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2章
55:魔術魔法講座とスキル講座
しおりを挟む次は魔術魔法講座だ。Sクラスでも殆どの人が取っているが、皆んなと一緒に授業を受けられる訳ではない。この授業は科ごとに分かれ、そこからまた幾つかに分けられそれぞれの決められた教室で受ける。
剣術の授業を受けていた演習場を後にして指定された教室に着いた。移動中に向けられる視線は相変わらずだ。何が有るのだろうか?
そんなふうに思いながらも扉を開け教室に入る。教室の広さはかなり広々としており、100人は余裕で座って授業を受けられそうだ。すでに席は半分ほどが埋まっているが、好きなように座っているのでまばらだ。
と、教室内を見回しているとソウマを見つけた。
が
ソウマの周りには女子がいっぱい群がっていた。
あれは俺の知り合いじゃないな。幸い女子との会話に夢中でソウマは俺に気づいていないようだ。なら気配を消して距離を置こう。
だって女子に囲まれても嬉しくはないし、男子の嫉妬のこもった視線がひどい。なんか一部は殺気も出てる。
そんな風に気配を消し、周囲をまた見回していたらフレッドを見つけた。フレッドも俺と同じ気持ちだったみたいで気配が薄くなっていた。薄いといっても俺からしたらという事なのでここにいる俺とソウマ以外には分からないだろうけど。
フレッドの方に向かうとあっちも気づいた。教室の後ろ端の席に座っていて、俺はその横に座る。話しかけようとすると先に向こうから話しかけてきた。
「クウガもああいうの得意なのかと思ってたよ」
とソウマの方を見ながら俺に言ってくるフレッド。そんな風に見られていたのか
「ソウマだけ。俺には無理だよ」
ソウマみたいなハーレム願望はないし、ああいう感じの女の人はなんか好きになれないんだよね。男子の方は面倒事しか想像できない。
「そっか」
結構はっきり言ったのだが、フレッドは微妙な顔だ。何でだ?
その後は授業が始まるまでそれぞれさっき受けてきた授業の話をした。フレッドが取っていたのは短剣術。遺跡探索の時にも使っていたものらしい。フレッドの戦闘スタイルはシーフみたいな物のようだ。短剣術で担当となった先生は理論派でかなり分かりやすく、とてもためになったそうだ。バル先生は明らかに習うより慣れろ派だよね。
時間となり先生がやってきた。やってきたのはおばあちゃん。だが、背筋はピンと伸び顔にはシワが刻まれているが眼光はとても鋭い。髪の毛は茶色で黒に近い紫のフード付きローブを着ていた。フードは下ろしている。
「集まっとるね。それじゃ、始めるからちゃんと席につきな」
懐から学生証に似たものを出して何かを確認するとソウマに群がっていた女子に鋭い眼光を浴びせる。女子達はその圧力に負けて特に何をいうでも無く席に着く。ソウマはちゃっかり俺の横に移動している
「今日はこれから何を学んでいくかを確認して、魔力について説明した後に魔術に軽く触れるよ」
そう言うや否や徐に指を振る。すると先生の後ろのチョークがひとりでに浮かび黒板に文字を書く。
「これがあたしの名前さね。フリーダ先生と呼びな」
黒板に書かれたのは先生の名前のようだ。チョークは魔力を糸状にして繋げ、それで操っているみたいだ。
「あんたらは武科だからこれから学んでいくことは、魔術魔法の名前とそれの効果と対処法。魔力の操作。日常で使えたら便利な魔術。身体強化魔術。ここら辺を1年生では学んでもらうからしっかりと頑張るように」
フリーダ先生の話をみんな真剣に聞いている
「それじゃあ、早速魔力についてだ。魔力とは何だか分かるかい?」
最前列にいた生徒に問う
「えーっと、魔術を使うためのエネルギーです」
少し考えて答える生徒。フリーダ先生は頷いて話し始める
「間違っちゃいないが正確じゃないね。いいかい?魔力って言うのはそれ自体が万能の力なのさ」
またチョークが動き黒板に魔力と書かれる。
「魔術や魔法っていうのは奇跡の力だ。何もない場所から火を起こし、水を生み出し、風が巻き起こる。だけどもそれは魔力無しには成し得ない。それに魔力を使いこなせば様々なことが出来る。じゃあ、今度はそこの子」
「はい」
先ほど当てられた生徒とは別の生徒だ
「さっきからひとりでにチョークは動いているけどどうやって動かしてると思う?」
当てられた生徒は何を言っているのかと言うように首を傾げ
「え?無属性の魔術で動かしているんじゃないの?」
と答えた
「不正解だよ。これは魔力を糸状にしてチョークとくっ付けて動かしているだけ。魔術なんて使っていないよ」
その返答に教室内は少しザワつき、落ち着くのを待ってフリーダ先生は話を再開する
「これで多少は分かったかい?魔術や魔法何て言う派手な方に関心は行きがちだが魔力だって馬鹿に出来たもんじゃないと言うことを理解しな。魔術を行使するのに魔力操作というのは重要な役割を持っているけど後衛の魔術師よりもあんたら前衛のがこの技術は必要になってくる。これを疎かにしてちゃあ一定以上の戦いにはついていけないからしっかり鍛錬をして行きなさい」
この後も魔力についての話。魔力操作の練習の仕方。どんな工夫があるかなどが黒板へと書かれる文字とともに説明され、少しだが生活に使える魔術の説明があり授業は終わりとなった。魔力操作の工夫で使えそうなものがあったので後で試しておくことにする。
最後にこの授業では時折実習をする事もあると告げて先生は教室を後にした。
直ぐにソウマに女子が群がってきたのでソウマを放置してフレッドと共に離脱。次のスキル講座を受ける教室へと向かった。フレッドもスキル講座を受けるのだがスキル講座は先ほどと少し違う
スキル講座はスキルの大まかな種類ごとでクラスが用意されていて、自分の興味のある、又は習得したいものがあるクラスへ向かうのだ。
スキル講座では等級の低いスキル。俗にノーマルスキルと呼ばれるものはスキルストーンが用意されていて直ぐに習得できるらしい。
俺が向かったのは鑑定など、冒険者必須のスキルについての所だ。開いていた扉をくぐろうとしたところでソウマが女子を連れずに1人で追いついてきた
女子達はどうしたのか聞くと適当にあしらってきたと普通に言ってきた。お前は何がしたかったんだという言葉が出そうになったがめんどくさくなりそうだったので飲み込んで一緒に教室へと入り席に座って雑談で時間を潰し、始まるのを待つ。
例の如く時間通りに先生がきて、授業が始まった。先生は俺が入学試験の時に模擬戦をやった人だった。名前はマイルズだそうだ。冒険者講座も担当らしい。
「おし、んじゃまずは何処のクラスでも一緒でスキルについだ。スキルってのは神さん達が俺達にステータスという形でしてくれる手助けの一部だ。スキルは特定の条件、行動、経験を積む事で得られる技能の事だ。ただし、一定以上の基準を満たさないといけない。例でスキル【剣術】で言うとだな、剣を振るだけでは駄目でしっかりと扱えて取得出来る。あと、スキルの中には後天的に取得出来ないのもある」
その後もマイルズの説明は続き、スキルストーンで【物品鑑定】、【植物鑑定】を習得した。今回はどういったスキルがあってこれからどう言うのを覚えていくかを聞いて授業は終了となった
これで午後の授業は終了。生徒会の仕事があるソウマと分かれ俺は風紀委員会本部へと向かった。
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