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第5章 いつになったら、日本に帰れますか?
64.公爵が、オレから片時も離れません。オレの腰を抱いて、オレの横にいます。オレ達の現在地は、王城です。今は、朝礼のお時間ですね。
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早朝、王城に顔パスで入る公爵とオレとそれぞれの秘書。
オレ達は、人通りの少ない廊下を静かに進む。
王城にある公爵の仕事部屋は、元々、公爵の両親が使用していた部屋。
執務室には、執務机が二つあるが、一つは、完全に書類置き場と貸している。
書類を重ねてあるので、下の書類をとるときは、上から順に書類をおろしていき、下の書類をとったら、また積み上げているそうだ。
公爵も若けりゃ、公爵の秘書も若い、仕事の経験もない。
両親の消失した後、両親のポジションを引き継いだ公爵。
公爵も公爵の秘書も、王城での存在感は、羽根のように軽いのか?
近衛騎士団長が、成長を見守ってきた公爵に、自身の甥を婚約者にあてがった理由は、身内として支援するためだったのかなー。
公爵領では、代替わりした公爵が一年ほど不在の間、若い秘書が代理になっても切羽詰まらなかった。
公爵領の領民が、公爵と公爵領を大事にしていた。
「書類は、積むな。」
「置く場所がないんです。」
と公爵の秘書。
「空いている棚は?」
「使っていない棚の中は、分からない。」
と公爵。
オレ達四人は、棚を開けて、空きを確認した。
同時に、ざっくりと、どの棚に何の書類が入っているか一覧表を作成する。
一覧表は、公爵の秘書と、オレの秘書が一枚ずつ作成して保管。
「机に積み上げている書類を日付けでグループ分けする。」
オレの指示で三人が動く。
「国王陛下に交渉して、陳情は、公爵の担当から外してもらう。
陳情を精査する部署はないのか?
いきなり、公爵に陳情を持ち込んでくる無礼者だらけ、だな。」
風呂敷代わりに持ってきた布の上に、陳情を重ねていく。
公爵の地位と立場がいる書類、いらない書類を分けた。
結論。
いらない書類がいっぱい。
仕事の贅肉は、削ぎ落とすに限る。
他人の仕事は、贅肉なのでこそげ落とすに限る。
公爵が、良くわかっていないことをいいことに、自分の仕事を公爵の仕事に振り分けたやつがいる。
そいつは、今、公爵の下についている。
そいつは、消失前の公爵の両親の下にも、ついていた。
そいつは、本気で仕事が出来ない。
もしくは。
公爵の両親から公爵に上司が変わって、態度を変えている。
そいつが、今日出勤してきたら、今日から上司が変わったことを伝えよう。
新上司、オレ。
公爵の秘書に聞いてみると。
そいつは、
『仕事が早く片付くんで。』
と、重役出勤を繰り返している。
他にも、仕事をしていないやつらが複数いることが判明した。
さて、関係各所の朝礼に合わせて、ご挨拶とご案内行脚をしよう。
公爵と公爵の伴侶の肩書きを戦闘服のようにまとって出撃だ。
朝礼が始まるよー。
国王陛下や知っている顔ぶれが見え隠れする。
オレは、今、演説している。
公爵に横から、腰を抱かれながら。
たまに、公爵が、オレにスリついてくる。
気にしない。気にしない。
大き目サイズの二足歩行の人肌に懐かれているんだ、オレは。
「許可を申請するのも、指示を出すのも。
組織の中では、段階的に下から上へと上げていったり、上から下へとおろしていくものだ。」
「組織体系をまるっと無視して、いくつもの部署をすっ飛ばし、公爵に直接書類を出してきているやつらがいる。」
オレは、じろっと、睥睨してやった。
「組織の命令系統を無視していいのか?
王城の文官じゃないのか?」
よし、ヘイトを溜めたな。
「やつらは、途中、途中で、関係する部署をすっ飛ばして、公爵に出している。」
「すっ飛ばしている、という表現で分かるだろう。」
オレは、全体を見てから、ピンポイントで、何箇所かに視線を固定しては、動かすを繰り返した。
「公爵に直接提出する機会がある地位や役職に就いていない者だよ。」
今、オレが、じっと見ていたやつらのことだなー。
「すっ飛ばされた部署は、すっ飛ばされた側であるが、すっ飛ばされた分の仕事はしていない、ということは明白。
関係各所、挽回のための働きに期待する。
挽回が不可能であるなら、現実的な代替案を、オレに、申し出るように。」
公爵に申し出てこいと言ったら、公爵の仕事を増やすことになる。
二人で、分散しようなー。
「部署をすっ飛ばして、公爵に預けられていた書類は、全て、上の部署から順に差し戻していく。
どの書類が、どの部署に関係していたか、各部署が精査しながら、一つずつ、下へと戻していけ。」
どこの誰が、この騒動を引き起こしたか、分かるよな?
同じ過ちは、繰り返さないよな?
文官諸君?
「差し戻しの際。
関係する部署と担当から、公爵がゴーサインを決断できるくらい過不足なく仕上げて、公爵にあげてこなければ、以降も同様の処置とする、と通達しろ。」
最後に、美味しいところを用意したぞ?
心して聞けよ?
「差し戻しした書類を公爵に出した者は全員。
提出した書類が、各関係部署を経て公爵の裁可にかかるための時間を多めに見積もった時間、公爵の伴侶の下に配属する。」
一瞬、ざわざわとして、すっと静かになった。
関係ないやつの方が、多いからなー。
「オレの下に就くのが、閑職となるか、出世コースとなるかは、働き次第。」
オレは、ニヤリと笑う。
自分が楽できりゃいいと、仕事をナメて、苦労だけを公爵に押し付ける根性は、叩き直さないとなー。
新婚ホヤホヤの公爵が、屋敷に帰ってこれなかった原因をつくってくれたやつらだからなー。
オレ達は、人通りの少ない廊下を静かに進む。
王城にある公爵の仕事部屋は、元々、公爵の両親が使用していた部屋。
執務室には、執務机が二つあるが、一つは、完全に書類置き場と貸している。
書類を重ねてあるので、下の書類をとるときは、上から順に書類をおろしていき、下の書類をとったら、また積み上げているそうだ。
公爵も若けりゃ、公爵の秘書も若い、仕事の経験もない。
両親の消失した後、両親のポジションを引き継いだ公爵。
公爵も公爵の秘書も、王城での存在感は、羽根のように軽いのか?
近衛騎士団長が、成長を見守ってきた公爵に、自身の甥を婚約者にあてがった理由は、身内として支援するためだったのかなー。
公爵領では、代替わりした公爵が一年ほど不在の間、若い秘書が代理になっても切羽詰まらなかった。
公爵領の領民が、公爵と公爵領を大事にしていた。
「書類は、積むな。」
「置く場所がないんです。」
と公爵の秘書。
「空いている棚は?」
「使っていない棚の中は、分からない。」
と公爵。
オレ達四人は、棚を開けて、空きを確認した。
同時に、ざっくりと、どの棚に何の書類が入っているか一覧表を作成する。
一覧表は、公爵の秘書と、オレの秘書が一枚ずつ作成して保管。
「机に積み上げている書類を日付けでグループ分けする。」
オレの指示で三人が動く。
「国王陛下に交渉して、陳情は、公爵の担当から外してもらう。
陳情を精査する部署はないのか?
いきなり、公爵に陳情を持ち込んでくる無礼者だらけ、だな。」
風呂敷代わりに持ってきた布の上に、陳情を重ねていく。
公爵の地位と立場がいる書類、いらない書類を分けた。
結論。
いらない書類がいっぱい。
仕事の贅肉は、削ぎ落とすに限る。
他人の仕事は、贅肉なのでこそげ落とすに限る。
公爵が、良くわかっていないことをいいことに、自分の仕事を公爵の仕事に振り分けたやつがいる。
そいつは、今、公爵の下についている。
そいつは、消失前の公爵の両親の下にも、ついていた。
そいつは、本気で仕事が出来ない。
もしくは。
公爵の両親から公爵に上司が変わって、態度を変えている。
そいつが、今日出勤してきたら、今日から上司が変わったことを伝えよう。
新上司、オレ。
公爵の秘書に聞いてみると。
そいつは、
『仕事が早く片付くんで。』
と、重役出勤を繰り返している。
他にも、仕事をしていないやつらが複数いることが判明した。
さて、関係各所の朝礼に合わせて、ご挨拶とご案内行脚をしよう。
公爵と公爵の伴侶の肩書きを戦闘服のようにまとって出撃だ。
朝礼が始まるよー。
国王陛下や知っている顔ぶれが見え隠れする。
オレは、今、演説している。
公爵に横から、腰を抱かれながら。
たまに、公爵が、オレにスリついてくる。
気にしない。気にしない。
大き目サイズの二足歩行の人肌に懐かれているんだ、オレは。
「許可を申請するのも、指示を出すのも。
組織の中では、段階的に下から上へと上げていったり、上から下へとおろしていくものだ。」
「組織体系をまるっと無視して、いくつもの部署をすっ飛ばし、公爵に直接書類を出してきているやつらがいる。」
オレは、じろっと、睥睨してやった。
「組織の命令系統を無視していいのか?
王城の文官じゃないのか?」
よし、ヘイトを溜めたな。
「やつらは、途中、途中で、関係する部署をすっ飛ばして、公爵に出している。」
「すっ飛ばしている、という表現で分かるだろう。」
オレは、全体を見てから、ピンポイントで、何箇所かに視線を固定しては、動かすを繰り返した。
「公爵に直接提出する機会がある地位や役職に就いていない者だよ。」
今、オレが、じっと見ていたやつらのことだなー。
「すっ飛ばされた部署は、すっ飛ばされた側であるが、すっ飛ばされた分の仕事はしていない、ということは明白。
関係各所、挽回のための働きに期待する。
挽回が不可能であるなら、現実的な代替案を、オレに、申し出るように。」
公爵に申し出てこいと言ったら、公爵の仕事を増やすことになる。
二人で、分散しようなー。
「部署をすっ飛ばして、公爵に預けられていた書類は、全て、上の部署から順に差し戻していく。
どの書類が、どの部署に関係していたか、各部署が精査しながら、一つずつ、下へと戻していけ。」
どこの誰が、この騒動を引き起こしたか、分かるよな?
同じ過ちは、繰り返さないよな?
文官諸君?
「差し戻しの際。
関係する部署と担当から、公爵がゴーサインを決断できるくらい過不足なく仕上げて、公爵にあげてこなければ、以降も同様の処置とする、と通達しろ。」
最後に、美味しいところを用意したぞ?
心して聞けよ?
「差し戻しした書類を公爵に出した者は全員。
提出した書類が、各関係部署を経て公爵の裁可にかかるための時間を多めに見積もった時間、公爵の伴侶の下に配属する。」
一瞬、ざわざわとして、すっと静かになった。
関係ないやつの方が、多いからなー。
「オレの下に就くのが、閑職となるか、出世コースとなるかは、働き次第。」
オレは、ニヤリと笑う。
自分が楽できりゃいいと、仕事をナメて、苦労だけを公爵に押し付ける根性は、叩き直さないとなー。
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