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2章
52:筆記テスト
しおりを挟む入学式を終えた次の日、いつも通りに起きて鍛錬と食事を終えて寮から本校舎への道を歩いていた。
一緒にいるのはソウマにフレッドだ。フレッドは食堂で会って、なんなら一緒に行こうという事になったのだ。
「2人はもうどの部活に入るか決めた?」
フレッドがそう聞いてきた
「ん?ああ。俺は風紀委員会だよ」
「俺は生徒会~」
「え?」
動揺してフレッドが凄い間抜け面を晒してる、なんかかなり残念な感じとなっている
「もう、お誘いがあったの?」
動揺から立ち直り再度の質問
「お誘いというか、生徒会長とは知り合いでな、その縁だ」
「生徒会長・・・ああ、ナキアさんとの繋がりってことだね」
少し思案した様子を見せて、納得の表情を浮かべる
「そういうこと。俺達はそんな感じだけどフレッドはどうなんだ?」
今度は俺から聞く
「それがさ、昨日クウガ達と別れた後にみんなで新入生の為にやってた説明会見たいなトコに行ってきたんだけど興味を惹くものが無かったんだよ」
入学式のあった昨日は先輩達は午後の授業がなく、本校舎前で部活動の説明会というよりも勧誘が行われていたのだ。みんなは、そこに行ったみたいだ
「そういえば遺跡とかの部活は無かったもんな」
思い出したことを言ってみた。部活動に関しては生徒会の話を殿下から聞かされた時に一緒に聞いていたのだ。
「そうなんだよ~、それがあれば迷わなかったんだけどね」
苦笑いで、困ったといったのが感じられる
まだ直接実力を見た訳では無いけど強さは申し分なさそうだし誘ってみようかな?俺も1人だけというのは寂しいし
「じゃあさ、フレッドも風紀委員会に入らない?」
「え!?無理だよ!僕はあまり戦闘が得意じゃ無いし」
「実際に戦闘しなきゃいけないって訳じゃないから大丈夫だって、それに探知とか探索方面は得意なんだろ?」
「そうなんだけどさ」
探知や探索能力が優れていると知っているのは、昨日の昼食の時にそこら辺の話も聞いていたからだ。フレッドは人族なので獣人である俺やソウマよりは鼻は効かない。だが小さい頃から遺跡に潜り様々な経験とスキル、それに培った技術で俺達よりも遥かに広く、精度の高い探知が行えるのだ
俺の反論にフレッドがたじろいだ。あと一押しかな?
「あ、でもさ、こういうのクウガの一存じゃきめれないでしょ!」
これでどうだ!と言わんばかりの顔だ。だがしかし、俺にはそれが可能だから誘ったのだ
「いや~、それ何だけどな。良いと思った子はどんどん誘えって言われてんだよね。特にSクラスの奴」
そう言うと、うーんと唸って考え出してしまった。まあ、教室に着く頃には答えが聞けるだろう。
「お前も強引だね~」
ソウマがすかした顔で言ってくる
「だって1人なんだよ?先輩達はみんな良い人達だったけど心細いじゃないか」
「それだったらルルかラキアさんでも召喚しとけば良いじゃねぇかよ」
ここでライルやメイルを外したのは【変化】というスキルの特徴ゆえだ。【変化】は体の大きさを魔力を消費して変更することが可能だ。魔力の消費は変化の差できまるのだが、ライルやメイルは出会ってから今まででレベルが結構上がり、それに伴って大きくなったのだ。それなりに大きくなってしまったことで消費魔力が馬鹿に出来ず、緊急の時にそれで万が一があってはいけないのだ。
昨日ブラッシングした時に小さくなったが、あれは元の大きさだと時間がかかり過ぎるのであの時は2匹が気を利かせてくれたのだ。俺の中に戻ってしまえば直ぐに回復出来るというのも大きい。普通は直ぐになんて回復しないのだが。
「えー、ルルの場合は目立っちゃうし、ラキアなら従者として申請しなきゃいけないじゃないか」
ルルは知識がある人が見れば幻獣だとわかるし、兎に角可愛い。ラキアの場合は【人化】してになるだろうから従者としての申請が必要になる。今でさえ召喚獣と召喚主という主従の関係なのにこれ以上は嫌だ。今のこの関係もちょっとばかし思うところがあるのだから
「はいはい。ラキアさんはね」
ニヤニヤっとして全て分かってますよと顔に書いてある。本当、憎たらしい奴だ
「でもよー、ルルなら良いんじゃねぇか?」
「何で?」
ん?どういうことだろうか
「だってよ、既にこの状況だぜ」
そう言って周りに視線を移すソウマ
わかってる、わかっているんだよ。ソウマが何を言わんとしているかは理解している。何故ならば俺達にかなりの視線が向けられており、とことん目立っているのだ。
遠巻きだったり、割と近かったり、チラチラと見てきたり、凝視してきたりと、様々だがその大半は女子。少数の男子の視線は怨めしいやら何やらが込められている気がする。まあ、あとほんのごく僅かだがこちらの実力を探るようなものだ。
「むー」
「そんな難しく考えねぇで良いんだよ。気楽に楽しまな。ルルも外にいたいだろー?」
『うん!クウガの頭がいい~』
確かに余計な事を考え過ぎだったかも
「じゃあ、サラちゃんに召喚獣について確認して良かったらだな」
『はーい』
そんな感じで多数の視線を浴びながらも本校舎に到着。フレッドは取り敢えず昼に俺と一緒に風紀委員会本部に行ってから決めるみたいだ
本校舎に入り、教室に移動。やっぱり楽でいいね。扉を開けて中に入る。中にはイヴ以外のみんなが揃っており、会話をしていた。ダリアさんは机に頭を伏せていて参加してないけど。
「おっす」
ソウマが声を掛ける
「3人ともおはよう」
「おはよー」
「お、おはよう」
「おはようございます、御三方」
「おはようっす」
メアリーさんはお辞儀だ。護衛としての体裁とかそんなところだろう。会話には参加しているようだけど
「ああ、おはよう」
「みんなおはよう~」
挨拶して会話に参加する
「何の話してたの?」
「え、ああ、ちょっとね!」
「う、うん。何でもないよ!」
「ええ、そんな事よりもそろそろ時間ですよ。席に着きましょう」
ん?、なんかはぐらかされたけど聞かれたくなかったのかな?
フォーリアの言う通りに時間だったので席に着くと時間になりサラちゃんが教室の前にある扉から入ってきた。
そういえば、イヴがいない
「みんな~おはよう~。みんな揃って・・・ないわね」
とサラちゃんの確認が終わったタイミングで
バタン!
「滑り込みギリギリセーフ!」
アウトだよ、イヴさんや
「イヴちゃん?」
「ひぃっ!」
サラちゃんの圧力が増した笑顔と少し低くなった声との迫力に悲鳴を上げる。
それにしてもイヴの表情が面白い。ソウマなんてゲラゲラ笑ってるよ
「後でお話ししましょうね」
「ひゃい」
なんかもう狼と兎みたいになってるよ
「じゃあ、席に着いて。ホームルームを始めるわよ~。今日は昨日言った通り筆記テストを行うわ~
頑張ってね~。昼食の後は昨日選んでもらった選択科目だから時間割を確認しておいてね~」
そう言い終わると全員に裏向きで紙を配る
「それが最初のテストよ~。机の上には鉛筆と消しゴムだけにしたら始めていいわよ~。あ、因みにスキルとか魔術とかでカンニングしようとしてもこの校舎には検知の仕組みがあるから駄目よ~」
鉛筆と消しゴムは何十年か前から普及したものだ。異世界人が広めた物だと師匠が言っていた
さてと、テストはどんなものかな?
「はーい、これでテストは終わりよ~。みんなお疲れさま~。結果は明日、昇降口の付近に張り出すからちゃんと確認してね~」
ふぅ、テストをすべて終えてお昼前。テストの内容は俺にとってはとても簡単なものだった。
内容はといえば、魔物の名前、種族、弱点、生息地など。簡単な10桁までの足し算、引き算、九九。それと一般常識と言ったところだ。
まあ、入学時なんてこんなものだろう。師匠からブツリやらカガクを教わっていたのでここら辺の事など何て事はない。
そういえば召喚獣のこと聞かないとな
「サラちゃん」
「どうしたの~?クウガくん」
「俺、召喚獣がいるんですけど常に出しててもいいのか聞いておきたくて」
「ああ、そのことね~。巨大だったり、居るだけで害が出るようなタイプじゃ無いのならば大丈夫よ~。ただ、さっきみたいなテストの時とかはダメだけどね~」
「わかりました」
「うん、じゃあ午後の授業も頑張るのよ~。イヴちゃんはこっちよ~」
そう残してイヴの首根っこを掴み教室を後にするサラちゃん
それじゃあ、フレッドと一緒に風紀委員会本部に行きますか。
ルル、出てきていいぞ
『わかったー』
青い光の球が俺の胸から出て頭の上に移動してルルに変化する
『やっぱりここだ1番~』
と、ルルを出すとみんなが寄ってきた
「おお~、クウガの召喚獣っすか!」
「こ、これは、まさか!?」
「は~、クウガくん凄いね」
「か、可愛いです!」
「ちーさいねー」
「もふもふです」
フォーリアとフレッドはルルの種族を知ってるみたいだ。メアリーさんが少し危ない目をしてた気がする。ダリアさんも気になるみたいで扉の前で止まってこちらを、と言うよりは俺の頭のルルにチラチラと視線を送っている。
『ボクはルルだよ!みんなよろしくね!』
よろしく~とみんなが返してくれる。一気にみんなのハートを掴んだみたいだ。ダリアさんの可愛いいの呟きは聞き逃さなかったよ~
「じゃあ、自分の召喚獣も紹介するっす!」
とガルタが言うと俺と同じように胸から青い光の球が出て変化する
そこに現れたのはガルタよりも小さいが2mに届きそうな大きさのやつだった
「自分の召喚獣のフォートレスアルマジロのアルフォーくんっす!」
「クゥ~~!」
鳴き声が特徴的だ。大人達が酒を飲んだ時に出す声にそっくりだった。アルフォーくんの見た目はアルマジロという動物を大きくして、背面の部分がツヤのある鉱石のようになっていた。
「私も紹介したいところですがここでは無理なので機会があれば」
「じゃあ、僕かな」
フォーリアの召喚獣は大きいってことかな?今度はフレッドが見せてくれるようだ
同じようにフレッドから青色の光球が現れ、今度は地面から離れたところで変化した。
そこにいたのは白い体毛、青い瞳を持った梟だった
「僕の相棒のホワイトマギフクロウのシロアだ」
フレッドの出した腕に捕まり翼をバサッと広げてアピールする
「え、えーと、それじゃあ僕も」
いつもノルンはどもってしまっているけどこれがデフォルトなのだらうか?
ノルンの横にノルンを守るようにして現れたのは大型の虎だ。黒色で所々に深い青で線が入っている。
「名前は景虎です」
「ガウッ」
よろしく。とでも言うように景虎が鳴く
アルフォーくん以外はみんな賢そうだ
「イッテツは?」
気になったのだろう、ソウマが聞く
「僕のもここだと無理かなー」
イッテツも大きいタイプらしい
「んじゃ、俺だな。ジアラ」
ソウマが呼べば直ぐにジアラが人型で現れる。姿は変わってい無いが、秘める強さは別行動する前とは大きく異なっている
「え?人?」
「人化できるのか」
「クウガと一緒でソウマも凄いね~」
各々の感じたことを率直に述べるみんな
「ん?クウガは召喚獣が2匹と1人いるぞ」
「「「「え?」」」」
呆然とする一同
「2人とも規格外だね。そういえば同じ誰の弟子なの?」
フレッドが疑問に思ったのだろう。聞いてきた
「アイト コウヅキだよ。《魔闘士》の」
「え?」
ポカーンとするフレッド
「コウヅキってことは」
何かに気づいたフォーリア
「え?え?」
なにもわかってい無いのだろうノルン
「ほへー」
よくわからんイッテツ
「誰っすか?」
知らないらしいガルタ
「・・・」
驚愕して顔が硬直してらっしゃるダリアさん
ナキアさんとメアリーさんはうんうん分かる分かる
と頷いている
「ランクSSS冒険者が師匠なんてとんでもないね」
「「え?ええ!?」」
やっと理解したノルンとガルタの叫び声が教室に鳴り響いたのであった
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