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第十三章 マイスイートホーム(ヒメ視点)

07 予想外の奉仕

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 光彦さんが枕を背中に当ててベッドに腰掛け、私はその前に膝をついた。
「足、痛ければ無理すんなよ」
 私は頷く。四つばいの姿勢になると、光彦さんのそれがめの前にそびえ立っている。
 私はごくりと唾を飲んだ。
 こんなに大きいの、口に入るんだろうか……
 私が見ていると、びくん、とそれが跳ねた。
「……見すぎ」
「え。だ、だって」
 私は慌てて光彦さんの顔を見る。少し照れていると見て取り、ついにやついた。
「見られてると、興奮する?」
「黙ってとっとと始めろ」
 むす、っと顔を反らされて、笑いながら口を寄せた。
 先っぽをちろりと舐めると、ちょっとしょっぱい感じがする。
 ちろちろとしばらくてっぺんを舐めていると、光彦さんがくぐもった声を漏らした。
「……焦らすな、っての」
「あ、はい」
 焦らしているというか、口の中に入れる勇気が持てないだけだ。
 きっと歯を立ててしまったりすれば痛いのだろうから、よし、と覚悟を決めて、口をおもいっきり開く。
 はむ、と口に含んでみると、普通にくわえたくらいでは全然入り切らなかった。ちゅぷちゅぷと音を立てて、とりあえず途中まで、出したり入れたりしてみる。
 ときどき、歯が出っ張りに当たって、慌ててあごを開く。
 くじゅ、じゅぷ、と唾液が音を立て、口からあふれた唾液が光彦さんのそれをつたって陰毛へと雫を落とす。
「ん、ぅ、む」
 眉を寄せながら頭を前後に動かしていると、光彦さんが、吐息をつきながら私の頭をやわりと撫でた。
 あ、好きかも。この感じ。
 思って、光彦さんを上目遣いで見上げる。
 光彦さんは私をじっと見ていたけど、その頬は上気していて色っぽい。
 気持ちいい?
 聞きたくなって口を離そうとしたけど、光彦さんの手がやんわりと頭を押さえていてそれが叶わない。
 そうしているということは、気持ちがいいんだろう、と解釈して、またじゅぷじゅぷと唾液をふんだんに活用しながら光彦さんに奉仕を続けた。
 だんだんあごが疲れてきて、苦しくなってきて、光彦さんを見上げると、手を離してくれた。
「……やめるか?」
 かすれた声に感じる色気がいつもの倍くらいになっている。そんでもっていたわるような優しさがこもっていて、自分が濡れたのを感じる。
 ずるい、声だけで感じさせるだなんて。
 思いながら私は首を振った。パジャマの前をはだけ、するりと上を脱ぐ。
「お口はちょっと、疲れちゃったから」
 言って、そこに胸を寄せた。
「これで、してあげるね」
 光彦さん自身が、ぴょこんと跳ねる。
「これって」
「おっぱい」
 私は言って、唾液で濡れたそこに胸をむにゅりと押し付けた。
 口よりもこっちの方が楽だし、包まれている感じもあるだろう。
 それに、光彦さんは珍しくも、今までこれを要求して来なかったけれど、歴代の彼氏は数回目でこれをリクエストしてきたのだ。
 だからこれには自信がある。
 ちゅ、と先端をときどき吸い上げながら、私は胸で挟み込んだ竿をしごく。
「ん、ふ、ぁ……」
 上下に合わせて先端に口づけを繰り返していると、自然と吐息が漏れた。
「ひ、ヒメ、そんなん、どこで」
「ふふふ」
 内緒。
 と言ったって、男性経験があることについてはすでに話したのだから、いまさら驚くことでもないだろう。
「ぁ、くっ、それ、ヤバい……」
「気持ちいぃ? 光彦さん」
 光彦さんから、またぬめるものが滴ってきた。私はそれを音を立てて吸い上げ、舐め、竿の先の窪みをぐりぐりと舌で刺激する。
「はぁ、あ」
 光彦さんが私の頭をやんわりと掴んだ。
 自然と腰が動いている。
 うわあ、嫌らしい。
 私も興奮してきた。
 唾液が乾いてくる前に、また唾液を追加して、くちゅくちゅと音をたてて胸を押し当て続けていると、光彦さんが苦しそうな声を上げた。
「ヒメ、ヒメーーも、もう」
「うん、分かった」
 私は胸を離し、口にそれをくわえる。
 喉奥まで貫かれても、彼が果てるまでがんばろう、と思った。
 私が可能な限り奥まで進むと、苦しそうな光彦さんが私の頭に手を添える。
「ご、めん」
 余裕のない声が嬉しい。私が頷くより先に、喉の奥までぐぐっと入れられた。
 く、苦しい……けど、ここまで入れないと気持ち良くなれないんだろう。
 しかも、そこがスタートだ。光彦さんはいつもより控えめに腰を振り、私はそのリズムに合わせてほとんどえずきながら頭を前後させる。
 ぉえ、となりそうなことが数度あり、まだかなぁ、と思った頃。
 光彦さんが、私の頭を押さえた。
「出る、っ」
 ぐっと奥に押し込まれたとき、喉奥に熱いものが放たれる。
 それが舌まで下りて来る前に、ごくんと飲み込んだ。
 がくりと弛緩した光彦さんの代わりに、先端やその周りを優しく舐め取って綺麗にする。
 果てたばかりのそこは、ときどきぴくりぴくりと動いた。
「ふふ、可愛い」
 吐息混じりの呟きが、そこにかかったらしい。
 光彦さんが恨めしげな目で私を見てくる。
「パイズリなんか要求してねぇぞ、くそ」
「だって、口だけだと苦しかったから」
 私は肩をすくめた。喜んでくれると思ってたのに。
「計算外のことするから、すぐイッちまったじゃねぇか。……もったいない」
 最後の一言こそ本音なのだろう。本当にむすっとして言うので、思わず笑ってしまった。
「ずいぶん余裕だなぁ、ヒメ」
 光彦さんが意地悪な笑顔を浮かべた。
 こういう顔をするときは、ちょっとしたお仕置きが始まる。
 って言っても、思いっきり焦らして焦らして、すっごく気持ち良くしてくれるんだけど。
 だから、私の身体は思わず期待するようにじわりと潤った。
「今度はおまえの番だな」
「え、わ、私は、足痛いし」
「ああ、そうだったそうだった。湿布貼っとこうな」
 光彦さんは言って、ベッドの横に足を下ろした。
 立ち上がると私を見下ろし、にやりと笑う。
「そしたら、気ィ失うまでヤッても、寝落ちしてもいいし」
「い、いや、それはちょっと……」
 引き攣った笑顔で伸ばした手を、光彦さんにつかまれる。
 何もいわずに唇が奪われた。
 深く深く、重なったキスに、頭がぼんやりしてきたとき、ちゅ、と音を立てて離れた光彦さんは楽しげに笑った。
「思いもよらないことをしてくれたヒメには、思いもよらないご褒美をやろうな。さーてどうしようか」
 私は思わず、自分の顔を覆った。
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