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第十三章 マイスイートホーム(ヒメ視点)
02 魔法の言葉
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同棲は秋からになった。両親からは、先に籍だけでも入れて欲しいと言われ、婚姻届を出すことにした。せっかくだからと十一月二十二日、いい夫婦の日、に提出することにして、その前に荷物を少しずつ光彦さんの家に持ち運ぶ。
光彦さんは転居も提案してくれたけど、探している時間が惜しかったし、私の職場も彼と同じ沿線だから不便はない。そう言うと、まあ確かにと頷いてくれた。
転居は、子作りが解禁になってから。
どちらからともなくそういうことに決めて、とりあえず必要なだけの荷物を運び、台所用品も少し集めた。小鍋とヤカンだけじゃどうしたって足りないのは光彦さんも自覚していたんだろう、その辺りは任せる、と言われ、私は楽しく台所を開拓していった。
台所に立っていると、だんだんと自覚がわいてきた。
ああ、本当にこの人の家族になるんだ。
光彦さんのプロポーズは、結婚してくれ、じゃなくて、家族になってくれ、だった。
なんだかそれがとても彼らしく思えて、私は思い出してはにやける。
子どもができたら、きっと教えてあげよう。
パパがどれだけ素敵な人か。ママはどれだけパパが好きか。どれだけがんばって手にした人なのか。
思いながら、食器を洗う手を止めて、ソファに座る光彦さんを見る。
私の視線に気づいて、ちらりとこちらを見た。
「俺もやろうか?」
「ううん、大丈夫」
微笑みを返して首を振ると、少し居心地悪そうにまたテレビに視線を戻した。
目はそちらを向いているけど、見ていないのは分かっている。
今日は、するのかな。しないのかな。
時計は十時を指していた。これからお風呂に入って寝る支度をしたら、十二時近くになるだろう。
一度後ろからしたら、光彦さんはその体位がとても気に入ったらしい。今まで営みに誘うのは、間接的ではあるものの私ばかりだったけれど、その日以降はときどき光彦さんから誘うようになった。
そういう日は、仕方がないから後ろでしてあげる。抱きしめられないのは今でもちょっと寂しいんだけど、彼が喜ぶならいいかな、と思っている。
光彦さんがテレビを消して、ぱたぱたと歩いてくる。トイレかなと思ったら、後ろから抱きしめられた。
きゅん、とそれだけで下腹部が疼く。彼からべたべたしてくれるのは、月に一度あるかないかだ。私がじっと我慢していればもう少し頻度が上がるのかもしれないけど、だいたい私が先に我慢できなくなるので仕方ない。
「どうしたの?」
「……したい」
また、下腹部がきゅんと締まる。
「また、後ろから?」
光彦さんは一瞬、言葉を失った。
「……嫌ならいい」
ふてくされたように言って、するりと腕を解く。
私は慌ててその手を掴んだ。泡が少し飛ぶ。
「嫌って言ってないのに」
「だって、後ろはあんまり好きじゃないんだろ」
むくれた光彦さんはそっぽを向いていて、とても十四年上の人と思えない。私は笑ってその頬にキスした。背伸びしても顎の上くらいまでしか届かないから、頬といっても少し低い位置だけど。
「好きでもないけど、嫌いじゃないよ」
言って笑うと、光彦さんが照れたような顔をした。
「……洗い物、もう終わるか?」
「うん、これだけ」
「あ、そう」
頷いて一歩離れ、
「……先、風呂入ってるから、お前も来いよ」
言い置いて、私の答えを聞かず浴室へ行ってしまった。
私はまばたきをしながらその言葉の意味を考える。
それは……ええと。
お風呂に、一緒に入るってこと?
一度、一緒に入ったときのことを思い出し、赤面する。
一方で、期待するようにじわりと蜜壺が潤った。
……嫌い、じゃないんだけどね。
お風呂で、するのも。
実はそういうプレイも、他で経験がないわけじゃない。
彼には言わないけど。
私は急いで食器を片付け、浴室へと向かった。
「洗ってやるから座れ」
言われるがままに座ると、光彦さんはシャワーをあてながら私の髪を洗い、泡状にしたボディソープで身体を撫でた。
くすぐったくて私が身じろいでいると、だんだんと手つきがエスカレートしてくる。
後ろから胸の頂きをくるくると弄ばれ、私の口から甘い息が漏れた。
「エロい」
嬉しそうな声が低く耳元で響いたかと思えば、耳たぶを甘噛みされ、耳後ろを舌で舐めとられる。
両胸を起用に片手で揉みながら、片手は私の内股の奥へ這わせ、舌は肩を、うなじを、背骨を這う。
「は、ぁ」
蜜壺にくぷりと指先が埋まっていく。節くれ立った指が、私のいい所を探り当て、ぐちゃぐちゃと音を立てながら刺激する。
「ゃだ、音、響く」
「うん。ーーよく聞こえるな」
光彦さんは楽しそうに言って、両胸の頂きを同時に指先で弾いた。
「ぁん!」
「声もよく響くぞ、気をつけろよ」
私の甲高い喘ぎ声の一方で、光彦さんの低い静かな声が熱を孕んで耳に響く。
「お、風呂で?」
光彦さんは少しためらった後、ああ、と頷いた。
うなじに口づけ、やはりためらいがちに、「嫌か?」と問う。
問いながらもその目は、嫌と言わないで欲しい、と言っていた。
私は苦笑して、首を横に振る。光彦さんはほっとしたようにまた愛撫を再開した。
「でも、風邪引かないように、早めに終わらせような」
優しい声が耳元でささやいたかと思えば、膝裏に手を添えられてひょいと持ち上げられる。
何をするのかと思いきや、バスタブの淵に座らされた。
私の前に膝立ちになった光彦さんは、眼前になった胸に舌を這わせる。頂きを吸い、片胸を揉み、つまみ、掬い、揺らしながら、片手で茂みの奥への愛撫を続けた。
「は、ん……」
つい脱力しそうになると、腰を支えられて鋭い目が私を見上げる。
「ちゃんと座ってろよ。後ろ倒れたら溺れるぞ」
「ぁん、だってぇ」
甘えた自分の声は嫌いだけど、光彦さんは私のこの声も嫌いじゃないらしい。子どもっぽいこの声で萎えたりしないかと最初は心配していたけど、結局そんなことはなくて済んだ。
光彦さんは笑うと、片手を腰に回したまま、内股をさすり私に膝をしっかり開かせる。おずおずと言うことを聞くと、光彦さんのキスは少しずつ下腹部へ下りてきて、茂みを手で押し上げると、充血し始めたそこに舌先でちょんと触れた。
「ぁ、ぅ」
声が漏れそうになって手で口を押さえる。
光彦さんはにやりとしながら、舌でそこを愛撫し、片手でその下にある穴を犯した。
ぐちゃぐちゃ、ぴちゃぴちゃ、風呂場で聞くことのない音が浴室に満ちる。
「ぁ、ん、駄目」
「駄目、じゃないだろ」
光彦さんの目が欲情している。その視線にすら感じてしまう。
「エロいよ、ヒメ」
にやりと人の悪そうな笑顔を浮かべ、また舌先での愛撫を再開した。
私の声を聞きながら、音を立てることから快感を与えることへ、指先の動きが変わる。
中を掻き回し、奥を突く指先と、敏感な蕾をちりちりと刺激しつづける舌先に、私は思わず手を光彦さんの後頭部へと添えた。
「ぁ、は、は、んーー」
息遣いが荒く響く。
「ぁ、っつひこさ、もぅ」
「イけよ」
言いながら、光彦さんは愛撫に集中した。私も高ぶりに意識を合わせ、目を閉じる。足にも指先にも、だんだんと力が入った。
「ぁ、はぁ、ああ、あ、あ、あーー!」
ぴくん、と果てると共に、光彦さんの頭を掻き抱く。光彦さんは黙って私に抱きしめられたまま、片手で奥をゆるゆると愛撫し、蕾を優しく撫でる。
ぴくん、ぴくん、と数度身体が跳ねた後、かくりと力が抜けた。腰に支えてくれていた手に力をこめ、光彦さんが抱き寄せてくれる。
「はぁ、はぁ、は……」
荒い息のまま光彦さんの裸の肩に頬を預ける。身体は力を失ってぐったりと光彦さんの腕にもたれかかっていた。
しばらく私の髪と背中をさすっていた光彦さんは、私の呼吸が落ち着いて来ると、そっと耳に舌を這わせた。
また、ぴちゃ、という水音がたつ。
「……そろそろ、俺もいい?」
私はぼんやりしながら頷いた。
光彦さんが微笑んで、私の頬に口づける。
「ーーで、その」
とても言いづらそうに、光彦さんは膝立ちのまま、バスタブの淵に座った私を見上げた。
「……ゴム、なしでしてもいい?」
私は数度、目をまたたかせ、一瞬の後理解する。
周期がかなりしっかりしている私は、あと二、三日で月経が始まる。
おそらく妊娠することはないだろう。
来週には入籍もするしーー
「……外に、出してくれれば」
「うん、分かった」
言いながら、光彦さんは嬉しそうな、心配そうな目をしていた。
でもその奥には、高ぶる欲求がある。
日頃理性的な彼のその目が、私をも高ぶらせる。
ああ、もういっそ、中に出してもらおうか。
でも、もしってこともあるし。
もう少し、こういう生活、してたいし。
そんなことを思っているとは知らず、光彦さんが私を立たせる。バスタブ側を向かせ、肩に手を這わせて、私の手でバスタブの淵を握らせた。
「綺麗だよ、ヒメ」
耳元で囁かれ、とろりと奥から蜜が溶け出す。
いっつも、光彦さんは、私の背中を見ながら囁くのだ。
この言葉を聞けるのが私の背中だけであることにすら、私は嫉妬する。
でも、他の女ではないことに、溜飲を下げた。
いきりたった光彦さんが、私の奥へと入ってくる。
「ぁああ……」
思わず口をついた吐息が、浴場に響いた。
「は、ぁ。……ヒメ」
光彦さんの声の切なさに、奥がきゅんと締まる。
光彦さんが、く、と喉の奥を鳴らした。同時に、私の中に入った光彦さん自身もぴくりと揺れる。
ああ、感じてくれてる。
思ってまたきゅんとし、光彦さんが恨めしげな声をあげた。
「……ヒメ」
「だぁ、って、ん」
ゆるゆると始まった前後運動に、私は慌てて口を閉ざす。口を閉じていても、鼻から漏れる声は間違いなく行為中のそれだ。風呂場に反響した自分の声が恥ずかしくて、どうにか我慢をしようとするけど、それを許さないとでも言うように光彦さんが私の奥を貫いてくる。
「ぁあ、いい……」
「うん、すげぇいい……」
ぐちゃっ、ぐちゃっ、と、卑猥な音が響いている。
光彦さんがふるりと震えた。
「ごめん、ヒメ……多分今日、あんま、もたない」
「ぅん、いいよ」
光彦さんの息が荒くなる。私はちらりと後ろを向く。光彦さんは目を閉じて、繋がったそこに意識を集中していた。ぐちゃぐちゃと合わさったそこからの水音はだんだんと速さを増していく。光彦さんが私の腰に添えた手に力がこもる。感じている男の姿を見て、自分も感じた。ぎゅ、と無意識に膣が締まる。光彦さんが余裕をなくして喘いだ。その声にまた、私は奥を締め付ける。
「ゃ、めろっての、くそ」
「んんん」
光彦さんは指先を私の口につっこんだ。キスの代わりのように、私の口の中を指先で愛撫する。私もそれに応えるように、舌先を這わせた。光彦さんが、ちっ、と舌打ちをして、手をまた腰に戻す。きっと、私が感じるよりも光彦さんを高ぶらせていると気づいたのだろう。私はくすっと笑った。瞬間、一際大きく腰を打ち付けられ、あ! と大きな嬌声が出る。
「たまんねぇ、マジでーーはぁ、くそっーーすげぇいいよ、ヒメーーああ、中出してぇーー無茶苦茶にしたいーー」
とぎれとぎれに、うわごとのような光彦さんの声がする。荒い息の合間のかすれた声に、私は興奮する。
「中は、駄目だよーー」
一応言うと、
「分かっ、てるよーーああ、もう限界」
光彦さんは腰を動かす速度を上げた。ぐちゅぐちゅパンパンといやらしい音が響く。
「ぁ、あ、あ、ん」
「は、は、ふ、ぁ」
二人の息が重なり、浴室に響くのは本能に導かれた音だけになる。理性を保つことを放棄したように、私は喘ぎつづける。
「ぁ、は、く、出るっーー」
光彦さんが、急いで腰を引いた。
私の背中に、生暖かいものが落ちる。
「はぁ、はぁ、ふーー」
息を整えながら、光彦さんは背中から私を抱きしめる。
光彦さんが発した精を二人の身体で挟みながら、ゆっくりと光彦さんの膝上に腰を下ろした。
吐精して力を失った柔らかいそれが、優しく臀部に当たっている。
「……疲れた?」
「……疲れた」
互いに肩で息をしながら、頷きあって笑う。光彦さんはぎゅっと私をだきしめる。光彦さんのあぐらの中にすっぽりと収まった私は、その腕をゆっくりと撫でた。
「後ろからするとさ」
光彦さんは不意に話しだした。私は小さく相槌を打ち、続きを待つ。
「すげぇ、犯してる感じがして……罪悪感あるのに、燃える」
私はくすくす笑った。光彦さんもふっと笑う。
「あと、すげぇ、孕ませたくなる」
「え?」
「本能かな、これ。他の奴に思ったことないんだけど」
本当に不思議そうに言うので、私はつい苦笑した。
「他の人に思われてても困る」
「ああ、まあそうだよな」
言って笑うと、光彦さんは洗面器にお湯をすくって、私にかけた。
「背中汚したから、流す」
「ありがとう」
されるがままにして、少し冷めてしまった湯にかかる。
光彦さんは自分の胸元と下腹部についたそれも流して、また私を抱きしめた。
後ろからした後は、顔が見えない安心感からか、こうやって光彦さんが甘えてくる。だからつい、私もはまってしまいそうだ。
光彦さんは私の肩に口づけて、確認するように胸を両手で包んで、そして私の下腹部を両手で包んだ。
子どもを宿す器官があるそこが、じわりと温まる。
「……できるかな」
「何が?」
「俺と、ヒメの子ども」
なんとなく不安そうに言われて、私はふふ、と笑った。
「大丈夫、できるよ」
光彦さんは眉を寄せる。
「何でそんな、断言できんの」
「直感。男の子と、女の子と、一人ずつ」
真面目くさって言うと、光彦さんは噴き出した。
「何だそれ、直感て」
「え、私結構当たるんですよ」
「朝のニュースの占いなんざ信じる奴が言っても真実味がねぇ」
「そうかなぁ」
一瞬、おさまりかけた光彦さんの笑いが、不意に再発した。
きょとんとして振り返ると、光彦さんがくしゃくしゃに笑っている。
膝上に座っている私にも、その振動が伝わった。
「何?」
「いや」
光彦さんは口元を手で押さえ、笑ったままの目を私に向ける。
「一番ウケるのは、お前が言うとなんとなくそんなもんかと思えるところ」
私は少し驚いて、それから笑った。
「そう? なら、よかった」
言って、改めて私から、首もとに抱き着く。
「何でいいの」
「だって、光彦さんが不安に思ったときには、私が大丈夫っていえば大丈夫って思えるんでしょ。いいじゃない」
光彦さんはそれを聞いて、優しい笑顔で私の頭を撫でた。
「そうだな。ーー幸せなこった」
「うん。お互いに」
「お互い?」
「光彦さんが笑っててくれれば、私も幸せ」
光彦さんはただふっと笑って、私の背中を抱きしめた。
光彦さんは転居も提案してくれたけど、探している時間が惜しかったし、私の職場も彼と同じ沿線だから不便はない。そう言うと、まあ確かにと頷いてくれた。
転居は、子作りが解禁になってから。
どちらからともなくそういうことに決めて、とりあえず必要なだけの荷物を運び、台所用品も少し集めた。小鍋とヤカンだけじゃどうしたって足りないのは光彦さんも自覚していたんだろう、その辺りは任せる、と言われ、私は楽しく台所を開拓していった。
台所に立っていると、だんだんと自覚がわいてきた。
ああ、本当にこの人の家族になるんだ。
光彦さんのプロポーズは、結婚してくれ、じゃなくて、家族になってくれ、だった。
なんだかそれがとても彼らしく思えて、私は思い出してはにやける。
子どもができたら、きっと教えてあげよう。
パパがどれだけ素敵な人か。ママはどれだけパパが好きか。どれだけがんばって手にした人なのか。
思いながら、食器を洗う手を止めて、ソファに座る光彦さんを見る。
私の視線に気づいて、ちらりとこちらを見た。
「俺もやろうか?」
「ううん、大丈夫」
微笑みを返して首を振ると、少し居心地悪そうにまたテレビに視線を戻した。
目はそちらを向いているけど、見ていないのは分かっている。
今日は、するのかな。しないのかな。
時計は十時を指していた。これからお風呂に入って寝る支度をしたら、十二時近くになるだろう。
一度後ろからしたら、光彦さんはその体位がとても気に入ったらしい。今まで営みに誘うのは、間接的ではあるものの私ばかりだったけれど、その日以降はときどき光彦さんから誘うようになった。
そういう日は、仕方がないから後ろでしてあげる。抱きしめられないのは今でもちょっと寂しいんだけど、彼が喜ぶならいいかな、と思っている。
光彦さんがテレビを消して、ぱたぱたと歩いてくる。トイレかなと思ったら、後ろから抱きしめられた。
きゅん、とそれだけで下腹部が疼く。彼からべたべたしてくれるのは、月に一度あるかないかだ。私がじっと我慢していればもう少し頻度が上がるのかもしれないけど、だいたい私が先に我慢できなくなるので仕方ない。
「どうしたの?」
「……したい」
また、下腹部がきゅんと締まる。
「また、後ろから?」
光彦さんは一瞬、言葉を失った。
「……嫌ならいい」
ふてくされたように言って、するりと腕を解く。
私は慌ててその手を掴んだ。泡が少し飛ぶ。
「嫌って言ってないのに」
「だって、後ろはあんまり好きじゃないんだろ」
むくれた光彦さんはそっぽを向いていて、とても十四年上の人と思えない。私は笑ってその頬にキスした。背伸びしても顎の上くらいまでしか届かないから、頬といっても少し低い位置だけど。
「好きでもないけど、嫌いじゃないよ」
言って笑うと、光彦さんが照れたような顔をした。
「……洗い物、もう終わるか?」
「うん、これだけ」
「あ、そう」
頷いて一歩離れ、
「……先、風呂入ってるから、お前も来いよ」
言い置いて、私の答えを聞かず浴室へ行ってしまった。
私はまばたきをしながらその言葉の意味を考える。
それは……ええと。
お風呂に、一緒に入るってこと?
一度、一緒に入ったときのことを思い出し、赤面する。
一方で、期待するようにじわりと蜜壺が潤った。
……嫌い、じゃないんだけどね。
お風呂で、するのも。
実はそういうプレイも、他で経験がないわけじゃない。
彼には言わないけど。
私は急いで食器を片付け、浴室へと向かった。
「洗ってやるから座れ」
言われるがままに座ると、光彦さんはシャワーをあてながら私の髪を洗い、泡状にしたボディソープで身体を撫でた。
くすぐったくて私が身じろいでいると、だんだんと手つきがエスカレートしてくる。
後ろから胸の頂きをくるくると弄ばれ、私の口から甘い息が漏れた。
「エロい」
嬉しそうな声が低く耳元で響いたかと思えば、耳たぶを甘噛みされ、耳後ろを舌で舐めとられる。
両胸を起用に片手で揉みながら、片手は私の内股の奥へ這わせ、舌は肩を、うなじを、背骨を這う。
「は、ぁ」
蜜壺にくぷりと指先が埋まっていく。節くれ立った指が、私のいい所を探り当て、ぐちゃぐちゃと音を立てながら刺激する。
「ゃだ、音、響く」
「うん。ーーよく聞こえるな」
光彦さんは楽しそうに言って、両胸の頂きを同時に指先で弾いた。
「ぁん!」
「声もよく響くぞ、気をつけろよ」
私の甲高い喘ぎ声の一方で、光彦さんの低い静かな声が熱を孕んで耳に響く。
「お、風呂で?」
光彦さんは少しためらった後、ああ、と頷いた。
うなじに口づけ、やはりためらいがちに、「嫌か?」と問う。
問いながらもその目は、嫌と言わないで欲しい、と言っていた。
私は苦笑して、首を横に振る。光彦さんはほっとしたようにまた愛撫を再開した。
「でも、風邪引かないように、早めに終わらせような」
優しい声が耳元でささやいたかと思えば、膝裏に手を添えられてひょいと持ち上げられる。
何をするのかと思いきや、バスタブの淵に座らされた。
私の前に膝立ちになった光彦さんは、眼前になった胸に舌を這わせる。頂きを吸い、片胸を揉み、つまみ、掬い、揺らしながら、片手で茂みの奥への愛撫を続けた。
「は、ん……」
つい脱力しそうになると、腰を支えられて鋭い目が私を見上げる。
「ちゃんと座ってろよ。後ろ倒れたら溺れるぞ」
「ぁん、だってぇ」
甘えた自分の声は嫌いだけど、光彦さんは私のこの声も嫌いじゃないらしい。子どもっぽいこの声で萎えたりしないかと最初は心配していたけど、結局そんなことはなくて済んだ。
光彦さんは笑うと、片手を腰に回したまま、内股をさすり私に膝をしっかり開かせる。おずおずと言うことを聞くと、光彦さんのキスは少しずつ下腹部へ下りてきて、茂みを手で押し上げると、充血し始めたそこに舌先でちょんと触れた。
「ぁ、ぅ」
声が漏れそうになって手で口を押さえる。
光彦さんはにやりとしながら、舌でそこを愛撫し、片手でその下にある穴を犯した。
ぐちゃぐちゃ、ぴちゃぴちゃ、風呂場で聞くことのない音が浴室に満ちる。
「ぁ、ん、駄目」
「駄目、じゃないだろ」
光彦さんの目が欲情している。その視線にすら感じてしまう。
「エロいよ、ヒメ」
にやりと人の悪そうな笑顔を浮かべ、また舌先での愛撫を再開した。
私の声を聞きながら、音を立てることから快感を与えることへ、指先の動きが変わる。
中を掻き回し、奥を突く指先と、敏感な蕾をちりちりと刺激しつづける舌先に、私は思わず手を光彦さんの後頭部へと添えた。
「ぁ、は、は、んーー」
息遣いが荒く響く。
「ぁ、っつひこさ、もぅ」
「イけよ」
言いながら、光彦さんは愛撫に集中した。私も高ぶりに意識を合わせ、目を閉じる。足にも指先にも、だんだんと力が入った。
「ぁ、はぁ、ああ、あ、あ、あーー!」
ぴくん、と果てると共に、光彦さんの頭を掻き抱く。光彦さんは黙って私に抱きしめられたまま、片手で奥をゆるゆると愛撫し、蕾を優しく撫でる。
ぴくん、ぴくん、と数度身体が跳ねた後、かくりと力が抜けた。腰に支えてくれていた手に力をこめ、光彦さんが抱き寄せてくれる。
「はぁ、はぁ、は……」
荒い息のまま光彦さんの裸の肩に頬を預ける。身体は力を失ってぐったりと光彦さんの腕にもたれかかっていた。
しばらく私の髪と背中をさすっていた光彦さんは、私の呼吸が落ち着いて来ると、そっと耳に舌を這わせた。
また、ぴちゃ、という水音がたつ。
「……そろそろ、俺もいい?」
私はぼんやりしながら頷いた。
光彦さんが微笑んで、私の頬に口づける。
「ーーで、その」
とても言いづらそうに、光彦さんは膝立ちのまま、バスタブの淵に座った私を見上げた。
「……ゴム、なしでしてもいい?」
私は数度、目をまたたかせ、一瞬の後理解する。
周期がかなりしっかりしている私は、あと二、三日で月経が始まる。
おそらく妊娠することはないだろう。
来週には入籍もするしーー
「……外に、出してくれれば」
「うん、分かった」
言いながら、光彦さんは嬉しそうな、心配そうな目をしていた。
でもその奥には、高ぶる欲求がある。
日頃理性的な彼のその目が、私をも高ぶらせる。
ああ、もういっそ、中に出してもらおうか。
でも、もしってこともあるし。
もう少し、こういう生活、してたいし。
そんなことを思っているとは知らず、光彦さんが私を立たせる。バスタブ側を向かせ、肩に手を這わせて、私の手でバスタブの淵を握らせた。
「綺麗だよ、ヒメ」
耳元で囁かれ、とろりと奥から蜜が溶け出す。
いっつも、光彦さんは、私の背中を見ながら囁くのだ。
この言葉を聞けるのが私の背中だけであることにすら、私は嫉妬する。
でも、他の女ではないことに、溜飲を下げた。
いきりたった光彦さんが、私の奥へと入ってくる。
「ぁああ……」
思わず口をついた吐息が、浴場に響いた。
「は、ぁ。……ヒメ」
光彦さんの声の切なさに、奥がきゅんと締まる。
光彦さんが、く、と喉の奥を鳴らした。同時に、私の中に入った光彦さん自身もぴくりと揺れる。
ああ、感じてくれてる。
思ってまたきゅんとし、光彦さんが恨めしげな声をあげた。
「……ヒメ」
「だぁ、って、ん」
ゆるゆると始まった前後運動に、私は慌てて口を閉ざす。口を閉じていても、鼻から漏れる声は間違いなく行為中のそれだ。風呂場に反響した自分の声が恥ずかしくて、どうにか我慢をしようとするけど、それを許さないとでも言うように光彦さんが私の奥を貫いてくる。
「ぁあ、いい……」
「うん、すげぇいい……」
ぐちゃっ、ぐちゃっ、と、卑猥な音が響いている。
光彦さんがふるりと震えた。
「ごめん、ヒメ……多分今日、あんま、もたない」
「ぅん、いいよ」
光彦さんの息が荒くなる。私はちらりと後ろを向く。光彦さんは目を閉じて、繋がったそこに意識を集中していた。ぐちゃぐちゃと合わさったそこからの水音はだんだんと速さを増していく。光彦さんが私の腰に添えた手に力がこもる。感じている男の姿を見て、自分も感じた。ぎゅ、と無意識に膣が締まる。光彦さんが余裕をなくして喘いだ。その声にまた、私は奥を締め付ける。
「ゃ、めろっての、くそ」
「んんん」
光彦さんは指先を私の口につっこんだ。キスの代わりのように、私の口の中を指先で愛撫する。私もそれに応えるように、舌先を這わせた。光彦さんが、ちっ、と舌打ちをして、手をまた腰に戻す。きっと、私が感じるよりも光彦さんを高ぶらせていると気づいたのだろう。私はくすっと笑った。瞬間、一際大きく腰を打ち付けられ、あ! と大きな嬌声が出る。
「たまんねぇ、マジでーーはぁ、くそっーーすげぇいいよ、ヒメーーああ、中出してぇーー無茶苦茶にしたいーー」
とぎれとぎれに、うわごとのような光彦さんの声がする。荒い息の合間のかすれた声に、私は興奮する。
「中は、駄目だよーー」
一応言うと、
「分かっ、てるよーーああ、もう限界」
光彦さんは腰を動かす速度を上げた。ぐちゅぐちゅパンパンといやらしい音が響く。
「ぁ、あ、あ、ん」
「は、は、ふ、ぁ」
二人の息が重なり、浴室に響くのは本能に導かれた音だけになる。理性を保つことを放棄したように、私は喘ぎつづける。
「ぁ、は、く、出るっーー」
光彦さんが、急いで腰を引いた。
私の背中に、生暖かいものが落ちる。
「はぁ、はぁ、ふーー」
息を整えながら、光彦さんは背中から私を抱きしめる。
光彦さんが発した精を二人の身体で挟みながら、ゆっくりと光彦さんの膝上に腰を下ろした。
吐精して力を失った柔らかいそれが、優しく臀部に当たっている。
「……疲れた?」
「……疲れた」
互いに肩で息をしながら、頷きあって笑う。光彦さんはぎゅっと私をだきしめる。光彦さんのあぐらの中にすっぽりと収まった私は、その腕をゆっくりと撫でた。
「後ろからするとさ」
光彦さんは不意に話しだした。私は小さく相槌を打ち、続きを待つ。
「すげぇ、犯してる感じがして……罪悪感あるのに、燃える」
私はくすくす笑った。光彦さんもふっと笑う。
「あと、すげぇ、孕ませたくなる」
「え?」
「本能かな、これ。他の奴に思ったことないんだけど」
本当に不思議そうに言うので、私はつい苦笑した。
「他の人に思われてても困る」
「ああ、まあそうだよな」
言って笑うと、光彦さんは洗面器にお湯をすくって、私にかけた。
「背中汚したから、流す」
「ありがとう」
されるがままにして、少し冷めてしまった湯にかかる。
光彦さんは自分の胸元と下腹部についたそれも流して、また私を抱きしめた。
後ろからした後は、顔が見えない安心感からか、こうやって光彦さんが甘えてくる。だからつい、私もはまってしまいそうだ。
光彦さんは私の肩に口づけて、確認するように胸を両手で包んで、そして私の下腹部を両手で包んだ。
子どもを宿す器官があるそこが、じわりと温まる。
「……できるかな」
「何が?」
「俺と、ヒメの子ども」
なんとなく不安そうに言われて、私はふふ、と笑った。
「大丈夫、できるよ」
光彦さんは眉を寄せる。
「何でそんな、断言できんの」
「直感。男の子と、女の子と、一人ずつ」
真面目くさって言うと、光彦さんは噴き出した。
「何だそれ、直感て」
「え、私結構当たるんですよ」
「朝のニュースの占いなんざ信じる奴が言っても真実味がねぇ」
「そうかなぁ」
一瞬、おさまりかけた光彦さんの笑いが、不意に再発した。
きょとんとして振り返ると、光彦さんがくしゃくしゃに笑っている。
膝上に座っている私にも、その振動が伝わった。
「何?」
「いや」
光彦さんは口元を手で押さえ、笑ったままの目を私に向ける。
「一番ウケるのは、お前が言うとなんとなくそんなもんかと思えるところ」
私は少し驚いて、それから笑った。
「そう? なら、よかった」
言って、改めて私から、首もとに抱き着く。
「何でいいの」
「だって、光彦さんが不安に思ったときには、私が大丈夫っていえば大丈夫って思えるんでしょ。いいじゃない」
光彦さんはそれを聞いて、優しい笑顔で私の頭を撫でた。
「そうだな。ーー幸せなこった」
「うん。お互いに」
「お互い?」
「光彦さんが笑っててくれれば、私も幸せ」
光彦さんはただふっと笑って、私の背中を抱きしめた。
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