Heroic〜龍の力を宿す者〜

Ruto

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1章

40:良いもの見つけました~

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ダッキングで俺の顔面を狙った拳を回避し、反撃で放った正拳突きは腕で逸らされた。敵の右拳が下から掬い上げるように迫るのをバックステップで躱し、正面から攻めるように見せて横に回り足を刈る様に左脚で蹴りを放つ。それを敵は避けながら後ろ回し蹴りを放ってきたので、下をくぐる事で回避する。

26階で俺は猿の様な見た目だが、引き締まった筋肉を持ち徒手空拳で戦うグラップラーエイプと戦っていた。向こうが徒手空拳だったのでそれに対抗してこちらも剣は使わずに戦う。

グラップラーエイプは機敏に動き反応速度もなかなか速い。

互いに体勢を立て直し、両者が拳を突き出した。拳と拳はぶつかり合うがどちらも弾かれない。さらに連続で拳を繰り出し、ぶつかり合い音と衝撃を発生させる。

俺はこの殴り合いが楽しくて口角が上がるが、グラップラーエイプの方は必死で表情を歪ませる。こいつらくらいの敵ならば身体強化なしで本気を出さずとも戦えるみたいだ。

殴り合いの最中に尻尾を使ってバランスを崩そうとしてきたが鍛えた体幹を持ってして耐え、それに少し動揺してしまった所に鳩尾で前屈みにさせ、頭に向けて膝蹴り、再び浮き上がった顔面に踏み込みの力を余すことなく伝え内部から衝撃を与える突きを繰り出し、グラップラーエイプは頭を爆散させて力尽きた。

この階で襲ってくるグラップラーエイプは基本2~3体くらいしか来ないので、1回の戦闘では1体で終わりだ。

そんな戦闘を繰り返し27階に到達して先を進む。

この階に出てきたのはスライムだ。ただし普通のスライムでは無く、各種属性を持ちその属性に準じた攻撃と動きが素早いスライムだった。

スライムはファイアシャドウと同じ様に魔核と核を持ち、どちらかを破壊すれば倒せる。その代わり、ゲル状の部分は斬撃や打撃が効かない。

どちらを破壊しても倒せると言っても核を破壊するのが普通だ。魔核の方が高く売れるし、今回の様に属性を持つスライムならば魔核に属性が付くので更に高い。魔核と比べると核の方が硬い。まあ、そんな気にするほど違いが有るものではないのだが。

動きは速くとも捉えられないという程ではないのでゲル状の核を覆っているものから透けて見える核を的確に攻撃し破壊して倒していく。因みに剣で攻撃している。

最近は師匠から下調べせずに攻略して行けと言われており、スライムが出るのを知らなかったのでゲル状のものを入れる為の袋や容器という物を持ってきていなかったので魔核と2つに斬った核を拾って進んでいく。

スライム達が飛ばしてくる各種属性攻撃はラキア達に迎撃してもらい、その隙に俺とソウマが核を攻撃して倒してささっと攻略した。

28階につくと、そこは今までと違った。ボスの部屋でもないのにかなりの高さの天井、横幅もそれに比例して広くなっている。きっとでっかい魔物が出るってことだろう

そんな感じの28階を進むと案の定、遭遇した魔物は大きかった6、7mくらいの大きさで体毛で覆われていて顔すらも毛で覆われている。かろうじて目が光っているので目がある場所が分かるくらいだ。腕の太さは俺の胴体の2倍はあるだろうか?その手には鉄で出来ているであろうハンマーを持っている。

確か名前はトロルだったかな。性格は割と温厚だが、怒らせるとしつこい上に膂力がかなり高いはずだ。ダンジョンだから温厚は関係ないか。

トロルが走り寄ってきて勢いそのままハンマーを振り下ろす。それを見切り紙一重で避けるとハンマーは地面を叩き轟音を立て、床を揺らす。ダンジョンは頑丈だから壊れる心配はない。それでも凄い威力だ。さっきの一撃で床にヒビが入っていた。もう直っているけれど。

回避の動きをそのまま踏み込みへの動きにして攻撃しようとしたが中断し、後ろに跳んで右から来た攻撃を避ける。2体目のトロルだ。

遭遇したトロルは12体だったので、ラキア達の牽制が間に合わなかったみたいだ。

続けて攻撃が放たれる。今度は横殴りの一撃だ。俺はそれを体を横に倒して跳びこえ、剣の峰で進行方向を変える様にハンマー後ろから叩く。

するとハンマーは俺の加えた力と合わさり、迫る向きをもう1体のトロルへと変え、今まさに攻撃しようとハンマーを振り上げていたのでガラ空きな腹へと直撃し、吹き飛ばした。

自分の攻撃で味方を吹き飛ばしてしまい一瞬の呆然とした所を逃さず攻撃する。

剣を振り上げ攻撃によって伸びきった右腕の肘目掛けて跳び上がり、振り下ろす。肘から先の腕が宙を舞い、ハンマーを取り落とす。右の剣で斬ったことで肉が焼ける匂いがする。それに続けて今度は空中で左の剣を左から右へと水平に斬り払う。それによって膝を両断した。

右膝から下が斬られた事により、トロルは体勢を崩す。追撃で首を飛ばそうとしたが、トロルはバランスを取ることを諦め左手での叩きつけを繰り出してきた。トロルの拳は大きいので横っとびで避ける。

トロルは攻撃するとそのまま倒れてしまったので首を飛ばして終了だ。

最初に吹き飛ばした方は既に死んでいたので次の奴を倒しに向かう。まだ6体残っていた。

俺は既に戦っているソウマの方へ行こうとしたトロルへと駆け背後から気配を殺して攻撃した。跳躍時に音を立てないように気を使ったのでそのまま気づかれることなく首を切断し、呆気なく絶命。

ソウマも戦っていたトロルの心臓へと槍の一撃を贈り、仕留めた。

2体が呆気なくやられ、残った4体の内3体がこちらへとやってきた。ソウマとアイコンタクトで意思を通じ駆け出す。

ファイアボールを3つ作り魔力の糸を繋げて3体のトロルそれぞれの顔面へと放つ。3体ともファイアシャドウボールを棍棒で蹴散らそうとしたが、魔力の糸を繋げたことで操作が可能になっていたのでファイアボールを操り棍棒を避けて顔面に着弾した。

視界を潰されたことで無闇にトロルは棍棒を振り回し味方で殴り合い始めてしまった。意図したこととはずれてしまったが、良しとしよう。

暴れるトロルが振り回す棍棒を掻い潜り足元へと到着。俺は右に持つ剣を左から右へと薙ぎ払う。振ると同時に魔力による伸長をし、3体のくるぶし辺りを斬り、体勢を崩す。

俺の前にいたトロルへと向けて俺は左の剣を振るい魔力の斬撃を飛ばす。剣に付加されていた風を纏いながら斬撃は飛び左脇腹から右肩に走り抜けた。

ソウマは槍の穂先に雷を纏わせてそれを飛ばし1体のトロルの胸部に風穴を開けた。槍に付加された雷との相乗効果で威力が増大したようだ。

残りの1体はもう一度俺が飛ばした魔力の斬撃、今度は右の剣だったので炎を纏った、斬撃で上半身と下半身がお別れした。

「デカイってのはそれだけでちょっと面倒だな」

ソウマがボヤく

「まあ、慣れるしかないよ。俺達よりもデカイのなんていっぱいいるんだからさ」

「そうなんだよな~。なんとかなんないもんかね~」

大きさは俺の転身やラキアやライル達の変化くらいしたかないんだよね

「そんな無理なこと考えないで出来ることを考えなよ」

「へいへい」

「それじゃあ、先に進もう」

「おうよ」

5分ほどまた進むと今度は5体のトロルと遭遇した

駆け出そうとした時にトロルと目が合った。その瞬間、寒気が走り、咄嗟に障壁を展開するとトロルの目から赤色の光が飛んできて3枚張った障壁の1枚を破壊された

「うわー、びっくりした」

俺が急に障壁を張ったことで障壁にぶつかりかけたソウマが言う。

「さっきはあんな攻撃してこなかったからね」

「まあ、やることは変わんねぇがな」

「そうだね」

障壁を解除しトロルへと向かう。俺とソウマの頭上をラキアの魔術とライル達の【緋焔】などが飛んでいきトロル達は棍棒で防いだりしたが防げずに直撃するのもありダメージを与える。

その間に俺達は接近し、今度は足を攻撃したりしてバランスを崩すのではなく、【空歩】で空中を駆け直接心臓や首を狙う

空中をハエのように飛び回る俺達に向けて棍棒を振って攻撃してくるが、縦横前後と立体的に動く俺達に攻撃を当てれない

横殴りの棍棒を避け、宙を強く蹴り首の横を目掛けて跳ぶ。体を回転させ遠心力をつけて、双剣で首を抉り飛ばしそのまま横を通り抜けて停止する

空中で一旦静止したところに棍棒が降ってきたが、鉄ならいけるだろと思い左に持つ剣を縦に一閃。棍棒は真っ二つになり、俺の左右を通り抜ける。間抜け面を晒すトロルの心臓へ向けて右の剣を突き出し突進し、胸部に風穴を開けて通り抜けた。周りを確認すれば他のやつも倒されたみたいだ。

最初の攻撃にびっくりしたくらいで後は特に何もなかった。空中戦は案外楽しかったのだけど

「空中飛び回ってやればかなり楽だな!」

ソウマが嬉しそうに言う

「トロルは動きがトロいからね」

そう言うとソウマがニヤニヤしてくる

「なに?」

「いや、トロルがトロいって。くくくっ」

あー、そう言うことですか。別に狙った訳ではなかったのに。あのニヤニヤ顏はうざったいな

「ほら先に進むよ!」

「いや~俺はいいと思うぜ!トロルがトロい」

あー!うざい!

「ふふっ」

ラキアにも笑われたー!

『ねぇ、クウガ~、何がおもしろいの?ねぇねぇ~』

今は無邪気なルルが恨めしい

そんな感じで精神ダメージを受けながら先を進んでいくその後も何回かトロルとの戦闘をしながら進むと宝箱を発見した。

「お!宝箱じゃん!ラッキー!」

ソウマが駆け出す。

俺達は戦闘をして修行する事が主なので逃げたりはしないが今まではあまり敵が強くなかったので最短距離を目指して進んできた。宝箱は様々な場所に設置されるのだが最短距離をいくとなかなか見つからない。因みに階段がある場所は決まっている道は違うのだが階段の場所だけは変わらない。登ってきた階段の間反対に存在する。

そんな感じで進んできたので宝箱は魔鉱石以来だ。

「早く来いよー」

ソウマはせっかちと言うか、馬鹿なのだがこういう事は1人で先に開けたりはしない。なのでさっさと行ってやる

「んじゃ、開けるぞ」

宝箱を開け、中を確認するとそこに入っていたのは2つの掌に収まるくらいの薄い水色の球体だった

「これは、スキルストーン?」

「多分そうかもな。鑑定系のスキルは父さんがまだ教えてくんねぇからわかんねぇけど」

スキルストーンはスキルが込められた石だ。鑑定系のスキルがあれば確かなのかがわかるし、何のスキルが入っているかも分かる。で、冒険者なら必須のスキルなのだが師匠は学校で教えてもらえという事で教えてくれないのだ。鑑定系のスキルと言っても先天的な物では無いので魔物や人のステータスを見たりはできない。何かしらの手段や条件で獲得したものなら別だけど。

「まあ、もう直ぐ夕飯の時間だから29階に着いたら帰ろうか。その後に父さんに鑑定してもらいに行こう」

「わかった!ならさっさと行くぞ!」

ソウマは何のスキルなのかが気になってるみたいだ。まあ、俺も気になってる

「はいはい」

さてさて、何のスキルが得られるのかな?




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