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第三部
虚弱の駆け込み寺
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数日前──美英が青野鍼灸院に勤めだして院の中が賑やかになった。もちろん患者が来ないので専ら町田と組長の治療がメインだ。
だが、町田も美英も幸せそうなので見ているこちらも嬉しい。
「兄さん……胃の調子悪い? 背中が冷えてるけど──」
「最近三食ひじきご飯だからか? 今年は全国的に豊作なのか?」
「実は三重県はひじき生産量すごいねん!……まぁ、うん、豊作やね、うん……あっ! 流行ってるのもあるかも」
美英はきっと敢えて大量にひじきを送ってもらっている。全ては町田の毛根の為だろう。
バァァァァン!!
突然院のドアが開く。男の人が腰に手を当てながらやって来た。
「すみません、ちょっと腰をやってしまって……診て頂けませんか?」
美英がすぐに男の人に肩を貸すとベッドへと連れて行く。美英がそのままベッドに座らせると男のシャツを捲りあげる。
「およ? これは──」
背中には綺麗な刺青が入っていた。純和風な顔立ちなのに背中にヤシの木とアロハの文字が彫ってある。
「黒嶺会の人間からこの院はヤクザ専門の鍼灸院って聞いて来たんです……あ、痛っ……」
「え? ヤクザ専門?」
男の言葉に幸は驚く。
どうやら黒嶺会で噂になっているらしい。女神がヤクザ専門の鍼灸院を開業したようだと──。
ご丁寧に幸の写真付きで広告が回っているらしい……竜樹はいつ自分の仕事をしているのだろうか。
何やら院の玄関前が騒がしいことに気がつく。強面の男たちが院の前で何やら話し込んでいる。院のドアから覗く幸と美英に気付いた身長の低い男がガニ股で院の中へと入ってくる。
胸元の鎖のようなネックレスが光り輝いている。髪をなびかせてサングラスを外すと幸を鋭い視線で睨む。
「ここかい? ピンクの鍼灸院は」
「青野です。うちは風俗じゃないですけど……間違えてませんか?」
幸は大家さんに外壁を塗り替えてもらうように真剣に訴えることを誓った。
「何色でもいいけど、明徳会の者だ……ここが組員の健康管理を行ってくれるって会長から聞いて来たんだけど……」
「あ、はいはい……なるほどなるほど」
健康管理なんて初耳だがなぜか幸も美英も頷く。二人の様子に男は満面の笑みを浮かべた。
「そうかい……どうも腰が悪い組員が多くてね……明日から一日十人ずつ診てくれるかい? 一人五千円で足ると有難いが」
「「えぇ!?」」
幸と美英の声が重なった。二人は手を取り合い笑顔になる。
それから青野鍼灸院はより一層賑やかな院になった。ヤクザの御用達なのは変わりないが幸も美英もヤクザに免疫がつき過ぎてもう一般人もヤクザも変わらないらしい。
こうして院は新たな一歩を踏み出した……そして幾度となくピンクの鍼灸院として問い合わせの電話が掛かって来るのであった。
◇
「美英ちゃん、もうすぐ若い組員が来るからよろしくね。町田さんも一緒に来るからね」
「はい、いってらっしゃい」
幸が黒い往診バッグを持って院を出た。そのまま道へと出ると組長がこちらに歩いてくるのが見えた。幸の姿を見つけると組長は優しい表情へと変わる。
「先生、院で待っていてくれって言っただろう?」
組長が周りに隠れた黒ずくめの男たちに睨みを利かす。あれから院の前に黒ずくめの男たちが女神の治療を求めて殺到した……。
ただ、商店街の集会の件は光田も町田も隠したままだ。幸と組長の明るい未来のために墓場まで持っていく覚悟だ。
「あら、大丈夫よ? お屋敷までそう遠くないもの」
「いや、電信柱の裏にストーカーカメラマンがいるぞ」
「ん? 何?」
幸が振り返ろうとすると組長はその顔を自分の方へ向ける。みすみす竜樹にシャッターチャンスを与えるところだった。
「じゃ、行こうか──」
二人は手を繋ぐとゆっくりと歩き出した。
時計の秒針の音が響く……部屋は静かだ──。
「ん、あぁ──先生、ピンポイント過ぎじゃ」
「ありがとうございます──あぁ、バキバキですね。こんなに膨れちゃって……熱もあるし」
幸は熱を持った肌の表面を撫でる。
「先生……抜いてくれんか? わしの人生で最高に、我慢、できん! もう、んあぁ!」
「……うるせえな、たかが股関節の鍼ぐらいで何喘いでやがる!」
組長は自分の事は棚に上げて爺にツッコむ。どんぐりの背比べというやつだ。
爺は今朝起きるとギックリ腰になってしまったらしい。院は他のヤクザでいっぱいなので幸がこうして屋敷まで往診にやって来た。
「胡座をかきすぎたかもしれんの……年甲斐もなくヤりすぎたからか……」
「あら、万代さん、瞑想がご趣味なんですか?」
幸の中で胡座を長時間するのは瞑想しか想像できない。
「瞑想……うん、壮大なビジョン──確かに自慰は瞑想──」
「あー、卓球だ、卓球のスマッシュの時に傷めたんだよな?爺」
すかさず組長が会話に割って入る。
爺はうつ伏せのまま組長を手招きすると小さな声で耳打ちする。その顔は憎たらしいほど楽しそうだ。
「上手いのう、司……スマッシュとフィニッシュを掛けたんじゃろ?」
「いいから黙ってろ。そして二度と誰にも言うな」
爺は相変わらず英語に過大な憧れを抱いている。組長はうつ伏せの爺の頭を枕に押し付けて話せないようにする。
「先生──悪いが爺の首にも数本置鍼しておいてくれ」
「わかりました」
爺が首に鍼を打たれると話せなくなる。無事悪魔を封じ込めることが出来た。
それから股関節にしっかり鍼を受けた爺はすっかり良くなり庭の盆栽の手入れを始めた。元気な姿を確認すると幸は鍼をカバンに戻し始める。
「先生、俺の治療はしてくれないのか?」
「もちろん今からしますよ? 組長の部屋に行きますか?」
「行ったら……治療どころじゃないな……」
組長は幸の手を握ると熱い視線を送る。言葉の意味を汲み取った幸が顔を赤らめる。
「あ……えっと……縁側で治療を──」
「青空治療室はハードルが高いな……板張りも痛そうだ」
組長が顔を赤らめる幸の頰を包む。
「先生は──変わんないな……純粋で、まっすぐで……俺の心を惑わすのが上手い……」
幸の唇に口付けるとふわっと抱きしめる。胸の中にすっぽりと収まった幸の柔らかさに組長は笑い出す。石鹸の香りがふわっと広がった。
「先生──いい匂いだな」
幸の首にねっとりと舌を沿わせると浮き出た筋肉に齧り付く。
「ん──く、組長……」
組長は幸の頰に触れるとその瞳を見つめる。潤んだ目に自分しか写っていないのを確認して組長は満足そうだ。
「先生……もし、良かったら……、俺と、一緒に住ま──」
ピピピ ピピピ……
「……チッ」
幸の長白衣から着信音が聞こえる。幸が慌てて電話に出る。
「もしもし──? あら、顔面の神経麻痺なの? ええ……分かったわ」
幸が慌てて往診バックへ荷物を放り込むと立ち上がる。
「組長……ごめんね、一人だけ治療させて? 急患なの──戻るね! 麻痺なの! 急がなきゃ……」
電話の相手は美英だった。神経系の鍼灸治療は幸の得意分野だ。美英よりも幸に任せた方がいいだろうと連絡が入った。
慌てて戻っていく幸の後ろ姿を見送ると組長は溜息をつく。幸が嬉しそうに治療する姿を見て組長も大分嫉妬を抑えられるようになった。鍼を握る幸の幸せそうな笑顔と「お大事に」と満足げに送り出す姿を見ればやめろとは言えない。
押さえ込むことは……愛じゃないからな……。
「一緒に住む……嫁に来てくれって言った方がよかったか? まだ先の話か……」
組長は玄関から部屋に戻ろうと歩き出した。
「──組長!」
帰ったはずの幸がなぜか走って戻ってきた。忘れ物かもしれない。
「どうした──ん……」
幸が組長に抱きつき自分からキスをした。組長はその腰に手を回しそれを受け止めた。唇が離れると幸は真っ赤な顔して微笑んだ。
「治療が終わったら──ここに戻ってくるから……司、待っててね」
幸はそのまま踵を返し走り去る。その耳は真っ赤だった。
組長はそのまま呆然と立ち尽くしていたが、口元を手で覆うとその場にしゃがみ込み前髪を掻き上げた。組長も顔が真っ赤だった。
「可愛すぎるだろうが……」
幸の周りは今日も愛で溢れている。
さぁ、今日も……皆に幸あれ!
だが、町田も美英も幸せそうなので見ているこちらも嬉しい。
「兄さん……胃の調子悪い? 背中が冷えてるけど──」
「最近三食ひじきご飯だからか? 今年は全国的に豊作なのか?」
「実は三重県はひじき生産量すごいねん!……まぁ、うん、豊作やね、うん……あっ! 流行ってるのもあるかも」
美英はきっと敢えて大量にひじきを送ってもらっている。全ては町田の毛根の為だろう。
バァァァァン!!
突然院のドアが開く。男の人が腰に手を当てながらやって来た。
「すみません、ちょっと腰をやってしまって……診て頂けませんか?」
美英がすぐに男の人に肩を貸すとベッドへと連れて行く。美英がそのままベッドに座らせると男のシャツを捲りあげる。
「およ? これは──」
背中には綺麗な刺青が入っていた。純和風な顔立ちなのに背中にヤシの木とアロハの文字が彫ってある。
「黒嶺会の人間からこの院はヤクザ専門の鍼灸院って聞いて来たんです……あ、痛っ……」
「え? ヤクザ専門?」
男の言葉に幸は驚く。
どうやら黒嶺会で噂になっているらしい。女神がヤクザ専門の鍼灸院を開業したようだと──。
ご丁寧に幸の写真付きで広告が回っているらしい……竜樹はいつ自分の仕事をしているのだろうか。
何やら院の玄関前が騒がしいことに気がつく。強面の男たちが院の前で何やら話し込んでいる。院のドアから覗く幸と美英に気付いた身長の低い男がガニ股で院の中へと入ってくる。
胸元の鎖のようなネックレスが光り輝いている。髪をなびかせてサングラスを外すと幸を鋭い視線で睨む。
「ここかい? ピンクの鍼灸院は」
「青野です。うちは風俗じゃないですけど……間違えてませんか?」
幸は大家さんに外壁を塗り替えてもらうように真剣に訴えることを誓った。
「何色でもいいけど、明徳会の者だ……ここが組員の健康管理を行ってくれるって会長から聞いて来たんだけど……」
「あ、はいはい……なるほどなるほど」
健康管理なんて初耳だがなぜか幸も美英も頷く。二人の様子に男は満面の笑みを浮かべた。
「そうかい……どうも腰が悪い組員が多くてね……明日から一日十人ずつ診てくれるかい? 一人五千円で足ると有難いが」
「「えぇ!?」」
幸と美英の声が重なった。二人は手を取り合い笑顔になる。
それから青野鍼灸院はより一層賑やかな院になった。ヤクザの御用達なのは変わりないが幸も美英もヤクザに免疫がつき過ぎてもう一般人もヤクザも変わらないらしい。
こうして院は新たな一歩を踏み出した……そして幾度となくピンクの鍼灸院として問い合わせの電話が掛かって来るのであった。
◇
「美英ちゃん、もうすぐ若い組員が来るからよろしくね。町田さんも一緒に来るからね」
「はい、いってらっしゃい」
幸が黒い往診バッグを持って院を出た。そのまま道へと出ると組長がこちらに歩いてくるのが見えた。幸の姿を見つけると組長は優しい表情へと変わる。
「先生、院で待っていてくれって言っただろう?」
組長が周りに隠れた黒ずくめの男たちに睨みを利かす。あれから院の前に黒ずくめの男たちが女神の治療を求めて殺到した……。
ただ、商店街の集会の件は光田も町田も隠したままだ。幸と組長の明るい未来のために墓場まで持っていく覚悟だ。
「あら、大丈夫よ? お屋敷までそう遠くないもの」
「いや、電信柱の裏にストーカーカメラマンがいるぞ」
「ん? 何?」
幸が振り返ろうとすると組長はその顔を自分の方へ向ける。みすみす竜樹にシャッターチャンスを与えるところだった。
「じゃ、行こうか──」
二人は手を繋ぐとゆっくりと歩き出した。
時計の秒針の音が響く……部屋は静かだ──。
「ん、あぁ──先生、ピンポイント過ぎじゃ」
「ありがとうございます──あぁ、バキバキですね。こんなに膨れちゃって……熱もあるし」
幸は熱を持った肌の表面を撫でる。
「先生……抜いてくれんか? わしの人生で最高に、我慢、できん! もう、んあぁ!」
「……うるせえな、たかが股関節の鍼ぐらいで何喘いでやがる!」
組長は自分の事は棚に上げて爺にツッコむ。どんぐりの背比べというやつだ。
爺は今朝起きるとギックリ腰になってしまったらしい。院は他のヤクザでいっぱいなので幸がこうして屋敷まで往診にやって来た。
「胡座をかきすぎたかもしれんの……年甲斐もなくヤりすぎたからか……」
「あら、万代さん、瞑想がご趣味なんですか?」
幸の中で胡座を長時間するのは瞑想しか想像できない。
「瞑想……うん、壮大なビジョン──確かに自慰は瞑想──」
「あー、卓球だ、卓球のスマッシュの時に傷めたんだよな?爺」
すかさず組長が会話に割って入る。
爺はうつ伏せのまま組長を手招きすると小さな声で耳打ちする。その顔は憎たらしいほど楽しそうだ。
「上手いのう、司……スマッシュとフィニッシュを掛けたんじゃろ?」
「いいから黙ってろ。そして二度と誰にも言うな」
爺は相変わらず英語に過大な憧れを抱いている。組長はうつ伏せの爺の頭を枕に押し付けて話せないようにする。
「先生──悪いが爺の首にも数本置鍼しておいてくれ」
「わかりました」
爺が首に鍼を打たれると話せなくなる。無事悪魔を封じ込めることが出来た。
それから股関節にしっかり鍼を受けた爺はすっかり良くなり庭の盆栽の手入れを始めた。元気な姿を確認すると幸は鍼をカバンに戻し始める。
「先生、俺の治療はしてくれないのか?」
「もちろん今からしますよ? 組長の部屋に行きますか?」
「行ったら……治療どころじゃないな……」
組長は幸の手を握ると熱い視線を送る。言葉の意味を汲み取った幸が顔を赤らめる。
「あ……えっと……縁側で治療を──」
「青空治療室はハードルが高いな……板張りも痛そうだ」
組長が顔を赤らめる幸の頰を包む。
「先生は──変わんないな……純粋で、まっすぐで……俺の心を惑わすのが上手い……」
幸の唇に口付けるとふわっと抱きしめる。胸の中にすっぽりと収まった幸の柔らかさに組長は笑い出す。石鹸の香りがふわっと広がった。
「先生──いい匂いだな」
幸の首にねっとりと舌を沿わせると浮き出た筋肉に齧り付く。
「ん──く、組長……」
組長は幸の頰に触れるとその瞳を見つめる。潤んだ目に自分しか写っていないのを確認して組長は満足そうだ。
「先生……もし、良かったら……、俺と、一緒に住ま──」
ピピピ ピピピ……
「……チッ」
幸の長白衣から着信音が聞こえる。幸が慌てて電話に出る。
「もしもし──? あら、顔面の神経麻痺なの? ええ……分かったわ」
幸が慌てて往診バックへ荷物を放り込むと立ち上がる。
「組長……ごめんね、一人だけ治療させて? 急患なの──戻るね! 麻痺なの! 急がなきゃ……」
電話の相手は美英だった。神経系の鍼灸治療は幸の得意分野だ。美英よりも幸に任せた方がいいだろうと連絡が入った。
慌てて戻っていく幸の後ろ姿を見送ると組長は溜息をつく。幸が嬉しそうに治療する姿を見て組長も大分嫉妬を抑えられるようになった。鍼を握る幸の幸せそうな笑顔と「お大事に」と満足げに送り出す姿を見ればやめろとは言えない。
押さえ込むことは……愛じゃないからな……。
「一緒に住む……嫁に来てくれって言った方がよかったか? まだ先の話か……」
組長は玄関から部屋に戻ろうと歩き出した。
「──組長!」
帰ったはずの幸がなぜか走って戻ってきた。忘れ物かもしれない。
「どうした──ん……」
幸が組長に抱きつき自分からキスをした。組長はその腰に手を回しそれを受け止めた。唇が離れると幸は真っ赤な顔して微笑んだ。
「治療が終わったら──ここに戻ってくるから……司、待っててね」
幸はそのまま踵を返し走り去る。その耳は真っ赤だった。
組長はそのまま呆然と立ち尽くしていたが、口元を手で覆うとその場にしゃがみ込み前髪を掻き上げた。組長も顔が真っ赤だった。
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