8 / 35
3-2
しおりを挟む
「うわぁー!映画なんて超久しぶり!楽しみだわ~」
とはしゃいだように言う彼女。
「わかるー」
と彼女と同じようにはしゃぐ清水。
僕は・・・特にはしゃいでいない。そもそもおもしろいかもわからないのに。変に期待して、全然おもしろくなかったら、ものすごく気分が下がるだろう。だったらいっそのこと、期待しない方がいいと思う。
「映画といえば、やっぱりお菓子食べたり、ジュース飲んだりしながら見るのが一番楽しい!」
などと言って、彼女と清水は大量にポップコーンやチュロスなどを買っていた。あとで全部食べられなくても知らないよと言って、僕はジュースだけ買った。
映画上映開始。思ったよりも、映画はおもしろかった。最後の方の感動シーンでは、映画で感動とか、怖いとか、動揺したことはほとんどない僕だが、これにはちょっと感動した。
誰かが鼻をすすった。泣いているのかもしれない。隣を見ると、彼女は泣いていた。もう一方の方を見ると、思わず僕はぎょっとした。清水が号泣していた。意外だ。そんな彼を見ていると、思わずクスッと笑ってしまった。すると清水は、情けない顔で、
「笑うなよ~」
と言ってきた。
「はぁ~!おもしろかった!」
「だな。最後なんて、もうすごかったよ」
「二人とも、泣いてたね」
僕が言うと、二人は僕を見て、顔を真っ赤にしてほぼ叫んだ。
「「泣いてなんかないもん!」」
僕が笑っていると、清水があっと言って僕の後方を指した。
彼女と僕が振り返って見ると、僕らのクラスの担任の花坂がいた。
「花坂先生!」
彼女が言った。
呼ばなくていいのに、と僕は思った。あの人のテンションにはついていけない。
花坂は僕たちを見ると、驚いたような顔をした。そして、僕たちのところに小走りで来た。
「こんなところで会うとは偶然。こんにちは皆さん。桜木さんに、清水さんに、・・・滝沢さん」
花坂は僕もいたことに気づいて、心底驚いているのがありありと分かった。当たり前だろう。友達もいない僕が、休日にクラスメイトと映画館のあるショッピングモールにいるのだから。
「桜木さん、お友達できたのね。良かったわ。こっちにきて、どう?」
「楽しくやってます。涼くんも、葵くんもおもしろい人で」
「へぇー、滝沢さんも?意外。良かったわ。ところで君たち、今日は何をしにここへ?」
花坂が尋ねた。
僕は心の中で、何が意外だ、でも確かに僕はおもしろくない、などとつっこみながら、会話を聞いていた。
「俺たち、さっき映画見てたんすよ。先生にもおすすめだぜ。おもしろかった」
「もしかして、その映画ってあれ?」
と言って花坂は、映画館の前にある電光掲示板の一つを指した。それは、僕たちがついさっき見ていた映画だった。
「そうです」
僕が答えると、花坂は笑った。
「私も、これから見るのよ。楽しみだわ。あっ、もうこんな時間。行かなくちゃ。みんな、また明日ね」
三人は、花坂を見送った。
「じゃあ、お昼ご飯食べて、その後買い物しよ」
と彼女は言った。
「え?僕、昼ご飯は食べること聞いてたけど、買い物するなんて、一切聞いてないけど・・・」
「さっ、行こうぜ」
清水と彼女が知らん振りをしてフードコートのある方に行った。こいつら確信犯だ、と思いながら僕も二人についていった。
とはしゃいだように言う彼女。
「わかるー」
と彼女と同じようにはしゃぐ清水。
僕は・・・特にはしゃいでいない。そもそもおもしろいかもわからないのに。変に期待して、全然おもしろくなかったら、ものすごく気分が下がるだろう。だったらいっそのこと、期待しない方がいいと思う。
「映画といえば、やっぱりお菓子食べたり、ジュース飲んだりしながら見るのが一番楽しい!」
などと言って、彼女と清水は大量にポップコーンやチュロスなどを買っていた。あとで全部食べられなくても知らないよと言って、僕はジュースだけ買った。
映画上映開始。思ったよりも、映画はおもしろかった。最後の方の感動シーンでは、映画で感動とか、怖いとか、動揺したことはほとんどない僕だが、これにはちょっと感動した。
誰かが鼻をすすった。泣いているのかもしれない。隣を見ると、彼女は泣いていた。もう一方の方を見ると、思わず僕はぎょっとした。清水が号泣していた。意外だ。そんな彼を見ていると、思わずクスッと笑ってしまった。すると清水は、情けない顔で、
「笑うなよ~」
と言ってきた。
「はぁ~!おもしろかった!」
「だな。最後なんて、もうすごかったよ」
「二人とも、泣いてたね」
僕が言うと、二人は僕を見て、顔を真っ赤にしてほぼ叫んだ。
「「泣いてなんかないもん!」」
僕が笑っていると、清水があっと言って僕の後方を指した。
彼女と僕が振り返って見ると、僕らのクラスの担任の花坂がいた。
「花坂先生!」
彼女が言った。
呼ばなくていいのに、と僕は思った。あの人のテンションにはついていけない。
花坂は僕たちを見ると、驚いたような顔をした。そして、僕たちのところに小走りで来た。
「こんなところで会うとは偶然。こんにちは皆さん。桜木さんに、清水さんに、・・・滝沢さん」
花坂は僕もいたことに気づいて、心底驚いているのがありありと分かった。当たり前だろう。友達もいない僕が、休日にクラスメイトと映画館のあるショッピングモールにいるのだから。
「桜木さん、お友達できたのね。良かったわ。こっちにきて、どう?」
「楽しくやってます。涼くんも、葵くんもおもしろい人で」
「へぇー、滝沢さんも?意外。良かったわ。ところで君たち、今日は何をしにここへ?」
花坂が尋ねた。
僕は心の中で、何が意外だ、でも確かに僕はおもしろくない、などとつっこみながら、会話を聞いていた。
「俺たち、さっき映画見てたんすよ。先生にもおすすめだぜ。おもしろかった」
「もしかして、その映画ってあれ?」
と言って花坂は、映画館の前にある電光掲示板の一つを指した。それは、僕たちがついさっき見ていた映画だった。
「そうです」
僕が答えると、花坂は笑った。
「私も、これから見るのよ。楽しみだわ。あっ、もうこんな時間。行かなくちゃ。みんな、また明日ね」
三人は、花坂を見送った。
「じゃあ、お昼ご飯食べて、その後買い物しよ」
と彼女は言った。
「え?僕、昼ご飯は食べること聞いてたけど、買い物するなんて、一切聞いてないけど・・・」
「さっ、行こうぜ」
清水と彼女が知らん振りをしてフードコートのある方に行った。こいつら確信犯だ、と思いながら僕も二人についていった。
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
里帰りをしていたら離婚届が送られてきたので今から様子を見に行ってきます
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
<離婚届?納得いかないので今から内密に帰ります>
政略結婚で2年もの間「白い結婚」を続ける最中、妹の出産祝いで里帰りしていると突然届いた離婚届。あまりに理不尽で到底受け入れられないので内緒で帰ってみた結果・・・?
※「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
友人の結婚式で友人兄嫁がスピーチしてくれたのだけど修羅場だった
海林檎
恋愛
え·····こんな時代錯誤の家まだあったんだ····?
友人の家はまさに嫁は義実家の家政婦と言った風潮の生きた化石でガチで引いた上での修羅場展開になった話を書きます·····(((((´°ω°`*))))))
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる