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1章
41:変わったスキル
しおりを挟むダンジョンの宝箱からスキルストーンらしき物を手に入れた俺達は父さんに鑑定して貰うために29階の転移陣から街に戻った。ワクワクを抑えられず走って家に急ぎ、今鑑定して貰っているところだ。
「確かにスキルストーンだね。込められているスキルは2つとも【感雷】だって」
おお!本当にスキルストーンだったのか!でもスキルは良くわかんないな。詳細も分からないかな?
「父さん、スキルの詳細分かる?」
「分かるよ。詳細は感情に応じて威力、効力、色が変わる雷を操れるんだって。変わってるね」
感情に応じて変わるなんて確かに変わってるな。任意でとかなら普通だけど
同じなら揉めることもないからさっさと使ってしまおう。
「早速使おうか」
「だな」
ソウマに声を掛け父さんからスキルストーンを受け取り砕いた。すると砕いた球体から球体と同じ色のフワフワした物が出てきて俺とソウマの中に入っていった。これで【感雷】が獲得できた筈だ。早速試したいけどもう直ぐ晩ご飯なのでリンガが何かを作っていたので区切りがいい所まで待ち、終わったところで一緒にソウマの家へと向かった。
夕ご飯を食べ終えリンガと父さんを見送り地下室にやってきた。何をしに来たかと言えば【感雷】が気になって試しに来たのだ。
ラキアは相変わらず見に来ていて、ライルとメイルはルルにスキルを教えている。【魔力放出】は興味があるので俺も後で教えて貰いたい。
まあ、それは置いておいて早速【感雷】をソウマと一緒に使ってみる。
「【魔纏】で雷纏った時に似てるけどこっちの方が強化の度合いが強いね」
色は普通に黄色だ
「おお~、なかなか良いじゃんか!なあ、模擬戦やろうぜ!模擬戦!」
ソウマのテンションがアゲアゲだ。その影響か【感雷】の雷が透き通るような赤色になっている。興奮したりすると赤になるってことかな?
「オーケー。ラキア、合図お願い」
ラキアに開始の合図を頼みソウマと向かい構えを取る。得物はなしだ
「わかりました」
一瞬の間、集中し冷静を保つ為精神を鎮めてソウマを見る。周りの音が消え、要らない情報を遮断していく。精神の鎮静に伴い【感雷】の色が変わっていき、透き通るような青色になる。ソウマは感情を抑えるタイプではない。戦いを前にして更に感情を昂らせている様だ、赤い雷が体中を駆け巡っている。
「では・・・初め!」
両者が消える
互いに一歩目で音速を超え、両者の中央に移動した
ソウマがクウガの顔面に向けて拳を放つ
クウガは左手の甲を拳の横から当てて逸らす
触れ合った箇所で青と赤の電撃が迸る
そして反撃の中段突きを右でクウガが放つ
ソウマはそれに左拳で応じる
辺りに雷と衝撃を撒き散らす
右足と右足がぶつかり合う
拳と拳がぶつかり合う
そして戦いが変わる
ぶつけ合いから打って変わり両者は攻撃を紙一重で躱し反撃を放つ
躱された拳や足の攻撃は空気を弾く
ソウマは戦闘によって感情が更に高まり、赤色の雷の迸りは激しくなる。速さが上がり拳が風をきる音は大きさを増していく
逆にクウガは闘争心が刺激されるもあくまで冷静にソウマを捉え感情を表に出さない。そんなクウガの【感雷】は青に緑が混じり、ソウマと同様に迸りは増大している。時折見える赤色は戦闘狂の証拠だろうか
さらに戦闘は速さを増し、突きが、手刀が、蹴りが、次々と繰り出され移動の際には雷の線が走る。
それ程の戦いを繰り広げるも2人の顔に疲れは見えない。むしろ楽しそうで疲れなど感じていないようだ。
そして、戦況がまた動く。【感雷】の扱いに慣れてきたのだろう。ただ体中を駆け巡っていた雷を拳や足などに攻撃する瞬間に収束したり、電撃を飛ばしたりと攻撃の種類が増えた
よく見てみると2人の戦い方にも変化が見られる。最初は殆ど同じような動きであったのだが、今は違う。
クウガは靜謐を感じさせる雰囲気を醸し出し流れるような動きでソウマの攻撃を受け流し、鋭い攻撃を繰り出す
ソウマは本能に任せるがまま獣の様に荒々しく、しかし今まで培った技術は捨てずにしっかりと使っている。
ソウマがクウガの周りを動き回り攻撃を繰り出し、クウガはソウマの攻撃をその場から動かずに対処し反撃を放つ
そこにまた、変化が訪れる
クウガの纏う【感雷】の色が紫へと変化した。顔を見れば先程までは表情に出ていなかった闘争心による獰猛さが表れていた。
だが、【感雷】の色は紫。それはつまり感情の昂りにより発現する赤と感情を鎮めることにより発現する青が同居しているというこどだ。
クウガが爆発的なスピードで消えたと錯覚させるほどの速さでソウマの左横に移動し紫色の雷を右足へと収束させた上段蹴りを繰り出した。それに対してソウマは驚異的な反射を見せてこちらも赤色の雷を右足へと収束させ紫雷纏し右足を迎え撃つ
両者の赤雷と紫雷纏し足が激突し、衝撃と雷が周囲に撒き散らされる。
打ち合った両者は互いに弾かれるも華麗な身のこなしで難なく着地を決める。
「おい!クウガ!俺にもその紫教えてくれよ!それかっこいい!」
ソウマが感動した!ってな感じのテンションで喋り出す
「ソウマじゃ無理だと思うな~。感情抑えるんだよ?」
試しにやってみても感情を抑えて戦うなんてソウマには出来ないと思うんだよね~。考えて動くって性格でもないし。本能に忠実だし。
「むむ。それは確かに難しいかもな~。だが、違う色も使いてぇな~。うーん」
なんかソウマが悩みだした。まあ、ほっといても大丈夫だろう。
というかこのスキルはかなり使えそうだ。これからどんどん使っていこう。
「お!出来た!」
ん?なにが出来たんだ?気になったのでソウマの方に視線を戻す
「見ろよクウガ!橙色だぜ!」
うわー、目がチカチカする
「今どういう感情な訳?」
「楽しい!って感じだ!」
さいですか。明るい感情は橙色ってことなんかね。
よっぽど嬉しかったのかそのままで走り回っている。
まあ、変に落ち込まれるよりかは楽だから良いんだけどさ。
「ヘイヘイヘイヘーイ!楽しんでこーぜー!」
なに、あのウザいテンション。かなり鬱陶しい
「ヒャッホー、ウヤッホー、ウーヤッホーイ!」
うぜぇ!!
クウガがぶん殴って気絶させるまでソウマの不可思議ハイテンションは続いたのだった。
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