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第1節
2話
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「通してください!俺はただレーヴァに会いたいだけなんです!」
「うるさい!気安く国王を呼び捨てするでないぞ!」
「ですから!俺はラーヴァ国王の命によりレーヴァのお世話係をしているゼヌアス・リトアなんです!信じてくださいよ!」
門の外では、未だ男と門番が口論を繰り広げていた。
男は金色の髪と緑の瞳を持ち、背中に本が鎖で繋がれた少し大きめのリュックを背負っていた。
「そんなに言うなら、とっとと入城許可証を見せたらどうだ!」
「でーすーかーら!他の国にいったときに紛失したって言ってるじゃないですか!」
「命と同じくらい大切なものをなくすわけがないだろう!」
「そりゃなくしますよ!こっちは6年間ずっと旅し続けてたんですから!」
男はそう言って足に巻かれたバンドからハンドガンを取り出した。
「なっ!?」
「き、貴様!とうとう銃を向けるか!」
そう言って門番たちは腰から剣を取り出した。
「ちょっ!待って待って待って待って!攻撃しようってわけじゃないんだよ!これこれ!ここ見て!」
そう言って男は銃の側面に描かれた金色の装飾を指さした。
そこには確かに、ソーラティアの紋章が描かれていた。
その時…
バタン!
と大きな音を立てて扉が開いた。
門番たちが扉の方を向くと、そこにはボサボサの茶髪を持つ一人の青年の姿が。
「!?国王!?」
「レーヴァ!」
レーヴァは王城を走り抜け、ここまでやってきたのだ。
彼が部屋の外に出たのは8ヶ月ぶり。それだけ珍しいことなのだ。
レーヴァは息を切らしながら言った。
「お前は本当に…ゼヌアスなの?」
レーヴァはゼヌアスにそう問いかけた
「ああ!そうだ!ゼヌアス・リトア!今ここに帰還した!」
そう言って男は片膝をついた。
その言葉を聞いたレーヴァは、ゼヌアスの方に歩き始めた。
しかし、、、
「国王!そんな言葉に騙されてはなりませぬ!」
「まだコヤツが本当にそのゼヌアス殿とは判断できませぬ!」
「そうですぞ!仮に魔族だった場合、危ないのは国王で___!」
家臣たちがそう言って国王を止めようとするが
「うるさい。ここは僕に任せろと言ってる。」
そう吐き捨てて男の元へ歩く。
「…。」
「…。」
レーヴァと男の間に、一瞬の沈黙が走る。
「___誰か」
先に口を開いたのはレーヴァだった。
「ど、どうなさいましたか・・・?」
「今は…何時何分だ?」
口を開いた門番の一人に、レーヴァはそう問いかけた。
「えーっと…9時55分です。」
「そうか。ありがとう」
レーヴァはそう言い、男に視線を向ける。
「ゼヌアス、パスワードはいくつだ?」
「えーっと…」
そう言って男は考え始めた。
そして少し悩んだ後、
「…“1519”ですね」
そう答えた。
それを聞いたレーヴァは、
「おかえり。ゼヌアス。」
そう言って男に手を差し出した。
男は、ゼヌアスは微笑んで
「…ただいま、レーヴァ。」
そう言ってレーヴァの手を取ったのだった。
~~~
「わーお。思ったより片付いてるね。」
レーヴァの私室に入ったゼヌアスは、開口一番そんなことを言った。
「そりゃ片付けくらいはするよ。どっかの誰かさんと違って」
レーヴァはゼヌアスを椅子へ促しつつ軽く睨んだ。
「だって片付ける暇があったら小説書きたいじゃん?」
「…宿泊先でそんなことしてないよね?」
ゼヌアスの言葉に、レーヴァはまた冷たい目線を送る。
「大丈夫大丈夫!…とりあえずはね」
「お世話係がお世話されてたらどうするのさ…」
レーヴァは「はぁ」とため息を吐きながらそう言った。
机を挟んで座った二人の間に、また沈黙が走る。
「…レーヴァ。最近調子はどうだい?」
先に口を開いたのはゼヌアスだった。
「かなりいいよ。お父様が残してくれたキーたちもかなり使えるようになってきた。」
「そう。それは良かった。」
「……」
「……」
二人はまた黙り込んでしまう。
「……ごめんね。あの時戻ってこれなくて。」
「……別に大丈夫だよ。気にしないで」
ゼヌアスの言葉に、レーヴァはそう返した。
ゼヌアスは話し続ける
「3年前のあの日、俺が戻ってきていれば。レーヴァをそばで支えられたら、レーヴァが傷つくことはなかったのに。」
「ううん、いいの。ゼヌアスは俺との約束を守ってくれたんだし、まず戻ってこれなかったでしょ?」
「そうだけど…」
二人の間には確かな信頼があった。そのため、上下関係なくタメ口で話すことができた。
ゼヌアスが旅をしていた間に、レーヴァには辛い出来事があった。
「昔のことはいいんだ。確かに今こうして引きこもってるけど、僕はゼヌアスが無事に帰ってきてくれただけでいい。」
だからさ…
レーヴァはゼヌアスの元まで歩き、彼に抱きついた。
「今はこうしていさせて。」
レーヴァの声は震えていた。
「…はぁ。ほんっと、何年経っても変わらないね、レーヴァは。」
ゼヌアスはそう言いながらレーヴァの頭を撫でた。
「だから、今はたくさん泣いていいよ。」
「うん…ありがとう」
レーヴァは、ゼヌアスの胸元で静かに泣いた。
==========================
ここまで読んでくれてありがとうございました!
この作品ではレーヴァとゼヌアスの友情も含めて書いていくので、二人の未来を見守ってくれると嬉しいです!
そして、次回から話のサブタイトルを追加していく予定です!
「うるさい!気安く国王を呼び捨てするでないぞ!」
「ですから!俺はラーヴァ国王の命によりレーヴァのお世話係をしているゼヌアス・リトアなんです!信じてくださいよ!」
門の外では、未だ男と門番が口論を繰り広げていた。
男は金色の髪と緑の瞳を持ち、背中に本が鎖で繋がれた少し大きめのリュックを背負っていた。
「そんなに言うなら、とっとと入城許可証を見せたらどうだ!」
「でーすーかーら!他の国にいったときに紛失したって言ってるじゃないですか!」
「命と同じくらい大切なものをなくすわけがないだろう!」
「そりゃなくしますよ!こっちは6年間ずっと旅し続けてたんですから!」
男はそう言って足に巻かれたバンドからハンドガンを取り出した。
「なっ!?」
「き、貴様!とうとう銃を向けるか!」
そう言って門番たちは腰から剣を取り出した。
「ちょっ!待って待って待って待って!攻撃しようってわけじゃないんだよ!これこれ!ここ見て!」
そう言って男は銃の側面に描かれた金色の装飾を指さした。
そこには確かに、ソーラティアの紋章が描かれていた。
その時…
バタン!
と大きな音を立てて扉が開いた。
門番たちが扉の方を向くと、そこにはボサボサの茶髪を持つ一人の青年の姿が。
「!?国王!?」
「レーヴァ!」
レーヴァは王城を走り抜け、ここまでやってきたのだ。
彼が部屋の外に出たのは8ヶ月ぶり。それだけ珍しいことなのだ。
レーヴァは息を切らしながら言った。
「お前は本当に…ゼヌアスなの?」
レーヴァはゼヌアスにそう問いかけた
「ああ!そうだ!ゼヌアス・リトア!今ここに帰還した!」
そう言って男は片膝をついた。
その言葉を聞いたレーヴァは、ゼヌアスの方に歩き始めた。
しかし、、、
「国王!そんな言葉に騙されてはなりませぬ!」
「まだコヤツが本当にそのゼヌアス殿とは判断できませぬ!」
「そうですぞ!仮に魔族だった場合、危ないのは国王で___!」
家臣たちがそう言って国王を止めようとするが
「うるさい。ここは僕に任せろと言ってる。」
そう吐き捨てて男の元へ歩く。
「…。」
「…。」
レーヴァと男の間に、一瞬の沈黙が走る。
「___誰か」
先に口を開いたのはレーヴァだった。
「ど、どうなさいましたか・・・?」
「今は…何時何分だ?」
口を開いた門番の一人に、レーヴァはそう問いかけた。
「えーっと…9時55分です。」
「そうか。ありがとう」
レーヴァはそう言い、男に視線を向ける。
「ゼヌアス、パスワードはいくつだ?」
「えーっと…」
そう言って男は考え始めた。
そして少し悩んだ後、
「…“1519”ですね」
そう答えた。
それを聞いたレーヴァは、
「おかえり。ゼヌアス。」
そう言って男に手を差し出した。
男は、ゼヌアスは微笑んで
「…ただいま、レーヴァ。」
そう言ってレーヴァの手を取ったのだった。
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「わーお。思ったより片付いてるね。」
レーヴァの私室に入ったゼヌアスは、開口一番そんなことを言った。
「そりゃ片付けくらいはするよ。どっかの誰かさんと違って」
レーヴァはゼヌアスを椅子へ促しつつ軽く睨んだ。
「だって片付ける暇があったら小説書きたいじゃん?」
「…宿泊先でそんなことしてないよね?」
ゼヌアスの言葉に、レーヴァはまた冷たい目線を送る。
「大丈夫大丈夫!…とりあえずはね」
「お世話係がお世話されてたらどうするのさ…」
レーヴァは「はぁ」とため息を吐きながらそう言った。
机を挟んで座った二人の間に、また沈黙が走る。
「…レーヴァ。最近調子はどうだい?」
先に口を開いたのはゼヌアスだった。
「かなりいいよ。お父様が残してくれたキーたちもかなり使えるようになってきた。」
「そう。それは良かった。」
「……」
「……」
二人はまた黙り込んでしまう。
「……ごめんね。あの時戻ってこれなくて。」
「……別に大丈夫だよ。気にしないで」
ゼヌアスの言葉に、レーヴァはそう返した。
ゼヌアスは話し続ける
「3年前のあの日、俺が戻ってきていれば。レーヴァをそばで支えられたら、レーヴァが傷つくことはなかったのに。」
「ううん、いいの。ゼヌアスは俺との約束を守ってくれたんだし、まず戻ってこれなかったでしょ?」
「そうだけど…」
二人の間には確かな信頼があった。そのため、上下関係なくタメ口で話すことができた。
ゼヌアスが旅をしていた間に、レーヴァには辛い出来事があった。
「昔のことはいいんだ。確かに今こうして引きこもってるけど、僕はゼヌアスが無事に帰ってきてくれただけでいい。」
だからさ…
レーヴァはゼヌアスの元まで歩き、彼に抱きついた。
「今はこうしていさせて。」
レーヴァの声は震えていた。
「…はぁ。ほんっと、何年経っても変わらないね、レーヴァは。」
ゼヌアスはそう言いながらレーヴァの頭を撫でた。
「だから、今はたくさん泣いていいよ。」
「うん…ありがとう」
レーヴァは、ゼヌアスの胸元で静かに泣いた。
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ここまで読んでくれてありがとうございました!
この作品ではレーヴァとゼヌアスの友情も含めて書いていくので、二人の未来を見守ってくれると嬉しいです!
そして、次回から話のサブタイトルを追加していく予定です!
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