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.第5章 ふたりのこれから
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「なっちゃん!」
「菜摘!?」
ついたてから突然転がり出て来た菜摘を、社長と嵐志の慌てた声が呼んだ。
数歩離れたところから駆け寄ってきた嵐志が、菜摘を支え起こす。
「大丈夫? どうしてここに……」
「大丈夫……です……すみません……ちょっと、ふらついただけで……」
力強い腕が、菜摘の身体をしっかりと抱えている。
大好きな人の顔が、間近にあって直視できない。
息を吸えばその香りまで感じてしまいそうで、菜摘は軽く唇を噛んだ。
「か、ん……なみ、さん」とうつむきがちに呼びかける。
「社長の話は、気にしないで、いいですから」
目を見て話す勇気はなかった。――ともすれば、泣いてしまいそうで。
けれど、伝えなくてはいけない。これは、菜摘が言わなくてはいけないことなのだ。
目を合わせないまま、菜摘は一気に言葉を紡いだ。
「こんなことに振り回される必要、ないです。神南さんは、生きたいように生きてください。結婚したいときに、結婚したい人と、してください。私と、つき合ったから、こんな変な話になるだなんて……そんなこと、考えてもいなくて……本当に、ごめんなさい。迷惑、かけて、ごめんなさい。でも――だから、もう、いいんです」
たどたどしい言葉を、精一杯の誠意を込めて繋げていく。言うんだ。言わなきゃ。最後まで。きちんと、泣かずに――
「恋人になれただけでも、私は幸せだから――だから、私のことなんて気にしないで、神南さんは神南さんの人生を……」
「君のことを……気にしないで?」
静かな声に言葉を遮られたかと思えば、菜摘の身体をふわりと、懐かしいコロンの香りが包んだ。
思わず胸いっぱいにその香りを吸い込み、同時に、涙が一気にあふれ出す。
「……それは、寂しいな」
低く、けれど優しい声で、嵐志は静かに囁いた。
俺はね、と嵐志は続けた。
「君をこうして抱きしめる権利を、他の男に譲る気はないよ。――この先も、ずっと」
どきん、と心臓が高鳴る。
「そ、それって……」
嵐志の腕の中で、菜摘がうわずった声を挙げた。ギリギリで目の縁に留まっていた涙が、顔を上げると同時にほろりと一粒溢れた。
そうなるともう、涙は止まらない。大洪水になって頬を濡らしていく。
一度、顔が見える距離まで身体を離した嵐志は、アーモンド型の目を細めて菜摘を見つめた。
「うん。君が嫌じゃないのなら……俺はいつまでも、君と一緒にいたいと思ってるよ」
大好きな嵐志の顔が涙で歪んだ。
息が詰まって、身動きが取れない。言葉も紡ぐことができずに、震える唇をただ、軽く開いたり閉じたりして――
「わ、わたし――」
嗚咽の合間に、嵐志の言葉に答えようとした、そのとき。
「百合岡くんっ」
「はいはーいっ!」
社長の声に翠の威勢のいいかけ声が応えたとたん、パパーン、と軽やかな破裂音がした。
「……ん?」
菜摘と嵐志は、思わず顔を見合わせる。
嵐志を部屋に案内してから、ドアの前に立っていた翠の手には、一気に引いたらしい三つのクラッカーが握られていた。
ニコニコしている翠にニコニコしている社長がうんうんとうなずいた。ふたりのニコニコがなんとなく似て見えるのは、一緒に過ごす時間が長いから似てきているのだろうか。
「いやー、いいねぇ! 若いっていいねぇ!」
社長はひとしきり満足げな感想を述べたあと、「花苗さぁん」といずこかへ声を張る。
「ちゃんと聞こえてた?」
『はーい。聞いてましたよぉ』
機械越しの暢気な声に、菜摘は思わず「えっ」と口を手で押さえた。
「狭めぇ」と文句を言いつつ壁に据え付けられたクローゼットから出て来たのは、スマホを手にした光治だ。
「こーちゃん……!? お母さん……!? なんで……!?」
『なんでってぇ。青柳さんが、今日は大事なお話があるから、ちょっと聞いててほしいって。菜摘ぃ、素敵な人と出会えてよかったわねぇ』
「俺は、その……なんか、すまん」
スマホの向こうで母が答え、そのスマホを手にした光治は頭を掻きながら肩をすくめる。
翠が笑いながら光治の横に立った。
「ごめんねー、驚かせちゃって。嵐志くんってば意外と奥手だからさー、この際、既成事実にしちゃえー、って社長と盛り上がっちゃってぇ」
「すまん……途中から俺も企みに巻き込まれた」
「企みってなによー。二人の幸せを応援しようって話でしょ」
申し訳なさそうな光治の肩を、翠がばしんと叩く。結構な強さで叩いたようだが、痛みに座り込む光治を気にもせず、翠は菜摘にピースサインを向けてきた。
「これで、お母さまへのご挨拶までばっちりよー!」
「父親代わりもここにいるからな」
うんうんとうなずく社長は無視して、菜摘を抱えたまま唖然としていた嵐志がゆっくり立ち上がる。手を引かれて、菜摘も同時に立ち上がった。
嵐志は呆れたような半眼を翠に向ける。
「お前な……何か企んでるような気がしたけど、ほんとろくなことしないな……」
「なんでよー! 超お役立ちだったでしょ!? どーせ嵐志くん、菜摘ちゃんがかわいすぎてかわいすぎて、自分にはもったいないかもとかなんとかうじうじ悩んでプロポーズできずに老衰しちゃうに違いないんだから!」
「そ、そんなこと……!」
「あるあるー!」
いや、それはないだろう、と菜摘は思ったが、「くっ」とうめいて黙り込んだ嵐志を見るに、はっきり否定はできないらしい。
翠はそんな嵐志の姿を見て笑うと、菜摘の視線に気づいてぱちんとウインクした。
「ね。菜摘ちゃんが思ってるより、もっとずっと、嵐志くんは菜摘ちゃんのこと好きなのよ。そりゃあもう、ちょっとでも嫌われたくないってくらいにね」
「み、翠!」
慌てる嵐志の横顔を、菜摘はぽかんとして見上げた。
「……かん……嵐志さん。顔、赤い……」
「え!? い、いや、それは……!」
目の横を赤くした嵐志が、大きな手で顔を隠す。見たことのない動揺に、菜摘の胸がきゅんと疼いた。
かっこいい、と思っていた人が――初めて、かわいい、と思えて。
くすくす笑いながら、「なんで隠すんですか?」と背伸びをして顔を覗き込む。
嵐志は目を泳がせてから、諦めたように手を降ろした。
「――そうだよ」
ため息まじりに、半ば自棄気味に嵐志は菜摘を見つめる。
「好きだよ……大好きだよ。かわいくてかわいくて、嫌われたら死にそうなくらい好きだよ。君がいなくなったらもう二度と恋愛する気にならないだろうし、よくて仕事人間、最悪廃人だよ」
――そんなに?
と、笑いそうになった菜摘は、再び大きな温もりに包まれた。
力強い腕が、さっきよりも強い力で菜摘を掻き抱く――まるで、離さないと言うように。
その中にすっぽり収まった菜摘は、目を閉じて匂いを身体いっぱいに吸い込んだ。
そのとき、か細いくらい小さな声が耳に届く。
「……返事を、聞いていないんだけど」
あ、と菜摘は目を開く。目の前に、整った嵐志の顔があった。
いつもは凜々しいその目に、不安そうな気配が宿っている。
菜摘は弛む頬をそのままに、両手で嵐志の頬を包んだ。
「そんなの――断るわけ、ないじゃないですか」
ほっ、と肩の力を抜いた嵐志が、菜摘の身体をもう一度抱きしめる。
今度は優しく――傷つけまいとするように。痛がらせまいとするように。
いつもそうだ。菜摘の身体を存分に愛でているあのときだって、嵐志は菜摘の肌に跡をつけるようなことはしない。
愛おしい、と思っているのは、確かに自分だけじゃないのかもしれない。
喉の奥から、笑いがこみ上げてきた。くつくつと鐘が転がり出すような笑い声が止まらない。
菜摘のその声が部屋に響いて、光治はため息をついた。
「これでようやく、落ち着く先に落ち着いた、かな」
『菜摘は、ね』
光治の声に答えたのは、まだ繋がったままのスマホから聞こえる菜摘の母の声だった。
『次は光治くんかなぁ』
「――えっ、ちょっ、な、何言ってんのおばさん……!」
動揺する光治に、「え? なに? 何の話?」と翠が近づく。
「い、いい! いいから! お前は来んな!!」
「えー、なんでー? 光治くんてばツレなーい」
「しな作んな! こっち来んな! ――来んなって!!」
ふたりの様子を見ながら、社長は「やれやれ」とため息をついた。
「僕が孫を抱けるのはいつになるんだろうねぇ……。とりあえず、なっちゃんの子どもをかわいがることにしようかなぁ」
「えっ?」
社長の言葉に思わず顔を見合わせた菜摘と嵐志を差し置いて、二人の親は「最初はやっぱり女の子かなぁ」『えー、私は男の子がいいわぁ』「男の子もきっとかわいいよねぇ」『どっちも産めばいいのよー!』「楽しみだなぁ」『楽しみねぇ』と勝手に盛り上がり始める。
菜摘と嵐志はもう一度顔を見合わせ、苦笑じみた笑みを浮かべた。
「菜摘!?」
ついたてから突然転がり出て来た菜摘を、社長と嵐志の慌てた声が呼んだ。
数歩離れたところから駆け寄ってきた嵐志が、菜摘を支え起こす。
「大丈夫? どうしてここに……」
「大丈夫……です……すみません……ちょっと、ふらついただけで……」
力強い腕が、菜摘の身体をしっかりと抱えている。
大好きな人の顔が、間近にあって直視できない。
息を吸えばその香りまで感じてしまいそうで、菜摘は軽く唇を噛んだ。
「か、ん……なみ、さん」とうつむきがちに呼びかける。
「社長の話は、気にしないで、いいですから」
目を見て話す勇気はなかった。――ともすれば、泣いてしまいそうで。
けれど、伝えなくてはいけない。これは、菜摘が言わなくてはいけないことなのだ。
目を合わせないまま、菜摘は一気に言葉を紡いだ。
「こんなことに振り回される必要、ないです。神南さんは、生きたいように生きてください。結婚したいときに、結婚したい人と、してください。私と、つき合ったから、こんな変な話になるだなんて……そんなこと、考えてもいなくて……本当に、ごめんなさい。迷惑、かけて、ごめんなさい。でも――だから、もう、いいんです」
たどたどしい言葉を、精一杯の誠意を込めて繋げていく。言うんだ。言わなきゃ。最後まで。きちんと、泣かずに――
「恋人になれただけでも、私は幸せだから――だから、私のことなんて気にしないで、神南さんは神南さんの人生を……」
「君のことを……気にしないで?」
静かな声に言葉を遮られたかと思えば、菜摘の身体をふわりと、懐かしいコロンの香りが包んだ。
思わず胸いっぱいにその香りを吸い込み、同時に、涙が一気にあふれ出す。
「……それは、寂しいな」
低く、けれど優しい声で、嵐志は静かに囁いた。
俺はね、と嵐志は続けた。
「君をこうして抱きしめる権利を、他の男に譲る気はないよ。――この先も、ずっと」
どきん、と心臓が高鳴る。
「そ、それって……」
嵐志の腕の中で、菜摘がうわずった声を挙げた。ギリギリで目の縁に留まっていた涙が、顔を上げると同時にほろりと一粒溢れた。
そうなるともう、涙は止まらない。大洪水になって頬を濡らしていく。
一度、顔が見える距離まで身体を離した嵐志は、アーモンド型の目を細めて菜摘を見つめた。
「うん。君が嫌じゃないのなら……俺はいつまでも、君と一緒にいたいと思ってるよ」
大好きな嵐志の顔が涙で歪んだ。
息が詰まって、身動きが取れない。言葉も紡ぐことができずに、震える唇をただ、軽く開いたり閉じたりして――
「わ、わたし――」
嗚咽の合間に、嵐志の言葉に答えようとした、そのとき。
「百合岡くんっ」
「はいはーいっ!」
社長の声に翠の威勢のいいかけ声が応えたとたん、パパーン、と軽やかな破裂音がした。
「……ん?」
菜摘と嵐志は、思わず顔を見合わせる。
嵐志を部屋に案内してから、ドアの前に立っていた翠の手には、一気に引いたらしい三つのクラッカーが握られていた。
ニコニコしている翠にニコニコしている社長がうんうんとうなずいた。ふたりのニコニコがなんとなく似て見えるのは、一緒に過ごす時間が長いから似てきているのだろうか。
「いやー、いいねぇ! 若いっていいねぇ!」
社長はひとしきり満足げな感想を述べたあと、「花苗さぁん」といずこかへ声を張る。
「ちゃんと聞こえてた?」
『はーい。聞いてましたよぉ』
機械越しの暢気な声に、菜摘は思わず「えっ」と口を手で押さえた。
「狭めぇ」と文句を言いつつ壁に据え付けられたクローゼットから出て来たのは、スマホを手にした光治だ。
「こーちゃん……!? お母さん……!? なんで……!?」
『なんでってぇ。青柳さんが、今日は大事なお話があるから、ちょっと聞いててほしいって。菜摘ぃ、素敵な人と出会えてよかったわねぇ』
「俺は、その……なんか、すまん」
スマホの向こうで母が答え、そのスマホを手にした光治は頭を掻きながら肩をすくめる。
翠が笑いながら光治の横に立った。
「ごめんねー、驚かせちゃって。嵐志くんってば意外と奥手だからさー、この際、既成事実にしちゃえー、って社長と盛り上がっちゃってぇ」
「すまん……途中から俺も企みに巻き込まれた」
「企みってなによー。二人の幸せを応援しようって話でしょ」
申し訳なさそうな光治の肩を、翠がばしんと叩く。結構な強さで叩いたようだが、痛みに座り込む光治を気にもせず、翠は菜摘にピースサインを向けてきた。
「これで、お母さまへのご挨拶までばっちりよー!」
「父親代わりもここにいるからな」
うんうんとうなずく社長は無視して、菜摘を抱えたまま唖然としていた嵐志がゆっくり立ち上がる。手を引かれて、菜摘も同時に立ち上がった。
嵐志は呆れたような半眼を翠に向ける。
「お前な……何か企んでるような気がしたけど、ほんとろくなことしないな……」
「なんでよー! 超お役立ちだったでしょ!? どーせ嵐志くん、菜摘ちゃんがかわいすぎてかわいすぎて、自分にはもったいないかもとかなんとかうじうじ悩んでプロポーズできずに老衰しちゃうに違いないんだから!」
「そ、そんなこと……!」
「あるあるー!」
いや、それはないだろう、と菜摘は思ったが、「くっ」とうめいて黙り込んだ嵐志を見るに、はっきり否定はできないらしい。
翠はそんな嵐志の姿を見て笑うと、菜摘の視線に気づいてぱちんとウインクした。
「ね。菜摘ちゃんが思ってるより、もっとずっと、嵐志くんは菜摘ちゃんのこと好きなのよ。そりゃあもう、ちょっとでも嫌われたくないってくらいにね」
「み、翠!」
慌てる嵐志の横顔を、菜摘はぽかんとして見上げた。
「……かん……嵐志さん。顔、赤い……」
「え!? い、いや、それは……!」
目の横を赤くした嵐志が、大きな手で顔を隠す。見たことのない動揺に、菜摘の胸がきゅんと疼いた。
かっこいい、と思っていた人が――初めて、かわいい、と思えて。
くすくす笑いながら、「なんで隠すんですか?」と背伸びをして顔を覗き込む。
嵐志は目を泳がせてから、諦めたように手を降ろした。
「――そうだよ」
ため息まじりに、半ば自棄気味に嵐志は菜摘を見つめる。
「好きだよ……大好きだよ。かわいくてかわいくて、嫌われたら死にそうなくらい好きだよ。君がいなくなったらもう二度と恋愛する気にならないだろうし、よくて仕事人間、最悪廃人だよ」
――そんなに?
と、笑いそうになった菜摘は、再び大きな温もりに包まれた。
力強い腕が、さっきよりも強い力で菜摘を掻き抱く――まるで、離さないと言うように。
その中にすっぽり収まった菜摘は、目を閉じて匂いを身体いっぱいに吸い込んだ。
そのとき、か細いくらい小さな声が耳に届く。
「……返事を、聞いていないんだけど」
あ、と菜摘は目を開く。目の前に、整った嵐志の顔があった。
いつもは凜々しいその目に、不安そうな気配が宿っている。
菜摘は弛む頬をそのままに、両手で嵐志の頬を包んだ。
「そんなの――断るわけ、ないじゃないですか」
ほっ、と肩の力を抜いた嵐志が、菜摘の身体をもう一度抱きしめる。
今度は優しく――傷つけまいとするように。痛がらせまいとするように。
いつもそうだ。菜摘の身体を存分に愛でているあのときだって、嵐志は菜摘の肌に跡をつけるようなことはしない。
愛おしい、と思っているのは、確かに自分だけじゃないのかもしれない。
喉の奥から、笑いがこみ上げてきた。くつくつと鐘が転がり出すような笑い声が止まらない。
菜摘のその声が部屋に響いて、光治はため息をついた。
「これでようやく、落ち着く先に落ち着いた、かな」
『菜摘は、ね』
光治の声に答えたのは、まだ繋がったままのスマホから聞こえる菜摘の母の声だった。
『次は光治くんかなぁ』
「――えっ、ちょっ、な、何言ってんのおばさん……!」
動揺する光治に、「え? なに? 何の話?」と翠が近づく。
「い、いい! いいから! お前は来んな!!」
「えー、なんでー? 光治くんてばツレなーい」
「しな作んな! こっち来んな! ――来んなって!!」
ふたりの様子を見ながら、社長は「やれやれ」とため息をついた。
「僕が孫を抱けるのはいつになるんだろうねぇ……。とりあえず、なっちゃんの子どもをかわいがることにしようかなぁ」
「えっ?」
社長の言葉に思わず顔を見合わせた菜摘と嵐志を差し置いて、二人の親は「最初はやっぱり女の子かなぁ」『えー、私は男の子がいいわぁ』「男の子もきっとかわいいよねぇ」『どっちも産めばいいのよー!』「楽しみだなぁ」『楽しみねぇ』と勝手に盛り上がり始める。
菜摘と嵐志はもう一度顔を見合わせ、苦笑じみた笑みを浮かべた。
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