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2章
48:入学式
しおりを挟む暗闇の中に光が差し込んできた。
閉じていた瞼を押し上げて目を開ける。光は窓から差し込んだ陽の光。
どうやら朝のようだ。
腕を後ろに組んで伸ばして、伸びをする。時計を見て時間を確認すれば朝の5時。昨日、試験が終わりこれからの予定を聞かされ、その日の内に入寮をして今いるのは寮の俺の部屋で、二段ベッドの下。部屋は2人部屋で場所は決めれないがルームメイトは希望があれば好きにできるらしく初対面の人と寝所を共にするのはなかなかハードルが高く、新鮮さは無いがソウマとなった。おかげでラキアと寝れてるので良しとしよう。
俺がベッドから起き上がるタイミングでラキアも目を覚ます。最近は一緒の時間に起きている。
「おはようございます~。マスタ~」
眠そうに目を擦りながら何時ものピシッとした感じではなくホワホワ~とした感じで挨拶がくる。
「おはよう、ラキア」
ラキアは朝が弱い顔を洗うまでは毎朝こんな感じだ。
トイレに併設された洗面台へ行き顔を洗い歯を磨く。終わったら何時も鍛錬の時に着ている服へと着替えて昨日ソウマと模擬戦をやる為に時空魔法で設置した、ルームに向かう。
ルームは時空魔法で別の次元に空間を作る魔法で、何処で模擬戦をしても良いか分からなかったし、何より俺達の模擬戦はあの地下室や頑丈なダンジョンなどで無いと被害が出でしまうので作ったのだ。まあ、邪魔が入らない様にと言うのもあるが。
ルームは1度設置すれば任意で消したりそのままにしたりと出来る。そのままにしておけば、繋いだ所にドアが出来、そこから入る事が出来る。設置する場所は壁がなくても可能だ
クローゼットの扉を開けて制服や他の着替えなどに隠れたドアを開けてルームへと入る。ルームの内装は色々と変更できるが面倒くさいので白1色だ。
毎朝の日課の鍛錬を始めて、少ししたらソウマも起きてきたので一緒に行う。ソウマは朝起きるのは俺より早かったり遅かったりしてるが鍛錬は必ずやる。
いつも通りの鍛錬を終えて、部屋にはシャワーやお風呂は無いのでここで魔法で綺麗にしていく。方法は簡単で、桶の様な者を土魔法で作りまっ裸になってその上に乗って、水魔法で作ったお湯をシャワーの様にして浴びて、風魔法と火魔法で乾かし着替えを着るだけの事だ。桶とお湯を消して部屋に戻る。
部屋に戻ってラキアの用意してくれた冷えた水を飲み、制服に着替える。制服は下が黒の長ズボン、上は白がベースで赤の模様や線がはいったものだ。上着の下に着る物は基本的に見えないので何でも良いらしい。この制服はかなり丈夫な上、高性能さしい。実戦で着ていても良いほどらしい。実技などでは自分の装備に着替える為に使わないのだが。
「お似合いですよ。お二人とも」
制服姿を見てラキアが褒めてくれた
「ありがとう」
「だろー!」
ソウマは相変わらずだ
今から入学式だ。ラキアに俺の中に戻ってもらい部屋を出る。鍵を閉めて廊下を歩いて1階にある食堂に向かう。入学式の時間までには余裕がまだある為、生徒の数は多く無い。多く無いと言ってもこの寮には3学年合わせて21000人もの生徒がいるので結構な数はいる。こちらを見て何かを話すが女子では無いので恐らく昨日の試験の事だろう。俺が見た限りでは試験官を倒したのは俺のいた演習場でも数人しか居なかったのでそれなりに噂が広がっているのだろう。
学園は全寮制で貴族だろうが王族だろうが寮暮らしをする。因みにソウマの許嫁であるナキアさんもここの学園で、この寮にいる。寮の造りは「エ」の様な形をしており、上と下で男女が別れており真ん中の部分に共同スペースやら食堂やらがある。7階建てでそれなりに大きい。それでも21000人はとんでもない数だから入らない筈だが、そこは魔法の力であれやこれがされており問題無い。
俺達の部屋は3階にあるので2回階段を降り1階の食堂に到着。生徒はここで毎朝と毎晩の食事を摂る。お昼は本校舎にある食堂か購買だ。
食堂はかなりの広さがあり満席という事はなかった。トレーに載った朝食を食堂のおばちゃんからカウンターで受け取り席について食べ始める。ここの食事はとても美味い。俺たちが泊まった青猫亭の食事に勝るとも劣らない位だった。
食事を終えて本校舎へと向かう。俺とソウマは同じ1-Sクラス。クラス分けは成績順で教師たちが決めたものだ。クラスはSとA、B、C、D、E、F、にそれぞれ後ろに番号がついたもの。何故Sクラス以外なのかといえばSは例外で特待生によるクラスで毎年1つしか作られないからだ。まあ、これには色々と理由が有るらしいのだがそれは置いておこう。
寮から本校舎へと伸びる木々に囲まれた道を歩く。この学園の敷地は途轍もなく広い。この都市の4分の1が学園の敷地となっている。本校舎に寮、4つの演習場に工房、グラウンドに山と馬鹿みたいに広い。ソウマと他愛のない話をしながら向かう
まあ、建物自体は隣接しているので移動に苦労はない。校舎内とかも魔法によって空間が拡張されていて途轍もなく広いが超緻密で高度な魔法陣の技術によって行きたいクラスや場所をイメージすれば距離が縮小されるという凄い技術が組まれているので楽だ。
本校舎に着いてSクラスへと向かう。入学式はの前に各クラスへと集まり、そこから纏まって講堂に向かう為だ。
扉を開け中に入ればまだ集合時間まで時間があったので俺達が1番かと思っていたが先客がいた。
「ソウマにクウガくん!久しぶりー!元気してた?」
「ナキアも久しぶり」
「おうよ!元気モリモリだぜ!」
俺達よりも先に居たのはソウマの許嫁であるナキアさんだ。それともう1人、こちらに来るナキアさんの後ろに控えている
「元気すぎて無闇矢鱈に手出して無いでしょうね?」
おっと、ソウマくんピーンチ!
「え、いやいやそんな事無いよ!?」
動揺で疑問形になってんぞ
「はあ、別に私だけしか駄目とは言わないけどちゃんと相手は選んで私に紹介すること!良い?」
相変わらずナキアさんは寛容だな~
「は、はい」
勢いに押されてしまっているソウマ。そろそろ助けてあげますかね。
「まあまあ、それくらいで。それよりもそちらは?」
話を変える為にナキアさんの後ろに控える子について尋ねた
「ああ、そう言えば2人ともまだ会ったこと無かったわね。1年前から私の護衛兼お世話係りになったメアリーよ」
「ソウマ様とクウガ様ですね?お話はナキア様に色々と聞かされております。メアリー クリスフォードです。よろしくお願い致します」
おおう、様付けですか。固いよ
「え、ええ。よろしくお願いします」
「おう、よろしく」
するとナキアさんが
「もう!メアリーったら敬語は要らないって言ってるじゃ無いのよ!クウガ達にも様付けなんて要らないから普通にしなさい!普通に!2人も良いでしょ?」
「ああ、構わねぇよ」
「大丈夫だよ」
「わかったわ。じゃあ、いつも通りにするわ」
今度はガラッと変わったな
「それにしても・・・。ちょっとナキア」
するとメアリーさんはナキアさんを呼んで離れてしまった
何かを話している様だ。頑張れば聞こえるのだが女性の内緒話を聞くほど無粋では無いので待つ。
「ごめんなさいね。ちょっと聞きたいことがあって」
そう言うメアリーさん。
「気にして無いんで大丈夫ですよ」
「じゃあ、まだ時間もあるしお喋りしてましょう」
「そうしようぜ~、暇だし」
そんなこんなで会って無かった時のことを話して時間を潰していれば他のクラスメイトも集まり、時間となった。1人無茶苦茶ギリギリで滑り込んできた女の子がいた、寝癖がぴょんぴょん跳ねており、パンを加えていた。今もぜぇぜぇ言ってる。クラスの人数は11人かなり少ない。
みんなが揃い時間が来たところで前に会った扉を開けて教師だろう人が入ってきた。その人を見たインパクトは凄まじい。身長は2mを軽く超え、筋肉はムキムキ、服装はピッタリとしたピンクのタンクトップにピッタリとした黒のハーフパンツ。そしておっとりとした女性の顔とボブカットのピンク色の髪。
うん、よく分からない。
「はーい、私があなた達の担任のサラよ~。気軽にサラちゃんと呼んでね~」
ほんわかとした表情と綺麗な声。
一瞬脳裏を過ぎったあの人の様なオカマでは無い様だ。
少しの間だがフリーズしてしまった。復帰して周りをこっそり確認する。みんなフリーズしていた。1人、体躯が大きく額から2本の角を生やした鬼族と思われる男子が頬を朱に染めていたのは気のせいだろう。うん。
「あらー?返事はー?」
そんな様子に気づき笑顔のまま迫力のました顔で問うサラちゃん
「「「「「はい!」」」」」
みんな気圧されて返事を返す
「うん!よろしい!それじゃあ、今から入学式だから講堂に向かうわよ~。着いてきてね~」
サラちゃんの後をみんなでついていく。
「やっぱし、世の中には色んな人が居るんだな」
しみじみとソウマがそう零した
入学式が行われる講堂に着き少しの時間待ったところで新入生7000人が揃った様だ
「ただいまより入学式を始めます。始めに学園長よりお話があります」
若い眼鏡をかけた先生が司会を行う
壇上に白髪で横に長い耳を持った腰が曲がった年寄りが突然現れ場内がざわめく。学園長が気配を絶っていたので認識できていなかった者が驚いたのだろう。
「新入生の諸君、儂が学園長のコルクじゃ。長話は嫌いなので手短に話すぞい。コホン。最初に入学おめでとう。これから諸君はここで学び鍛え、交流し生活をするじゃろう。その中で常に意識して貰いたい事を1つ。成長することに貪欲でありなさい。諦めたり、行動を起こさなければ何も変わらないし始まりはしない。その事を忘れないで努力し、学園生活を楽しんでほしい。以上じゃ」
そう告げて学園長はまた消える。今度は気配を消したのではなく本当に消えた。消える前に此方を見たので目礼しておいた。
あの人とは既にお会いしている。師匠とギュル爺の知り合いと言うだけでなく、あの人がリンガの魔道具造りの師匠なのだ。長い年月を過ごしたことで蓄えられた膨大な知識、長年の研鑽で得た技術と技量はこの世界で1番だと言われているらしい。この学園の校舎の空間やら演習場の結界なども彼の作ったものだ。改めて考えてみれば尋常じゃないお方だ。
「続いて生徒会長よりお話があります」
続いて壇上に上がったのは燃える様な赤い髪を肩あたりまで伸ばした瞳が切れ長な美男子。
「初めまして、私は生徒会長を務めますレイガルド アルメキアです。新入生の皆さん入学おめでとうございます。今日から貴方方はここ王立第1学園の生徒です。ルールを守って楽しく学園生活を過ごしましょう。何か困ったことがあれば生徒会と風紀委員会を頼ってください。私からの話は以上です」
その後は司会の教師が終わりの旨を告げて解散となり教室に戻った。
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