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第十三章 マイスイートホーム(ヒメ視点)
08 愛情表現
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「ぅん、ふ……」
私の足に湿布を貼った光彦さんは、先ほど足先を舐めたときの反応から、足が弱いと察したらしい。
痛みのある方を気遣いながら脚へ舌を這わせ、そこを起点にして他にも弱点を探そうとするように、全身にキスをし、舐め、吸い上げる。
「……跡、つけていい?」
急にそんなことを言うので、私はこくこく頷いた。
ちゅ、ちゅ、と軽い音と共に、身体中にキスを落とされる。かと思えばときどき強く吸われて、思わず声が漏れた。
キスの一つ一つに、想いがこもっているような気がする。感じるのは、そのせいもあった。
光彦さんの手も絶妙なタッチで私の身体を巡回し、ときどき抱き寄せるようにされて、私の下腹部がきゅんきゅんと締まる。
愛されてる、って、感じて。
優しい光彦さんのことだ、どこかで、さっき私が泣いていたことを気にしているんだろう。
だから、愛してるよ、って。
口にはできない人だから、その代わりのように、手を尽くして私を悦ばせようとしてくれている。
それが分かった。
この手で、何人の女性を抱いてきたんだろう。
嫉妬するのが怖くて、人数なんて聞けないけど。
女性たちを気遣いながら。ときどき、自身も苦しみながら。
抱いては別れを繰り返し。
どんどん、何かを諦めていって。
ーーでも、そのおかげで、私は彼と今こうして一緒にいられるのだろう。
好き、と口にしかけて、やめた。
首筋に落とされたキスに目を閉じ、その頭を抱きしめる。
ちらり、と釣り上がった目が私を見上げた。
私は微笑んで、両頬に手を添える。
愛してる。
それが伝わるように、大事に、大事に、キスをする。
額に。鼻の頭に。そして、唇に。
ただ、順に唇を触れさせただけなのに、想いが込み上げて、目が潤んだ。
光彦さんが少し、困ったような目をする。
私は笑った。
伝わってる? 光彦さん。
好きだよ。大好きだよ。
愛してる、よ。
頬を頬にすりよせる。ペットがご主人様に甘えるように。
次いで背中に手を回し、抱きしめる。母親が子どもを抱擁するように。
よかった。あなたに会えて。
不意に、思い出す。出会った頃の幼い自分を。
七夕飾りの下から、あなたを黙って、見つめていたときの自分を。
いろいろ、無理も無茶も馬鹿もした。
そう考えると、奇跡みたいだ。今、こうして光彦さんを抱きしめていられることが。
光彦さんに、こうして、愛されていることが。
「……愛してる?」
言葉にしてみた。光彦さんが少し困った顔をして、一度目を反らしてからまた私の目を見て、照れ臭そうに微笑む。
「……愛してるよ」
ぞわぞわ、と腰回りに痺れが走った。自然とその辺りに力が入り、腰が反って浮く。光彦さんは浮いたそこに腕を差し入れ、私を抱きしめる。
強く、強く。
「……どうしたの?」
いつもよりも必死な感がある抱擁に、私は首を傾げた。
「……お前、いつもご機嫌だけど」
光彦さんは、ぽつりぽつりと話し始めた。
「ご機嫌ばっかりじゃいられないだろ、ずっと一緒にいるなら。そのときは、俺がちゃんと……受け止めなきゃなと……当たり前のことだけど、今日、そう思っただけ」
言って、少しの間の後、私の頬にキスをする。
「……あと、いつもご機嫌でいてくれるってのは、ありがたいことなんだなと思った」
私は思わず笑った。
「ご機嫌でいようなんて、思ってないよ」
光彦さんは説明を求めるように私を見た。
「光彦さんといると、ご機嫌になるだけ」
だって、ほら。
さっきまで、ぐちゃぐちゃに煮立っていた心の中は、結局こうして、あなたに満たされてしまった。
悔しいけど、すごく幸せ。
思って笑い、すこし意地悪してみたくなって、光彦さんの目を見つめる。
「ね、光彦さん」
「何」
「もう一度、おっきくならないかな」
そろりと手を彼の下腹部に這わせると、ぴくんとそれが反応した。
「……ど……どうかなぁ……」
光彦さんが気まずげに目を反らす。
「繋がりたいなぁ」
あえて耳元で囁くと、またそれがぴくんと震えた。
光彦さんは腰を引き、ち、と舌打ちをする。
「さんざん啼いて、それでもお前にその気があるなら、そうしてやるよ」
挑むような目で私を見る。
その目に、つい、また感じた。
結局その夜は、さんざん啼かされ、声もかすれて、それでも向きになって彼を求めて、彼も向きになってそれに答えて……
結果、翌日は二人とも起き上がる気力がなくって、ずっとごろごろして過ごすはめになった。
私の足に湿布を貼った光彦さんは、先ほど足先を舐めたときの反応から、足が弱いと察したらしい。
痛みのある方を気遣いながら脚へ舌を這わせ、そこを起点にして他にも弱点を探そうとするように、全身にキスをし、舐め、吸い上げる。
「……跡、つけていい?」
急にそんなことを言うので、私はこくこく頷いた。
ちゅ、ちゅ、と軽い音と共に、身体中にキスを落とされる。かと思えばときどき強く吸われて、思わず声が漏れた。
キスの一つ一つに、想いがこもっているような気がする。感じるのは、そのせいもあった。
光彦さんの手も絶妙なタッチで私の身体を巡回し、ときどき抱き寄せるようにされて、私の下腹部がきゅんきゅんと締まる。
愛されてる、って、感じて。
優しい光彦さんのことだ、どこかで、さっき私が泣いていたことを気にしているんだろう。
だから、愛してるよ、って。
口にはできない人だから、その代わりのように、手を尽くして私を悦ばせようとしてくれている。
それが分かった。
この手で、何人の女性を抱いてきたんだろう。
嫉妬するのが怖くて、人数なんて聞けないけど。
女性たちを気遣いながら。ときどき、自身も苦しみながら。
抱いては別れを繰り返し。
どんどん、何かを諦めていって。
ーーでも、そのおかげで、私は彼と今こうして一緒にいられるのだろう。
好き、と口にしかけて、やめた。
首筋に落とされたキスに目を閉じ、その頭を抱きしめる。
ちらり、と釣り上がった目が私を見上げた。
私は微笑んで、両頬に手を添える。
愛してる。
それが伝わるように、大事に、大事に、キスをする。
額に。鼻の頭に。そして、唇に。
ただ、順に唇を触れさせただけなのに、想いが込み上げて、目が潤んだ。
光彦さんが少し、困ったような目をする。
私は笑った。
伝わってる? 光彦さん。
好きだよ。大好きだよ。
愛してる、よ。
頬を頬にすりよせる。ペットがご主人様に甘えるように。
次いで背中に手を回し、抱きしめる。母親が子どもを抱擁するように。
よかった。あなたに会えて。
不意に、思い出す。出会った頃の幼い自分を。
七夕飾りの下から、あなたを黙って、見つめていたときの自分を。
いろいろ、無理も無茶も馬鹿もした。
そう考えると、奇跡みたいだ。今、こうして光彦さんを抱きしめていられることが。
光彦さんに、こうして、愛されていることが。
「……愛してる?」
言葉にしてみた。光彦さんが少し困った顔をして、一度目を反らしてからまた私の目を見て、照れ臭そうに微笑む。
「……愛してるよ」
ぞわぞわ、と腰回りに痺れが走った。自然とその辺りに力が入り、腰が反って浮く。光彦さんは浮いたそこに腕を差し入れ、私を抱きしめる。
強く、強く。
「……どうしたの?」
いつもよりも必死な感がある抱擁に、私は首を傾げた。
「……お前、いつもご機嫌だけど」
光彦さんは、ぽつりぽつりと話し始めた。
「ご機嫌ばっかりじゃいられないだろ、ずっと一緒にいるなら。そのときは、俺がちゃんと……受け止めなきゃなと……当たり前のことだけど、今日、そう思っただけ」
言って、少しの間の後、私の頬にキスをする。
「……あと、いつもご機嫌でいてくれるってのは、ありがたいことなんだなと思った」
私は思わず笑った。
「ご機嫌でいようなんて、思ってないよ」
光彦さんは説明を求めるように私を見た。
「光彦さんといると、ご機嫌になるだけ」
だって、ほら。
さっきまで、ぐちゃぐちゃに煮立っていた心の中は、結局こうして、あなたに満たされてしまった。
悔しいけど、すごく幸せ。
思って笑い、すこし意地悪してみたくなって、光彦さんの目を見つめる。
「ね、光彦さん」
「何」
「もう一度、おっきくならないかな」
そろりと手を彼の下腹部に這わせると、ぴくんとそれが反応した。
「……ど……どうかなぁ……」
光彦さんが気まずげに目を反らす。
「繋がりたいなぁ」
あえて耳元で囁くと、またそれがぴくんと震えた。
光彦さんは腰を引き、ち、と舌打ちをする。
「さんざん啼いて、それでもお前にその気があるなら、そうしてやるよ」
挑むような目で私を見る。
その目に、つい、また感じた。
結局その夜は、さんざん啼かされ、声もかすれて、それでも向きになって彼を求めて、彼も向きになってそれに答えて……
結果、翌日は二人とも起き上がる気力がなくって、ずっとごろごろして過ごすはめになった。
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