Heroic〜龍の力を宿す者〜

Ruto

文字の大きさ
81 / 122
2章

79:深夜の出来事

しおりを挟む

深夜。異常を感じて目が醒める

即座にベッドから跳び起きて、装備を整える。装備はアイテムボックスの応用で思考だけで着れる

ラキアとソウマも起きて、準備を終えたようだ。ソウマの場合はマジックアイテムの効果で早着替えだ

目が醒めた理由は突然、異質で強大な魔力が寮の何処かに現れたのだ。その魔力を俺は知っている

これは

「エルーンか?」

「ピンポーン!」

背後に唐突に現れた気配とその存在から掛けられた陽気な声を聞きながら手にしていたアギスで背後に反転しながら斬りつけた

ブンッ!

だが、アギスは宙を斬るのみ

「危ない危ない。ヒヒヒッ」

そうおちゃらけた様子でいる男を分析する。見た感じは俺と同じくらいの身長と紫の髪、髪型は少し長めな髪が全て逆立っている

そして、体の至る所に刻まれた紋様。それは、ある者の特徴だ

堕神

それは元神だった者の成れの果て

大罪を犯した者、精神が可笑しくなった者など理由は様々であれど彼等彼女等は堕ちた者達。必ず負の方向に向かう。だから人々には生きる災厄の1つとして知られている

目の前の堕神もそんな中の1人だ

それで何故俺がこいつの事を知っているのかといえば、こいつを1度殺したからだ

切っ掛けは、ミネラで知り合いとなった冒険者に頼まれた頼み事からだった

そこから何やかんやあって、エルーンと戦い、殺したのだ。当時は物凄い苦戦した。ソウマやラキアなど全員でやってギリギリ勝てたようなものだ。何かを間違えていたら死んでいたかもしれない

まあ、それでもあの時は勝った

だけど、神は復活するのだ。どういう理屈でそうなるのかなんてのは分からないが、復活するのだ

当時の俺は初めて神と戦ったことでその事を知らなかったが、こいつを殺した時に残した言葉が気にかかり、調べた結果と直接他の堕神に聞いた結果分かった事だ

だからこそエクストラスキルにあんな物が有るわけだが

それもこれも当時の話だ。今はもう違う

「今度こそてめぇ等を殺してやる!手足を捥いでお前等の前で女を犯して殺してからだけどな!ヒャヒャヒャヒャ」

相変わらずの屑っぷりだが強さは本物だ。ならばこそ一瞬で終わらせる。その思慮のや足りなさを後悔しろ

なお笑い続けるエルーンを見据え、次元の位相を変更し、切り札も使った全力の一歩を踏み込んだ

スキルを発動させながら、魔力の循環率を上げ、身体強化を発動して距離を詰める

移動の最中スキルの発動に伴って、俺の頭から足までの全身をピッタリと覆う銀色の鎧と宙に浮かぶ10の剣のようなものと1振りの刀に似た長剣が顕現する。その中の一本を左手で掴み取り、右手にアギスを、左手にはその現れた剣を握る

周りの景色を一瞬で置き去りにして驚愕をその顔に浮かべるエルーンの前へ

何もさせる気は無い

今度こそ完璧に消し去ってやる

【魂葬】を発動しながら両手に持つ2本の剣に殺気を乗せて瞬きの間に数多の斬撃を繰り出した

唐竹割りに、袈裟懸けに、逆袈裟に、横薙ぎに、両手に持つ剣を振るった。エルーンの体に刻まれる斬線。腕が飛び、髪が散り、体がずれ、血が吹き出る

斬り飛ばされた部分が【魂葬】によって青白い炎に燃やされながら消滅する

「ぎゃあああああああ」

ほぼ痛みを感じない筈の奴が悲鳴をあげながら崩れ、焼滅していく

「な、何で再生しないんだよー!」

縦に割れた顔を苦痛に歪め、本来なら再生する筈の己の体を見ながらその強靭な生命力によって直ぐ様消滅出来ないエルーン

神ほどの高位の生命体となれば自己の再生など当たり前だ。復活なんてするんだから当然か

だけどそれが治らない

これは俺の持つスキルが関係している

エクストラスキルの【神殺し】と【魂葬】、更に言うと〈称号〉の神殺しも関係している

通常、堕神などの神に属する者に対しては傷やダメージを与えるのは非常に困難だ。けれども俺の【神殺し】のスキルはそのハードルを下げ、更に付けた傷を治り難くさせる効果もある。〈称号〉の神殺しによっても難度は下げられている。そして、先程からエルーンの体が青白い炎によって焼滅していっているのは【魂葬】の効果だ。これは、魂を葬るスキル。魂を消し去ることで存在を消し、神ならば復活が出来なくなるものだ

「あああああぁぁぁぁ……」

エルーンの体が消えていき、悲鳴が段々と小さくなり、エルーンの完璧な消滅と共に部屋には静寂が訪れた

「ふう」

完全に消し去った事をスキルと己の感覚で確信して息を吐き緊張を解く

エルーンが当時の傲慢な、ある意味神の堕神のままでいた事で余計な被害などを出さずに済んだ。そこに関しては幸運だったと言えるだろう。それにエルーンと戦ったのがそれなりに前で【魂葬】も持っていなかったことも良い方向に働いた

「お疲れ様です、マスター」

「お疲れさん。俺の出番は無かったな」

「うん。まあ、エルーンだったからね。当時は苦戦したもんだったけど、強くなったってことだね」

ソウマにそう返しながら強くなれている事実を認識するも、まだ目標には足りないだろうと気を引き締める

「そう言うことだな。でもまだ足りないだろ?」

「ああ、まだ足りない」

「頑張るしかねぇな。じゃあ、とっとと寝ようぜ。まだ寝足りねえよ」

欠伸をしながら寝巻きへと着替え、布団に潜るソウマ

「そうだね」

変えていた次元の位相を元に戻してから、俺も寝巻きに手早く着替えて布団に入る。ラキアも人の姿になって一緒の布団に入り、何時ものように抱きついてくる。明日、いや、もう今日か。今日もまたフレッドと一緒にダンジョン攻略だしっかりと睡眠を取らないとね。コルクさんには明日報告しに行けばいいや



しおりを挟む
感想 16

あなたにおすすめの小説

神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします

夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。 アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。 いわゆる"神々の愛し子"というもの。 神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。 そういうことだ。 そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。 簡単でしょう? えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか?? −−−−−− 新連載始まりました。 私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。 会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。 余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。 会話がわからない!となるよりは・・ 試みですね。 誤字・脱字・文章修正 随時行います。 短編タグが長編に変更になることがございます。 *タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。

追放された味噌カス第7王子の異種族たちと,のんびり辺境地開発

ハーフのクロエ
ファンタジー
 アテナ王国の末っ子の第7王子に産まれたルーファスは魔力が0で無能者と言われ、大陸の妖精族や亜人やモンスターの多い大陸から離れた無人島に追放される。だが前世は万能スキル持ちで魔王を倒し英雄と呼ばれていたのを隠し生まれ変わってスローライフを送る為に無能者を装っていたのだ。そんなルーファスはスローライフを送るつもりが、無人島には人間族以外の種族の独自に進化した先住民がおり、周りの人たちが勝手に動いて気が付けば豊かで平和な強国を起こしていく物語です。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

田舎農家の俺、拾ったトカゲが『始祖竜』だった件〜女神がくれたスキル【絶対飼育】で育てたら、魔王がコスメ欲しさに竜王が胃薬借りに通い詰めだした

月神世一
ファンタジー
​「くそっ、魔王はまたトカゲの抜け殻を美容液にしようとしてるし、女神は酒のつまみばかり要求してくる! 俺はただ静かに農業がしたいだけなのに!」 ​ ​ブラック企業で過労死した日本人、カイト。 彼の願いはただ一つ、「誰にも邪魔されない静かな場所で農業をすること」。 ​女神ルチアナからチートスキル【絶対飼育】を貰い、異世界マンルシア大陸の辺境で念願の農場を開いたカイトだったが、ある日、庭から虹色の卵を発掘してしまう。 ​孵化したのは、可愛らしいトカゲ……ではなく、神話の時代に世界を滅亡させた『始祖竜』の幼体だった! ​しかし、カイトはスキル【絶対飼育】のおかげで、その破壊神を「ポチ」と名付けたペットとして完璧に飼い慣らしてしまう。 ​ポチのくしゃみ一発で、敵の軍勢は老衰で塵に!? ​ポチの抜け殻は、魔王が喉から手が出るほど欲しがる究極の美容成分に!? ​世界を滅ぼすほどの力を持つポチと、その魔素を浴びて育った規格外の農作物を求め、理知的で美人の魔王、疲労困憊の竜王、いい加減な女神が次々にカイトの家に押しかけてくる! ​「世界の管理者」すら手が出せない最強の農場主、カイト。 これは、世界の運命と、美味しい野菜と、ペットの散歩に追われる、史上最も騒がしいスローライフ物語である!

おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう

お餅ミトコンドリア
ファンタジー
 パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。  だが、全くの無名。  彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。  若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。  弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。  独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。  が、ある日。 「お久しぶりです、師匠!」  絶世の美少女が家を訪れた。  彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。 「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」  精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。 「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」  これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。 (※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。 もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです! 何卒宜しくお願いいたします!)

ギャルい女神と超絶チート同盟〜女神に贔屓されまくった結果、主人公クラスなチート持ち達の同盟リーダーとなってしまったんだが〜

平明神
ファンタジー
 ユーゴ・タカトー。  それは、女神の「推し」になった男。  見た目ギャルな女神ユーラウリアの色仕掛けに負け、何度も異世界を救ってきた彼に新たに下った女神のお願いは、転生や転移した者達を探すこと。  彼が出会っていく者たちは、アニメやラノベの主人公を張れるほど強くて魅力的。だけど、みんなチート的な能力や武器を持つ濃いキャラで、なかなか一筋縄ではいかない者ばかり。  彼らと仲間になって同盟を組んだユーゴは、やがて彼らと共に様々な異世界を巻き込む大きな事件に関わっていく。  その過程で、彼はリーダーシップを発揮し、新たな力を開花させていくのだった!  女神から貰ったバラエティー豊かなチート能力とチートアイテムを駆使するユーゴは、どこへ行ってもみんなの度肝を抜きまくる!  さらに、彼にはもともと特殊な能力があるようで……?  英雄、聖女、魔王、人魚、侍、巫女、お嬢様、変身ヒーロー、巨大ロボット、歌姫、メイド、追放、ざまあ───  なんでもありの異世界アベンジャーズ!  女神の使徒と異世界チートな英雄たちとの絆が紡ぐ、運命の物語、ここに開幕! ※不定期更新。 ※感想やお気に入り登録をして頂けますと、作者のモチベーションがあがり、エタることなくもっと面白い話が作れます。

【運命鑑定】で拾った訳あり美少女たち、SSS級に覚醒させたら俺への好感度がカンスト!? ~追放軍師、最強パーティ(全員嫁候補)と甘々ライフ~

月城 友麻
ファンタジー
『お前みたいな無能、最初から要らなかった』 恋人に裏切られ、仲間に陥れられ、家族に見捨てられた。 戦闘力ゼロの鑑定士レオンは、ある日全てを失った――――。 だが、絶望の底で覚醒したのは――未来が視える神スキル【運命鑑定】 導かれるまま向かった路地裏で出会ったのは、世界に見捨てられた四人の少女たち。 「……あんたも、どうせ私を利用するんでしょ」 「誰も本当の私なんて見てくれない」 「私の力は……人を傷つけるだけ」 「ボクは、誰かの『商品』なんかじゃない」 傷だらけで、誰にも才能を認められず、絶望していた彼女たち。 しかしレオンの【運命鑑定】は見抜いていた。 ――彼女たちの潜在能力は、全員SSS級。 「君たちを、大陸最強にプロデュースする」 「「「「……はぁ!?」」」」 落ちこぼれ軍師と、訳あり美少女たちの逆転劇が始まる。 俺を捨てた奴らが土下座してきても――もう遅い。 ◆爽快ざまぁ×美少女育成×成り上がりファンタジー、ここに開幕!

異世界と地球がダンジョンで繋がった ー異世界転移者の私ー

黒木夏
ファンタジー
2040年の初春、突如として地球上の主要都市に謎のダンジョンが出現した。 その特異性は明らかで、人口密集地を中心に出現し、未開の地には一切現れないという法則性を帯びていた。 人々は恐怖に震えつつも、未知なる存在に対する好奇心を抑えきれなかった。 異世界転移した最強の主人公のほのぼのライフ

処理中です...