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半分本当にあった怖い話
合わせ鏡
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合わせ鏡は霊界に通じている…。
それは誰しもが聞いたことのある話ではないだろうか?
しかし霊界なんて本当に存在するのだろうか?
そこに写るのは自分だけで死んだ人は写らない。
…そう自分だけ。
────────────────────
俺は現在入院している。闘病生活ってやつだ。
生まれつき心臓が弱かったのだが、ここ最近になって治療法が確立されたとかで入院して治すことになった。
薬を飲んで寝るだけの退屈な毎日だ。
いつものように朝起きる。真っ白な部屋。
少し太ったベテラン風の看護師が朝食を配り始めた。…うん、うまい。看護師が美人だともっとうまいのにな。
朝食を食べ終えると、ベテラン看護師が馴れた手つきで体温計を差し出しつつ俺の人差し指にクリップのような機具を取り付けた。
ピッ
俺が体温計を脇に挟む間に短い電子音が計測終了を告げる。
ピッ
心拍数も体温も一瞬で測れる時代だ。水銀でやってた頃が懐かしい。
「体調どうですかー?お変わりないですかー?」
「…ありません」
そろそろ聞き飽きた問答を今日も繰り返す。
看護師も手早く済ませて次の患者に向かった。
さて、歯磨きでもしようかね。
これが毎日のルーティーンだ。
スリッパをパタパタさせながら洗面所に向かう。
共用の洗面所は大きく、洗面台が部屋の両端にズラリと並び、大きな一枚鏡が壁に取り付けられている。
いわゆる合わせ鏡だ。
いくら病院とはいえ、深夜ならまだしも今は朝だ。ビビったりなんてしない。
清潔感のある真っ白な壁と生気のない俺の顔がどこまでもにらめっこしている。
…あ、ヒゲが伸びてきたな。そろそろ剃るか。
左手で忙しなく歯ブラシを動かしながら自分の顔をぼんやりと眺める。
──ドクンッ!
突如、胸を締め付けられる様な痛みに襲われた。
…うぅ、発作か。
鏡の中の俺も左胸を押さえて前屈みになっている。
そのまま洗面所の外によたよたと出て行ってしまった。
俺もナースコールしに行こう。運が良ければ、さっきの看護師がまだいるかもしれない。
そう思って、俺は右胸を押さえながら洗面所を出た。
────────────────────
合わせ鏡。
無数にいる「あなた」は、ちゃんとあなたについて来ていますか?
置き去りに、していませんか…?
それは誰しもが聞いたことのある話ではないだろうか?
しかし霊界なんて本当に存在するのだろうか?
そこに写るのは自分だけで死んだ人は写らない。
…そう自分だけ。
────────────────────
俺は現在入院している。闘病生活ってやつだ。
生まれつき心臓が弱かったのだが、ここ最近になって治療法が確立されたとかで入院して治すことになった。
薬を飲んで寝るだけの退屈な毎日だ。
いつものように朝起きる。真っ白な部屋。
少し太ったベテラン風の看護師が朝食を配り始めた。…うん、うまい。看護師が美人だともっとうまいのにな。
朝食を食べ終えると、ベテラン看護師が馴れた手つきで体温計を差し出しつつ俺の人差し指にクリップのような機具を取り付けた。
ピッ
俺が体温計を脇に挟む間に短い電子音が計測終了を告げる。
ピッ
心拍数も体温も一瞬で測れる時代だ。水銀でやってた頃が懐かしい。
「体調どうですかー?お変わりないですかー?」
「…ありません」
そろそろ聞き飽きた問答を今日も繰り返す。
看護師も手早く済ませて次の患者に向かった。
さて、歯磨きでもしようかね。
これが毎日のルーティーンだ。
スリッパをパタパタさせながら洗面所に向かう。
共用の洗面所は大きく、洗面台が部屋の両端にズラリと並び、大きな一枚鏡が壁に取り付けられている。
いわゆる合わせ鏡だ。
いくら病院とはいえ、深夜ならまだしも今は朝だ。ビビったりなんてしない。
清潔感のある真っ白な壁と生気のない俺の顔がどこまでもにらめっこしている。
…あ、ヒゲが伸びてきたな。そろそろ剃るか。
左手で忙しなく歯ブラシを動かしながら自分の顔をぼんやりと眺める。
──ドクンッ!
突如、胸を締め付けられる様な痛みに襲われた。
…うぅ、発作か。
鏡の中の俺も左胸を押さえて前屈みになっている。
そのまま洗面所の外によたよたと出て行ってしまった。
俺もナースコールしに行こう。運が良ければ、さっきの看護師がまだいるかもしれない。
そう思って、俺は右胸を押さえながら洗面所を出た。
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合わせ鏡。
無数にいる「あなた」は、ちゃんとあなたについて来ていますか?
置き去りに、していませんか…?
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