65 / 114
第八章 天の川の渡り方(ヒメ/阿久津交互)
05 また、来週。
しおりを挟む
来週からは、朝、会うのはもうやめよう。
そう言った翌日も、阿久津さんはいつも通り、5分間の立ち話をして行った。
私は昨日聞いた言葉を確認する勇気がなくて、いつも通りくだらない会話をし、いつも通り、手を振ってその背を見送る。
金曜の朝、別れを告げる電車がホームに滑り込んで来たとき、私と阿久津さんは黙ってその電車を見ていた。
雑踏が私たちを取り残したまま、ホームを素通りしていく。
ごった返す人に囲まれているのに、私と阿久津さんしかいないみたいに感じた。
同時に、手を伸ばせば届くほどの距離にいるのに、近づかない関係へのもどかしさが胸を締め付ける。
私がうつむいている間に、雑踏は落ち着いた。
そろそろだ。
そろそろ、阿久津さんは、じゃあなと言って去っていくだろう。
阿久津さんが息を吸う気配がした。
私は勢いよく、顔を上げる。
その瞬間、知らないうちに込み上げていた涙が散った。
「来週――」
私は阿久津さんが言いかけた言葉を遮って、それから先の言葉に困る。
何を言えばいいんだろう。何を伝えたいんだろう。
私は。ーー私は、
「元気でな」
またうつむいた私の頭をぽんと叩き、阿久津さんは言った。
慌てて顔を上げたけど、もう背中しか見えなかった。
振り向きもせず、階段を降りていく広い背中。
止めなきゃ。
引き止めて、来週も今まで通り会いましょうって、伝えなきゃ。
伝えなきゃーー
思っているのに、足は動かない。
動かない。
何で?
阿久津さんは階段を降りていく。どんどん遠ざかり、見えなくなる。
その姿が涙で歪んできた。
何で、泣いてるの。
どうして、私の足は動かないの。
こんなに、追いかけたいのに。
こんなにーー好きなのに。
次の電車がホームに入ってきた。
風が私の髪と、シフォンスカートを乱暴に撫でていく。
涙も、風でまた少し散る。
両手で顔を覆った。
電車のドアが開く。
雑踏がまた、ホームを包んだ。
阿久津さんと私がいたホームには、もう私しかいない。
無愛想なざわめきが、周囲を包んだとき、
「ヒメちゃん?」
心配そうな声がした。
はっとして振り返る。
そこに立っていたのは、アヤノさんだった。
ボブヘアをさらりと揺らした耳元に、小さなピアスが見える。
乗客を降ろしてまた乗せ、走り始めた電車の風が、そのさらりとした髪を撫でていく。
「先行くぞ」
「あ、うん」
マサトさんがちらりと私たちを見て、階段へ向かった。
アヤノさんはその背を見送り、私を気遣うような目で見る。
その優しい目に、私は耐えられない。
「何でもないです」
アヤノさんが口を開きかけたのを見て、私は早口に言った。
強い語調に、アヤノさんが怯む。
「何でもないです。アヤノさんには関係ないです」
言い切ってから、そのぶつけるような語調に情けなくなった。
八つ当たりだ。立派な八つ当たり。
自分の幼さにまた涙ぐむ。
アヤノさんのように、落ち着いて穏やかな大人の女性に、私は到底、なれそうにない。
「……すみません」
私は言って、アヤノさんから遠ざかろうとした。
アヤノさんは黙ったまま、私のその腕をつかむ。
「ヒメちゃん」
私は振り向いたけど、アヤノさんの顔を見ることができず、その首元に揺れる小さなネックレスヘッドを見ていた。
小さな石が二つついたシルバーのネックレスヘッド。一つはパールで、もう一つは紫色をしている。
「ヒメちゃんのまっすぐな目、私、好きだよ」
私は少し目線を上げた。アヤノさんの口元に目が行く。
「忘れないで欲しいなと思って。憂鬱なときもあるだろうけど、ヒメちゃんはきっと、まっすぐなときが一番輝いてる」
私はようやく、アヤノさんの目を見た。
アヤノさんが微笑む。
「そういうときの顔が、とっても素直で可愛いから……阿久津とうまく行くといいなって思ったし、応援もしたくなったんだよ」
また涙が込み上げてきて、私はうつむいた。
アヤノさんは一歩私に近寄ると、そっと抱きしめる。
私は顔を手で覆って、その肩に額を寄せた。
また次の電車が走り込んでくる。
降りてきたのは、ヨーコさんとジョーさんだった。
「何してんすか?」
相変わらず飄々としたジョーさんが、丸い目をますます丸くして首を傾げる。
私は戸惑いながら、アヤノさんから一歩離れた。
ヨーコさんは微笑んで、ジョーさんの背中をたたいた。
「あんた、先行き」
「えー」
ジョーさんは唇を尖らせたが、
「じゃ、改札の外で待ってます」
「ああそう、じゃそうしとき」
「はーい。じゃあね、ヒメちゃん」
にこりと笑ってジョーさんが階段を降りていく。
涙の滲んだ私の目に全然動揺することなく。
「あーくんの気持ちも分からんでもないけどな」
ヨーコさんは静かに腕組みをして、私とアヤノさんの隣に立った。
「ヒメちゃんがあまりに可愛すぎるさかい、一歩踏み出す気になれへんのやろ」
ふわりと微笑むその目が優しくて綺麗で、私は気まずく目を反らす。
アヤノさんの目がくるりとヨーコさんに向いた。
「ヨーコちゃんも、そうだったの?」
「何が?」
「ジョーとのとき。可愛すぎて勇気が出なかった?」
ヨーコさんが噴き出す。アヤノさんはキョトンとした。
「可愛いなんて思うわけないやろ。あんなデカい図体してはって」
「え、大きさの問題?」
アヤノさんは手を広げたり狭めたりして首を傾げる。その姿に、ヨーコさんは笑っている。
「ともあれ、そろそろ行こか、アーヤ。遅刻になるで」
「え、あ、うん……」
アヤノさんはそれでも、私のことが気掛かりらしい。ヨーコさんに手を引かれながら、ちらりちらりと私を見ている。
「人の気持ちなんて、なるようになるし、なるようにしかならんわ。あんたも分かっとるやろ」
言われたアヤノさんは、ようやく私に背を向けた。
その代わり、ヨーコさんが振り返って微笑む。
「ヒメちゃん。あのときのあーくん、かっこよかったなぁ」
言って、ひらりと手を振った。
二人が去る背中を見ながら、私はようやく気づく。
あのとき。
男たちに絡まれた夜のホテル街。
あのときの阿久津さんは、初めて、自分の意思をもって、私を助けてくれた。
それまでの偶然とは違って、私を私と認めた上で、助けてくれたんだ。
怪我するかもしれないのに。
阿久津さんだって、怖かったかもしれないのに。
あれ?
私、ちゃんとお礼、言ったっけ。
言ってなかった、気がする。
自分のことにいっぱいいっぱい過ぎて。
電車がまた走り込んできた。
この電車に乗らないと、私も遅刻する。
私は最後にもう一度、改札へ向かう階段を見てから、電車の中へと入って行った。
言わなきゃ。
ちゃんと、お礼、言うんだ。
言おう。来週、ちゃんと。
また会う名目ができてほっとしている自分に気づき、思わず笑った。
そう言った翌日も、阿久津さんはいつも通り、5分間の立ち話をして行った。
私は昨日聞いた言葉を確認する勇気がなくて、いつも通りくだらない会話をし、いつも通り、手を振ってその背を見送る。
金曜の朝、別れを告げる電車がホームに滑り込んで来たとき、私と阿久津さんは黙ってその電車を見ていた。
雑踏が私たちを取り残したまま、ホームを素通りしていく。
ごった返す人に囲まれているのに、私と阿久津さんしかいないみたいに感じた。
同時に、手を伸ばせば届くほどの距離にいるのに、近づかない関係へのもどかしさが胸を締め付ける。
私がうつむいている間に、雑踏は落ち着いた。
そろそろだ。
そろそろ、阿久津さんは、じゃあなと言って去っていくだろう。
阿久津さんが息を吸う気配がした。
私は勢いよく、顔を上げる。
その瞬間、知らないうちに込み上げていた涙が散った。
「来週――」
私は阿久津さんが言いかけた言葉を遮って、それから先の言葉に困る。
何を言えばいいんだろう。何を伝えたいんだろう。
私は。ーー私は、
「元気でな」
またうつむいた私の頭をぽんと叩き、阿久津さんは言った。
慌てて顔を上げたけど、もう背中しか見えなかった。
振り向きもせず、階段を降りていく広い背中。
止めなきゃ。
引き止めて、来週も今まで通り会いましょうって、伝えなきゃ。
伝えなきゃーー
思っているのに、足は動かない。
動かない。
何で?
阿久津さんは階段を降りていく。どんどん遠ざかり、見えなくなる。
その姿が涙で歪んできた。
何で、泣いてるの。
どうして、私の足は動かないの。
こんなに、追いかけたいのに。
こんなにーー好きなのに。
次の電車がホームに入ってきた。
風が私の髪と、シフォンスカートを乱暴に撫でていく。
涙も、風でまた少し散る。
両手で顔を覆った。
電車のドアが開く。
雑踏がまた、ホームを包んだ。
阿久津さんと私がいたホームには、もう私しかいない。
無愛想なざわめきが、周囲を包んだとき、
「ヒメちゃん?」
心配そうな声がした。
はっとして振り返る。
そこに立っていたのは、アヤノさんだった。
ボブヘアをさらりと揺らした耳元に、小さなピアスが見える。
乗客を降ろしてまた乗せ、走り始めた電車の風が、そのさらりとした髪を撫でていく。
「先行くぞ」
「あ、うん」
マサトさんがちらりと私たちを見て、階段へ向かった。
アヤノさんはその背を見送り、私を気遣うような目で見る。
その優しい目に、私は耐えられない。
「何でもないです」
アヤノさんが口を開きかけたのを見て、私は早口に言った。
強い語調に、アヤノさんが怯む。
「何でもないです。アヤノさんには関係ないです」
言い切ってから、そのぶつけるような語調に情けなくなった。
八つ当たりだ。立派な八つ当たり。
自分の幼さにまた涙ぐむ。
アヤノさんのように、落ち着いて穏やかな大人の女性に、私は到底、なれそうにない。
「……すみません」
私は言って、アヤノさんから遠ざかろうとした。
アヤノさんは黙ったまま、私のその腕をつかむ。
「ヒメちゃん」
私は振り向いたけど、アヤノさんの顔を見ることができず、その首元に揺れる小さなネックレスヘッドを見ていた。
小さな石が二つついたシルバーのネックレスヘッド。一つはパールで、もう一つは紫色をしている。
「ヒメちゃんのまっすぐな目、私、好きだよ」
私は少し目線を上げた。アヤノさんの口元に目が行く。
「忘れないで欲しいなと思って。憂鬱なときもあるだろうけど、ヒメちゃんはきっと、まっすぐなときが一番輝いてる」
私はようやく、アヤノさんの目を見た。
アヤノさんが微笑む。
「そういうときの顔が、とっても素直で可愛いから……阿久津とうまく行くといいなって思ったし、応援もしたくなったんだよ」
また涙が込み上げてきて、私はうつむいた。
アヤノさんは一歩私に近寄ると、そっと抱きしめる。
私は顔を手で覆って、その肩に額を寄せた。
また次の電車が走り込んでくる。
降りてきたのは、ヨーコさんとジョーさんだった。
「何してんすか?」
相変わらず飄々としたジョーさんが、丸い目をますます丸くして首を傾げる。
私は戸惑いながら、アヤノさんから一歩離れた。
ヨーコさんは微笑んで、ジョーさんの背中をたたいた。
「あんた、先行き」
「えー」
ジョーさんは唇を尖らせたが、
「じゃ、改札の外で待ってます」
「ああそう、じゃそうしとき」
「はーい。じゃあね、ヒメちゃん」
にこりと笑ってジョーさんが階段を降りていく。
涙の滲んだ私の目に全然動揺することなく。
「あーくんの気持ちも分からんでもないけどな」
ヨーコさんは静かに腕組みをして、私とアヤノさんの隣に立った。
「ヒメちゃんがあまりに可愛すぎるさかい、一歩踏み出す気になれへんのやろ」
ふわりと微笑むその目が優しくて綺麗で、私は気まずく目を反らす。
アヤノさんの目がくるりとヨーコさんに向いた。
「ヨーコちゃんも、そうだったの?」
「何が?」
「ジョーとのとき。可愛すぎて勇気が出なかった?」
ヨーコさんが噴き出す。アヤノさんはキョトンとした。
「可愛いなんて思うわけないやろ。あんなデカい図体してはって」
「え、大きさの問題?」
アヤノさんは手を広げたり狭めたりして首を傾げる。その姿に、ヨーコさんは笑っている。
「ともあれ、そろそろ行こか、アーヤ。遅刻になるで」
「え、あ、うん……」
アヤノさんはそれでも、私のことが気掛かりらしい。ヨーコさんに手を引かれながら、ちらりちらりと私を見ている。
「人の気持ちなんて、なるようになるし、なるようにしかならんわ。あんたも分かっとるやろ」
言われたアヤノさんは、ようやく私に背を向けた。
その代わり、ヨーコさんが振り返って微笑む。
「ヒメちゃん。あのときのあーくん、かっこよかったなぁ」
言って、ひらりと手を振った。
二人が去る背中を見ながら、私はようやく気づく。
あのとき。
男たちに絡まれた夜のホテル街。
あのときの阿久津さんは、初めて、自分の意思をもって、私を助けてくれた。
それまでの偶然とは違って、私を私と認めた上で、助けてくれたんだ。
怪我するかもしれないのに。
阿久津さんだって、怖かったかもしれないのに。
あれ?
私、ちゃんとお礼、言ったっけ。
言ってなかった、気がする。
自分のことにいっぱいいっぱい過ぎて。
電車がまた走り込んできた。
この電車に乗らないと、私も遅刻する。
私は最後にもう一度、改札へ向かう階段を見てから、電車の中へと入って行った。
言わなきゃ。
ちゃんと、お礼、言うんだ。
言おう。来週、ちゃんと。
また会う名目ができてほっとしている自分に気づき、思わず笑った。
0
あなたにおすすめの小説
叱られた冷淡御曹司は甘々御曹司へと成長する
花里 美佐
恋愛
冷淡財閥御曹司VS失業中の華道家
結婚に興味のない財閥御曹司は見合いを断り続けてきた。ある日、祖母の師匠である華道家の孫娘を紹介された。面と向かって彼の失礼な態度を指摘した彼女に興味を抱いた彼は、自分の財閥で花を活ける仕事を紹介する。
愛を知った財閥御曹司は彼女のために冷淡さをかなぐり捨て、甘く変貌していく。
ズボラ上司の甘い罠
松田丹子(まつだにこ)
恋愛
小松春菜の上司、小野田は、無精髭に瓶底眼鏡、乱れた髪にゆるいネクタイ。
仕事はできる人なのに、あまりにももったいない!
かと思えば、イメチェンして来た課長はタイプど真ん中。
やばい。見惚れる。一体これで仕事になるのか?
上司の魅力から逃れようとしながら逃れきれず溺愛される、自分に自信のないフツーの女子の話。になる予定。
溺婚
明日葉
恋愛
香月絢佳、37歳、独身。晩婚化が進んでいるとはいえ、さすがにもう、無理かなぁ、と残念には思うが焦る気にもならず。まあ、恋愛体質じゃないし、と。
以前階段落ちから助けてくれたイケメンに、馴染みの店で再会するものの、この状況では向こうの印象がよろしいはずもないしと期待もしなかったのだが。
イケメン、天羽疾矢はどうやら絢佳に惹かれてしまったようで。
「歳も歳だし、とりあえず試してみたら?こわいの?」と、挑発されればつい、売り言葉に買い言葉。
何がどうしてこうなった?
平凡に生きたい、でもま、老後に1人は嫌だなぁ、くらいに構えた恋愛偏差値最底辺の絢佳と、こう見えて仕事人間のイケメン疾矢。振り回しているのは果たしてどっちで、振り回されてるのは、果たしてどっち?
【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜
来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、
疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。
無愛想で冷静な上司・東條崇雅。
その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、
仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。
けれど――
そこから、彼の態度は変わり始めた。
苦手な仕事から外され、
負担を減らされ、
静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。
「辞めるのは認めない」
そんな言葉すらないのに、
無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。
これは愛?
それともただの執着?
じれじれと、甘く、不器用に。
二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。
無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
明日のために、昨日にサヨナラ(goodbye,hello)
松田丹子(まつだにこ)
恋愛
スパダリな父、優しい長兄、愛想のいい次兄、チャラい従兄に囲まれて、男に抱く理想が高くなってしまった女子高生、橘礼奈。
平凡な自分に見合うフツーな高校生活をエンジョイしようと…思っているはずなのに、幼い頃から抱いていた淡い想いを自覚せざるを得なくなり……
恋愛、家族愛、友情、部活に進路……
緩やかでほんのり甘い青春模様。
*関連作品は下記の通りです。単体でお読みいただけるようにしているつもりです(が、ひたすらキャラクターが多いのであまりオススメできません…)
★展開の都合上、礼奈の誕生日は親世代の作品と齟齬があります。一種のパラレルワールドとしてご了承いただければ幸いです。
*関連作品
『神崎くんは残念なイケメン』(香子視点)
『モテ男とデキ女の奥手な恋』(政人視点)
上記二作を読めばキャラクターは押さえられると思います。
(以降、時系列順『物狂ほしや色と情』、『期待ハズレな吉田さん、自由人な前田くん』、『さくやこの』、『爆走織姫はやさぐれ彦星と結ばれたい』、『色ハくれなゐ 情ハ愛』、『初恋旅行に出かけます』)
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
あなたがいなくなった後 〜シングルマザーになった途端、義弟から愛され始めました〜
瀬崎由美
恋愛
石橋優香は夫大輝との子供を出産したばかりの二十七歳の専業主婦。三歳歳上の大輝とは大学時代のサークルの先輩後輩で、卒業後に再会したのがキッカケで付き合い始めて結婚した。
まだ生後一か月の息子を手探りで育てて、寝不足の日々。朝、いつもと同じように仕事へと送り出した夫は職場での事故で帰らぬ人となる。乳児を抱えシングルマザーとなってしまった優香のことを支えてくれたのは、夫の弟である宏樹だった。二歳年上で公認会計士である宏樹は優香に変わって葬儀やその他を取り仕切ってくれ、事あるごとに家の様子を見にきて、二人のことを気に掛けてくれていた。
息子の為にと自立を考えた優香は、働きに出ることを考える。それを知った宏樹は自分の経営する会計事務所に勤めることを勧めてくれる。陽太が保育園に入れることができる月齢になって義弟のオフィスで働き始めてしばらく、宏樹の不在時に彼の元カノだと名乗る女性が訪れて来、宏樹へと復縁を迫ってくる。宏樹から断られて逆切れした元カノによって、彼が優香のことをずっと想い続けていたことを暴露されてしまう。
あっさりと認めた宏樹は、「今は兄貴の代役でもいい」そういって、優香の傍にいたいと願った。
夫とは真逆のタイプの宏樹だったが、優しく支えてくれるところは同じで……
夫のことを想い続けるも、義弟のことも完全には拒絶することができない優香。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる