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三章 龍の花嫁
94 ナオキと勇者(1)
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sideナオキ
転移は出来なかった。計画上、転移が出来るかどうかはかなり重要なポイントだったんだけど……出来ないものは仕方がない。
里から出るためには、転移以外の方法で逃げるしかない。
飛んだり、身体強化をつかえば逃げれる可能性はあるけど……アナスタシアさんと、魔力のないマーガレットさんがいる以上あまり無茶はできない。
僕がやるべきことは1つ、目の前の勇者とその仲間を倒すこと。
「おいおい、やる気か? ナオキ。昔俺にボコられてるのを忘れたか?」
忘れたと言いたいけど、今でもはっきり覚えている。
この世界に転生して直ぐに、僕達は全員が勇者として旅立つ事を強制された。ただ、僕たちには強い力があった。
僕には魔法に対しての理解力と、精密な魔力操作。そして目の前のこいつには強力で純粋な力と、あらゆる武器、武術への理解力があった。
最初は友好的だった。旅をしていくうちに仲間も増えて、色々なダンジョンを攻略して……楽しい旅だった。
だけど、ある日のことだ。古代の未踏ダンジョンを攻略してみようという話になった時。なぜか僕だけ街に残るように言われた。
勇者がとっておきだといってくれた飲み物と食材に薬が入っていたようで、気づいた時には奴隷の首輪が巻かれていた。それからの生活は……思い出したくもない。
「それで、そこの天使はお前のおーー」
「御託はいいよ。さっさと始めよう、まさか……僕に負けるのが怖くてペラペラと喋ってんの?」
「てめぇ……」
僕に煽られたのが余程嫌だったのか、勇者はそれまでの余裕のある笑顔をやめて、僕に剣を向けてくる。
やっぱり、こいつは僕のことを凄くしたに見てる。たしかに、遠距離での戦いがメインになる魔法使いの僕と、近距離先頭がメインのこいつだと、相性が悪い。
ただ。僕だってあの村に来てから変わったんだ。特に、魔法に関してはね。
マーガレットさんの魔法は、それまでの僕の中の魔法の常識を打ち壊した。だってあの人魔法使いのはずなのに物理で圧倒的に強いんだもの。めちゃくちゃだよ。
あの国にいると、みんな感覚がおかしくなっていくけど、普通は素手で魔法を掴んだりとか壊したりとか出来ないからね?
「お前が俺に勝てるわけないだろ? 魔法使いが勇者に勝てるかよ」
「この前誰にボコられたのか忘れたの? いいからさっさとやろうよ」
もし、マーガレットさんの言う通り、こいつらの裏に何者かがいるとしたら、さっさと終わらせないと厄介なことになりそうだからね。
アラエルは勇者の仲間を相手してくれるみたい。心配だけど……うっきうきで笑顔を浮かべてる様子を見ると大丈夫そう。僕は僕で集中しよう。
武器を構えて、魔力を集中させる勇者。
マーガレットさんにボコられてるとこだけ見たら、大して強くないように見えるかもしれないけど、あれでも勇者だ。あの構えから繰り出される斬撃は並の腕じゃ受け止めれない。
「後悔すんなよ、ナオキィ!」
向かってくる勇者に対して、ぼくはただ待つだけ。普通の魔法使いならこの段階で逃げ出すか魔法での防御を試みるだろうから、勇者は不思議な顔をしつつも突っ込んでくる。
それに対しての僕の作戦は……シンプルだ。全身に魔力を貯めて、一気に身体能力を高める。そして、向かってくる勇者に向かって勢いよく突っ込むのみ!
「は、はぁ?! ぐふぉ!」
まさか突っ込んでくるとは思わなかっただろ勇者!
僕の恵まれた体格から繰り出されるこの一撃、重みが違うだろ!
「こ、このデブ……体重で攻めてきやがった……」
「ぼくはデブじゃないんだよ! おら!」
人をデブ呼ばわりした勇者の上に思いっきりダイブする。ちなみに重力系の魔法をかけてるからダメージは大きいはず。
「お、重いんだよこのデブ! よけろや!」
「そのまま窒息すればいいんだよ」
口ではそう言っても、これで倒せるとは思ってない。実際、重くなってるはずの僕の体を勇者は投げ飛ばして飛び起きる。
「《聖結界》」
そのまま向かってこようとする勇者の事を結界で囲む。普通は外からの攻撃を守るために使うけど、マーガレットさんは結界を閉じ込めるためにも使うから僕もやってみた。
「ちっ、うぜぇんだよ」
それなりの強度で、しかも三重にしてかけた結界だったけど、勇者は剣のひとふりでそれを切り裂く。
だけどそのちょっとの時間が出来たおかげで、周りの状況も確認できた。
アラエルは順調に勇者の仲間たちを倒してるみたい。アーさんたちも、龍人を抑え込めてるみたいだ。
よし、このままなら僕が勇者を倒した段階でアナスタシアさんを連れ帰れる。マーガレットさんの魔力もどうにかしたいけど……マーガレットさんにはアナスタシア優先て言われてるからね。
「余所見してんじゃねぇよ!」
おっと、稼げた時間は一瞬だったみたいで、勇者が勢いよく斬りかかってくる。大丈夫、これくらいならかわせるよ。
「くそ……まじで近接戦に慣れてやがるな」
「遠距離だけだと1人で戦う時に困るからね。訓練したのさ」
「……」
勇者は自分の仲間の方を見る。アラエル相手にかなり苦戦してる様子が目に入ったのか、渋い顔をしてるね。
「……くそ。こんなことになるなら受けるんじゃなかったぜ」
「受ける? 何を?」
「うるせぇ。こっちの話だよ! おらぁ!」
やっぱり後ろに何かいるのかな? 探ってる余裕はなさそうだけど!
「《英雄の歌》!」
勇者が使った魔法は《英雄の歌》。効果は味方の超強化だね。使ってくるとは思っていたけど……アラエルの方がやばいかな?
「女を気にする余裕があるとはなぁ! 《扇刃斬りか》!」
「うわ?!」
やばい。勇者の力が予想以上に強化されてる。今の攻撃もかわしきれなくて肩口をばっさり斬られたらしく、めちゃくちゃ痛い。
回復魔法……かけてる暇はないね。ここが踏ん張りどころだよ、僕。僕が負けたら次に勇者の標的になるのはアラエルだ。そんな状況にさせる訳にはいかないよね。
「……行くよ。勇者」
「今更かよ? さっさとかかってこいよ、ナオキ!」
痛みと緊張、焦りであらくなる呼吸を、深く呼吸することで無理矢理落ち着かせる。
体内に残った魔力はまだ余裕がある。けど、その魔力を全て使って、僕に与えられた最強の神器をこの手に作り出す。
「神器……《十束剣》!」
体から一気に魔力がもっていかれる。武闘会でアーさんを倒して優勝したこの神器なら……行くぞ!
「うぉぉおぉぉぉおぉ!」
「おらぁぁぁぁぁぁあ!」
僕の神器と、勇者の剣がぶつかり合う。十束剣は魔法で作り出されたものだから、この世界に存在している正しい意味での神器と比べると、剣としての力は遠く及ばないと思う。
ただ、それでも神器の名を冠するこの剣とまともに正面からぶつかり合える勇者の力がおかしい。
「おらおらおらおらぁ!」
斬り会う度に辺りに凄まじい衝撃波が放たれてる。マーガレットさんやアナスタシアさんが心配だけど、きっとアーさん達が守ってるはず。
僕の剣の技術はそんなに高くない。勇者と比べたら赤子レベルだと思うけど、十束剣の威力が高いおかげでなんとかなってる。
「はぁ、はぁ。ナオキ……てめぇなんでそんな魔法が使えるんだよ」
「……」
「なんで……あの時使わなかった? 俺がお前を嵌めた時、それを使えばいくらでも抵抗できただろ?」
その言葉で、思わず動きを止める。勇者も動きを止めた僕を攻撃することはない。今は降って湧いた疑問をどうにかしたいみたいだ。
僕の神器は最近つかえるようになった物じゃない。この世界に来た時から使える。だからこそ、勇者は不思議に思ったんだろう。
僕のことを嵌めて、奴隷として扱うきっかけになったあの時に何故使わなかったのか。
「それは……」
「まさか、俺の事を舐めてたのか? 使わなくても余裕で勝てるって」
「違う」
「やっぱお前はそういうやつだよな。この世界に来た時だって、お前だけ頭が良くて理解が早かった。俺たちを召喚した王達も、最初はお前にばかり注目してたもんなぁ!」
「……違うよ」
勇者が斬りかかりながら言葉を投げてくる。勇者の言うことは間違ってないかもしれない。勇者からみたぼくは、そう見えてたのかもしれない。だけど、僕は、少なくともぼくは、そんな風には思ってない。
転移は出来なかった。計画上、転移が出来るかどうかはかなり重要なポイントだったんだけど……出来ないものは仕方がない。
里から出るためには、転移以外の方法で逃げるしかない。
飛んだり、身体強化をつかえば逃げれる可能性はあるけど……アナスタシアさんと、魔力のないマーガレットさんがいる以上あまり無茶はできない。
僕がやるべきことは1つ、目の前の勇者とその仲間を倒すこと。
「おいおい、やる気か? ナオキ。昔俺にボコられてるのを忘れたか?」
忘れたと言いたいけど、今でもはっきり覚えている。
この世界に転生して直ぐに、僕達は全員が勇者として旅立つ事を強制された。ただ、僕たちには強い力があった。
僕には魔法に対しての理解力と、精密な魔力操作。そして目の前のこいつには強力で純粋な力と、あらゆる武器、武術への理解力があった。
最初は友好的だった。旅をしていくうちに仲間も増えて、色々なダンジョンを攻略して……楽しい旅だった。
だけど、ある日のことだ。古代の未踏ダンジョンを攻略してみようという話になった時。なぜか僕だけ街に残るように言われた。
勇者がとっておきだといってくれた飲み物と食材に薬が入っていたようで、気づいた時には奴隷の首輪が巻かれていた。それからの生活は……思い出したくもない。
「それで、そこの天使はお前のおーー」
「御託はいいよ。さっさと始めよう、まさか……僕に負けるのが怖くてペラペラと喋ってんの?」
「てめぇ……」
僕に煽られたのが余程嫌だったのか、勇者はそれまでの余裕のある笑顔をやめて、僕に剣を向けてくる。
やっぱり、こいつは僕のことを凄くしたに見てる。たしかに、遠距離での戦いがメインになる魔法使いの僕と、近距離先頭がメインのこいつだと、相性が悪い。
ただ。僕だってあの村に来てから変わったんだ。特に、魔法に関してはね。
マーガレットさんの魔法は、それまでの僕の中の魔法の常識を打ち壊した。だってあの人魔法使いのはずなのに物理で圧倒的に強いんだもの。めちゃくちゃだよ。
あの国にいると、みんな感覚がおかしくなっていくけど、普通は素手で魔法を掴んだりとか壊したりとか出来ないからね?
「お前が俺に勝てるわけないだろ? 魔法使いが勇者に勝てるかよ」
「この前誰にボコられたのか忘れたの? いいからさっさとやろうよ」
もし、マーガレットさんの言う通り、こいつらの裏に何者かがいるとしたら、さっさと終わらせないと厄介なことになりそうだからね。
アラエルは勇者の仲間を相手してくれるみたい。心配だけど……うっきうきで笑顔を浮かべてる様子を見ると大丈夫そう。僕は僕で集中しよう。
武器を構えて、魔力を集中させる勇者。
マーガレットさんにボコられてるとこだけ見たら、大して強くないように見えるかもしれないけど、あれでも勇者だ。あの構えから繰り出される斬撃は並の腕じゃ受け止めれない。
「後悔すんなよ、ナオキィ!」
向かってくる勇者に対して、ぼくはただ待つだけ。普通の魔法使いならこの段階で逃げ出すか魔法での防御を試みるだろうから、勇者は不思議な顔をしつつも突っ込んでくる。
それに対しての僕の作戦は……シンプルだ。全身に魔力を貯めて、一気に身体能力を高める。そして、向かってくる勇者に向かって勢いよく突っ込むのみ!
「は、はぁ?! ぐふぉ!」
まさか突っ込んでくるとは思わなかっただろ勇者!
僕の恵まれた体格から繰り出されるこの一撃、重みが違うだろ!
「こ、このデブ……体重で攻めてきやがった……」
「ぼくはデブじゃないんだよ! おら!」
人をデブ呼ばわりした勇者の上に思いっきりダイブする。ちなみに重力系の魔法をかけてるからダメージは大きいはず。
「お、重いんだよこのデブ! よけろや!」
「そのまま窒息すればいいんだよ」
口ではそう言っても、これで倒せるとは思ってない。実際、重くなってるはずの僕の体を勇者は投げ飛ばして飛び起きる。
「《聖結界》」
そのまま向かってこようとする勇者の事を結界で囲む。普通は外からの攻撃を守るために使うけど、マーガレットさんは結界を閉じ込めるためにも使うから僕もやってみた。
「ちっ、うぜぇんだよ」
それなりの強度で、しかも三重にしてかけた結界だったけど、勇者は剣のひとふりでそれを切り裂く。
だけどそのちょっとの時間が出来たおかげで、周りの状況も確認できた。
アラエルは順調に勇者の仲間たちを倒してるみたい。アーさんたちも、龍人を抑え込めてるみたいだ。
よし、このままなら僕が勇者を倒した段階でアナスタシアさんを連れ帰れる。マーガレットさんの魔力もどうにかしたいけど……マーガレットさんにはアナスタシア優先て言われてるからね。
「余所見してんじゃねぇよ!」
おっと、稼げた時間は一瞬だったみたいで、勇者が勢いよく斬りかかってくる。大丈夫、これくらいならかわせるよ。
「くそ……まじで近接戦に慣れてやがるな」
「遠距離だけだと1人で戦う時に困るからね。訓練したのさ」
「……」
勇者は自分の仲間の方を見る。アラエル相手にかなり苦戦してる様子が目に入ったのか、渋い顔をしてるね。
「……くそ。こんなことになるなら受けるんじゃなかったぜ」
「受ける? 何を?」
「うるせぇ。こっちの話だよ! おらぁ!」
やっぱり後ろに何かいるのかな? 探ってる余裕はなさそうだけど!
「《英雄の歌》!」
勇者が使った魔法は《英雄の歌》。効果は味方の超強化だね。使ってくるとは思っていたけど……アラエルの方がやばいかな?
「女を気にする余裕があるとはなぁ! 《扇刃斬りか》!」
「うわ?!」
やばい。勇者の力が予想以上に強化されてる。今の攻撃もかわしきれなくて肩口をばっさり斬られたらしく、めちゃくちゃ痛い。
回復魔法……かけてる暇はないね。ここが踏ん張りどころだよ、僕。僕が負けたら次に勇者の標的になるのはアラエルだ。そんな状況にさせる訳にはいかないよね。
「……行くよ。勇者」
「今更かよ? さっさとかかってこいよ、ナオキ!」
痛みと緊張、焦りであらくなる呼吸を、深く呼吸することで無理矢理落ち着かせる。
体内に残った魔力はまだ余裕がある。けど、その魔力を全て使って、僕に与えられた最強の神器をこの手に作り出す。
「神器……《十束剣》!」
体から一気に魔力がもっていかれる。武闘会でアーさんを倒して優勝したこの神器なら……行くぞ!
「うぉぉおぉぉぉおぉ!」
「おらぁぁぁぁぁぁあ!」
僕の神器と、勇者の剣がぶつかり合う。十束剣は魔法で作り出されたものだから、この世界に存在している正しい意味での神器と比べると、剣としての力は遠く及ばないと思う。
ただ、それでも神器の名を冠するこの剣とまともに正面からぶつかり合える勇者の力がおかしい。
「おらおらおらおらぁ!」
斬り会う度に辺りに凄まじい衝撃波が放たれてる。マーガレットさんやアナスタシアさんが心配だけど、きっとアーさん達が守ってるはず。
僕の剣の技術はそんなに高くない。勇者と比べたら赤子レベルだと思うけど、十束剣の威力が高いおかげでなんとかなってる。
「はぁ、はぁ。ナオキ……てめぇなんでそんな魔法が使えるんだよ」
「……」
「なんで……あの時使わなかった? 俺がお前を嵌めた時、それを使えばいくらでも抵抗できただろ?」
その言葉で、思わず動きを止める。勇者も動きを止めた僕を攻撃することはない。今は降って湧いた疑問をどうにかしたいみたいだ。
僕の神器は最近つかえるようになった物じゃない。この世界に来た時から使える。だからこそ、勇者は不思議に思ったんだろう。
僕のことを嵌めて、奴隷として扱うきっかけになったあの時に何故使わなかったのか。
「それは……」
「まさか、俺の事を舐めてたのか? 使わなくても余裕で勝てるって」
「違う」
「やっぱお前はそういうやつだよな。この世界に来た時だって、お前だけ頭が良くて理解が早かった。俺たちを召喚した王達も、最初はお前にばかり注目してたもんなぁ!」
「……違うよ」
勇者が斬りかかりながら言葉を投げてくる。勇者の言うことは間違ってないかもしれない。勇者からみたぼくは、そう見えてたのかもしれない。だけど、僕は、少なくともぼくは、そんな風には思ってない。
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