310 / 673
第9章 オレはケレメイン大公国の大公妃殿下です。
310.ミーレ長官は、相談してきません。ミーレ長官をエサ場に、スパイを釣り上げる計画をたてました。スパイをあぶりだしましょうか。
しおりを挟む
ミーレ長官は、頑なに口を割らなかった。
脅されているのかなー。
「ミーレ長官の奥様は、奥様とお子さんで協力して、ミーレ長官を一人にしないように。
これは命令。
ミーレ長官に近づいてくる人は日時と特徴、用件をオレに報告すること。
安全のために、城に住めと言いたいけれど、城も混乱している最中。
どこにいても、スパイからの接触は避けられないなら、いつどこで、どのスパイと接触したか、記録をとって、強みにするぞ。」
「かしこまりました。」
とミーレ長官の奥様。
「任務を言い渡す。
ミーレ長官は、エサ場となり、スパイ収集。
ミーレ長官の奥様とお子さんで、エサ場にくる肉食動物の調査。
家族で、オレに報告にくること。」
ミーレ長官の子どもと、オレは会ったことがない。
ミーレ長官とミーレ長官の奥様は、子どもを表舞台に出さないと決めて、守ってきた。
ケレメイン大公クロードと大公妃殿下であるオレが、ミーレ長官の子どもに面識がない状態にすることで、子どもを大人の政治から隔離してきた。
ケレメイン大公国が安泰であれば、問題ない方法だったけれど。
土台がぐらついている今。
守る対象の顔や人となりは把握しておかないと、守れない。
ミーレ長官は、他人を頼ることができなくなっている。
王太子時代は、王太子として自然に頼れていたんだろうけれど。
王太子でなくなり、一介の王族として、マウンテン王国の貴族社会を生きている間。
当たり前に支えてくれていた手が、もう誰からも伸ばされない経験をしたら。
頼る相手がいないと思い知って。
誰にも頼らないようになったんじゃないかな。
何年も、他人に頼らないで生きてきたミーレ長官の上司は、足元をひっくり返されそうになっている頼りがいのなさそうなオレ。
王太子だった時間と王太子でなくなった時間を経験したミーレ長官は、オレに頼ろうという思考にはならなかったんだな。
ミーレ長官自ら、オレに報告、連絡、相談をするようになってもらわないとオレが困る、と、今のミーレ長官に言っても、頭に残らないだろうからな。
ミーレ長官の奥様に奮起してもらおう。
「子どもは。」
と逡巡するミーレ長官に、オレは、家族が別行動する危険性を説いた。
「ミーレ長官とミーレ長官の奥様と、お子さん。
家族が揃っていれば、バラバラでいるより安心だ。
今のケレメイン大公国は、人の出入りが多いから、人目がある。
でも、人の多さは、何かを企む人の出入りも可能にしている。
ミーレ長官のお子さんを知らなければ、守ることができない。
家族を利用させないだけじゃなく、家族を守る体制にシフトしていこう、ミーレ長官。」
「私は、家族を守れています。」
とミーレ長官。
うーん。
ミーレ長官が手強い。
「ミーレ長官の家族には、ミーレ長官自身も含まれるんだから、ミーレ長官自身も守られていないとな?」
カズラくんは、何か知らないかなー。
ミーレ長官夫妻を帰したら、カズラくんに聞いてみよう。
脅されているのかなー。
「ミーレ長官の奥様は、奥様とお子さんで協力して、ミーレ長官を一人にしないように。
これは命令。
ミーレ長官に近づいてくる人は日時と特徴、用件をオレに報告すること。
安全のために、城に住めと言いたいけれど、城も混乱している最中。
どこにいても、スパイからの接触は避けられないなら、いつどこで、どのスパイと接触したか、記録をとって、強みにするぞ。」
「かしこまりました。」
とミーレ長官の奥様。
「任務を言い渡す。
ミーレ長官は、エサ場となり、スパイ収集。
ミーレ長官の奥様とお子さんで、エサ場にくる肉食動物の調査。
家族で、オレに報告にくること。」
ミーレ長官の子どもと、オレは会ったことがない。
ミーレ長官とミーレ長官の奥様は、子どもを表舞台に出さないと決めて、守ってきた。
ケレメイン大公クロードと大公妃殿下であるオレが、ミーレ長官の子どもに面識がない状態にすることで、子どもを大人の政治から隔離してきた。
ケレメイン大公国が安泰であれば、問題ない方法だったけれど。
土台がぐらついている今。
守る対象の顔や人となりは把握しておかないと、守れない。
ミーレ長官は、他人を頼ることができなくなっている。
王太子時代は、王太子として自然に頼れていたんだろうけれど。
王太子でなくなり、一介の王族として、マウンテン王国の貴族社会を生きている間。
当たり前に支えてくれていた手が、もう誰からも伸ばされない経験をしたら。
頼る相手がいないと思い知って。
誰にも頼らないようになったんじゃないかな。
何年も、他人に頼らないで生きてきたミーレ長官の上司は、足元をひっくり返されそうになっている頼りがいのなさそうなオレ。
王太子だった時間と王太子でなくなった時間を経験したミーレ長官は、オレに頼ろうという思考にはならなかったんだな。
ミーレ長官自ら、オレに報告、連絡、相談をするようになってもらわないとオレが困る、と、今のミーレ長官に言っても、頭に残らないだろうからな。
ミーレ長官の奥様に奮起してもらおう。
「子どもは。」
と逡巡するミーレ長官に、オレは、家族が別行動する危険性を説いた。
「ミーレ長官とミーレ長官の奥様と、お子さん。
家族が揃っていれば、バラバラでいるより安心だ。
今のケレメイン大公国は、人の出入りが多いから、人目がある。
でも、人の多さは、何かを企む人の出入りも可能にしている。
ミーレ長官のお子さんを知らなければ、守ることができない。
家族を利用させないだけじゃなく、家族を守る体制にシフトしていこう、ミーレ長官。」
「私は、家族を守れています。」
とミーレ長官。
うーん。
ミーレ長官が手強い。
「ミーレ長官の家族には、ミーレ長官自身も含まれるんだから、ミーレ長官自身も守られていないとな?」
カズラくんは、何か知らないかなー。
ミーレ長官夫妻を帰したら、カズラくんに聞いてみよう。
40
あなたにおすすめの小説
異世界転移してΩになった俺(アラフォーリーマン)、庇護欲高めα騎士に身も心も溶かされる
ヨドミ
BL
もし生まれ変わったら、俺は思う存分甘やかされたい――。
アラフォーリーマン(社畜)である福沢裕介は、通勤途中、事故により異世界へ転移してしまう。
異世界ローリア王国皇太子の花嫁として召喚されたが、転移して早々、【災厄のΩ】と告げられ殺されそうになる。
【災厄のΩ】、それは複数のαを番にすることができるΩのことだった――。
αがハーレムを築くのが常識とされる異世界では、【災厄のΩ】は忌むべき存在。
負の烙印を押された裕介は、間一髪、銀髪のα騎士ジェイドに助けられ、彼の庇護のもと、騎士団施設で居候することに。
「αがΩを守るのは当然だ」とジェイドは裕介の世話を焼くようになって――。
庇護欲高め騎士(α)と甘やかされたいけどプライドが邪魔をして素直になれない中年リーマン(Ω)のすれ違いラブファンタジー。
※Rシーンには♡マークをつけます。
氷の騎士団長様の悪妻とかイヤなので離婚しようと思います
黄金
BL
目が覚めたら、ここは読んでたBL漫画の世界。冷静冷淡な氷の騎士団長様の妻になっていた。しかもその役は名前も出ない悪妻!
だったら離婚したい!
ユンネの野望は離婚、漫画の主人公を見たい、という二つの事。
お供に老侍従ソマルデを伴って、主人公がいる王宮に向かうのだった。
本編61話まで
番外編 なんか長くなってます。お付き合い下されば幸いです。
※細目キャラが好きなので書いてます。
多くの方に読んでいただき嬉しいです。
コメント、お気に入り、しおり、イイねを沢山有難うございます。
転生したら嫌われ者No.01のザコキャラだった 〜引き篭もりニートは落ちぶれ王族に転生しました〜
隍沸喰(隍沸かゆ)
BL
引き篭もりニートの俺は大人にも子供にも人気の話題のゲーム『WoRLD oF SHiSUTo』の次回作を遂に手に入れたが、その直後に死亡してしまった。
目覚めたらその世界で最も嫌われ、前世でも嫌われ続けていたあの落ちぶれた元王族《ヴァントリア・オルテイル》になっていた。
同じ檻に入っていた子供を看病したのに殺されかけ、王である兄には冷たくされ…………それでもめげずに頑張ります!
俺を襲ったことで連れて行かれた子供を助けるために、まずは脱獄からだ!
重複投稿:小説家になろう(ムーンライトノベルズ)
注意:
残酷な描写あり
表紙は力不足な自作イラスト
誤字脱字が多いです!
お気に入り・感想ありがとうございます。
皆さんありがとうございました!
BLランキング1位(2021/8/1 20:02)
HOTランキング15位(2021/8/1 20:02)
他サイト日間BLランキング2位(2019/2/21 20:00)
ツンデレ、執着キャラ、おバカ主人公、魔法、主人公嫌われ→愛されです。
いらないと思いますが感想・ファンアート?などのSNSタグは #嫌01 です。私も宣伝や時々描くイラストに使っています。利用していただいて構いません!
異世界に転移したら運命の人の膝の上でした!
鳴海
BL
ある日、異世界に転移した天音(あまね)は、そこでハインツという名のカイネルシア帝国の皇帝に出会った。
この世界では異世界転移者は”界渡り人”と呼ばれる神からの預かり子で、界渡り人の幸せがこの国の繁栄に大きく関与すると言われている。
界渡り人に幸せになってもらいたいハインツのおかげで離宮に住むことになった天音は、日本にいた頃の何倍も贅沢な暮らしをさせてもらえることになった。
そんな天音がやっと異世界での生活に慣れた頃、なぜか危険な目に遭い始めて……。
【完結】伯爵家当主になりますので、お飾りの婚約者の僕は早く捨てて下さいね?
MEIKO
BL
【完結】伯爵家次男のマリンは、公爵家嫡男のミシェルの婚約者として一緒に過ごしているが実際はお飾りの存在だ。そんなマリンは池に落ちたショックで前世は日本人の男子で今この世界が小説の中なんだと気付いた。マズい!このままだとミシェルから婚約破棄されて路頭に迷う未来しか見えない!
僕はそこから前世の特技を活かしてお金を貯め、ミシェルに愛する人が現れるその日に備えだす。2年後、万全の備えと新たな朗報を得た僕は、もう婚約破棄してもらっていいんですけど?ってミシェルに告げる。なのに対象外のはずの僕に未練たらたらなのどうして?
※R対象話には『*』マーク付けます。
「今夜は、ずっと繋がっていたい」というから頷いた結果。
猫宮乾
BL
異世界転移(転生)したワタルが現地の魔術師ユーグと恋人になって、致しているお話です。9割性描写です。※自サイトからの転載です。サイトにこの二人が付き合うまでが置いてありますが、こちら単独でご覧頂けます。
【完】心配性は異世界で番認定された狼獣人に甘やかされる
おはぎ
BL
起きるとそこは見覚えのない場所。死んだ瞬間を思い出して呆然としている優人に、騎士らしき人たちが声を掛けてくる。何で頭に獣耳…?とポカンとしていると、その中の狼獣人のカイラが何故か優しくて、ぴったり身体をくっつけてくる。何でそんなに気遣ってくれるの?と分からない優人は大きな身体に怯えながら何とかこの別世界で生きていこうとする話。
知らない世界に来てあれこれ考えては心配してしまう優人と、優人が可愛くて仕方ないカイラが溺愛しながら支えて甘やかしていきます。
王様お許しください
nano ひにゃ
BL
魔王様に気に入られる弱小魔物。
気ままに暮らしていた所に突然魔王が城と共に現れ抱かれるようになる。
性描写は予告なく入ります、冒頭からですのでご注意ください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる