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1章
13:冒険者を助けました
しおりを挟むキンッ!ギャリ!キンッ!キンッ!
12階に剣と剣が打ち合わされる音が響く。戦っているのは無骨なロングソードを装備したスケルトンソルジャーと革鎧にこちらもロングソード、それと丸い形の盾を使っているいかにも冒険者といった感じの青年だ。周りには青年の仲間であろう魔法士が魔術の威力を上げるための杖を持った男1人と槍を持った女に魔術士の男と同じように杖を持った女がいた。
対するスケルトンはソルジャー2体、アーチャー1体だ。ただし、普通のスケルトンの白色ではなくて黒色なのだが。
ロングソードを持った男が攻撃を引きつけて後ろから魔術や槍の攻撃が飛んでいくがスケルトンの魔核を破壊できずスケルトンを倒せない。
「早く仕留めてくれ!1人で2体は厳しい!」
「さっきまでの奴と違って骨が硬くて魔核まで破壊できないの!もうちょっと頑張りなさいよ!」
そう青年に言いながら槍持ちの女性は飛んできた矢を避ける
この世界での魔物は神か邪神が創造したものか、動物が魔力を得て変異した物だ。魔物には例外なく魔力を魔素から変換する為の魔核が存在している。この魔核は魔道具の材料や燃料として使うので、魔物の素材とこの魔核が冒険者の稼ぎになっているのだ。
スケルトンはその魔核を破壊されるまで動き続ける魔物だ。収入がどうしても減るので冒険者には旨味が少ない。しかもスケトンの人型は武器を使うので冒険者の駆け出しにはかなり厄介なのだ。
この冒険者達が戦っているのはそんな厄介な人型であり、普通のスケルトンよりも1つ格上のブラックスケトンでこの階の希少魔物だだ。ボスの時に通常のボスと違ったり、レベルが高いなどの時は異常だが、その他で出てくるその階での魔物より、格上の魔物は希少魔物で異常ではない。希少と付くだけあって、珍しいのだが。
そんな感じで青年達は今、格上と戦っているということで堪えるので精一杯なのだ。そう考えると前衛のロングソードを持った青年はなかなかの腕を持っているとも言える。この階ではだが。
そうこうしているうちに、青年の集中力が持たなかったのか武器を手から飛ばされてしまった。
「しまっ!」
青年のロングソードを飛ばしたスケルトンが青年に剣を振り下ろす
仲間が助けようとするが、魔術士の2人は詠唱が間に合わず、槍持ちの女性はもう一体のスケルトンに邪魔をされて助けることが出来ない
青年は死を覚悟して、目を閉じた
ドンッ!
目を閉じた青年は来るはずの痛みがこず、何かが吹き飛ぶ音を聞いて目を開ける。
そこには銀髪で額に1本、頭の左右から後ろへと流れるような2本の角を生やした10歳くらいの少年が跳び蹴りの体勢で浮いていた
~~~~~~
クウガとソウマは11階に出てくるビッグスパイダーに鉄針鼠を倒しながら進んでいく。
天井に張り付き、奇襲を狙っているビッグスパイダーをスキルを使わずに気配を察知して、クウガがファイアボールで落として、ソウマが爪で斬り刻む
5匹ほど纏って突っ込んできた鉄針鼠をクウガが鉄針鼠の下から土魔術で突き上げて、ソウマが柔らかい腹側を引き裂いて倒したり、クウガが剣で両断したりと
出会い頭に即殺していく
そのまま何事もなく魔物を倒しながら進んでいき、ダンジョンに入って初めて見つけた宝箱からポーションを得たりしなが攻略を進めていく
そうして、12階に到達した。12階ではスケルトンにビッグビーだ
12階に着いてすぐにビッグビー5体と遭遇した。
ソウマと視線を交わしてソウマが仕掛ける。ダンジョンに入ってからこのパターンが定着してきた。ソウマはあまり走りながらとか動きながら普通の魔術を使うのは苦手らしく、魔術を使っての牽制や分散は俺の役目となっている。後でちゃんと練習するように言っとかないと駄目だね
そんなことを思いながら俺はアクアブレードをビッグビーに2、3で分かれるように放ち、ソウマに続く。
ソウマが2体の方に仕掛けたので3体に向かってファイアバレットを適当にばら撒くビッグビーはなかなか早くて避けるが、1体の羽に命中して落ちる。落ちてきたビッグビーを剣で両断し、続けて突っ込んできた1体も斬り飛ばす。残った一体はソウマが横から爪炎で焼け死んだ。爪炎はソウマが爪に纏わせた炎を飛ばす技の名前だ。
ビッグビーをアイテムボックスに収納して進もうと思った時、通路の奥で戦闘している冒険者を見つけた。しかも剣が手から離れる瞬間だった。
俺はソウマに何も言わずに身体強化を使い駆け出した。
「お、おい!クウガ!?」
距離は100m以上離れていたが身体強化のおかげで瞬く間に距離が縮まってゆく。だが、黒いスケルトンは既に剣を振り上げている。このままでは間に合わないので【縮地】と後ろに吹き出すイメージの風を魔術で行使し、跳び蹴りを放つ
開いていた距離は一瞬でゼロとなり、黒いスケルトンを吹き飛ばす。俺は蹴った反動を利用して空中で回転して着地する
近寄ってきた1体を弓を持つスケルトンに向けて投げとばす
「大丈夫ですか?」
「あ、ああ。すまねぇ助かった」
「このまま俺が倒しても良いですか?」
「僕たちでは倒せないからできるのなら良いんだが、倒せるのかい?」
「ええ問題ありませんよ」
そう言って地面を蹴り起き上がって向かってきた最初に飛ばしたスケルトンに向かう
振り下ろされた剣の側面を左手で叩き軌道をズラして、がら空きになった胸をラキアの剣で両断する。その時に魔核も斬れたようでスケルトンは崩れ落ちた。残った2体も片付けようとそちらを向くと既に駆けつけたソウマが倒していた
倒したスケルトンはソウマのアイテムポーチに入れていく
スケルトンを入れ終わると助けたい冒険者がお礼を言ってきた
「助かったよ。本当にありがとう」
「いえ、何事もなくてよかったです」
そう言いながら笑顔を見せると
「きゃー、可愛いわ~。何この生き物、お持ち帰りしたい!」
と女性冒険者が抱きついてきた
「おい、リーネ。恩人にそういうことするなよ」
「えー、良いじゃないの~。良いよね?」
剣を持った男性に小言を言われぶーたれるがおれに笑顔で同意を求めてくる
「いや~、ちょっと苦しいので離れてくれると」
俺がそう苦笑して言うと女性は渋々だが離れてくれた
「あたし、リーネって言うの!クラウスのこと助けてくれてありがとね!君達の名前は?」
「俺はクウガです」
「俺はソウマだ」
「クウガ君とソウマ君か。僕はクラウスで、こっちの男の魔術士が」
「スラウスです、よろしく」
「んで女の魔術士が」
「ミュネです、よろしくお願いしますね」
「よろしくお願いします」「よろしく」
「それにしても君達は物凄い強いな!誰かに弟子入りでもしているのかい?」
「はい、師匠がいます」
「そうか~、やはり強くなるには誰かに教えを請わないと駄目なのかな」
「まあ、私達にはお金に余裕はないから今は無理ね。クウガくん達引き止めて悪かったね。あたし達はもう街に戻るけど君達は?」
「俺たちはまだ進みます、気をつけて帰ってくださいね」
「うん、ありがと。クウガくん達も気をつけてね~」
そう言って僕達は別れた
~~~~~~
クラウス達はクウガとソウマに助けられた後、11階への階段まで戻り、転移陣を使って街に戻った
転移陣は各階の階段にあり、そこから入り口まで転移できるようになっているのだ。もちろん入り口から入ったことのある階になら転移することもできる
「いや~、ああいうのを天才って言うのかね~」
そう言うのはクウガに助けられた青年のクラウスだ
「確かにね~、あの歳であの強さは反則でしょ」
「そうですね。学園時代にも強い方達は見ましたがあの2人は別格ではないでしょうか」
「そうだね。ブラックスケルトン相手でもまだ全然余裕そうだったしね」
クラウス達は街に戻った後、食堂に来て食事をしながらクウガ達の事を話していた
だが、そこに声をかけてくる者がいた
「おい、平民!今の話を詳しく聞かせろ!」
クラウス達が声の方を向くとそこにはいかにも貴族といった服装にいかにも見下していますといった顔のくすんだ金髪の少年とその護衛がいた
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