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第二部 セルフィニエ辺境伯領編
第百六十話 歯がぐらぐらする
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「ふぃ~、疲れたぁ」
今週も無事一週間が終わった。
僕はくたくたになって部屋に戻ってきた。
溜息を吐きながらベッドに寝転がると、僕は口の中に違和感を覚えた。
「ん……?」
口の中で舌を転がして違和感の正体を探る。
「あ……っ!」
次の瞬間僕は跳ね起き、化粧台の鏡石の前に大急ぎで立つ。
そして口を開けて指でその場所に触れながら確かめた。
「お兄ちゃ……ウィル~~っ!!」
僕は大騒ぎしながら部屋を出てお兄ちゃんの部屋を目指した。
もしかしたらお兄ちゃんはまだ仕事が終わってなくて部屋にいないかもしれないという可能性すら頭になかった。
果たしてお兄ちゃんは今日はたまたま既に部屋に戻って来ていた。
「お兄ちゃんお兄ちゃんっ!」
「どうしたんだカレンっ!?」
僕が息せき切って部屋に飛び込むと、お兄ちゃんは驚きに目を丸くした。
「お兄ちゃん、僕、歯がぐらぐらしてる!」
僕は口を大きく開けて下の前歯を指で指して示した。
途端にお兄ちゃんは顔を真っ青にさせる。
「ど、ど、どこかぶつけたのか!? 早く医者を呼ばないと……っ!」
お兄ちゃんが誰かを呼びに行こうとするので、僕は慌てて引き留めた。
「違うよお兄ちゃん、乳歯だから抜けるだけだよ」
「あ……そうか。そういえば幼児は一度歯が抜けるんだったな」
お兄ちゃんの身体からふっと力が抜ける。
いつもは頭いいのに変なところでうっかりさんなんだから、お兄ちゃんったら。
でも僕はそんなお兄ちゃんが面白くて好きだ。
「よしカレン、そこで待っていろ。オレが歯を抜いてやろう」
「ま、まだぐらぐらし始めたばっかりだから! もう少し抜けそうになってから!」
お兄ちゃんがペンチを持ち出してきて無理やり歯を抜こうとするんじゃないかと嫌な予感がしたので、ふるふると首を横に振った。
お兄ちゃんは少し残念そうにする。
「そうか。ところで試作品が出来上がったと木工工房から連絡があった。明日は試作品を直接見て調整の必要があるかどうか判断するから、工房に行ってくる」
「そうなの? 僕も行くー!」
僕は目をきらきらと輝かせるが、お兄ちゃんはそれを宥めすかすかのように僕の頭を撫でる。
「まあ待て。先週は慣れないピクニックに行って随分と体力を使っただろう。最近元気になってきたとはいえ、今週末は流石にゆっくりしてなさい」
「むう」
お兄ちゃんの言葉はもっともだけど、一人で休日を過ごせと言われてむくれる。
「湖でのピクニックだが、来月の初めに行かないか? カレンのお祖父様や辺境伯などに聞いてみたんだが、夏の湖は風が涼しくて心地いいそうだ」
「湖!? 来月になったら行けるの!? やったー!!」
湖でのピクニックの日取りが具体的になった途端、僕はあっという間に機嫌を取り戻してはしゃいだ。
「ああ。来月なんてもうすぐだ。だからその時に万全の体調でいるように今週末はしっかり休むんだぞ」
「はーい!」
そうと決まれば気合を入れて休まなきゃ、僕はやる気で満ち溢れたのだった。
今週も無事一週間が終わった。
僕はくたくたになって部屋に戻ってきた。
溜息を吐きながらベッドに寝転がると、僕は口の中に違和感を覚えた。
「ん……?」
口の中で舌を転がして違和感の正体を探る。
「あ……っ!」
次の瞬間僕は跳ね起き、化粧台の鏡石の前に大急ぎで立つ。
そして口を開けて指でその場所に触れながら確かめた。
「お兄ちゃ……ウィル~~っ!!」
僕は大騒ぎしながら部屋を出てお兄ちゃんの部屋を目指した。
もしかしたらお兄ちゃんはまだ仕事が終わってなくて部屋にいないかもしれないという可能性すら頭になかった。
果たしてお兄ちゃんは今日はたまたま既に部屋に戻って来ていた。
「お兄ちゃんお兄ちゃんっ!」
「どうしたんだカレンっ!?」
僕が息せき切って部屋に飛び込むと、お兄ちゃんは驚きに目を丸くした。
「お兄ちゃん、僕、歯がぐらぐらしてる!」
僕は口を大きく開けて下の前歯を指で指して示した。
途端にお兄ちゃんは顔を真っ青にさせる。
「ど、ど、どこかぶつけたのか!? 早く医者を呼ばないと……っ!」
お兄ちゃんが誰かを呼びに行こうとするので、僕は慌てて引き留めた。
「違うよお兄ちゃん、乳歯だから抜けるだけだよ」
「あ……そうか。そういえば幼児は一度歯が抜けるんだったな」
お兄ちゃんの身体からふっと力が抜ける。
いつもは頭いいのに変なところでうっかりさんなんだから、お兄ちゃんったら。
でも僕はそんなお兄ちゃんが面白くて好きだ。
「よしカレン、そこで待っていろ。オレが歯を抜いてやろう」
「ま、まだぐらぐらし始めたばっかりだから! もう少し抜けそうになってから!」
お兄ちゃんがペンチを持ち出してきて無理やり歯を抜こうとするんじゃないかと嫌な予感がしたので、ふるふると首を横に振った。
お兄ちゃんは少し残念そうにする。
「そうか。ところで試作品が出来上がったと木工工房から連絡があった。明日は試作品を直接見て調整の必要があるかどうか判断するから、工房に行ってくる」
「そうなの? 僕も行くー!」
僕は目をきらきらと輝かせるが、お兄ちゃんはそれを宥めすかすかのように僕の頭を撫でる。
「まあ待て。先週は慣れないピクニックに行って随分と体力を使っただろう。最近元気になってきたとはいえ、今週末は流石にゆっくりしてなさい」
「むう」
お兄ちゃんの言葉はもっともだけど、一人で休日を過ごせと言われてむくれる。
「湖でのピクニックだが、来月の初めに行かないか? カレンのお祖父様や辺境伯などに聞いてみたんだが、夏の湖は風が涼しくて心地いいそうだ」
「湖!? 来月になったら行けるの!? やったー!!」
湖でのピクニックの日取りが具体的になった途端、僕はあっという間に機嫌を取り戻してはしゃいだ。
「ああ。来月なんてもうすぐだ。だからその時に万全の体調でいるように今週末はしっかり休むんだぞ」
「はーい!」
そうと決まれば気合を入れて休まなきゃ、僕はやる気で満ち溢れたのだった。
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