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第一部 リューナジア城編
第十六話 ふわふわのジルベール先生だよっ!
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ところで突然だがここでタソトキの魅力を紹介したい。
タソトキはオープンワールドゲームであることを活かし「世界の何処に行っても攻略対象がいる」というのを売りにしている。
ごく普通の一般人だと思って話しかけた相手が実は攻略対象の一人で、とんでもない設定を隠し持っていたりする。
そういう楽しさがある……らしいのだ。行商ばかりやっていた僕は詳しくないけど。
王城内にももちろん攻略対象はいる。
その中の主だったキャラくらいは僕も知っている。
まず第一皇子と第二皇子の赤青兄弟。
青い方が第一皇子、赤い方が第二皇子で二人は事あるごとに対立している。
まあ皇位継承権を争うライバルなのだから仕方ない。
辿るルートによっては二人の亀裂は決定的なものとなり殺し合う結末になるとかなんとか。
兄弟を和解させるルートもあり、それが人気らしい。
それからのんびり屋で緑色の第三皇子。
こちらはあまり皇位に興味がないらしく、継承権争いから少し距離を置いているらしい。
第三皇子は比較的ウィルフリートに偏見の目を向けなかったらしく、クーデター後第一皇子と第二皇子は処刑されるのに対し、第三皇子は城の地下牢に幽閉されるだけで済んでいる。
その他には皇帝や兵士、神官長などなどを攻略できるらしい。
そして目の前には僕が知っている攻略対象の一人である人物がいた。
「カレン殿下、初めまして。貴方の教師を務めさせていただくことになりましたジルベールでございます」
くるんとカールしたクリーム色の髪に細い糸目の柔らかい笑み。
タソトキ人気キャラクターの一人、ジルベールだ。
いつかは攻略キャラと顔を合わせることもあるだろうとは思っていたが、それが今日になるとは。
彼が僕の家庭教師となるらしい。
僕はタソトキでのジルベールの設定をいくつか知っている訳だが、それをうっかり漏らしてしまわないように気を付けたい。「なんでそのことを知っているんだ!? まさか悪魔憑きなのか!?」となって追放エンドは避けたい。
自然に子供らしく初対面を振る舞わなければ。
僕はにこにこしながら口を開いた。
「あー、しつじさんだー」
「おや殿下は私のことを見かけたことがあるのですね。ええ、執事としてもこの城で働かせて頂いております」
そう、タソトキ世界のジルベールはふわふわ系執事として人気なのだ。
ジルベールは実は没落した元貴族であり高い教育を受けているという設定がある。
と言っても珍しいことではない。城に勤める使用人の中でも皇族の乳母や家庭教師になれるのは上位の使用人であり、そういう者は元貴族だったりするのだ。もしかしたら僕の乳母も元御令嬢かもしれない。
タソトキではジルベールは執事としての職務しかなかった気がする。
本来ならいない筈の僕が生きていることで、ジルベールが家庭教師としての職も任されることになったのだろう。
「ほら殿下、まずはご挨拶をなさって」
隣にいる乳母が促す。
「はじめましてジルベール先生、よろしくおねがいします」
「ええ、こちらこそよろしくお願い致します」
ジルベールはにこりと微笑んでくれた。
タソトキはオープンワールドゲームであることを活かし「世界の何処に行っても攻略対象がいる」というのを売りにしている。
ごく普通の一般人だと思って話しかけた相手が実は攻略対象の一人で、とんでもない設定を隠し持っていたりする。
そういう楽しさがある……らしいのだ。行商ばかりやっていた僕は詳しくないけど。
王城内にももちろん攻略対象はいる。
その中の主だったキャラくらいは僕も知っている。
まず第一皇子と第二皇子の赤青兄弟。
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まあ皇位継承権を争うライバルなのだから仕方ない。
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こちらはあまり皇位に興味がないらしく、継承権争いから少し距離を置いているらしい。
第三皇子は比較的ウィルフリートに偏見の目を向けなかったらしく、クーデター後第一皇子と第二皇子は処刑されるのに対し、第三皇子は城の地下牢に幽閉されるだけで済んでいる。
その他には皇帝や兵士、神官長などなどを攻略できるらしい。
そして目の前には僕が知っている攻略対象の一人である人物がいた。
「カレン殿下、初めまして。貴方の教師を務めさせていただくことになりましたジルベールでございます」
くるんとカールしたクリーム色の髪に細い糸目の柔らかい笑み。
タソトキ人気キャラクターの一人、ジルベールだ。
いつかは攻略キャラと顔を合わせることもあるだろうとは思っていたが、それが今日になるとは。
彼が僕の家庭教師となるらしい。
僕はタソトキでのジルベールの設定をいくつか知っている訳だが、それをうっかり漏らしてしまわないように気を付けたい。「なんでそのことを知っているんだ!? まさか悪魔憑きなのか!?」となって追放エンドは避けたい。
自然に子供らしく初対面を振る舞わなければ。
僕はにこにこしながら口を開いた。
「あー、しつじさんだー」
「おや殿下は私のことを見かけたことがあるのですね。ええ、執事としてもこの城で働かせて頂いております」
そう、タソトキ世界のジルベールはふわふわ系執事として人気なのだ。
ジルベールは実は没落した元貴族であり高い教育を受けているという設定がある。
と言っても珍しいことではない。城に勤める使用人の中でも皇族の乳母や家庭教師になれるのは上位の使用人であり、そういう者は元貴族だったりするのだ。もしかしたら僕の乳母も元御令嬢かもしれない。
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本来ならいない筈の僕が生きていることで、ジルベールが家庭教師としての職も任されることになったのだろう。
「ほら殿下、まずはご挨拶をなさって」
隣にいる乳母が促す。
「はじめましてジルベール先生、よろしくおねがいします」
「ええ、こちらこそよろしくお願い致します」
ジルベールはにこりと微笑んでくれた。
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