いいんだよ

歌華

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エピローグ

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琉生が統合失調症を発祥して十五年が経ち三十二歳になっていた。琉生は今日病院に来ている。

「パパ~っ」
「おっ、と・・・・・・!どうした?かなで?」
琉生は結婚しそわそわと分娩室の前にいた。子供が同伴だと分娩室に入れて貰えないようで分娩室の前で娘の奏と待てをさせられていた。
「お母さんはまだ?」
三歳になる娘と弟の誕生を待っていた。
「もう少しかなぁ?」
「もー!」

すると

「おぎゃー!」
「お父さん!どうぞ~元気な男の子ですよ~」
看護師さんが分娩室の扉を開けて琉生と奏を迎えた
「琉生くん」
瑠花るかよく頑張ったね!ありがとう!」
「奏の時もそうだけど、泣かなくていいよ~」
「だって!奇跡だぞ~!」
琉生は今スクールカウンセラーとして学校を市内の中学校と高校で定期的に学生の悩み相談を引き受けている。自身もまだ病院に通っており薬も飲んでいる。もちろん落ち込んだり、辛くなったりはある。しかし沢山の出会いがあり。それが生きる糧になっているのは確かだ。
「琉生くん!名前!決めてくれた?奏は私が付けたから、次は琉生くんの番だよ?」
「うん!決めてきているよ」
沢山の候補を考えて来て、この日のために生徒に訊いたりもした(笑)。
洋介ようすけにしようと思う!太平洋の洋に介するって書いて洋介!海のように広い心で人と人との間を介して欲しいから!」
「洋介ね。よろしくね~、洋介」
「ふぎゃ」
「あはは!返事のつもりなのかな?」
瑠花が笑う。奏はずっと洋介の様子を見ていた。

杏子は結婚と言う道を選ばず。女性キャリアの道を選び今は東京の大手不動産にいる。
たまに戻ってきてみんなが集まると奏と遊んでくれれていた。
その様子を昌太郎と咲愛が見つめる。とても幸せだった。

「お義父さん、男の子だし男同士で話が盛り上がるかもね」
瑠花には身寄りがなかった。両親からネグレクトに遭い。施設育ちだ。そんな彼女を昌太郎も咲愛も実の娘のように温かく接した。
琉生も子供の育て方の分からない彼女と一緒に生きようと決めた時点で子育てにも多いに参加した。
琉生は奏の時も育休を取得したし今回も新学期の時期と重なり忙しくなってきてはいるが出来るだけ家族の時間を取るつもりだ。
「両親から愛されなくて、生きるのに必死な私を一生懸命琉生くん家族が愛してくれるから私も子供好きになった。ありがとう」
「瑠花が俺でも精神疾患持っていてもいいって言ってくれて。そんな俺を認めてくれたから、俺も俺の両親も瑠花が大好きなんだよ」
瑠花と出会ったのは。奏が生まれる二年ほど前だ。瑠花が痴漢に遭っていたのを助けたのがきっかけで駅でよく会うなってなってそこからの些細な縁だった。
頼れる両親の居なかった瑠花の心のより所になれたのは本当によかった。

琉生はまさか自分が結婚なんか出来るとは思っていなかったため。瑠花と付き合って男としてきちんとするところはきちんとケジメを付けたいと思い瑠花の両親も探したが。見付からず。瑠花は『仕方ないよ。でも今は琉生くんがいるから私幸せだよ』と言い、その言葉に後押しされ結婚を決めた。そんな瑠花を琉生の両親は寵愛ちょうあいした。「本当にありがとう」と何度もお礼を言っていた。

今まで苦労ばかり掛けたけど、ありがとう。琉生。生まれて来てくれて。沢山辛い思いさせて、本当に申し訳なかった。

そんなことを結婚が決まっときに昌太郎が言った。

「謝らなくて良い。俺は俺の人生に謝る人作るのは止めたんだ、誰も悪くない。病気になったのは偶然だし、俺は病気になったお陰で見えていないものに気付けたんだ」

そう返したら。昌太郎が涙を流していた。あんなに大きな背中を丸めて泣いていた姿は思いの外小さく見えて、大きな手で守ってくれた手さえ小さく感じた。

「瑠花、奏、洋介・・・・・・いいんだよ?そのままでありのままでいいんだよ」

傍に居るよ。一人きりなんかじゃないし。人生生きてみないと分からないよ。

ありがとう。
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