309 / 673
第9章 オレはケレメイン大公国の大公妃殿下です。
309.ミーレ長官の焦りは、情報全公開の弊害ですか?ミーレ長官に接触してきたのは、どこのどいつですか?スパイを野放しにした弊害が、今ここに。
しおりを挟む
「今回、女神様が顕現されたのは、女神様の英雄を蔑ろにした者への裁定を下すため。
裁定後も顕現されているのは、女神様のお気持ち。」
オレの加護としての顕現だから、多分、女神様として力をふるうことに制約がある。
「ヒサツグ様が、女神様にお聞きくだされば。」
とミーレ長官。
お母さんの最期が知りたいというミーレ長官の思いを粗雑に扱いたくはないけれどなー。
聞く相手が女神様だってこと、忘れていないかな?
女神様の思考自体が、一筋縄ではいかないのもあるけれど。
女神様の住人に対する認識は、しもべの国王陛下とお気に入りの英雄と、それ以外、なんだぞ?
ミーレ長官には、そういう話をしたはずなんだけどなー。
なんでだろうな?
以前は思い込みで突っ走っていたけれど、今回は、追い詰められているような。
追い詰められ?
ミーレ長官を追い詰める人が、今のケレメイン大公国にいるかな?
あー。
いた、いた。
世界各国からの選りすぐりのお客様を野放しにしていたんだった。
情報全公開の弊害だな。
どこのどいつだ?
どのスパイだ?
ミーレ長官に、何をささやいて、動揺させたのかな?
「ミーレ長官は、女神様に聞くことで、失うものの覚悟はしている?
今までと同じではいられない、という覚悟はある?」
「どのような話でも。」
とミーレ長官。
「甘い。
オレが、対等な女神様に話を聞くとなれば、話に見合う対価をミーレ長官が用意しなければならない。
女神様は、気に入ったものは、魔王の消失で、勝手に持っていく。
現在、この世界にあるものは、女神様が持っていかなかったもの。
残されたものの中に、女神様が、新たに気に入って、対価として受け取ってもらえるものがないと、女神様から話は聞けない。」
「そんな。価値がないものしかないとは。」
とミーレ長官。
「女神様にとって価値があるという点と、人が価値を見出す点は、全く同じだとは限らない。」
とクロード。
その通り。
「女神様は、技術のある人を持っていく。技術を生み出す人に価値を見出す。
女神様に確認したわけじゃないけれど、消失でこの世から姿を消した人の共通点から、傾向を調べることはできた。
女神様は、その人自身ではなく、その人にある才能を愛している。
芸術そのものじゃなく、芸術を生み出す才能。
例えば、歌がうまいと評判でも、自分で歌詞や曲を作っていない人は、消失していない。
消失したのは、自分の世界観を作り出せる人の中で、女神様の基準を満たし、女神様の好みに合う人。」
ミーレ長官は、瞬き一つしない。
どんだけ思い詰めているのかが、伝わってくる。
どこのスパイだ!
何を吹き込んだ?
クロードが言おうとした台詞を、オレは止めた。
ミーレ長官は、オレの部下だ。
上司のオレが言わなくちゃならないんだ。
「女神様に願うなら、ミーレ長官は、女神様に差し出す必要がある。
お母さんの死の真相に迫るために、別の命を。
ケレメイン大公国の国民ではない人の命を。」
ミーレ長官は、はっとした様子を見せた。
「ミーレ長官は、ケレメイン大公国の国民だからな?
女神様は、ミーレ長官の命は持っていかないぞ。」
ミーレ長官は、自身の命を賭けて、真相に迫ろうと考えているような気がしていたんだ。
ミーレ長官が、自身の命を賭けようと思うってことは、スパイが接触してきた内容は、ミーレ長官の妻子に関わる情報かな。
「ミーレ長官が、別の命を差し出すと決めているなら、準備が必要だぞ?
外国で才能ある人を見つけてきて、その才能を技術として継承させておかないとな。
女神様に差し出せば、その才能は、永遠に人の世から失われるんだ。
その点、人は、女神様とは違う。
極言すれば、技術を生み出したその人自身でなくても、技術が使えさえしたら、満足だ。
技術が、技法として公開されたら、技術者が誰でも気にならない。
品質が維持できていれば、という前提はあるけどな。」
ミーレ長官の奥様が、心配そうにミーレ長官を見ている。
ミーレ長官の奥様は、ミーレ長官の事情を知らないのかな。
「ミーレ長官は、抱え込んでいるものを、吐き出せ。
ミーレ長官が、抱え込んでいるものをどうにかするのは、ミーレ長官一人じゃ難しいだろ?
オレは、ミーレ長官の上司だぞ?
部下なら、相談しにこい!」
裁定後も顕現されているのは、女神様のお気持ち。」
オレの加護としての顕現だから、多分、女神様として力をふるうことに制約がある。
「ヒサツグ様が、女神様にお聞きくだされば。」
とミーレ長官。
お母さんの最期が知りたいというミーレ長官の思いを粗雑に扱いたくはないけれどなー。
聞く相手が女神様だってこと、忘れていないかな?
女神様の思考自体が、一筋縄ではいかないのもあるけれど。
女神様の住人に対する認識は、しもべの国王陛下とお気に入りの英雄と、それ以外、なんだぞ?
ミーレ長官には、そういう話をしたはずなんだけどなー。
なんでだろうな?
以前は思い込みで突っ走っていたけれど、今回は、追い詰められているような。
追い詰められ?
ミーレ長官を追い詰める人が、今のケレメイン大公国にいるかな?
あー。
いた、いた。
世界各国からの選りすぐりのお客様を野放しにしていたんだった。
情報全公開の弊害だな。
どこのどいつだ?
どのスパイだ?
ミーレ長官に、何をささやいて、動揺させたのかな?
「ミーレ長官は、女神様に聞くことで、失うものの覚悟はしている?
今までと同じではいられない、という覚悟はある?」
「どのような話でも。」
とミーレ長官。
「甘い。
オレが、対等な女神様に話を聞くとなれば、話に見合う対価をミーレ長官が用意しなければならない。
女神様は、気に入ったものは、魔王の消失で、勝手に持っていく。
現在、この世界にあるものは、女神様が持っていかなかったもの。
残されたものの中に、女神様が、新たに気に入って、対価として受け取ってもらえるものがないと、女神様から話は聞けない。」
「そんな。価値がないものしかないとは。」
とミーレ長官。
「女神様にとって価値があるという点と、人が価値を見出す点は、全く同じだとは限らない。」
とクロード。
その通り。
「女神様は、技術のある人を持っていく。技術を生み出す人に価値を見出す。
女神様に確認したわけじゃないけれど、消失でこの世から姿を消した人の共通点から、傾向を調べることはできた。
女神様は、その人自身ではなく、その人にある才能を愛している。
芸術そのものじゃなく、芸術を生み出す才能。
例えば、歌がうまいと評判でも、自分で歌詞や曲を作っていない人は、消失していない。
消失したのは、自分の世界観を作り出せる人の中で、女神様の基準を満たし、女神様の好みに合う人。」
ミーレ長官は、瞬き一つしない。
どんだけ思い詰めているのかが、伝わってくる。
どこのスパイだ!
何を吹き込んだ?
クロードが言おうとした台詞を、オレは止めた。
ミーレ長官は、オレの部下だ。
上司のオレが言わなくちゃならないんだ。
「女神様に願うなら、ミーレ長官は、女神様に差し出す必要がある。
お母さんの死の真相に迫るために、別の命を。
ケレメイン大公国の国民ではない人の命を。」
ミーレ長官は、はっとした様子を見せた。
「ミーレ長官は、ケレメイン大公国の国民だからな?
女神様は、ミーレ長官の命は持っていかないぞ。」
ミーレ長官は、自身の命を賭けて、真相に迫ろうと考えているような気がしていたんだ。
ミーレ長官が、自身の命を賭けようと思うってことは、スパイが接触してきた内容は、ミーレ長官の妻子に関わる情報かな。
「ミーレ長官が、別の命を差し出すと決めているなら、準備が必要だぞ?
外国で才能ある人を見つけてきて、その才能を技術として継承させておかないとな。
女神様に差し出せば、その才能は、永遠に人の世から失われるんだ。
その点、人は、女神様とは違う。
極言すれば、技術を生み出したその人自身でなくても、技術が使えさえしたら、満足だ。
技術が、技法として公開されたら、技術者が誰でも気にならない。
品質が維持できていれば、という前提はあるけどな。」
ミーレ長官の奥様が、心配そうにミーレ長官を見ている。
ミーレ長官の奥様は、ミーレ長官の事情を知らないのかな。
「ミーレ長官は、抱え込んでいるものを、吐き出せ。
ミーレ長官が、抱え込んでいるものをどうにかするのは、ミーレ長官一人じゃ難しいだろ?
オレは、ミーレ長官の上司だぞ?
部下なら、相談しにこい!」
40
あなたにおすすめの小説
異世界転移してΩになった俺(アラフォーリーマン)、庇護欲高めα騎士に身も心も溶かされる
ヨドミ
BL
もし生まれ変わったら、俺は思う存分甘やかされたい――。
アラフォーリーマン(社畜)である福沢裕介は、通勤途中、事故により異世界へ転移してしまう。
異世界ローリア王国皇太子の花嫁として召喚されたが、転移して早々、【災厄のΩ】と告げられ殺されそうになる。
【災厄のΩ】、それは複数のαを番にすることができるΩのことだった――。
αがハーレムを築くのが常識とされる異世界では、【災厄のΩ】は忌むべき存在。
負の烙印を押された裕介は、間一髪、銀髪のα騎士ジェイドに助けられ、彼の庇護のもと、騎士団施設で居候することに。
「αがΩを守るのは当然だ」とジェイドは裕介の世話を焼くようになって――。
庇護欲高め騎士(α)と甘やかされたいけどプライドが邪魔をして素直になれない中年リーマン(Ω)のすれ違いラブファンタジー。
※Rシーンには♡マークをつけます。
氷の騎士団長様の悪妻とかイヤなので離婚しようと思います
黄金
BL
目が覚めたら、ここは読んでたBL漫画の世界。冷静冷淡な氷の騎士団長様の妻になっていた。しかもその役は名前も出ない悪妻!
だったら離婚したい!
ユンネの野望は離婚、漫画の主人公を見たい、という二つの事。
お供に老侍従ソマルデを伴って、主人公がいる王宮に向かうのだった。
本編61話まで
番外編 なんか長くなってます。お付き合い下されば幸いです。
※細目キャラが好きなので書いてます。
多くの方に読んでいただき嬉しいです。
コメント、お気に入り、しおり、イイねを沢山有難うございます。
【完結】伯爵家当主になりますので、お飾りの婚約者の僕は早く捨てて下さいね?
MEIKO
BL
【完結】伯爵家次男のマリンは、公爵家嫡男のミシェルの婚約者として一緒に過ごしているが実際はお飾りの存在だ。そんなマリンは池に落ちたショックで前世は日本人の男子で今この世界が小説の中なんだと気付いた。マズい!このままだとミシェルから婚約破棄されて路頭に迷う未来しか見えない!
僕はそこから前世の特技を活かしてお金を貯め、ミシェルに愛する人が現れるその日に備えだす。2年後、万全の備えと新たな朗報を得た僕は、もう婚約破棄してもらっていいんですけど?ってミシェルに告げる。なのに対象外のはずの僕に未練たらたらなのどうして?
※R対象話には『*』マーク付けます。
【完】ラスボス(予定)に転生しましたが、家を出て幸せになります
ナナメ
BL
8歳の頃ここが『光の勇者と救世の御子』の小説、もしくはそれに類似した世界であるという記憶が甦ったウル。
家族に疎まれながら育った自分は囮で偽物の王太子の婚約者である事、同い年の義弟ハガルが本物の婚約者である事、真実を告げられた日に全てを失い絶望して魔王になってしまう事ーーそれを、思い出した。
思い出したからには思いどおりになるものか、そして小説のちょい役である推しの元で幸せになってみせる!と10年かけて下地を築いた卒業パーティーの日ーー
ーーさあ、早く来い!僕の10年の努力の成果よ今ここに!
魔王になりたくないラスボス(予定)と、本来超脇役のおっさんとの物語。
※体調次第で書いておりますのでかなりの鈍足更新になっております。ご了承頂ければ幸いです。
※表紙はAI作成です
転生したら嫌われ者No.01のザコキャラだった 〜引き篭もりニートは落ちぶれ王族に転生しました〜
隍沸喰(隍沸かゆ)
BL
引き篭もりニートの俺は大人にも子供にも人気の話題のゲーム『WoRLD oF SHiSUTo』の次回作を遂に手に入れたが、その直後に死亡してしまった。
目覚めたらその世界で最も嫌われ、前世でも嫌われ続けていたあの落ちぶれた元王族《ヴァントリア・オルテイル》になっていた。
同じ檻に入っていた子供を看病したのに殺されかけ、王である兄には冷たくされ…………それでもめげずに頑張ります!
俺を襲ったことで連れて行かれた子供を助けるために、まずは脱獄からだ!
重複投稿:小説家になろう(ムーンライトノベルズ)
注意:
残酷な描写あり
表紙は力不足な自作イラスト
誤字脱字が多いです!
お気に入り・感想ありがとうございます。
皆さんありがとうございました!
BLランキング1位(2021/8/1 20:02)
HOTランキング15位(2021/8/1 20:02)
他サイト日間BLランキング2位(2019/2/21 20:00)
ツンデレ、執着キャラ、おバカ主人公、魔法、主人公嫌われ→愛されです。
いらないと思いますが感想・ファンアート?などのSNSタグは #嫌01 です。私も宣伝や時々描くイラストに使っています。利用していただいて構いません!
【本編完結】異世界で政略結婚したオレ?!
カヨワイさつき
BL
美少女の中身は32歳の元オトコ。
魔法と剣、そして魔物がいる世界で
年の差12歳の政略結婚?!
ある日突然目を覚ましたら前世の記憶が……。
冷酷非道と噂される王子との婚約、そして結婚。
人形のような美少女?になったオレの物語。
オレは何のために生まれたのだろうか?
もう一人のとある人物は……。
2022年3月9日の夕方、本編完結
番外編追加完結。
【完結】気が付いたらマッチョなblゲーの主人公になっていた件
白井のわ
BL
雄っぱいが大好きな俺は、気が付いたら大好きなblゲーの主人公になっていた。
最初から好感度MAXのマッチョな攻略対象達に迫られて正直心臓がもちそうもない。
いつも俺を第一に考えてくれる幼なじみ、優しいイケオジの先生、憧れの先輩、皆とのイチャイチャハーレムエンドを目指す俺の学園生活が今始まる。
令嬢に転生したと思ったけどちょっと違った
しそみょうが
BL
前世男子大学生だったが今世では公爵令嬢に転生したアシュリー8歳は、王城の廊下で4歳年下の第2王子イーライに一目惚れされて婚約者になる。なんやかんやで両想いだった2人だが、イーライの留学中にアシュリーに成長期が訪れ立派な青年に成長してしまう。アシュリーが転生したのは女性ではなくカントボーイだったのだ。泣く泣く婚約者を辞するアシュリーは名前を変えて王城の近衛騎士となる。婚約者にフラれて隣国でグレたと噂の殿下が5年ぶりに帰国してーー?
という、婚約者大好き年下王子☓元令嬢のカントボーイ騎士のお話です。前半3話目までは子ども時代で、成長した後半にR18がちょこっとあります♡
短編コメディです
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる