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二章 御伽の国
64 武闘会(6) side金髪
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なんか、一悶着あったみたいだが、そのまま武闘会は止まることなく、俺の試合が来たぜ。
相手はフェン。進化して強さを得続ける魔狼なのにも関わらず、魔狼とは違う生き方を目指しているフェンだが、進化していなくとも強いのは間違いない。
よし、気合を入れていこう。なんたって俺たちブッチャー団の実力を示さないといけないからな!
舞台に一歩上がった途端、大きな拍手と、思ってもみなかった歓声が聞こえてくる。
「頑張れよー金髪!」
「金髪ー! いいぞー!」
「楽しみにしてるぜ金髪!」
お、おお?!
俺が、期待されてるのか?
ははは、優勝しないとダメだと思ってたが、この様子ならブッチャー団の評価はもう変わってるのかもしれないな。
だからといって、ここで終わる訳には行かない。勝ってみせるぜ、俺は。
「覚悟しろよ、フェン。俺の実力を見せてやるぜ」
「ふん、我とて負ける訳には行かん。主に優勝する姿を見てもらわねばならんのでな」
フェン、口調は尊大な感じだけど、マーガレットが大好きなんだと思うし、家族も大切にしている。
マーガレットも、家族も見てるこの状況、フェンにとっては負けられないんだろうさ。
だけど、それは俺も変わらない。村中が俺の事を見てる中で、負ける訳には行かねぇ。勝って、ブッチャー団の力を見せてやる!
「金髪 対 フェンの試合……始めッ!」
「うおおおお!」
「ガァ!」
開始の合図と共に、フェンが突っ込んでくる。くそっ、はやすぎだろ!
「今回は武器を隠してないのか?」
「どうだかな!」
言うわけねぇだろ。まぁ今回は隠してないけどな。あれは一度見てたら奇襲にならない。
ていうか、攻撃が速すぎる。魔王さんのおかげで身体強化を上手く使う方法は分かったけど、かわし続けるのも限界に近い。
『ガァ!』
魔力を含んだ咆哮?! 身体が痺れる。やべぇ!
咄嗟に後ろに飛べたおかげで、なんとかフェンの間合いから抜け出せたはず。
「甘いな」
かわしたはずのフェンの爪が、腕に食い込む。
なんで食らった?! くそっ、身体を一瞬巨大化して間合いを伸ばしたのか。
腕からはぼたぼたと血が流れる。かなり深く爪が入ったからな……痛てぇ。
「終わりだろう、降参してもいいのだぞ?」
「まさか、いいハンデだよ!」
「そうか……ならば言葉に甘えようか。全力でいかせてもらう!」
フェンの速さがさらにあがる。前の速さでも限界だったのに、これを避けるのは無理だな。
……これを待ってたぜ。
俺が避けるのが無理だということはフェンもわかってる。だからこそ、このタイミングが最も警戒が薄れてるってことだ。
ここで決める!
「ぬっ?!」
かわすことはあきらめて、フェンの足元に滑り込む。爪が掠って傷は負ったが、目の前にはがら空きのフェンのお腹だ!
「うおおおおおおお!」
作るのは弾丸。爆会祭で作ったやつを応用して、さらに小さく、さらに強く、さらに速く打ち出す!
「《金の弾丸》!」
いけええええええ!
「グヌァ?!」
俺の攻撃はフェンの無防備な腹をとらえ、着弾と同時に爆発、フェンの体は舞台の端まで吹き飛んでいく。
「やったか?!」
「グヌ……やってくれるな、金髪……いや、ブッチャー!」
「……くそ、まだまだ元気じゃねぇか」
俺の攻撃は、フェンに大したダメージを与えることが出来なかったらしい。
一か八かの賭けだったんだけどな……もう、似たようなことは出来ない。ここからは正面から戦うしかないわけだ。
あー、くそ。正面からやったら勝てないから、いろいろと策を練ったんだけどな。
「団長、頑張ってくだせぇ! おうお前ら、声合わせるぞ! 頑張れ団長!」
「「「頑張れ団長!」」」
「負けるな団長!」
「「「負けるな団長!」」」
あいつら……そうだな、まだ諦めないぜ。
身体強化に回してた魔力も、全部使って魔法の準備をする。正真正銘、俺のありったけ全部だ。
「……ゆくぞ、ブッチャー!」
「来いよ、フェン!」
俺が最後の一撃を撃とうとしているのはフェンもわかってるはずだ。
フェンは俺の照準をずらすために、ジグザグと横に飛びながら距離を詰めてくる。
落ち着け、研ぎ澄ませ! 絶対に当てるしかない、これを当てて俺は勝つ!
「うぉぉぉぉぉ!」
「ガァァァァァァァ!!」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「……あ? ここはどこだ?」
「団長、目を覚ましやしたか」
あれ、俺は確か武闘会に出て……。なんでここで横になってるんだ。
「……戦い、戦いはどうなった?!」
「お、落ち着いてくだせぇ団長! 魔法で傷は治っても疲労は消えてねぇんですから!」
落ち着いてられるか! 試合は、試合はどうなった!
「試合は、団長の負けになりやした」
「……そうか。わかった」
俺の負けか。
話を聞けば、俺の最後の一撃はフェンに当たったらしい。だが、フェンはそれで倒れることはなく、逆に俺を戦闘不能に追い込んだみたいだ。
「ただ、フェンも怪我の具合が酷くて、次の試合は出れないかもしれないらしいですぜ」
「なに?」
「団長の攻撃、衝撃が体の内側に響くらしいですぜ。そんで、臓物が傷ついたとかなんとか……」
そうか。俺も一矢むくいることは出来てたらしい。
「あー、そうか。ただまぁ、俺にしてはよくやったろ。観客も、ブッチャー団の力は認めてくれたはずだしな。ほら、お前らも俺に構ってないで試合を見に行けよ。どうせ進んでんだろ?」
「ルールーさんとアラエルの天使の戦いは、アラエルの圧勝だったらしいですぜ。あと、ナオキの野郎とソロネの戦いは、ぎりぎりのところでナオキが勝ったとか。……けど、団長。俺らは別にーー」
「いいから、行けよ。ブッチャー団全員で抜けてきたら外聞が悪いだろ」
アラエルが勝ったのは、相性もあるが、地力の違いだな。ルールーさんは強いとはいえ種族の差が出ちまったな。
ナオキは状態異常で攻めるが、ソロネは天使らしく回復が得意って聞いたから、持久戦の末ナオキが勝った感じか?
俺が寝てる間にそこそこ武闘会は進んでたみたいだな。
にしても……。
「くそっ……なんで勝てなかったんだよ俺は!」
あいつらに優勝した姿を見せてやりたかった。村のヤツらに、認めて貰えるように……くそ!
あの時ああしてれば、こうしなければ、いろんな後悔が浮かぶが……。
「どれも後の祭ってやつか」
「まだ武闘会という祭りの最中ですよ」
「マーガレット?!」
なんか、窓枠にちょこんと座ってるんだが。いつの間に?!
「お前……抜け出していいのかよ」
「幻影魔法で誤魔化してます。視界だけゲートを通して繋げてますし、少しの間なら問題ないはずです」
相変わらずぶっとんでんな。にしても、わざわざなんのようだよ。
「……フェンは?」
「いまさっき見てきましたが、大丈夫ですよ。私が治しましたから、ただ、何かあっては困るので次の試合は棄権するように伝えました」
俺に用があった訳じゃなくて、フェンを治しに行ったついでか?
「それで、何しに来たんだよ。悔しがってる俺を見に来たのか?」
「どれだけ悪趣味な女だと思ってるんですか……ただ褒めようと思っただけですよ。金髪にしてはよく頑張りました」
……ちょっと悪戯っぽく笑うと、いつもの化け物感あふれる強さが霞むな。年相応の女って感じだ。
ただまぁ俺は惚れたりしないけどな。ドラゴンを殴り倒せるような女は嫌だぞ。抱きしめられたら背骨が折れそうぜ。
「なんか失礼なこと考えてません?」
「気のせいだ」
「……怪しいです。でもまぁ、本当にいい試合でした。なんならよしよししてあげましょうか」
「ふざけんな」
「もう、遠慮しなくていいんですよ。ほら、よしよしーってしてあげますから」
「うるせぇ。いいから、早く戻れよ。村の代表が居なきゃ困るだろ」
俺が無理矢理部屋から出そうとすると、マーガレットは姿を消した。転移魔法か。
はぁ、神出鬼没だなまったく。
いい試合って言っても、最初からフェンが俺を殺す気でかかってきたら直ぐに終わっていたはずだ。
「……次は優勝してみせるぜ」
あとで魔王さんに特訓を頼もう。来年も武闘会をやるのかは知らないけど、もしやるなら目指すは優勝だ。
相手はフェン。進化して強さを得続ける魔狼なのにも関わらず、魔狼とは違う生き方を目指しているフェンだが、進化していなくとも強いのは間違いない。
よし、気合を入れていこう。なんたって俺たちブッチャー団の実力を示さないといけないからな!
舞台に一歩上がった途端、大きな拍手と、思ってもみなかった歓声が聞こえてくる。
「頑張れよー金髪!」
「金髪ー! いいぞー!」
「楽しみにしてるぜ金髪!」
お、おお?!
俺が、期待されてるのか?
ははは、優勝しないとダメだと思ってたが、この様子ならブッチャー団の評価はもう変わってるのかもしれないな。
だからといって、ここで終わる訳には行かない。勝ってみせるぜ、俺は。
「覚悟しろよ、フェン。俺の実力を見せてやるぜ」
「ふん、我とて負ける訳には行かん。主に優勝する姿を見てもらわねばならんのでな」
フェン、口調は尊大な感じだけど、マーガレットが大好きなんだと思うし、家族も大切にしている。
マーガレットも、家族も見てるこの状況、フェンにとっては負けられないんだろうさ。
だけど、それは俺も変わらない。村中が俺の事を見てる中で、負ける訳には行かねぇ。勝って、ブッチャー団の力を見せてやる!
「金髪 対 フェンの試合……始めッ!」
「うおおおお!」
「ガァ!」
開始の合図と共に、フェンが突っ込んでくる。くそっ、はやすぎだろ!
「今回は武器を隠してないのか?」
「どうだかな!」
言うわけねぇだろ。まぁ今回は隠してないけどな。あれは一度見てたら奇襲にならない。
ていうか、攻撃が速すぎる。魔王さんのおかげで身体強化を上手く使う方法は分かったけど、かわし続けるのも限界に近い。
『ガァ!』
魔力を含んだ咆哮?! 身体が痺れる。やべぇ!
咄嗟に後ろに飛べたおかげで、なんとかフェンの間合いから抜け出せたはず。
「甘いな」
かわしたはずのフェンの爪が、腕に食い込む。
なんで食らった?! くそっ、身体を一瞬巨大化して間合いを伸ばしたのか。
腕からはぼたぼたと血が流れる。かなり深く爪が入ったからな……痛てぇ。
「終わりだろう、降参してもいいのだぞ?」
「まさか、いいハンデだよ!」
「そうか……ならば言葉に甘えようか。全力でいかせてもらう!」
フェンの速さがさらにあがる。前の速さでも限界だったのに、これを避けるのは無理だな。
……これを待ってたぜ。
俺が避けるのが無理だということはフェンもわかってる。だからこそ、このタイミングが最も警戒が薄れてるってことだ。
ここで決める!
「ぬっ?!」
かわすことはあきらめて、フェンの足元に滑り込む。爪が掠って傷は負ったが、目の前にはがら空きのフェンのお腹だ!
「うおおおおおおお!」
作るのは弾丸。爆会祭で作ったやつを応用して、さらに小さく、さらに強く、さらに速く打ち出す!
「《金の弾丸》!」
いけええええええ!
「グヌァ?!」
俺の攻撃はフェンの無防備な腹をとらえ、着弾と同時に爆発、フェンの体は舞台の端まで吹き飛んでいく。
「やったか?!」
「グヌ……やってくれるな、金髪……いや、ブッチャー!」
「……くそ、まだまだ元気じゃねぇか」
俺の攻撃は、フェンに大したダメージを与えることが出来なかったらしい。
一か八かの賭けだったんだけどな……もう、似たようなことは出来ない。ここからは正面から戦うしかないわけだ。
あー、くそ。正面からやったら勝てないから、いろいろと策を練ったんだけどな。
「団長、頑張ってくだせぇ! おうお前ら、声合わせるぞ! 頑張れ団長!」
「「「頑張れ団長!」」」
「負けるな団長!」
「「「負けるな団長!」」」
あいつら……そうだな、まだ諦めないぜ。
身体強化に回してた魔力も、全部使って魔法の準備をする。正真正銘、俺のありったけ全部だ。
「……ゆくぞ、ブッチャー!」
「来いよ、フェン!」
俺が最後の一撃を撃とうとしているのはフェンもわかってるはずだ。
フェンは俺の照準をずらすために、ジグザグと横に飛びながら距離を詰めてくる。
落ち着け、研ぎ澄ませ! 絶対に当てるしかない、これを当てて俺は勝つ!
「うぉぉぉぉぉ!」
「ガァァァァァァァ!!」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「……あ? ここはどこだ?」
「団長、目を覚ましやしたか」
あれ、俺は確か武闘会に出て……。なんでここで横になってるんだ。
「……戦い、戦いはどうなった?!」
「お、落ち着いてくだせぇ団長! 魔法で傷は治っても疲労は消えてねぇんですから!」
落ち着いてられるか! 試合は、試合はどうなった!
「試合は、団長の負けになりやした」
「……そうか。わかった」
俺の負けか。
話を聞けば、俺の最後の一撃はフェンに当たったらしい。だが、フェンはそれで倒れることはなく、逆に俺を戦闘不能に追い込んだみたいだ。
「ただ、フェンも怪我の具合が酷くて、次の試合は出れないかもしれないらしいですぜ」
「なに?」
「団長の攻撃、衝撃が体の内側に響くらしいですぜ。そんで、臓物が傷ついたとかなんとか……」
そうか。俺も一矢むくいることは出来てたらしい。
「あー、そうか。ただまぁ、俺にしてはよくやったろ。観客も、ブッチャー団の力は認めてくれたはずだしな。ほら、お前らも俺に構ってないで試合を見に行けよ。どうせ進んでんだろ?」
「ルールーさんとアラエルの天使の戦いは、アラエルの圧勝だったらしいですぜ。あと、ナオキの野郎とソロネの戦いは、ぎりぎりのところでナオキが勝ったとか。……けど、団長。俺らは別にーー」
「いいから、行けよ。ブッチャー団全員で抜けてきたら外聞が悪いだろ」
アラエルが勝ったのは、相性もあるが、地力の違いだな。ルールーさんは強いとはいえ種族の差が出ちまったな。
ナオキは状態異常で攻めるが、ソロネは天使らしく回復が得意って聞いたから、持久戦の末ナオキが勝った感じか?
俺が寝てる間にそこそこ武闘会は進んでたみたいだな。
にしても……。
「くそっ……なんで勝てなかったんだよ俺は!」
あいつらに優勝した姿を見せてやりたかった。村のヤツらに、認めて貰えるように……くそ!
あの時ああしてれば、こうしなければ、いろんな後悔が浮かぶが……。
「どれも後の祭ってやつか」
「まだ武闘会という祭りの最中ですよ」
「マーガレット?!」
なんか、窓枠にちょこんと座ってるんだが。いつの間に?!
「お前……抜け出していいのかよ」
「幻影魔法で誤魔化してます。視界だけゲートを通して繋げてますし、少しの間なら問題ないはずです」
相変わらずぶっとんでんな。にしても、わざわざなんのようだよ。
「……フェンは?」
「いまさっき見てきましたが、大丈夫ですよ。私が治しましたから、ただ、何かあっては困るので次の試合は棄権するように伝えました」
俺に用があった訳じゃなくて、フェンを治しに行ったついでか?
「それで、何しに来たんだよ。悔しがってる俺を見に来たのか?」
「どれだけ悪趣味な女だと思ってるんですか……ただ褒めようと思っただけですよ。金髪にしてはよく頑張りました」
……ちょっと悪戯っぽく笑うと、いつもの化け物感あふれる強さが霞むな。年相応の女って感じだ。
ただまぁ俺は惚れたりしないけどな。ドラゴンを殴り倒せるような女は嫌だぞ。抱きしめられたら背骨が折れそうぜ。
「なんか失礼なこと考えてません?」
「気のせいだ」
「……怪しいです。でもまぁ、本当にいい試合でした。なんならよしよししてあげましょうか」
「ふざけんな」
「もう、遠慮しなくていいんですよ。ほら、よしよしーってしてあげますから」
「うるせぇ。いいから、早く戻れよ。村の代表が居なきゃ困るだろ」
俺が無理矢理部屋から出そうとすると、マーガレットは姿を消した。転移魔法か。
はぁ、神出鬼没だなまったく。
いい試合って言っても、最初からフェンが俺を殺す気でかかってきたら直ぐに終わっていたはずだ。
「……次は優勝してみせるぜ」
あとで魔王さんに特訓を頼もう。来年も武闘会をやるのかは知らないけど、もしやるなら目指すは優勝だ。
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