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その後
2.故郷
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父と母の生まれた村を、なんとか見つけることができた。
糸口となったのは、母が編んだ組みひもだ。最後まで父ルボルと共にあったそれが導いてくれた。今は手元にないが──きっとサイアンが持っている──あの特徴的な紋様は、よく覚えていた。
そこに編まれていた紋様は、その村独自のもので。それを手掛かりに、何件も品物を扱う行商人を訪ね、話しを聞き出し、ようやく目当ての村に行きついたのだった。
北の山深い所にあるそこは、互いに知らぬものなどいないほど小さな村。
幾ら顔を知らないとは言え、リーマの姿となった自分が、ルボルの息子と名乗る訳にはいかない。その息子の友人を名乗って訪ねた。
「あの、ルボルの──」
ルボルの息子の友人だと名乗ると、村人は喜んで迎え、ぜひ、村長に会っていって欲しいと言った。
どうやら、ルボルは村長のもとで育ったらしい。そのまま村人の案内で村長の家を訪ねた。
「きみか。ルボルの息子の友人は──」
目を細め嬉しそうに笑むと、褐色の肌に深くシワが刻まれた。白いひげが顔を覆う。
「はい…。息子はマレと言います。マレの母親は病気で幼い頃亡くなり、父親は戦で亡くなり…。…友人だったマレも不慮の事故でなくなりました…。故郷の話しは聞いていて、一度訪ねてみたいと思っていたんです」
「──ルボルはわしのところの養い子でね。幼い頃、戦で両親を失ってから、うちの子らと一緒に育てとったんだが、好奇心が旺盛で、外の世界を見てみたいと、ルボルを慕うエクラとともにここを出て…。──そうか、ルボルもエクラも、その息子も亡くなったか…」
そう言って、村長はじっとマレを見つめた。静かな眼差しだが、すべてを見られている様な心地がして落ち着かなくなる。
「…ああ? だが──ううん。そうか…」
しばらくして、そう独り言を口にする。
「あの…?」
マレは首を傾げた。すると村長は顔をくしゃりとさせ笑い。
「わしもシャーマンの端くれでな。少しばかり、話せるんじゃ…」
「え…?」
「──ルボルが言うには、お前が自分の息子だと言っている。姿は違うが、これは間違いなく息子のマレだと」
「──そんな…」
「隠さんでもいい。わしに嘘はつけない。つく必要もないさ。…しかし、そうか。そんなことがあったとは…」
「あの──分かるんですか? 僕に何が起こったか…」
「──わかるとも。ごく、たまにある。──だが、ここまで憑依した魂がはっきりと表に出てくるとは。もとの主はすっかり眠りについている…。その者は──二度と目覚めまい…」
いつか自分が見た夢と同じだった。やはり、リーマは目覚めることはないのだ。
「…色々、辛い目にもあったろうが、これからは、その後ろの青年とともに、生きていかれるが良かろう。──しかし、ルボルの息子に会えて良かった。ゆっくりしていくといい。望めば住まいも与えよう」
「…有難うございます」
「さあ、今晩はうちでゆっくりしていってくれ。歓迎しよう。──おかえり、マレ」
「っ……」
その言葉に思わず涙がこぼれた。
背後に控えていたブルーナがそっと肩に手をかけ、寄り添ってくれる。
村長のうしろに、父ルボルと母エクラを見た気がしたのだ。
✢
宴は賑やかに過ぎていった。
村人のほとんどが顔を出し、ルボルの息子マレの帰還を喜んでくれる。
幼いルボルやエクラと遊んだという村人も何人もいた。エクラの親族もその中にいて、マレを見て涙もこぼした。
自分に関わるものがこれだけいたのだと思うと、それまでの孤独感が払しょくされた。たった一人きり、流民のみなしごではなかったのだ。
もちろん、ラクテウス家で過ごした日々はかけがえのないもので、その孤独を埋めるのには十分だったが、それでも、どこかに浮草のように川を流される自分を意識していたのだ。
「よかったな」
宴が終わり、案内された離れに移ると、ブルーナがそう口にした。灯した蝋燭の炎が揺れる。
「うん…。まさか、認められるなんて、思ってもいなかったんだ。外見なんて気にしないで、当たり前のようにルボルの息子として、接してくれて…」
嬉しかった。
「…しばらくここに滞在して、様子を見よう。村長もこの離れを好きに使っていいと言ってくれているしな」
「ん…」
でも、ここじゃない。そう思った。
ブルーナと長い時を過ごすのは、違う場所だと感じていた。
ここへ来る前、立ち寄った街で、潮の香りを嗅いでいた。ブルーナを思うと、なぜか潮の香りを思いだして。
きっと、海のある村か街で過ごすことになるのだろうと、そんな予感があったからだ。
誰も自分たちを知らない場所で過ごしたい、そんな思いがあったせいかもしれない。
「ああでも──」
ふとブルーナが顔をあげ、
「ここは冬がかなり寒いと聞いた。背中の傷にもあまりよくはない。──できれば、もう少し暖かい所の方が合っているかもしれないな。…たしか、途中で立ち寄った街で、海沿いの場所があったはず。あそこなら温暖だ。山沿いに温泉も湧いているとか──」
そこまで話した所で、マレはたまらず笑い出した。
「マレ?」
ブルーナが怪訝な顔をする。
「──ううん。さすが、ブルーナだなって思ってさ。──僕のことなんて、全部お見通しだ」
すると、ブルーナも笑んで。
「マレのことは、いつも見ているからな。…手紙に書くといい。──あの方も安心するだろうから」
ブルーナの視線が僅かに伏せられる。
──サイアン。
滞在する度、面倒を見てくれた町医者あてに手紙を送っていた。
それはアロに向けての手紙だったが、行き先はそこからサイアンに伝わっているのかもしれない。
──だいぶ遠いところまで来てしまった。
サイアンのような身分のものが、早々国外へ長旅などできないだろう。いつか口にした言葉は、現実的ではない。それでも──。
──いつか会いに。
マレだと認めたから出た言葉。それだけで十分だった。
「…サイアンの中で、僕はもう死んでいるんだ。あの、川での事故で…。たとえ魂だけがリーマの身体に残っていたと知っても、以前の様に愛せないのは、互いに分かってる…。──だからブルーナ」
マレは傍らに立つブルーナを見返すと。
「何も心配しなくていいんだ。…今の僕が愛するのは、ブルーナだけだから。──例えサイアンに会ったとしても、それは変わらない」
「マレ…」
「さあ、今日はもう疲れただろ? 早く支度を整えて寝よう。色々あってくたくただよ」
ブルーナの熱い眼差しに気恥ずかしくなって、早口にそうまくしたてれば。
「…マレ、ありがとう」
そう言ってブルーナが抱きしめてきた。
いま、自分を支えているのは確かにブルーナだった。
✢
今回も町医者が、マレから手紙が来たと連絡をくれた。
アロの元へ送られたそれを、医者の自宅にて、許可を得てサイアンがアロに読み聞かせている。
アロは八歳となる今年、サイアンの従者見習いとして仕えることになった。マレと同じようにラクテウス家へ迎えられる。
まだ幼いがアロは賢く、一度教えれば間違う事がない。従者としてこれ程、適している能力はなかった。ほかに剣や弓、武術全般、見込があり将来有望で。
本人にはまだ言っていないが、行く行くは養子にと思っている。アロの両親は承知済みだった。本人が望めば、そのつもりでいる。
サイアンは誰かと添い遂げるつもりはない。そうなればほかに跡継ぎが必要で。
だが、誰でもいいと言うわけではない。
この二年、アロを見ていて、息子としても申し分ないと思えた。それに、マレが命を賭して守ろうとした相手でもある。大事にしたいと言う思いがあった。
「サイアン、早く読んで、読んで!」
アロが腕に取り付いて、せがんでくる。サイアンは苦笑を浮かべつつ。
「わかった。すぐ読もう──」
イスに座って読み始めると、横からアロが覗き込む。もう読み書きはできるが、サイアンに読んでもらう方がいいと言うのだ。
そこにはいつものように懐かしいマレの筆跡で、行き先と今の様子が書かれていた。
字だけ見れば、今もマレが生きていて、遠くから手紙をよこしているのだと思える。
けれど、このマレは自分の『マレ』ではないのだ。幼い頃から、この腕に抱きしめてきたマレは地中深く眠りにつく。
──同じマレだと頭では分かっていても。
マレからの手紙には、ようやく両親の生まれ故郷を訪れることができたと記されていた。
あれから二年。長い旅だった。そこには書かれていないが、傍にはずっとブルーナが控えているのだろう。今のマレを支えているのは彼だ。
──私には到底出来ないことだ。
今のマレを抱こうとしても、きっとリーマがよぎり、手をだせないだろう。その気になるのも難しい。
──マレであるのに、マレではない。
この葛藤を抱えたまま、その傍らで生きることは困難だ。マレに本当の意味で幸せを与えることはできない。傍にいた所で、互いにつらい思いになるのは目に見えている。
──私では、幸せにしてやることができない。
どこかで彼が生きて、幸せを得ているなら、それでいいと思えた。
──でも、いつか。
ここには、まだそこへ居を構えるとは書かれていない。しばらく滞在するとだけあった。
──本当に落ち着ける場所を見つけたなら、その時こそ。
触れることは叶わなくとも、また、言葉を交わすことができる。マレはリーマの中で生きているのだから。
「サイアン。マレの行き先が決まったら、きっと会いに行こうね!」
アロが手紙から顔を上げて、こちらを見つめてくる。
「…ああ。行こう──」
──君の幸せを願おう。誰の腕の中でもいい。そこに生きてくれているなら。
君を大切に思う者の一人として。
ー了ー
糸口となったのは、母が編んだ組みひもだ。最後まで父ルボルと共にあったそれが導いてくれた。今は手元にないが──きっとサイアンが持っている──あの特徴的な紋様は、よく覚えていた。
そこに編まれていた紋様は、その村独自のもので。それを手掛かりに、何件も品物を扱う行商人を訪ね、話しを聞き出し、ようやく目当ての村に行きついたのだった。
北の山深い所にあるそこは、互いに知らぬものなどいないほど小さな村。
幾ら顔を知らないとは言え、リーマの姿となった自分が、ルボルの息子と名乗る訳にはいかない。その息子の友人を名乗って訪ねた。
「あの、ルボルの──」
ルボルの息子の友人だと名乗ると、村人は喜んで迎え、ぜひ、村長に会っていって欲しいと言った。
どうやら、ルボルは村長のもとで育ったらしい。そのまま村人の案内で村長の家を訪ねた。
「きみか。ルボルの息子の友人は──」
目を細め嬉しそうに笑むと、褐色の肌に深くシワが刻まれた。白いひげが顔を覆う。
「はい…。息子はマレと言います。マレの母親は病気で幼い頃亡くなり、父親は戦で亡くなり…。…友人だったマレも不慮の事故でなくなりました…。故郷の話しは聞いていて、一度訪ねてみたいと思っていたんです」
「──ルボルはわしのところの養い子でね。幼い頃、戦で両親を失ってから、うちの子らと一緒に育てとったんだが、好奇心が旺盛で、外の世界を見てみたいと、ルボルを慕うエクラとともにここを出て…。──そうか、ルボルもエクラも、その息子も亡くなったか…」
そう言って、村長はじっとマレを見つめた。静かな眼差しだが、すべてを見られている様な心地がして落ち着かなくなる。
「…ああ? だが──ううん。そうか…」
しばらくして、そう独り言を口にする。
「あの…?」
マレは首を傾げた。すると村長は顔をくしゃりとさせ笑い。
「わしもシャーマンの端くれでな。少しばかり、話せるんじゃ…」
「え…?」
「──ルボルが言うには、お前が自分の息子だと言っている。姿は違うが、これは間違いなく息子のマレだと」
「──そんな…」
「隠さんでもいい。わしに嘘はつけない。つく必要もないさ。…しかし、そうか。そんなことがあったとは…」
「あの──分かるんですか? 僕に何が起こったか…」
「──わかるとも。ごく、たまにある。──だが、ここまで憑依した魂がはっきりと表に出てくるとは。もとの主はすっかり眠りについている…。その者は──二度と目覚めまい…」
いつか自分が見た夢と同じだった。やはり、リーマは目覚めることはないのだ。
「…色々、辛い目にもあったろうが、これからは、その後ろの青年とともに、生きていかれるが良かろう。──しかし、ルボルの息子に会えて良かった。ゆっくりしていくといい。望めば住まいも与えよう」
「…有難うございます」
「さあ、今晩はうちでゆっくりしていってくれ。歓迎しよう。──おかえり、マレ」
「っ……」
その言葉に思わず涙がこぼれた。
背後に控えていたブルーナがそっと肩に手をかけ、寄り添ってくれる。
村長のうしろに、父ルボルと母エクラを見た気がしたのだ。
✢
宴は賑やかに過ぎていった。
村人のほとんどが顔を出し、ルボルの息子マレの帰還を喜んでくれる。
幼いルボルやエクラと遊んだという村人も何人もいた。エクラの親族もその中にいて、マレを見て涙もこぼした。
自分に関わるものがこれだけいたのだと思うと、それまでの孤独感が払しょくされた。たった一人きり、流民のみなしごではなかったのだ。
もちろん、ラクテウス家で過ごした日々はかけがえのないもので、その孤独を埋めるのには十分だったが、それでも、どこかに浮草のように川を流される自分を意識していたのだ。
「よかったな」
宴が終わり、案内された離れに移ると、ブルーナがそう口にした。灯した蝋燭の炎が揺れる。
「うん…。まさか、認められるなんて、思ってもいなかったんだ。外見なんて気にしないで、当たり前のようにルボルの息子として、接してくれて…」
嬉しかった。
「…しばらくここに滞在して、様子を見よう。村長もこの離れを好きに使っていいと言ってくれているしな」
「ん…」
でも、ここじゃない。そう思った。
ブルーナと長い時を過ごすのは、違う場所だと感じていた。
ここへ来る前、立ち寄った街で、潮の香りを嗅いでいた。ブルーナを思うと、なぜか潮の香りを思いだして。
きっと、海のある村か街で過ごすことになるのだろうと、そんな予感があったからだ。
誰も自分たちを知らない場所で過ごしたい、そんな思いがあったせいかもしれない。
「ああでも──」
ふとブルーナが顔をあげ、
「ここは冬がかなり寒いと聞いた。背中の傷にもあまりよくはない。──できれば、もう少し暖かい所の方が合っているかもしれないな。…たしか、途中で立ち寄った街で、海沿いの場所があったはず。あそこなら温暖だ。山沿いに温泉も湧いているとか──」
そこまで話した所で、マレはたまらず笑い出した。
「マレ?」
ブルーナが怪訝な顔をする。
「──ううん。さすが、ブルーナだなって思ってさ。──僕のことなんて、全部お見通しだ」
すると、ブルーナも笑んで。
「マレのことは、いつも見ているからな。…手紙に書くといい。──あの方も安心するだろうから」
ブルーナの視線が僅かに伏せられる。
──サイアン。
滞在する度、面倒を見てくれた町医者あてに手紙を送っていた。
それはアロに向けての手紙だったが、行き先はそこからサイアンに伝わっているのかもしれない。
──だいぶ遠いところまで来てしまった。
サイアンのような身分のものが、早々国外へ長旅などできないだろう。いつか口にした言葉は、現実的ではない。それでも──。
──いつか会いに。
マレだと認めたから出た言葉。それだけで十分だった。
「…サイアンの中で、僕はもう死んでいるんだ。あの、川での事故で…。たとえ魂だけがリーマの身体に残っていたと知っても、以前の様に愛せないのは、互いに分かってる…。──だからブルーナ」
マレは傍らに立つブルーナを見返すと。
「何も心配しなくていいんだ。…今の僕が愛するのは、ブルーナだけだから。──例えサイアンに会ったとしても、それは変わらない」
「マレ…」
「さあ、今日はもう疲れただろ? 早く支度を整えて寝よう。色々あってくたくただよ」
ブルーナの熱い眼差しに気恥ずかしくなって、早口にそうまくしたてれば。
「…マレ、ありがとう」
そう言ってブルーナが抱きしめてきた。
いま、自分を支えているのは確かにブルーナだった。
✢
今回も町医者が、マレから手紙が来たと連絡をくれた。
アロの元へ送られたそれを、医者の自宅にて、許可を得てサイアンがアロに読み聞かせている。
アロは八歳となる今年、サイアンの従者見習いとして仕えることになった。マレと同じようにラクテウス家へ迎えられる。
まだ幼いがアロは賢く、一度教えれば間違う事がない。従者としてこれ程、適している能力はなかった。ほかに剣や弓、武術全般、見込があり将来有望で。
本人にはまだ言っていないが、行く行くは養子にと思っている。アロの両親は承知済みだった。本人が望めば、そのつもりでいる。
サイアンは誰かと添い遂げるつもりはない。そうなればほかに跡継ぎが必要で。
だが、誰でもいいと言うわけではない。
この二年、アロを見ていて、息子としても申し分ないと思えた。それに、マレが命を賭して守ろうとした相手でもある。大事にしたいと言う思いがあった。
「サイアン、早く読んで、読んで!」
アロが腕に取り付いて、せがんでくる。サイアンは苦笑を浮かべつつ。
「わかった。すぐ読もう──」
イスに座って読み始めると、横からアロが覗き込む。もう読み書きはできるが、サイアンに読んでもらう方がいいと言うのだ。
そこにはいつものように懐かしいマレの筆跡で、行き先と今の様子が書かれていた。
字だけ見れば、今もマレが生きていて、遠くから手紙をよこしているのだと思える。
けれど、このマレは自分の『マレ』ではないのだ。幼い頃から、この腕に抱きしめてきたマレは地中深く眠りにつく。
──同じマレだと頭では分かっていても。
マレからの手紙には、ようやく両親の生まれ故郷を訪れることができたと記されていた。
あれから二年。長い旅だった。そこには書かれていないが、傍にはずっとブルーナが控えているのだろう。今のマレを支えているのは彼だ。
──私には到底出来ないことだ。
今のマレを抱こうとしても、きっとリーマがよぎり、手をだせないだろう。その気になるのも難しい。
──マレであるのに、マレではない。
この葛藤を抱えたまま、その傍らで生きることは困難だ。マレに本当の意味で幸せを与えることはできない。傍にいた所で、互いにつらい思いになるのは目に見えている。
──私では、幸せにしてやることができない。
どこかで彼が生きて、幸せを得ているなら、それでいいと思えた。
──でも、いつか。
ここには、まだそこへ居を構えるとは書かれていない。しばらく滞在するとだけあった。
──本当に落ち着ける場所を見つけたなら、その時こそ。
触れることは叶わなくとも、また、言葉を交わすことができる。マレはリーマの中で生きているのだから。
「サイアン。マレの行き先が決まったら、きっと会いに行こうね!」
アロが手紙から顔を上げて、こちらを見つめてくる。
「…ああ。行こう──」
──君の幸せを願おう。誰の腕の中でもいい。そこに生きてくれているなら。
君を大切に思う者の一人として。
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