質問。」
と透雲。
「監視カメラの設置に反発したのは、新しく入ってきたうちの、賃貸で暮らしている方の住人。
市の施策で団地に入居した人達。」
と萃。
萃のレポートには事実のみが簡潔に書いてある。
憶測も推測も書いていない。
奈美と透雲が萃に質問を繰り返すのは、並べられた事実から核心に迫るため。
「市の施策で入居した家庭は、子育て家庭とその血縁。
施策で団地に住んでいて、牡丹の庭中学校に通う中学生がいる家庭は、監視カメラ設置に反対した?
それとも、反対していない?」
と透雲。
「中学生のいる家庭もいない家庭も、監視カメラの設置には反対している。
監視カメラ設置反対派は、中学校と監視カメラ設置派に対する抗議行動を起こしている。」
と萃。
「抗議行動として、具体的には何を?」
と奈美。
「中学校内を学校側の許可なくスマホでカメラ撮影しながら歩き回る。」
と萃。
「嘆願書の提出とかかと思ったら、迷惑行為だった。
中学校の校舎内を中学生以外が闊歩したら、不法侵入じゃない?」
と透雲。
「牡丹の庭中学校に通う生徒の生徒とその親族が、子どもの学習環境を確認するという名目で押し切っている。」
と萃。
「カメラ撮影は、中学校に止められなかった?
学習環境をスマホで撮影するためにカメラを構えているなら。
我が子じゃなくて、我が子の周りを撮影していない?」
と奈美。
「私の中学校は、我が子以外は撮影禁止。」
と透雲。
「学校内の写真をSNSアップするのはご遠慮ください、という注意喚起をもっともだと思っていると、牡丹の庭中学校の常識には馴染めない。
学校の中でカメラ回す人がいたら、まず、写らないようにする。」
と奈美。
「牡丹の庭中学校は、学校内での撮影許可を出していない。
でも、校内を歩き回る監視カメラ設置反対派を学校から追い出すことが出来ずにいる。」
と萃。
「攻撃的な抗議行動がまかり通るのは、監視カメラ設置反対派が数に物を言わせて黙らせている以外の理由がある。」
と奈美。
「他には。
中学校の校門前でシュプレヒコールをあげる。」
と萃。
「その行動には、何が何でも監視カメラを設置させたくないという強い意思というよりも、別の意思を表示してない?」
と透雲。
「まだある。
校庭の朝礼台に許可なく乗って、演説。」
と萃。
「朝礼台に乗って演説する人の価値観が気になる。
朝礼台を使う価値が分からず、ただ人より高い場所に上りたいから使うのか。
朝礼台が学校のものだから、学校にあるものを踏みつけたくて上るのか。」
と奈美。
「まだまだある。
中学校の許可なく校庭に侵入し、遊具を勝手に使用したことに注意されると使わせないのかと恫喝。」
と萃。
「誰を恫喝している?」
と奈美。
「恫喝するのは、注意しに来た教職員。
生徒には恫喝する代わりに、同意を求める。」
と萃。
「同意を求められた生徒はどうしている?」
と透雲。
「同意もしくは、沈黙。
監視カメラ設置反対派が、生徒の中で多数を占めている。
同意の声以外は聞こえない。」
と萃。
「病む先生多そう。」
と透雲。
「これ以上休職者が増えると学校運営に支障をきたすとして、教職員から、監視カメラ設置反対派に注意を促すことは、中学校の方針で止めている。」
と萃。
「休職者が出たからといって、公立の学校には、すぐに先生が補充されない。」
と透雲。
「中学校は、監視カメラ設置反対派への無抵抗を選んで、残った先生を守ろうとしている、もしくは、保身に振り切った。」
と奈美。
「中学生じゃないのに中学校の遊具を使いたいから使うという考え方の住民が中学校に自由に出入りしている状況が出来上がっていることの不思議。
中学生じゃない人は、中学校に行かずに、遊具がある公園へ行けばいいのに。」
と感想を漏らす透雲。
「中学校には、中学生の体格で使える遊具。
小学校の遊具よりも大人は使いやすい。
小学校は崩壊している?」
と奈美。
「牡丹の庭小学校は、崩壊していない。
崩壊せずに踏みとどまっている。
今のところは。」
と萃。
「牡丹の庭中学校の次の矛先が、牡丹の庭小学校ということはない?」
と透雲。
航空写真と地図を見比べる奈美。
「牡丹の庭小学校の立地の方が、団地に近い。」
と奈美。
「牡丹の庭小学校よりも牡丹の庭中学校の方が土地が広く、最寄り駅から遠い。」
と透雲。
「監視カメラ設置反対派が校庭に侵入して遊具を使うことについては、子どものための中学校が守られていないとの訴えが既に届けられている。」
と萃。
と透雲。
「監視カメラの設置に反発したのは、新しく入ってきたうちの、賃貸で暮らしている方の住人。
市の施策で団地に入居した人達。」
と萃。
萃のレポートには事実のみが簡潔に書いてある。
憶測も推測も書いていない。
奈美と透雲が萃に質問を繰り返すのは、並べられた事実から核心に迫るため。
「市の施策で入居した家庭は、子育て家庭とその血縁。
施策で団地に住んでいて、牡丹の庭中学校に通う中学生がいる家庭は、監視カメラ設置に反対した?
それとも、反対していない?」
と透雲。
「中学生のいる家庭もいない家庭も、監視カメラの設置には反対している。
監視カメラ設置反対派は、中学校と監視カメラ設置派に対する抗議行動を起こしている。」
と萃。
「抗議行動として、具体的には何を?」
と奈美。
「中学校内を学校側の許可なくスマホでカメラ撮影しながら歩き回る。」
と萃。
「嘆願書の提出とかかと思ったら、迷惑行為だった。
中学校の校舎内を中学生以外が闊歩したら、不法侵入じゃない?」
と透雲。
「牡丹の庭中学校に通う生徒の生徒とその親族が、子どもの学習環境を確認するという名目で押し切っている。」
と萃。
「カメラ撮影は、中学校に止められなかった?
学習環境をスマホで撮影するためにカメラを構えているなら。
我が子じゃなくて、我が子の周りを撮影していない?」
と奈美。
「私の中学校は、我が子以外は撮影禁止。」
と透雲。
「学校内の写真をSNSアップするのはご遠慮ください、という注意喚起をもっともだと思っていると、牡丹の庭中学校の常識には馴染めない。
学校の中でカメラ回す人がいたら、まず、写らないようにする。」
と奈美。
「牡丹の庭中学校は、学校内での撮影許可を出していない。
でも、校内を歩き回る監視カメラ設置反対派を学校から追い出すことが出来ずにいる。」
と萃。
「攻撃的な抗議行動がまかり通るのは、監視カメラ設置反対派が数に物を言わせて黙らせている以外の理由がある。」
と奈美。
「他には。
中学校の校門前でシュプレヒコールをあげる。」
と萃。
「その行動には、何が何でも監視カメラを設置させたくないという強い意思というよりも、別の意思を表示してない?」
と透雲。
「まだある。
校庭の朝礼台に許可なく乗って、演説。」
と萃。
「朝礼台に乗って演説する人の価値観が気になる。
朝礼台を使う価値が分からず、ただ人より高い場所に上りたいから使うのか。
朝礼台が学校のものだから、学校にあるものを踏みつけたくて上るのか。」
と奈美。
「まだまだある。
中学校の許可なく校庭に侵入し、遊具を勝手に使用したことに注意されると使わせないのかと恫喝。」
と萃。
「誰を恫喝している?」
と奈美。
「恫喝するのは、注意しに来た教職員。
生徒には恫喝する代わりに、同意を求める。」
と萃。
「同意を求められた生徒はどうしている?」
と透雲。
「同意もしくは、沈黙。
監視カメラ設置反対派が、生徒の中で多数を占めている。
同意の声以外は聞こえない。」
と萃。
「病む先生多そう。」
と透雲。
「これ以上休職者が増えると学校運営に支障をきたすとして、教職員から、監視カメラ設置反対派に注意を促すことは、中学校の方針で止めている。」
と萃。
「休職者が出たからといって、公立の学校には、すぐに先生が補充されない。」
と透雲。
「中学校は、監視カメラ設置反対派への無抵抗を選んで、残った先生を守ろうとしている、もしくは、保身に振り切った。」
と奈美。
「中学生じゃないのに中学校の遊具を使いたいから使うという考え方の住民が中学校に自由に出入りしている状況が出来上がっていることの不思議。
中学生じゃない人は、中学校に行かずに、遊具がある公園へ行けばいいのに。」
と感想を漏らす透雲。
「中学校には、中学生の体格で使える遊具。
小学校の遊具よりも大人は使いやすい。
小学校は崩壊している?」
と奈美。
「牡丹の庭小学校は、崩壊していない。
崩壊せずに踏みとどまっている。
今のところは。」
と萃。
「牡丹の庭中学校の次の矛先が、牡丹の庭小学校ということはない?」
と透雲。
航空写真と地図を見比べる奈美。
「牡丹の庭小学校の立地の方が、団地に近い。」
と奈美。
「牡丹の庭小学校よりも牡丹の庭中学校の方が土地が広く、最寄り駅から遠い。」
と透雲。
「監視カメラ設置反対派が校庭に侵入して遊具を使うことについては、子どものための中学校が守られていないとの訴えが既に届けられている。」
と萃。
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