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37話 愛とは
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「だからなんで謝るの? お姉ちゃん」
「ごめんなさい。アンネじゃなくて、前世の妹に言った言葉だから。私の妹も貴方と同じ不登校で引きこもりだったから、事情も知らずキツイ言葉結構言ってしまったわ。教えてくれたら、よかったのに」
妹はなんで引きこもりになったのか話してくれなかった。両親に聞いても本人に聞いてくれとのことで、教えてくれなかった。
「お姉ちゃんが今まで通り普通に接してくれるのが、嬉しくて言えなかったんだと思うよ。だから怒られるのも、私は嫌じゃなかった」
「そうかな。でも、一応最期まで面倒見るつもりだったのよ。それも視野に入れて仕事選んだし」
「うん。私のお姉ちゃんもしょうがないから一生養ってやるって言ってくれたんだけど……お姉ちゃん嘘つき……私より先に死んじゃって……」
「それも私達姉妹と一緒ね」
「うん。で、両親も癌と事故で亡くなって……保険金や賠償金で十分以上に一生暮らせるくらいの大金が手に入ったんだけど、独りに耐えきれなくて、自殺しちゃったんだ。お姉ちゃんごめんなさい」
「私に謝られても困るわ。でも、まぁお姉ちゃんも嘘つきだからおあいこってことね」
「そうだね。で、死ぬ時にお姉ちゃんとまた一緒にゲームしたいなって思って、神様にお願いしたんだ。この世界にお姉ちゃん一緒に産まれ変わらしてくれって。まさか叶うなんてね」
「いや、ちょっとまって。もっといい世界あるでしょ? まぁー、デスゲーム系なんかに生ま変わるより100倍いいけど。お姉ちゃんに早く会えるといいね」
アンネはふふっと笑った。早くアンネがお姉ちゃんに会えるといいなと思った。暫く一緒に抱き合っていたけど、肩を押して離れた。
1番に言わなきゃいけない。けれども、先延ばししたのは、認めたくないからだろうか。アンネの話を聞きつつも、ずっと頭から離れない。重い口を開ける。
「アリスが……」
「アリスフォード殿下が? まさか一線を超えたとか」
「それはまだだけど……」
「でもなにかあったんでしょ! 二人とも居なくなってたじゃない」
「うん……」
「で、お姉ちゃんが攻めたの? それとも攻められた」
「別に……そんなことはどうでもいいの……」
声が深く沈んでいく。喉が絞られるようだ。未だになんで! という嘆きが胸中を占める。
「……アリスが魔王になったかもしれない」
「えっ! ゲームではもっと先じゃない。なんで?」
「そんなのわかってたら、そうならないようにもっと必死になってやりまくってたに決まってるじゃない!!」
声を荒げてしまう。アンネは何も悪くないのに。悪いとしたら自分。側に居たのに魔王にしてしまった。
「どんな様子だったの? 覚醒するまでどれくらい時間があるのか」
「わからない」
今更、そんなこと言ったら恥ずかしいなんて言ってられない。昨晩の事を話した。
「アンネ、アリスを助けてよ……」
「アリスフォード殿下を助けられるのはお姉ちゃんしか居ない。完全魔王化して肉体が消失して反魔力体になったら、救う手立てはほぼないのよ。だからそれまでにアリスフォード殿下を愛するのよ」
「愛とは何? どうしたら愛なのよ……」
お父様のことは愛しているし、前世の家族も愛してた。でも、他人を愛したとはっきり言える様な人物に前世でも今世でも巡り会えていない。だから、愛するとはわからない。
「自分より大切に思えたら愛とか……」
それで言うと昨夜の行動は、初めては相思相愛でしたいなどと自分を優先した時点でアリスのことを愛してないのだろう。確かにアリスの事を大切に想っているのに。
「ステータスがあればいいのに……」
ゲームではステータスがあって100%になればクリアできたけど、今は好感度が見えない。自分だけじゃなくて、アリスが私を愛してるかなんてわからない。好かれているとは思うけど、それ以上はわからない。愛とは一朝一夕にはいかないと思う。
「愛とはなんだろうか?」
「私だって、わからないよ」
アンネが顔を曇らせてた。
「ごめんなさい。アンネじゃなくて、前世の妹に言った言葉だから。私の妹も貴方と同じ不登校で引きこもりだったから、事情も知らずキツイ言葉結構言ってしまったわ。教えてくれたら、よかったのに」
妹はなんで引きこもりになったのか話してくれなかった。両親に聞いても本人に聞いてくれとのことで、教えてくれなかった。
「お姉ちゃんが今まで通り普通に接してくれるのが、嬉しくて言えなかったんだと思うよ。だから怒られるのも、私は嫌じゃなかった」
「そうかな。でも、一応最期まで面倒見るつもりだったのよ。それも視野に入れて仕事選んだし」
「うん。私のお姉ちゃんもしょうがないから一生養ってやるって言ってくれたんだけど……お姉ちゃん嘘つき……私より先に死んじゃって……」
「それも私達姉妹と一緒ね」
「うん。で、両親も癌と事故で亡くなって……保険金や賠償金で十分以上に一生暮らせるくらいの大金が手に入ったんだけど、独りに耐えきれなくて、自殺しちゃったんだ。お姉ちゃんごめんなさい」
「私に謝られても困るわ。でも、まぁお姉ちゃんも嘘つきだからおあいこってことね」
「そうだね。で、死ぬ時にお姉ちゃんとまた一緒にゲームしたいなって思って、神様にお願いしたんだ。この世界にお姉ちゃん一緒に産まれ変わらしてくれって。まさか叶うなんてね」
「いや、ちょっとまって。もっといい世界あるでしょ? まぁー、デスゲーム系なんかに生ま変わるより100倍いいけど。お姉ちゃんに早く会えるといいね」
アンネはふふっと笑った。早くアンネがお姉ちゃんに会えるといいなと思った。暫く一緒に抱き合っていたけど、肩を押して離れた。
1番に言わなきゃいけない。けれども、先延ばししたのは、認めたくないからだろうか。アンネの話を聞きつつも、ずっと頭から離れない。重い口を開ける。
「アリスが……」
「アリスフォード殿下が? まさか一線を超えたとか」
「それはまだだけど……」
「でもなにかあったんでしょ! 二人とも居なくなってたじゃない」
「うん……」
「で、お姉ちゃんが攻めたの? それとも攻められた」
「別に……そんなことはどうでもいいの……」
声が深く沈んでいく。喉が絞られるようだ。未だになんで! という嘆きが胸中を占める。
「……アリスが魔王になったかもしれない」
「えっ! ゲームではもっと先じゃない。なんで?」
「そんなのわかってたら、そうならないようにもっと必死になってやりまくってたに決まってるじゃない!!」
声を荒げてしまう。アンネは何も悪くないのに。悪いとしたら自分。側に居たのに魔王にしてしまった。
「どんな様子だったの? 覚醒するまでどれくらい時間があるのか」
「わからない」
今更、そんなこと言ったら恥ずかしいなんて言ってられない。昨晩の事を話した。
「アンネ、アリスを助けてよ……」
「アリスフォード殿下を助けられるのはお姉ちゃんしか居ない。完全魔王化して肉体が消失して反魔力体になったら、救う手立てはほぼないのよ。だからそれまでにアリスフォード殿下を愛するのよ」
「愛とは何? どうしたら愛なのよ……」
お父様のことは愛しているし、前世の家族も愛してた。でも、他人を愛したとはっきり言える様な人物に前世でも今世でも巡り会えていない。だから、愛するとはわからない。
「自分より大切に思えたら愛とか……」
それで言うと昨夜の行動は、初めては相思相愛でしたいなどと自分を優先した時点でアリスのことを愛してないのだろう。確かにアリスの事を大切に想っているのに。
「ステータスがあればいいのに……」
ゲームではステータスがあって100%になればクリアできたけど、今は好感度が見えない。自分だけじゃなくて、アリスが私を愛してるかなんてわからない。好かれているとは思うけど、それ以上はわからない。愛とは一朝一夕にはいかないと思う。
「愛とはなんだろうか?」
「私だって、わからないよ」
アンネが顔を曇らせてた。
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