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第二章 天使の翻弄
03 自己嫌悪
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二度身体を重ねてもなお、ヨーコさんは俺に落ちてくれる気配はなかった。
一方の俺といえば、一度目はただ快感を貪っただけで終わったものの、二度目にわずかに嗅ぎ取った彼女の内面がどうしても気になって、確かめたくて、近づきたくて、むしろそれまでよりも一層しつこく彼女に声をかけるようになった。
その度に彼女はいつも通りの冷たい目を俺に向けた。挨拶の返事は二割から一割に減ったような気もしたけど、アプローチを続ければいずれ機会はあるだろうと、偶然手にした二度目の夜を思い返しては違う女を抱いた。
どの女を抱いていても、考えるのはヨーコさんのことだ。まぶたの裏に蘇る白い肢体。赤い唇。自ら目を覆った赤いネクタイ。
そのときのネクタイは、一度目の夜に俺を縛ったネクタイ共々、ベッドの淵にかけてある。なんだかもったいなくて使えないので、彼女を思い出したいときにはそれを撫でながら自らを慰める。
一度目の夜はほとんど嵐の中の記憶のようで曖昧だけれど、二度目の夜はかなり鮮明に覚えていた。主導権を俺が握っていたからということもあっただろうし、次こそすべて目に焼き付けようと思ったからでもあったろう。
そしてその二度目を思い返しては、女に欲望をたたきつけた。
とはいえ違う女も二度三度と抱く気には到底ならず、情後の馴れ合いもそこそこに、爽やかに別れて連絡先を消した。それでも俺につき合ってくれる女はそこかしこにいたし、不足には感じなかった。
三月はヨーコさんのいる財務部にとって年度末の山場だ。疲れきっているからか、挨拶をした俺に目をやる時間も短くなった。
ときどきヨーコさんが早めに出勤してしまって、挨拶の機会を逃したりもした。が、まあ仕方ないかと様子を見ていた。
四月になれば少し落ち着く、とはアーヤから聞いている。彼女は俺とヨーコさんの関係を気にしつつも、本気だったら応援する、と俺にあれこれ情報をくれる。
本気、っていうのが何なのか、俺にはよくわからない。
わからないけど、冗談でヨーコさんを抱きたいと思っているわけではないから、本気なのだろうと解釈していた。
他の女は一度の逢瀬で飽き飽きするのに、ヨーコさんだけは違うんだ。
一度目も二度目も、別の女に会ったような気分だった。
あくまで突き放す態度を取りながらも、俺の身体を貪る姿には、いくらでも欲情できる。
三度目のチャンスを虎視眈々と狙っていた俺に、一つの転機が訪れた。
+ + +
四月のその日は出張だった。
先方から契約書類を託けられた俺は、それを置きに会社に帰ろうとしていた。
出張先は会社の最寄り駅を走る路線とは違う路線沿いにあったが、その路線沿いの駅から会社までも歩ける程度の距離だ。
乗り換えるのも面倒だからと、少し離れたその駅で降りた俺は、会社へ向かって歩いていた。
いつもは大通りを歩くのだが、時計を見るともう定時を過ぎている。
舌打ちをしてスマホを出した。ショートカットできる道はないものかと地図を出すと、一本入った道で二、三分稼げるらしいと分かる。
早速その道を行くことにして歩いていく。道はゆるく曲がっていた。百メートルに満たないくらい先、ぎりぎりで見える範囲に、一瞬想い人の幻想を見た気がした。
つい目を見張った次の瞬間、それが消える。
なんとなく嫌な予感がして、俺は走り始めた。
消えたと思った姿は、幻想ではなかった。
細い通りに引き込まれ、男に手首を結わわれたヨーコさんは、口にタオルを突っ込まれそうになっているところだった。
俺は鞄をその場に投げ出し、男の腕を捻りあげた。
片手で衿元を掴み、背中に掬うようにして投げ飛ばす。
ダン、と男の身体が地面を叩いた。
俺は激情のままに叫ぶ。
「テメェ、何してやがる!」
ヨーコさんに。
一体何をしようと。
後悔させてやる。
二度と彼女に触れられないようにしてやる。
指一本すら動かせないように。
いっそ、息を吸うことすらも。
倒れた男に跨がった俺は、血が上った頭に浮かぶ言葉を拳に乗せて、男に向かって振りかざした。
男の顔が恐怖に引き攣り、俺の腕から逃れようともがく。
離してなどやるものか。怖がればいい。彼女がどれだけ怖かったか、その身に染みて感じればいい。こんな男は息をしている価値もない。死んでしまえ。殺してしまえ。殴りつけてたたき潰して、ゴミのようにズタズタにして、虫か動物にでも喰わせてしまえ。許すものか、ヨーコさんに触れやがって。その汚い手で触れやがって。殺せ殺せ殺せ殺せ死ね死ね死ね死ねーー
「あかんで」
男にたたきつけようとした拳は、ヨーコさんの静かな声に止められた。
俺は困惑した顔を、ヨーコさんに向ける。
「殴ったらあかんよ。正当防衛で通じるのは今のところまでや」
手首を縛られ、地面に倒れ込んだまま、ヨーコさんは淡々と言った。
「強いんやなぁ。あんた」
微笑みすら浮かべて、身体を起こす。手首を結ぶ紐を引っ張って、取ろうとしたようだった。
「これ、解いてくれはる?」
俺は思わず、組み敷いた男とヨーコさんを見比べた。
「警察沙汰は面倒やで。事情聴取も長引くし」
あっさりと言うヨーコさんに、俺は戸惑いながら口を開く。
「でも、このまま解放するんすか?」
声には戸惑いだけでなく、苛立ちも混ざった。
殺してしまってもいいくらいの男だ。どうせ初めてでもないのだろう。被害に遭った女性は他にもいるに違いない。
こんな男は、糞みたいな、人間の屑だ。
「うちはそれでええで。後はあんたの好きにしぃ」
言って、はやく解けと言うように手首を顎で示した。
俺は渋々男から離れると、ヨーコさんを縛るそれを解く。
男が逃げて、追いかけようとしたとき、何事もなかったかのように歩き出すヨーコさんを思わず引き止めた。
「よ、ヨーコさん」
思わず掴んだ手首は、男に縛られた跡が赤くなっている。
ヨーコさんは痛みでも感じたように眉を寄せた。
「何が違うん」
今まで聞いたこともないほど低く、唸るような声が、俺を敵と認めて放たれる。
「あんたと、さっきの男と――何が違うん。あんたかて、うちの身体が欲しいんやろ。抱きたいんやろ。それだけなんやろ。襲われてるところ救ったかて、正義のヒーローにでもなりはったつもり? 笑えるわ」
ヨーコさんはそれでも、微笑んでいた。いつものように、微笑んでいるように見えただけかもしれない。それでもその目は憤りに燃えていて、冷たさを感じるほどに激情を宿していて、俺は目をそらすこともできなかった。
激情が、彼女の美しさをますます引き立たせていた。
「ええか、教えたる。むしろうちにとっては、知り合いの方がたちが悪いんや。――その後でも、見たくもない顔を見て、聞きたくもない声を聞くことになるさかいな」
俺が唖然としているうちに、ヨーコさんは去って行った。
+ + +
彼女の言葉は一つの真実だった。
俺は彼女を抱きたいと願っていた。
それは一度目の夜の前も後も、二度目の夜の前も後も、変わらず願望として胸中にあった。
だからこそ、ショックだったんだと思う。
彼女を男の手から守ったつもりだった。
少しは彼女の信頼を手にできるはずと、無意識に期待していた。
俺とあの男の、何が違うのだろう。
ただ、俺は俺は名前を知っているだけだ。彼女の会社での顔を知っているだけだ。たまたま二度、関係を持っただけだ。
それでも、俺と男が求めたものは、同じく彼女の身体だった。
彼女はそれを分かっていた。
分かっていて俺を抱き、俺に抱かれ、自らを手放すように嘲笑ったのだ。
そのことに初めて気づいた俺は、同時に人生で初めて、自分を嫌悪した。
一方の俺といえば、一度目はただ快感を貪っただけで終わったものの、二度目にわずかに嗅ぎ取った彼女の内面がどうしても気になって、確かめたくて、近づきたくて、むしろそれまでよりも一層しつこく彼女に声をかけるようになった。
その度に彼女はいつも通りの冷たい目を俺に向けた。挨拶の返事は二割から一割に減ったような気もしたけど、アプローチを続ければいずれ機会はあるだろうと、偶然手にした二度目の夜を思い返しては違う女を抱いた。
どの女を抱いていても、考えるのはヨーコさんのことだ。まぶたの裏に蘇る白い肢体。赤い唇。自ら目を覆った赤いネクタイ。
そのときのネクタイは、一度目の夜に俺を縛ったネクタイ共々、ベッドの淵にかけてある。なんだかもったいなくて使えないので、彼女を思い出したいときにはそれを撫でながら自らを慰める。
一度目の夜はほとんど嵐の中の記憶のようで曖昧だけれど、二度目の夜はかなり鮮明に覚えていた。主導権を俺が握っていたからということもあっただろうし、次こそすべて目に焼き付けようと思ったからでもあったろう。
そしてその二度目を思い返しては、女に欲望をたたきつけた。
とはいえ違う女も二度三度と抱く気には到底ならず、情後の馴れ合いもそこそこに、爽やかに別れて連絡先を消した。それでも俺につき合ってくれる女はそこかしこにいたし、不足には感じなかった。
三月はヨーコさんのいる財務部にとって年度末の山場だ。疲れきっているからか、挨拶をした俺に目をやる時間も短くなった。
ときどきヨーコさんが早めに出勤してしまって、挨拶の機会を逃したりもした。が、まあ仕方ないかと様子を見ていた。
四月になれば少し落ち着く、とはアーヤから聞いている。彼女は俺とヨーコさんの関係を気にしつつも、本気だったら応援する、と俺にあれこれ情報をくれる。
本気、っていうのが何なのか、俺にはよくわからない。
わからないけど、冗談でヨーコさんを抱きたいと思っているわけではないから、本気なのだろうと解釈していた。
他の女は一度の逢瀬で飽き飽きするのに、ヨーコさんだけは違うんだ。
一度目も二度目も、別の女に会ったような気分だった。
あくまで突き放す態度を取りながらも、俺の身体を貪る姿には、いくらでも欲情できる。
三度目のチャンスを虎視眈々と狙っていた俺に、一つの転機が訪れた。
+ + +
四月のその日は出張だった。
先方から契約書類を託けられた俺は、それを置きに会社に帰ろうとしていた。
出張先は会社の最寄り駅を走る路線とは違う路線沿いにあったが、その路線沿いの駅から会社までも歩ける程度の距離だ。
乗り換えるのも面倒だからと、少し離れたその駅で降りた俺は、会社へ向かって歩いていた。
いつもは大通りを歩くのだが、時計を見るともう定時を過ぎている。
舌打ちをしてスマホを出した。ショートカットできる道はないものかと地図を出すと、一本入った道で二、三分稼げるらしいと分かる。
早速その道を行くことにして歩いていく。道はゆるく曲がっていた。百メートルに満たないくらい先、ぎりぎりで見える範囲に、一瞬想い人の幻想を見た気がした。
つい目を見張った次の瞬間、それが消える。
なんとなく嫌な予感がして、俺は走り始めた。
消えたと思った姿は、幻想ではなかった。
細い通りに引き込まれ、男に手首を結わわれたヨーコさんは、口にタオルを突っ込まれそうになっているところだった。
俺は鞄をその場に投げ出し、男の腕を捻りあげた。
片手で衿元を掴み、背中に掬うようにして投げ飛ばす。
ダン、と男の身体が地面を叩いた。
俺は激情のままに叫ぶ。
「テメェ、何してやがる!」
ヨーコさんに。
一体何をしようと。
後悔させてやる。
二度と彼女に触れられないようにしてやる。
指一本すら動かせないように。
いっそ、息を吸うことすらも。
倒れた男に跨がった俺は、血が上った頭に浮かぶ言葉を拳に乗せて、男に向かって振りかざした。
男の顔が恐怖に引き攣り、俺の腕から逃れようともがく。
離してなどやるものか。怖がればいい。彼女がどれだけ怖かったか、その身に染みて感じればいい。こんな男は息をしている価値もない。死んでしまえ。殺してしまえ。殴りつけてたたき潰して、ゴミのようにズタズタにして、虫か動物にでも喰わせてしまえ。許すものか、ヨーコさんに触れやがって。その汚い手で触れやがって。殺せ殺せ殺せ殺せ死ね死ね死ね死ねーー
「あかんで」
男にたたきつけようとした拳は、ヨーコさんの静かな声に止められた。
俺は困惑した顔を、ヨーコさんに向ける。
「殴ったらあかんよ。正当防衛で通じるのは今のところまでや」
手首を縛られ、地面に倒れ込んだまま、ヨーコさんは淡々と言った。
「強いんやなぁ。あんた」
微笑みすら浮かべて、身体を起こす。手首を結ぶ紐を引っ張って、取ろうとしたようだった。
「これ、解いてくれはる?」
俺は思わず、組み敷いた男とヨーコさんを見比べた。
「警察沙汰は面倒やで。事情聴取も長引くし」
あっさりと言うヨーコさんに、俺は戸惑いながら口を開く。
「でも、このまま解放するんすか?」
声には戸惑いだけでなく、苛立ちも混ざった。
殺してしまってもいいくらいの男だ。どうせ初めてでもないのだろう。被害に遭った女性は他にもいるに違いない。
こんな男は、糞みたいな、人間の屑だ。
「うちはそれでええで。後はあんたの好きにしぃ」
言って、はやく解けと言うように手首を顎で示した。
俺は渋々男から離れると、ヨーコさんを縛るそれを解く。
男が逃げて、追いかけようとしたとき、何事もなかったかのように歩き出すヨーコさんを思わず引き止めた。
「よ、ヨーコさん」
思わず掴んだ手首は、男に縛られた跡が赤くなっている。
ヨーコさんは痛みでも感じたように眉を寄せた。
「何が違うん」
今まで聞いたこともないほど低く、唸るような声が、俺を敵と認めて放たれる。
「あんたと、さっきの男と――何が違うん。あんたかて、うちの身体が欲しいんやろ。抱きたいんやろ。それだけなんやろ。襲われてるところ救ったかて、正義のヒーローにでもなりはったつもり? 笑えるわ」
ヨーコさんはそれでも、微笑んでいた。いつものように、微笑んでいるように見えただけかもしれない。それでもその目は憤りに燃えていて、冷たさを感じるほどに激情を宿していて、俺は目をそらすこともできなかった。
激情が、彼女の美しさをますます引き立たせていた。
「ええか、教えたる。むしろうちにとっては、知り合いの方がたちが悪いんや。――その後でも、見たくもない顔を見て、聞きたくもない声を聞くことになるさかいな」
俺が唖然としているうちに、ヨーコさんは去って行った。
+ + +
彼女の言葉は一つの真実だった。
俺は彼女を抱きたいと願っていた。
それは一度目の夜の前も後も、二度目の夜の前も後も、変わらず願望として胸中にあった。
だからこそ、ショックだったんだと思う。
彼女を男の手から守ったつもりだった。
少しは彼女の信頼を手にできるはずと、無意識に期待していた。
俺とあの男の、何が違うのだろう。
ただ、俺は俺は名前を知っているだけだ。彼女の会社での顔を知っているだけだ。たまたま二度、関係を持っただけだ。
それでも、俺と男が求めたものは、同じく彼女の身体だった。
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