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1章
32:装備を新調しよう
しおりを挟む魔王軍を撃退してから数時間経った。既に空は茜色から藍色になっている。あの後の解体作業はとても疲れた。体力的には特に問題はなかったのだが、数が尋常じゃ無い。延々と似たような作業の繰り返しに夥しい血がもたらす臭い。とても疲れた。
連絡を受けて解体の応援に駆けつけてくれた人達のおかげで暗くなる頃には終わった。そうして街に帰ってみると、街では飲めや歌えや踊れやのお祭り騒ぎで街中が活気に溢れていた。楽士たちの奏でる演奏、踊り子の踊りに吟遊詩人の英雄譚。街はとても賑やかだった。
そして、どうやら俺やソウマの事は既に知れ渡っているようですぐに帰ろうと思っていたのだが街に入るやいなや、人が物凄い勢いで群がってきて、口々に賞賛や感謝を述べられた。突然の事で驚いたが、賞賛や感謝は悪い物ではなかった。
が、俺はお風呂に入りたかったのでソウマに帰ろうと提案しようとしたら、ソウマは貰った串焼きやら果物やらを抱えて冒険者や街の人、特に女の子や女性多数に囲まれてはしゃいでた。
うん、ソウマは女の人大好きだからね。かなりはしゃいでた。俺の方にも女の人はいるのだが、俺は師匠の様に複数をお嫁さんに貰う気はない。4年くらい見ただけだが、大変そうだし自分には向いてないな~って思ったんだ。それに父さんと母さんが幸せそうだったからね。そっちに憧れがある。別に師匠のが悪いと言うわけではないんだけどね。
ということなので人と人の隙間を縫って人混みから抜け出す。こういうのは全部ソウマに任せることにしよう。感謝されたりは嬉しいけどこんなにごちゃごちゃしてちゃね。まあ、串焼きとかは貰ったけど。
お風呂に入りたいがあまり、気配を絶って街を通り抜けて家へ向かいお風呂でサッパリした後カリナさんの美味しい料理を食べて心地良い疲れを感じながらラキアの抱き枕となり就寝した。
開けて翌日の朝。まだ日が顔を出した頃に目が覚めた。朝から軽く体を動かすので大体この時間に起きている。俺の顔の前には寝ているラキアの顔がある。綺麗な金色に一房だけの碧色のサラサラとした顔にかかった髪を手で梳く。
最近この時間が好きになってる。起こしちゃう前に髪から手を離しラキアを起こさない様にフトンから出て洗面所で顔を洗い服を着替え地下室に向かう。
昨日の解体作業の時に気付いたんだがキングの一撃で防具がやられていた。装備をまた作ってもらわないとな。次いでに色々作ってもらおうかな。
軽く動いた後、朝食を食べて装備を作ってもらうためにソウマと一緒に父さんの所に来ていた。ソウマは槍が壊れてしまったからもっと良いものを頼むらしい。
「て、訳で色々と作って欲しいんだ」
父さんに訳を話してお願いする
「わかったけど、すごい素材を持ってきたね」
父さんは目の前に置かれた物を見て少し苦笑い気味だ。てか、引き攣っているというのが正しいかな?
「これ何て鉱石なの?」
父さんに鍛冶を教えて貰っていたようでリンガもこの場にはいる。そして、作業台の上に乗っているのは昨日ダンジョンで倒したレアなリビングアーマーだった鎧だ。何の鉱石か分からなかったが使えればと思い出してみたらかなり凄いものの様だ。次いでに変化したガグの腕を覆っていた腕の毛皮も出してみたらこちらもかなりの物だそうだ。
「私も1度しか見たことないんだけどね、魄鉱石と呼ばれるものだよ」
「僕、知らないや。兄さん知ってる?」
リンガに尋ねられるが魄鉱石なんて聞いたことないんだよね。師匠達が教えてくれる勉強でも精霊銀、メテオ鉱石、カルフ錬石といった特殊な鉱石も学んだが出てこなかった名前だ。
「いや、俺も知らない。父さん、どんな奴なの?」
「これはね、クウガが担い手となっているアギス。つまり意志ある武器に必ず使われている鉱石なんだよ」
「「「え?」」」
俺たち3人の声が重なる
「てことはそれを使ったら宝具が作れるってこと!?」
ソウマが叫ぶ。まあ、気持ちは分からなくもない。
「必ずしもそうでは無いんだけどね。とんでもない価値があると言うのは確かだよ」
「俺らとんでもない物を手に入れたんだね」
心なしかラキアが落ち込んでいる感じが漂ってきた
ぶっ壊しちゃったもんね。
「まあ、でも今回はこれは使わないから仕舞っておいて」
「使わないの?」
せっかく良いものが有るんだから使ったほうが良いと思うんだけどな~
「そうだよ。これで武器を作るならリンガがもっと大きくなってからリンガに作ってもらいなさい」
「何で?」
「これからもリンガはクウガ達の装備を作ることになるでしょ?クウガやソウマくんの最高の武器を作るのは私じゃなくて、リンガだ。だからリンガが成長してこの魄鉱石を活かせると確信したなら、それを使って武器を作るんだ。まあ、何よりまだ2人とも成長期で大きくなるだろうからね」
父さんよりもリンガの方が才能があると言っていたのは父さんだ。その父さんの言うことなら聞くべきだろう。それに成長して使いにくくなったり使えなくなったら元も子もない。
「よし、この話は終わり!どういうのが良いのか聞こう。素材は魔鉱石で行こうか」
新しい装備というのはワクワクするな。魔鉱石は鉄よりも硬く、精霊銀程ではないが魔力を内包しており魔力も鉄よりは通しやすい。
「俺は防具がいつもの刃付きグリーヴ、籠手、胸当てで剣を2本欲しい。剣は刀の特徴を出来るだけ入れて欲しい」
この世界で師匠の元いた世界で言う日本刀と言うものは無い。だけど俺が理想とする剣は正に刀の様な剣だ。
何故剣が2本なのかというと、双剣として使うからだ。アギスとラキアの剣は両手で使うには向いていない。その為双剣用の剣を作るということだ。
「防具はクウガと一緒で。武器は槍をお願いします」
丁寧な言葉遣いで頭を下げる。馬鹿でときたまお調子者なソウマだが人に頼み事をする時にふざけたりすることはない。
「わかった。じゃあ、2人とも1週間後にまた来てくれ。作っておくから」
「了解」「わかりました」
「僕も付与したりマジックアイテムにできればやっておくから期待しといてね!」
リンガが元気よくそう言ってくれる
「おう、じゃあ、期待しておくよ」
リンガの頭を撫でて外へと向かう。
「武器と防具が出来るまではダンジョンはお休みにしよう」
武器はあるが防具が無いのでわざわざ危険を冒すのもアホらしいのでそう提案する
「それが良いかもな。じゃあ、俺は王都行ってナキアに会ってくるわ」
「そか、気おつけて行けよ~」
そういうとソウマはさっさと行ってしまった。
うーん。俺は何をしようか
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