645 / 673
第9章 オレはケレメイン大公国の大公妃殿下です。
675.オレが大公妃になってから、オレと仕事をするようになった人達と、オレとオレの味方のヒサツグ派の間には越えられない溝がありますので?
しおりを挟む
オレと秘書とヤグルマさんが近づいてきているのを認めた中立派とシガラキノ王女殿下を大公妃に派は、にこやかな笑顔を作って、オレに向けた。
「(そこは、ヒサツグ様に頭を下げたまま待つところだろう。)」
という秘書の苛立たしげな心の声を聞いたような気がするのは、空耳かな?
頭を下げる気配がないので、オレから話をふる。
「祝言に参加した感想は、何かあるかな?」
グラスを揺らしながら話しだしたのは、中立派の文官。
「祝言とは、異世界の結婚式のような風習だそうですね。」
「昔のな。」
短く答えて、次の発言を待つ。
「そういえば。ヒサツグ様は、結婚式の後にお披露目ができていませんでしたね。」
昔の、というオレの返事を掘り下げて、会話を続ける気は、中立派の文官にはなかったらしい。
「そういえば、本日は、結婚式の式の後のお披露目ができなかったことを残念に思われたクロード様が、ヒサツグ様に見せ場を用意された会でしたかなあ?」
サーバル王国のシガラキノ王女殿下を大公妃に派の仕事を請け負っていた職人が、口を開いた。
祝言を結婚式のお披露目の代わりとはうたわなかった。
でも、そういう風に見られていたんだな。
今後も、お披露目したかったのに、できなかったヒサツグの晴れ舞台を用意してもらったんですねー、良かったですねー、と言いそうだな。
あまりにもオレに失礼だから、釘を差しておきたい。
でも、今じゃない。
今は、腹の内のものを吐き出させる時間だ。
「やれ、めでたい日となりまして、お慶び申し上げます。」
グラスを掲げながら祝いの言葉を述べているのは、サーバル王国のシガラキノ王女殿下の個人資産から援助されていた農家の人。
オレとグラスに入っているお酒とグラスを値踏みしている農家の人は、ケレメイン公爵領民ね一部の農家のまとめ役をかってでて、シガラキノ王女の個人資産による優先的な買い付けを受け入れた人だ。
農作物の販売については、サーバル王国の協力者となった人達への販売に特化したために、魔王による消失後すぐから困窮しないどころか、裕福になっている。
オレが、この農家の人に接触してやり取りするようになった理由は、サーバル王国の協力者となった人達と面識があり、連絡手段を持っていたから。
サーバル王国の甘い汁を吸いながら何食わぬ顔している人達の情報をオレは知りたかった。
この農家の人が、オレとのやり取りを拒まなかったのは、好機を見極める目と強い上昇志向を持っていたから。
国への忠誠心や、ケレメイン家への尊敬、オレへの興味からではない。
この農家の人は、農家という顔のまま、農作物を育てるのとは違うことをやりたがっている。
サーバル王国は、この農家の人の上昇志向を嗅ぎ取って、他の農家の人を管理するのに使っていた。
放置しておくには危険だから、監視する。
オレが、直接接触するのは、上昇志向が高じた農家の人が、他の農家さんを利用してさらなる高みを目指したりすることがないようにするため。
この農家の人は、上昇志向が強すぎるのと、魔王による消失前まで階級社会の上の階層の人達との交流がなかったために、階層が上の人との交流の仕方に慣れていない。
オレを下に見ていることを隠しきれていないから、上の階層の人達の仲間にはなれず、後任の適任者が現れるまでは、まとめ役を任され続けるだろう。
そういう人からのお祝いの言葉がどこか空々しいと感じるのは、言葉に心がこもっていないからだよなー。
「お披露目なんぞ、そもそも、ヒサツグ様には必要のないものでしたでしょうに。
クロード様の溺愛ぶりはとどまることを知りませんなあ。
クロード様に愛されているヒサツグ様は、お羨ましい限り。」
サーバル王国のシガラキノ王女殿下を大公妃に派の職人は、シガラキノ王女殿下が大公妃になっていないうちから、大公妃御用達の看板を作り、吹聴していた。
クロードに愛されていてヒサツグ様は無敵ですね、と言いたいんだろうなー。
職人がシガラキノ王女殿下のために作ったものは、全て、シガラキノ王女殿下がサーバル王国へと持ち帰った。
職人が大公妃シガラキノ様のために、と作って喧伝したものは一つも、ケレメイン大公国には残っていない。
クロードとの新婚夫婦用を想定して作られていたものばかりだったから、持ち帰ったシガラキノ様がサーバル王国で使っているかは不明だけどな。
職人が手がけたものは、シガラキノ様の好みを反映していた。
クロードから侵略だと糾弾され、女神様から認められなかったために、大公妃にならなかったと認識されたシガラキノ様の好みの品々を一般客へ売り出しても、買い手がつかない。
ケレメイン大公国では曰くありの代物になる。
シガラキノ様が持ち帰らなかったら、職人の手がけたものは、二束三文でもケレメイン大公国では売れなかったと思う。
サーバル王国のシガラキノ王女殿下を大公妃に派の職人として喧伝したりされたりして、名前を売った職人は、シガラキノ様の仕事を優先するあまりに、仕事を選びすぎて、シガラキノ様以外の一般客が職人の顧客リストから消えてしまった。
魔王による消失後から羽振りがよかった職人は、シガラキノ様が大公妃にならなかったために、命と技術以外と最低限の生活以外を失っている。
オレが取引を持ちかけなかったら、職人は行き詰まっていた。
職人の技術は確かだから、取引しようとオレは考えたんだけどさ。
生活のためにオレの仕事を引き受けたことは、職人のプライドを傷つけることだったらしい。
オレに取引を持ちかけられて生活に困らなくなった職人は。
生活に困らなくなったことを助かったとは考えなかった。
生きていくのにきゅうきゅうしなくて良くなった職人は、オレに職人としての輝かしい人生をつぶされて悔しいという思いがふつふつと込み上げてきたらしい。
オレが、恨みは水に流してやるぞ、という気持ちでいても、逆恨みされている。
気持ちいい関係を築けているとは言えないんだよなー。
「(そこは、ヒサツグ様に頭を下げたまま待つところだろう。)」
という秘書の苛立たしげな心の声を聞いたような気がするのは、空耳かな?
頭を下げる気配がないので、オレから話をふる。
「祝言に参加した感想は、何かあるかな?」
グラスを揺らしながら話しだしたのは、中立派の文官。
「祝言とは、異世界の結婚式のような風習だそうですね。」
「昔のな。」
短く答えて、次の発言を待つ。
「そういえば。ヒサツグ様は、結婚式の後にお披露目ができていませんでしたね。」
昔の、というオレの返事を掘り下げて、会話を続ける気は、中立派の文官にはなかったらしい。
「そういえば、本日は、結婚式の式の後のお披露目ができなかったことを残念に思われたクロード様が、ヒサツグ様に見せ場を用意された会でしたかなあ?」
サーバル王国のシガラキノ王女殿下を大公妃に派の仕事を請け負っていた職人が、口を開いた。
祝言を結婚式のお披露目の代わりとはうたわなかった。
でも、そういう風に見られていたんだな。
今後も、お披露目したかったのに、できなかったヒサツグの晴れ舞台を用意してもらったんですねー、良かったですねー、と言いそうだな。
あまりにもオレに失礼だから、釘を差しておきたい。
でも、今じゃない。
今は、腹の内のものを吐き出させる時間だ。
「やれ、めでたい日となりまして、お慶び申し上げます。」
グラスを掲げながら祝いの言葉を述べているのは、サーバル王国のシガラキノ王女殿下の個人資産から援助されていた農家の人。
オレとグラスに入っているお酒とグラスを値踏みしている農家の人は、ケレメイン公爵領民ね一部の農家のまとめ役をかってでて、シガラキノ王女の個人資産による優先的な買い付けを受け入れた人だ。
農作物の販売については、サーバル王国の協力者となった人達への販売に特化したために、魔王による消失後すぐから困窮しないどころか、裕福になっている。
オレが、この農家の人に接触してやり取りするようになった理由は、サーバル王国の協力者となった人達と面識があり、連絡手段を持っていたから。
サーバル王国の甘い汁を吸いながら何食わぬ顔している人達の情報をオレは知りたかった。
この農家の人が、オレとのやり取りを拒まなかったのは、好機を見極める目と強い上昇志向を持っていたから。
国への忠誠心や、ケレメイン家への尊敬、オレへの興味からではない。
この農家の人は、農家という顔のまま、農作物を育てるのとは違うことをやりたがっている。
サーバル王国は、この農家の人の上昇志向を嗅ぎ取って、他の農家の人を管理するのに使っていた。
放置しておくには危険だから、監視する。
オレが、直接接触するのは、上昇志向が高じた農家の人が、他の農家さんを利用してさらなる高みを目指したりすることがないようにするため。
この農家の人は、上昇志向が強すぎるのと、魔王による消失前まで階級社会の上の階層の人達との交流がなかったために、階層が上の人との交流の仕方に慣れていない。
オレを下に見ていることを隠しきれていないから、上の階層の人達の仲間にはなれず、後任の適任者が現れるまでは、まとめ役を任され続けるだろう。
そういう人からのお祝いの言葉がどこか空々しいと感じるのは、言葉に心がこもっていないからだよなー。
「お披露目なんぞ、そもそも、ヒサツグ様には必要のないものでしたでしょうに。
クロード様の溺愛ぶりはとどまることを知りませんなあ。
クロード様に愛されているヒサツグ様は、お羨ましい限り。」
サーバル王国のシガラキノ王女殿下を大公妃に派の職人は、シガラキノ王女殿下が大公妃になっていないうちから、大公妃御用達の看板を作り、吹聴していた。
クロードに愛されていてヒサツグ様は無敵ですね、と言いたいんだろうなー。
職人がシガラキノ王女殿下のために作ったものは、全て、シガラキノ王女殿下がサーバル王国へと持ち帰った。
職人が大公妃シガラキノ様のために、と作って喧伝したものは一つも、ケレメイン大公国には残っていない。
クロードとの新婚夫婦用を想定して作られていたものばかりだったから、持ち帰ったシガラキノ様がサーバル王国で使っているかは不明だけどな。
職人が手がけたものは、シガラキノ様の好みを反映していた。
クロードから侵略だと糾弾され、女神様から認められなかったために、大公妃にならなかったと認識されたシガラキノ様の好みの品々を一般客へ売り出しても、買い手がつかない。
ケレメイン大公国では曰くありの代物になる。
シガラキノ様が持ち帰らなかったら、職人の手がけたものは、二束三文でもケレメイン大公国では売れなかったと思う。
サーバル王国のシガラキノ王女殿下を大公妃に派の職人として喧伝したりされたりして、名前を売った職人は、シガラキノ様の仕事を優先するあまりに、仕事を選びすぎて、シガラキノ様以外の一般客が職人の顧客リストから消えてしまった。
魔王による消失後から羽振りがよかった職人は、シガラキノ様が大公妃にならなかったために、命と技術以外と最低限の生活以外を失っている。
オレが取引を持ちかけなかったら、職人は行き詰まっていた。
職人の技術は確かだから、取引しようとオレは考えたんだけどさ。
生活のためにオレの仕事を引き受けたことは、職人のプライドを傷つけることだったらしい。
オレに取引を持ちかけられて生活に困らなくなった職人は。
生活に困らなくなったことを助かったとは考えなかった。
生きていくのにきゅうきゅうしなくて良くなった職人は、オレに職人としての輝かしい人生をつぶされて悔しいという思いがふつふつと込み上げてきたらしい。
オレが、恨みは水に流してやるぞ、という気持ちでいても、逆恨みされている。
気持ちいい関係を築けているとは言えないんだよなー。
60
あなたにおすすめの小説
異世界転移してΩになった俺(アラフォーリーマン)、庇護欲高めα騎士に身も心も溶かされる
ヨドミ
BL
もし生まれ変わったら、俺は思う存分甘やかされたい――。
アラフォーリーマン(社畜)である福沢裕介は、通勤途中、事故により異世界へ転移してしまう。
異世界ローリア王国皇太子の花嫁として召喚されたが、転移して早々、【災厄のΩ】と告げられ殺されそうになる。
【災厄のΩ】、それは複数のαを番にすることができるΩのことだった――。
αがハーレムを築くのが常識とされる異世界では、【災厄のΩ】は忌むべき存在。
負の烙印を押された裕介は、間一髪、銀髪のα騎士ジェイドに助けられ、彼の庇護のもと、騎士団施設で居候することに。
「αがΩを守るのは当然だ」とジェイドは裕介の世話を焼くようになって――。
庇護欲高め騎士(α)と甘やかされたいけどプライドが邪魔をして素直になれない中年リーマン(Ω)のすれ違いラブファンタジー。
※Rシーンには♡マークをつけます。
氷の騎士団長様の悪妻とかイヤなので離婚しようと思います
黄金
BL
目が覚めたら、ここは読んでたBL漫画の世界。冷静冷淡な氷の騎士団長様の妻になっていた。しかもその役は名前も出ない悪妻!
だったら離婚したい!
ユンネの野望は離婚、漫画の主人公を見たい、という二つの事。
お供に老侍従ソマルデを伴って、主人公がいる王宮に向かうのだった。
本編61話まで
番外編 なんか長くなってます。お付き合い下されば幸いです。
※細目キャラが好きなので書いてます。
多くの方に読んでいただき嬉しいです。
コメント、お気に入り、しおり、イイねを沢山有難うございます。
【完結】伯爵家当主になりますので、お飾りの婚約者の僕は早く捨てて下さいね?
MEIKO
BL
【完結】伯爵家次男のマリンは、公爵家嫡男のミシェルの婚約者として一緒に過ごしているが実際はお飾りの存在だ。そんなマリンは池に落ちたショックで前世は日本人の男子で今この世界が小説の中なんだと気付いた。マズい!このままだとミシェルから婚約破棄されて路頭に迷う未来しか見えない!
僕はそこから前世の特技を活かしてお金を貯め、ミシェルに愛する人が現れるその日に備えだす。2年後、万全の備えと新たな朗報を得た僕は、もう婚約破棄してもらっていいんですけど?ってミシェルに告げる。なのに対象外のはずの僕に未練たらたらなのどうして?
※R対象話には『*』マーク付けます。
【完】ラスボス(予定)に転生しましたが、家を出て幸せになります
ナナメ
BL
8歳の頃ここが『光の勇者と救世の御子』の小説、もしくはそれに類似した世界であるという記憶が甦ったウル。
家族に疎まれながら育った自分は囮で偽物の王太子の婚約者である事、同い年の義弟ハガルが本物の婚約者である事、真実を告げられた日に全てを失い絶望して魔王になってしまう事ーーそれを、思い出した。
思い出したからには思いどおりになるものか、そして小説のちょい役である推しの元で幸せになってみせる!と10年かけて下地を築いた卒業パーティーの日ーー
ーーさあ、早く来い!僕の10年の努力の成果よ今ここに!
魔王になりたくないラスボス(予定)と、本来超脇役のおっさんとの物語。
※体調次第で書いておりますのでかなりの鈍足更新になっております。ご了承頂ければ幸いです。
※表紙はAI作成です
転生したら嫌われ者No.01のザコキャラだった 〜引き篭もりニートは落ちぶれ王族に転生しました〜
隍沸喰(隍沸かゆ)
BL
引き篭もりニートの俺は大人にも子供にも人気の話題のゲーム『WoRLD oF SHiSUTo』の次回作を遂に手に入れたが、その直後に死亡してしまった。
目覚めたらその世界で最も嫌われ、前世でも嫌われ続けていたあの落ちぶれた元王族《ヴァントリア・オルテイル》になっていた。
同じ檻に入っていた子供を看病したのに殺されかけ、王である兄には冷たくされ…………それでもめげずに頑張ります!
俺を襲ったことで連れて行かれた子供を助けるために、まずは脱獄からだ!
重複投稿:小説家になろう(ムーンライトノベルズ)
注意:
残酷な描写あり
表紙は力不足な自作イラスト
誤字脱字が多いです!
お気に入り・感想ありがとうございます。
皆さんありがとうございました!
BLランキング1位(2021/8/1 20:02)
HOTランキング15位(2021/8/1 20:02)
他サイト日間BLランキング2位(2019/2/21 20:00)
ツンデレ、執着キャラ、おバカ主人公、魔法、主人公嫌われ→愛されです。
いらないと思いますが感想・ファンアート?などのSNSタグは #嫌01 です。私も宣伝や時々描くイラストに使っています。利用していただいて構いません!
【本編完結】異世界で政略結婚したオレ?!
カヨワイさつき
BL
美少女の中身は32歳の元オトコ。
魔法と剣、そして魔物がいる世界で
年の差12歳の政略結婚?!
ある日突然目を覚ましたら前世の記憶が……。
冷酷非道と噂される王子との婚約、そして結婚。
人形のような美少女?になったオレの物語。
オレは何のために生まれたのだろうか?
もう一人のとある人物は……。
2022年3月9日の夕方、本編完結
番外編追加完結。
【完結】気が付いたらマッチョなblゲーの主人公になっていた件
白井のわ
BL
雄っぱいが大好きな俺は、気が付いたら大好きなblゲーの主人公になっていた。
最初から好感度MAXのマッチョな攻略対象達に迫られて正直心臓がもちそうもない。
いつも俺を第一に考えてくれる幼なじみ、優しいイケオジの先生、憧れの先輩、皆とのイチャイチャハーレムエンドを目指す俺の学園生活が今始まる。
令嬢に転生したと思ったけどちょっと違った
しそみょうが
BL
前世男子大学生だったが今世では公爵令嬢に転生したアシュリー8歳は、王城の廊下で4歳年下の第2王子イーライに一目惚れされて婚約者になる。なんやかんやで両想いだった2人だが、イーライの留学中にアシュリーに成長期が訪れ立派な青年に成長してしまう。アシュリーが転生したのは女性ではなくカントボーイだったのだ。泣く泣く婚約者を辞するアシュリーは名前を変えて王城の近衛騎士となる。婚約者にフラれて隣国でグレたと噂の殿下が5年ぶりに帰国してーー?
という、婚約者大好き年下王子☓元令嬢のカントボーイ騎士のお話です。前半3話目までは子ども時代で、成長した後半にR18がちょこっとあります♡
短編コメディです
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる