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翌朝、時間ぴったりに彼女と清水は僕の家を訪ねた。そのとき僕は、部屋の片付けをしている最中だったので、少し慌てた。
「涼ー、来てるわよー」
母に呼ばれ、返事をして一階に二人を迎えに行った。リビングには、もう彼女と清水がいた。なぜかその隣に、姉の凛花もいた。もちろん僕は、驚いた。そんな僕を見て凛花は、クスクスと笑って言った。
「涼にできた友達はどんな感じかなーって思って話してみたら、二人とも、とってもおもしろくて、いい人!良かったわ~」
「・・・凛花。前に言っただろ。この人たちは僕の友達じゃなくて、ただ仲がよい人なんだって」
一瞬、その場の空気が凍ったように思えた。凛花が、少しかすれた声で言った。
「友達じゃないなんて・・・」
言いかけて言葉をのみ、凛花はちらっと彼女と清水の方を見た。僕が見ると、彼女は下を向いていた。清水は無表情だ。何の感情を表しているのか分からない。
「とりあえず、涼の部屋に行こっ!」
彼女が明るく、大きな声でそう言った。僕と清水は頷き、彼女と一緒に僕の部屋へ行った。凛花は、呆然としたようにその場に突っ立っていた。
僕たちは部屋に入った。
「わぁ~!涼の部屋、綺麗だね!」
彼女は僕の部屋に入るなり、そう言った。なぜか、いつもよりテンションが高いような気がする。気のせいだろうか。
「今日片したばっかりだよ。あ、ちょっとジュースとかお菓子とか持ってくる」
僕は二人に言って、自分の部屋を出た。廊下の曲がり角を曲がろうとした途端、
「わっ」
と、声を出してしまった。僕の目の前に、凛花がいたからだ。凛花はあまり驚いたように見えなかった。凛花は少し微笑んで、無言で僕の横を通り過ぎた。
コップを三個出し、冷蔵庫からジュースを出してそれぞれに注いだ。適当にお菓子をお菓子箱から出して、それらを載せるお盆を探した。しかし、いつも置いてあるところになかった。母に訊いてみる。
「お母さん、お盆ってどこにある?」
「ああー、それ、この前ここに移動させたと思うけど・・・」
母は戸棚の中をガサゴソと漁った。僕も手伝おうと思い、母と一緒に漁った。しばらくして、探しながら母はふと口を開いた。
「そういえばあんたさっき、とんでもない事言ってたわね」
「えっ?そんな事、僕言ってた?」
「言ってたわよ」
母はあり得ないといわんばかりに、僕を避難するように見た。
「お友達に、友達じゃないって言ってたじゃない」
「あぁ、あれね・・・なんか悪かった?」
「悪いもこうもないわよ。あの二人は、絶対にあんたのことを友達だと思ってたに違いないわ。あんたが言った後、特に女の子の方がだいぶショックを受けたように見えたけど。凛花もどん引きしてたし」
「気づかなかった・・・」
はぁ、と母はため息をついた。
「ま、大変だと思うけどあんたなりに頑張りな」
見つけたお盆を僕に差し出しながら母は言った。分かったと僕は頷いて、お盆を持って二階にある自室に向かった。
僕は自分の本音を二人に伝えようと思っていた。話せば、きっと二人とも理解してくれるだろう。そう思っていた。でも。
僕は自分の部屋の前で、立ち止まった。凛花がなぜか僕の部屋の中にいる。ドアは閉まっているから顔は見えないが、声は聞こえる。だから、話している内容がだだ漏れだった。
「ごめんね、涼が。あの子、少し素直じゃないから」
凛花が謝っている。なぜ凛花が謝るのだろう。
「いいえ、全然気にしてませんから。大丈夫です」
彼女の声が聞こえた。ぼそぼそと男の声もした。清水だろう。
「でも、ちょっとひどいとは思わない?いつまでもあの理念を貫くつもりなのか。将来困るのは自分だと思うけどなー」
凛花の言葉に、間違いはないと思う。確かに僕は、今の態度を改めるべきだ。だが、その言葉に傷ついている僕もいた。
「まぁ・・・」
彼女は、さり気なくそれを肯定した。さらに僕の心の傷は、深くなった。まるでハサミで軽く、何回も切られているみたいな。
「滝沢にはあいつなりの、ペースがあると思う。あいつ、桜木に会ってからすごく変わった。一度変えたものは、元に戻すのは難しい。それは桜木、よく分かっているんだろう?実際自分がそうなんだし」
清水の声の感じがいつもと全然違う。僕の頭に、きりっとして、真面目な顔をしている清水の顔が浮かんだ。
「それはそうだけど・・・」
彼女の少し戸惑うような声が聞こえた。きっと触れてほしくないところだったのだろう。まぁ、当たり前かもしれないが。
「そこでさっ!お願いがあるんだけど」
凛花が大きな声を出した。僕は驚いて、危うくお盆を落としそうになった。そんな事よりも、これじゃあ僕は、一体いつ部屋に入れるようになるのか。僕の部屋なのだから、いつ入っても良いのだろうが、話の内容的に入りづらい。
「どうか、涼も認める涼の友達になってやってほしいの!」
「「えっ」」
そりゃ、戸惑うのも無理はない。というか、なぜ他人の凛花が頼むんだ。おかしいだろ。
「それは、涼が決める事で、私たちが積極的に何かをする必要はないと・・・」
「そうです。俺たちは、滝沢と一緒にいるのが楽しいからいるんです。悪いですけれど、あなたには関係ない」
スパッと清水は言い切った。凛花は黙り込んでいる。僕はそろそろ入ろうかな、と思っていた。
「やっぱり無理っ」
突然彼女が声を上げた。
「涼ー、来てるわよー」
母に呼ばれ、返事をして一階に二人を迎えに行った。リビングには、もう彼女と清水がいた。なぜかその隣に、姉の凛花もいた。もちろん僕は、驚いた。そんな僕を見て凛花は、クスクスと笑って言った。
「涼にできた友達はどんな感じかなーって思って話してみたら、二人とも、とってもおもしろくて、いい人!良かったわ~」
「・・・凛花。前に言っただろ。この人たちは僕の友達じゃなくて、ただ仲がよい人なんだって」
一瞬、その場の空気が凍ったように思えた。凛花が、少しかすれた声で言った。
「友達じゃないなんて・・・」
言いかけて言葉をのみ、凛花はちらっと彼女と清水の方を見た。僕が見ると、彼女は下を向いていた。清水は無表情だ。何の感情を表しているのか分からない。
「とりあえず、涼の部屋に行こっ!」
彼女が明るく、大きな声でそう言った。僕と清水は頷き、彼女と一緒に僕の部屋へ行った。凛花は、呆然としたようにその場に突っ立っていた。
僕たちは部屋に入った。
「わぁ~!涼の部屋、綺麗だね!」
彼女は僕の部屋に入るなり、そう言った。なぜか、いつもよりテンションが高いような気がする。気のせいだろうか。
「今日片したばっかりだよ。あ、ちょっとジュースとかお菓子とか持ってくる」
僕は二人に言って、自分の部屋を出た。廊下の曲がり角を曲がろうとした途端、
「わっ」
と、声を出してしまった。僕の目の前に、凛花がいたからだ。凛花はあまり驚いたように見えなかった。凛花は少し微笑んで、無言で僕の横を通り過ぎた。
コップを三個出し、冷蔵庫からジュースを出してそれぞれに注いだ。適当にお菓子をお菓子箱から出して、それらを載せるお盆を探した。しかし、いつも置いてあるところになかった。母に訊いてみる。
「お母さん、お盆ってどこにある?」
「ああー、それ、この前ここに移動させたと思うけど・・・」
母は戸棚の中をガサゴソと漁った。僕も手伝おうと思い、母と一緒に漁った。しばらくして、探しながら母はふと口を開いた。
「そういえばあんたさっき、とんでもない事言ってたわね」
「えっ?そんな事、僕言ってた?」
「言ってたわよ」
母はあり得ないといわんばかりに、僕を避難するように見た。
「お友達に、友達じゃないって言ってたじゃない」
「あぁ、あれね・・・なんか悪かった?」
「悪いもこうもないわよ。あの二人は、絶対にあんたのことを友達だと思ってたに違いないわ。あんたが言った後、特に女の子の方がだいぶショックを受けたように見えたけど。凛花もどん引きしてたし」
「気づかなかった・・・」
はぁ、と母はため息をついた。
「ま、大変だと思うけどあんたなりに頑張りな」
見つけたお盆を僕に差し出しながら母は言った。分かったと僕は頷いて、お盆を持って二階にある自室に向かった。
僕は自分の本音を二人に伝えようと思っていた。話せば、きっと二人とも理解してくれるだろう。そう思っていた。でも。
僕は自分の部屋の前で、立ち止まった。凛花がなぜか僕の部屋の中にいる。ドアは閉まっているから顔は見えないが、声は聞こえる。だから、話している内容がだだ漏れだった。
「ごめんね、涼が。あの子、少し素直じゃないから」
凛花が謝っている。なぜ凛花が謝るのだろう。
「いいえ、全然気にしてませんから。大丈夫です」
彼女の声が聞こえた。ぼそぼそと男の声もした。清水だろう。
「でも、ちょっとひどいとは思わない?いつまでもあの理念を貫くつもりなのか。将来困るのは自分だと思うけどなー」
凛花の言葉に、間違いはないと思う。確かに僕は、今の態度を改めるべきだ。だが、その言葉に傷ついている僕もいた。
「まぁ・・・」
彼女は、さり気なくそれを肯定した。さらに僕の心の傷は、深くなった。まるでハサミで軽く、何回も切られているみたいな。
「滝沢にはあいつなりの、ペースがあると思う。あいつ、桜木に会ってからすごく変わった。一度変えたものは、元に戻すのは難しい。それは桜木、よく分かっているんだろう?実際自分がそうなんだし」
清水の声の感じがいつもと全然違う。僕の頭に、きりっとして、真面目な顔をしている清水の顔が浮かんだ。
「それはそうだけど・・・」
彼女の少し戸惑うような声が聞こえた。きっと触れてほしくないところだったのだろう。まぁ、当たり前かもしれないが。
「そこでさっ!お願いがあるんだけど」
凛花が大きな声を出した。僕は驚いて、危うくお盆を落としそうになった。そんな事よりも、これじゃあ僕は、一体いつ部屋に入れるようになるのか。僕の部屋なのだから、いつ入っても良いのだろうが、話の内容的に入りづらい。
「どうか、涼も認める涼の友達になってやってほしいの!」
「「えっ」」
そりゃ、戸惑うのも無理はない。というか、なぜ他人の凛花が頼むんだ。おかしいだろ。
「それは、涼が決める事で、私たちが積極的に何かをする必要はないと・・・」
「そうです。俺たちは、滝沢と一緒にいるのが楽しいからいるんです。悪いですけれど、あなたには関係ない」
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