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気がついたら、僕はハンバーガー屋で彼女の向かいの席に座っていた。
結局、僕は彼女の強引な誘いに付き合った。
「いやー、やっぱりハンバーガーっておいしい!」
本当においしそうにハンバーガーを頬張る彼女を見ながら、僕もハンバーガーをかじる。思ったよりおいしかった。僕の家の近所にあるハンバーガー屋だったが、僕は今まで行ったことがないところだった。
「ねぇ、昨日の事なんだけどさ、あの人たちと涼くんは知り合い?」
「え?昨日のことって?」
一応とぼけておく。
「あのさー、涼くんもしかして、私のこと、ばかにしてる?」
「いや、ばかにしてないよ。ただ、もし君が忘れてるんだったら、僕がまた否定して、それでうまくいけばなーって思ってただけ」
「それ、完全にばかにしてるよね」
彼女は疑わしい人を見るかのように僕を見た。
僕は知らないふりをしてそっぽを向く。
「で、涼くんとあの人たちって知り合い?」
「まぁ・・・知り合いっていえばそうだけど。そんなに穏やかな関係じゃないね」
「じゃあ、昨日涼くん、スマホだして『呼ぶ?』って言ってたじゃん。そしたら、なんであの人たち逃げちゃったの?」
「あぁ・・・あれはね、話すと長いよ」
普通に話が長くなるから断ったと言っても良いが、本当は違う。もし彼女に話したら、絶対に僕のことを笑うだろう。それは勘弁してほしい。
「お願い!長くなってもいいからさ、教えて」
パンッと手を合わせて僕にお願いする彼女。そんなふうに言われたら、話さざるを得ないじゃないか。まぁ、今この店内は空いているし、僕の話を盗み聞きするような人もいないだろう。話すか。
「いいよ。でも、これだけはやめて。僕の話を聞いて、笑うこと」
「あぁ、おっけー」
軽々しい返事に、僕のお願いを本当にきいてくれるか少し心配になってくる。しかし、もう彼女は僕の話を聞く姿勢になっており、ワクワクしたような顔をこちらに向けている。
そんなに面白い話じゃないけど・・・と、前置きをしてから僕は話し始めた。
あれは、一、二ヵ月前のことだから、最近のことだ。
ある日僕は、ひとりで本屋に向かって歩いていた。すると、不運なことに、アイツラ(桜木さんが昨日絡まれた人たち)に会ってしまった。僕に気がつくと、アイツラは僕に話しかけてきた。
「おら、金出せ、金。財布ごと」
もちろん僕は断った。だが、僕のいうことをきくような連中なわけがない。
どうしようかと考えていると、アイツラの長と言ってもよい人が、僕に言った。
「お前、なに考えてるんだよ。お前には、財布を出すという選択肢以外ねぇんだよ」
こうなったら仕方がない。警察を呼ぶふりをして、アイツラを脅そう。もし効かなかったら、本当に警察を呼ぼう、僕はそう決心した。
「呼びますよ、警察」
僕がスマホをだしてそう言うと、アイツラは僕をばかにしたように嘲笑した。
「はっ!お前、俺たちのことを舐めてんのか?サツなんかこんなことで来ねぇよ」
「それはどうでしょう。あなたたちはこの辺では不良ということで有名なので、きちんとそのことを言えばきてくれると思いますよ」
「ペラペラとよう喋るガキだな、うるせぇんだよ。おい、こいつをフルボッコにしてやるぞ。おまえたちも、協力せぃ!」
「わかりました、わかりました。では、ちょっとだけ待っててください」
僕はそう言って、逃げるように走って少し遠くのコンビニに入り、スマホで本当に警察に連絡した。
「もしもし」
「あぁ、警察の方ですか」
「はい、そうですが」
「あの、実は僕、ついさっき不良に絡まれて、金出せって言われたんです。しまいには、僕に暴力を振るおうとしたので、慌てて逃げて、今あなたに電話をしているところです」
「はぁ・・・で?」
「いや、あの、普通に助けてほしいんです。もう、見つかるのも時間の問題です」
返ってきたのは言葉ではなく、溜め息だった。ハァーッと。
僕は思わず言ってしまった。
「溜め息はひどくないですか」
「いやー、君、嘘は良くないよ」
「は!?」
思わぬ返事に僕はびっくりした。
「え、いや、嘘じゃないですけど」
「あのね、君。さっきから不良にある男の子の行方知らないかって訊かれて、答えないと暴力をふってきたと、たくさんの人から連絡がくるんだ。それで私たちが現場に行くと、そこには誰もいない。どうせ君たち、私たち警察に悪戯を仕掛けているんだろう?もうばれているから、やめなさい」
「え、いやいやいや。あの、聞いてください。あの、この事は本当なんです。僕が、さっきあなたが言っていた『ある男の子』なんですよ・・・!」
「警察は警察で、俺らは忙しいんだ。君たちのお遊びにはつきあってあげられないよ」
ブツッ
こうなったら仕方がない。アイツラがやったのか、本当のことかは知らないが、警察がだめなら交番をあたろう。
僕はスマホで近くの交番の電話番号を検索した。すぐにヒットし、僕はその電話番号にかけた。
「すみません」
「はい」
僕はさっき警察の人に話したのとほぼ同じことを言った。
「あぁー、その件ね。もう、解決済みですよ。君がさっき話したように、僕たちのところにもたくさん連絡がきてねぇ。とりあえず捕まえて、事情聴取して、もうやるなと言って家に帰してしまったよ」
結局、僕は彼女の強引な誘いに付き合った。
「いやー、やっぱりハンバーガーっておいしい!」
本当においしそうにハンバーガーを頬張る彼女を見ながら、僕もハンバーガーをかじる。思ったよりおいしかった。僕の家の近所にあるハンバーガー屋だったが、僕は今まで行ったことがないところだった。
「ねぇ、昨日の事なんだけどさ、あの人たちと涼くんは知り合い?」
「え?昨日のことって?」
一応とぼけておく。
「あのさー、涼くんもしかして、私のこと、ばかにしてる?」
「いや、ばかにしてないよ。ただ、もし君が忘れてるんだったら、僕がまた否定して、それでうまくいけばなーって思ってただけ」
「それ、完全にばかにしてるよね」
彼女は疑わしい人を見るかのように僕を見た。
僕は知らないふりをしてそっぽを向く。
「で、涼くんとあの人たちって知り合い?」
「まぁ・・・知り合いっていえばそうだけど。そんなに穏やかな関係じゃないね」
「じゃあ、昨日涼くん、スマホだして『呼ぶ?』って言ってたじゃん。そしたら、なんであの人たち逃げちゃったの?」
「あぁ・・・あれはね、話すと長いよ」
普通に話が長くなるから断ったと言っても良いが、本当は違う。もし彼女に話したら、絶対に僕のことを笑うだろう。それは勘弁してほしい。
「お願い!長くなってもいいからさ、教えて」
パンッと手を合わせて僕にお願いする彼女。そんなふうに言われたら、話さざるを得ないじゃないか。まぁ、今この店内は空いているし、僕の話を盗み聞きするような人もいないだろう。話すか。
「いいよ。でも、これだけはやめて。僕の話を聞いて、笑うこと」
「あぁ、おっけー」
軽々しい返事に、僕のお願いを本当にきいてくれるか少し心配になってくる。しかし、もう彼女は僕の話を聞く姿勢になっており、ワクワクしたような顔をこちらに向けている。
そんなに面白い話じゃないけど・・・と、前置きをしてから僕は話し始めた。
あれは、一、二ヵ月前のことだから、最近のことだ。
ある日僕は、ひとりで本屋に向かって歩いていた。すると、不運なことに、アイツラ(桜木さんが昨日絡まれた人たち)に会ってしまった。僕に気がつくと、アイツラは僕に話しかけてきた。
「おら、金出せ、金。財布ごと」
もちろん僕は断った。だが、僕のいうことをきくような連中なわけがない。
どうしようかと考えていると、アイツラの長と言ってもよい人が、僕に言った。
「お前、なに考えてるんだよ。お前には、財布を出すという選択肢以外ねぇんだよ」
こうなったら仕方がない。警察を呼ぶふりをして、アイツラを脅そう。もし効かなかったら、本当に警察を呼ぼう、僕はそう決心した。
「呼びますよ、警察」
僕がスマホをだしてそう言うと、アイツラは僕をばかにしたように嘲笑した。
「はっ!お前、俺たちのことを舐めてんのか?サツなんかこんなことで来ねぇよ」
「それはどうでしょう。あなたたちはこの辺では不良ということで有名なので、きちんとそのことを言えばきてくれると思いますよ」
「ペラペラとよう喋るガキだな、うるせぇんだよ。おい、こいつをフルボッコにしてやるぞ。おまえたちも、協力せぃ!」
「わかりました、わかりました。では、ちょっとだけ待っててください」
僕はそう言って、逃げるように走って少し遠くのコンビニに入り、スマホで本当に警察に連絡した。
「もしもし」
「あぁ、警察の方ですか」
「はい、そうですが」
「あの、実は僕、ついさっき不良に絡まれて、金出せって言われたんです。しまいには、僕に暴力を振るおうとしたので、慌てて逃げて、今あなたに電話をしているところです」
「はぁ・・・で?」
「いや、あの、普通に助けてほしいんです。もう、見つかるのも時間の問題です」
返ってきたのは言葉ではなく、溜め息だった。ハァーッと。
僕は思わず言ってしまった。
「溜め息はひどくないですか」
「いやー、君、嘘は良くないよ」
「は!?」
思わぬ返事に僕はびっくりした。
「え、いや、嘘じゃないですけど」
「あのね、君。さっきから不良にある男の子の行方知らないかって訊かれて、答えないと暴力をふってきたと、たくさんの人から連絡がくるんだ。それで私たちが現場に行くと、そこには誰もいない。どうせ君たち、私たち警察に悪戯を仕掛けているんだろう?もうばれているから、やめなさい」
「え、いやいやいや。あの、聞いてください。あの、この事は本当なんです。僕が、さっきあなたが言っていた『ある男の子』なんですよ・・・!」
「警察は警察で、俺らは忙しいんだ。君たちのお遊びにはつきあってあげられないよ」
ブツッ
こうなったら仕方がない。アイツラがやったのか、本当のことかは知らないが、警察がだめなら交番をあたろう。
僕はスマホで近くの交番の電話番号を検索した。すぐにヒットし、僕はその電話番号にかけた。
「すみません」
「はい」
僕はさっき警察の人に話したのとほぼ同じことを言った。
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