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1章
27:殲滅運動続けます
しおりを挟むボブゴブリン、ソードオーガ、ミノタウロスは俺のブレスによって半分ほどが炭と化した。
「残りの奴は俺に任せろ!」
槍を仕舞い、両手を胸の前で少し掌を離して構えると、ソウマは左手に風の球、右手には炎の球を出現させて2つを合わせていく。風は炎に取り込まれてもその存在は消失はせずに、球の中で解放を待ち荒れ狂う。炎は風に煽られて更に威力を増していく。
そして、その球は打ち出された。残存していた魔物の中心へと。球はそのままの形を維持して飛んで行き、中心に辿り着いた頃ヒュッと音を響かせると轟音を撒き散らしてその球に凝縮されたエネルギーが解放されて周りを蹂躙する。
炎の風が吹き荒れた場所には魔物は1匹たりとも残ってはいなかった。
「お、さっきのってこないだ考えたやつだよね?」
「おう!属性合成とは違う相乗効果を狙っての魔術は成功だぜ」
そう、さっきの魔術は属性合成と似ているが別物だ。属性合成は属性を合成することでその2つの属性の特性を兼ね備えた属性と成るのに対して。先程の物は魔術が引き起こす現象でお互いに良い影響を与える属性をそれぞれ使って反応させた物だ。効果は絶大だったようだ。
これで敵の戦力は半分以下になった。今頃、指揮官のやつは慌てていることだろう。残った魔物もさっさと倒して上にいる指揮官を殺しに行きますかね。
そう思いソウマに声を掛けようとしたところで向こうに動きがあった。
残っていた魔物は1000ほど。それらがこちらに突撃をしてきた。何の作戦も感じられない破れかぶれの物だ。指揮官は無能なのだろうか?
まあ、やることに変わりはない。
「ソウマ、行くよ」
「おうよ!」
ソウマと共に駆け出す。ここから見て確認できる敵は大群から頭が飛び出て見えるサイクロプスがそこそこおり、残りは武装したゴブリン。ゴブリンは上位種のゴブリンアーミーだろう。おそらくゴブリンジェネラルやゴブリンキングもいるはずだ。魔物には冒険者ランクと似たようなランクというものが存在しているが、今はそこは置いておく。ゴブリンアーミーはゴブリンではあるのだが、統率された動き、連係、武装、そして少ないながらも知性を持っており、かなり厄介だと聞く。
まあ、俺やソウマからしたらそこら辺は普通のゴブリンとは誤差くらいの差しか感じない。問題はジェネラルとキングだ。ジェネラルがいればアーミーは厄介になるし、ジェネラル自身とても高い知性を持ち技術が高いらしい。キングは知性、技術は当たり前だが、その身体能力が恐ろしいほど高いそうだ。
そうこう考えている内に敵後方から雨のように矢が飛来する。俺とソウマだけなら特に問題は無いが俺達の後ろには冒険者が続いている。死なれては目覚めが悪いので辺りを吹き飛ばす風の爆弾を放ち矢を吹き飛ばす。矢に対処している間も走り続け、槍を構える前列のゴブリンアーミーと接敵する。
槍が一斉に繰り出されるが、俺はそれをアギスで斬りはらいそのままの勢いで突っ込み敵を斬り殺し、前進する。敵陣を進んでいるので四方八方から攻撃がやってくる
前方の剣持ちを斬りかかってきたその剣ごとアギスで両断。左右から挟撃されるが、左から迫る槍を左手で掴み、繰り出された勢いを殺さずに右から斬りかかってきた斧持ちに突き刺し、槍を引っ張られたことで体勢が崩れた槍持ちの首を刎ねながら前進を続ける。後ろからの攻撃は風切り音や気配によって察知して躱して振り返りざまに剣を振り殺していく
偶に遭遇するサイクロプスは振り下ろされる足や拳を躱すか斬り、躱した場合は魔力による剣の伸長で首を断ち、足を斬ったならば伸長なしで首を飛ばす
そんなこんなで進んでいると強者のオーラを纏ったゴブリンが前方から現れた。装備は明らかに周りの者よりも良いものを装備しており、その手に持つ剣に至っては魔剣であろう事がその剣に内包される魔力を見て判断できる。さらにその目だ。目からは深い知性が感じられると共に闘争心が垣間見える。
「オマエ、ツヨイナ。オレト、タタカエ。オマエラ、テ、ダスナ」
ゴブリンはソルジャーになると人語を理解し、ジェネラルは片言だが喋れるようになり、キングに至っては流暢に話すと言う。
「ああ、いいよ。楽しい闘いを始めよう!」
今までの雑魚とは違う、本当の闘いだ。今日はダンジョンでのレア魔物といいついてるね。
両者が剣を構え前にでる。
先ずはどれ位やれるのかな?アギスの力はまだ使わない。
右下に置いていたアギスを逆袈裟で振り上げる。ジェネラルはそれに相対するように剣を打ちつけてくる。
キンッ!と剣が弾かれ合う。
筋力はほぼ互角、速さは俺のが上、技量は申し分なしだね。それじゃあ、ドンドン行こうか。
弾かれた剣を引き戻しまた互いに斬撃を放つ。速さは俺のが速いから俺が先手を取るような感じになるが向こうはそれに正面から全て打ちあうだけではなく、剣の上を滑らせたり、少し力の方向をズラしたりして、カウンターを放ってくる。
上から振り下ろした斬撃を剣の上を滑らせて流し反撃が飛んでくる。右斜め上からの斬撃を俺はそのさらに右に動く事で避け、お返しの横薙ぎを繰り出す。ジェネラルはそれを素早く戻した剣を斜めに構え俺の剣が当たると同時に上に跳ね上げる。お互いに跳ね上がった剣をそのまま上段からの攻撃に繋げて両者の剣がぶつかり、どちらも弾かれる。
やはり、唯剣を放つだけではない!この敵は相当研鑽を積んでいる。そして一旦離れた所でまた声が発せられる
「オマエ、ヤハリツヨイ。オレ、オマエト、タタカエテ、ウレシイ」
「俺もだよ、だからもっと殺り合おう」
「ソウカ、ナラ、オレ、ゼンリョク、ダ」
そう声を出したジェネラルの身体から魔力が発せられ、剣は炎を纏わらせる。
「いいね、なら俺も少し力を使うよ」
そう言い、俺は身体強化を発動し地を蹴る。地面が衝撃に耐え切れず、ヒビが入る。ジェネラルの前に一瞬で移動するが焦る様子はなく、冷静そうだ。俺は右から薙ぎ払うような斬撃を繰り出す。ジェネラルはそれに対抗し先程の様に斜めに構えて待つが、俺の剣は止まらずにそのままの勢いで上段に翻り上から叩きつける様に剣を振り下ろす。ジェネラルは流石に冷静ではいられなかったのか少し慌てた様に剣を構え直し、俺の剣を迎え撃つ。
俺とジェネラルの剣がぶつかると、今までの様に両者が吹き飛ぶのでは無く、ジェネラルが地面に片膝を突き、あまりの力に地面がひび割れて陥没する。
「グガァ!」
ジェネラルは更に魔力を放出してこれに耐える。ジェネラルには何が起こったのか分からないだろうが、これこそがアギスの能力。
重さの概念操作だ。
アギスの重さをゼロにして、剣が羽の様に舞い、かと思ったら山にのしかかられるほどの重さが襲い来る。
ジェネラルが横に飛び、この場から離脱する。アギスの重さを再び操作してジェネラルに追撃を掛ける。だが、ジェネラルが炎を飛ばすことにより少し間が空き、その間に体勢を整えられた。そして今度はジェネラルが斬りかかってくる。
死んだ強化によって剣速がさらに上がり剣戟の激しさが増す。剣と剣がぶつかり甲高い音が鳴る。剣を避け、流し、弾き、の攻防が続く。時折ジェネラルの剣から炎が放たれるが水魔術のアクアボールで相殺し、お返しのファイアバレットやサンダーバレットを放つが斬り払われるか、避けられる。
ジェネラルはアギスの能力を完璧には把握していないだろうが、正面からの力の比べ合いはしなくなったし、急な軌道変化にも対応してきた。だが、横薙ぎを受けてしまい、ジェネラルは吹き飛ぶ。直ぐさま距離を詰めようとしたが牽制の炎の斬撃が飛んできて足止めされる。
少しの距離を開けて再びの相対。言葉は発さずに構えを取る。ジェネラルは大上段に構え魔剣の炎を消す。俺は正眼に構える。
一瞬の間を置き
両者が駆け出し、交錯
どちらも剣を振り下ろした体勢
そして、ジェネラルの右肩から腹にかけて剣線が走り、血が噴き出し、その場に崩れ落ちた。
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