晴明、異世界に転生する!

るう

文字の大きさ
46 / 137
第三章 鉱山都市マリザン

3-8 マリーの案内

しおりを挟む
 翌日、改めてハンターギルドを訪れた。
 今度は朝の早い時間だったので、昨日とは違ってハンターたちで賑わっていた。本当は空いている午後がよかったが、また昨日のように時間切れになってはいけない。今日は、サキの手続きもたくさんあるのだ。
 できたら一つくらいは依頼の目星もつけたい。
 ちょうど空いた窓口に、セインは滑り込んだ。

「登録の手続きをしたいのですが……あ、昨日の」
「これは、セイン様。昨日おっしゃっていたハンター登録のお手続きですね」
「忙しいところすまない。できたらサキの、この子の登録もしたいので……」
「かしこまりました」

 運よくマリーが対応してくれたので、すべてが万事滞りなく手続きが終わった。
 もとより、保証人がこの都市の主であるデオルなのだ。身元は問題なしである。犯罪奴隷のサキも、無事に準ハンター扱いで登録できた。
 セインが指輪の主である限り、彼女は準ハンターとしての身分を得たわけだ。

「マリーさん、このあたりでおすすめの宿屋とかありますか?」
「え? デオル様の屋敷に滞在されないのですか」

 マリーは驚いたが、セインが望むとおりの宿の手配をしてくれた。ギルドからほど近い、そこそこ安くて信用がある宿屋を。

「おかみさんのお料理が自慢の、いい宿ですよ」

 二つ返事でそこに決めて、あとは依頼の受け方や、戦利品の取り扱いなど、こまごまとしたことを教えてもらった。

「そうそう、ハンターには階級もありますよ。階級が上がれば、いろいろ対応もよくなりますし、割のいい依頼も回ってきます。ただ、危険度も増しますけれど」

 ――もっともだ。だけど、とりあえずは、実入りは悪くても安全第一で行こう。

「あ、忘れるところだった。セイン様におすすめの依頼書があるんです。本来、セイン様はまだ指名依頼はできませんが、初めてのお仕事なので、得意分野がいいだろうってギルドマスターがおっしゃってたので」

 ――なんか気を使われてしまった。本来、こういう特別扱いはダメなんだろうけど、人のつながりや伝手みたいなものも、利用できるものはした方がいい。潔癖になりすぎるのも、世渡りが下手になるからな。

「ギルバートさんのご厚意だし、ありがたく甘えることにするよ」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

天才王子、引き篭もる……いや、引き篭もれない

戯言の遊び
ファンタジー
平穏に暮らしたいだけなのに、なぜ問題が山積みなんだ……!?」 辺境に飛ばされた“元サラリーマン王子”、引き篭もるつもりが領地再生の英雄に――! 現代日本で社畜生活を送っていた青年・レオンは、ある日突然、 中世ヨーロッパ風の王国「リステリア」の第五王子として転生する。 怠惰で引き篭もり体質なレオンは、父王により“国の厄介払い”として 荒れ果てた辺境〈グレイア領〉の領主を任される。 だが、現代知識と合理的な発想で領内を改革していくうちに、 貧困の村は活気を取り戻し――気づけば人々からこう呼ばれていた。 『良領主様』――いや、『天才王子』と。 領民想いのメイド・ミリア、少女リィナ、そして個性派冒険者たちと共に、 引き篭もり王子のスローライフ(予定)は、今日もなぜか忙しい! 「平穏に暮らしたいだけなのに、なぜ問題が山積みなんだ……!?」 社畜転生王子、引き篭もりたいのに領地がどんどん発展していく! ――働きたくないけど、働かざるを得ない異世界領主譚! こちらは、以前使っていたプロットを再構成して投稿しています 是非、通学や通勤のお供に、夜眠る前のお供に、ゆるりとお楽しみ下さい

学生時代、私をいじめていた女と一緒に異世界召喚されたけど、無能扱いされた私が実は本物の聖女で、いじめていた女は災厄を呼ぶ魔女でした。

さら
恋愛
いじめていた女と一緒に異世界召喚された私。 聖女として選ばれたのは彼女で、私は無能扱いされ追放された。 だが、辺境の村で暮らす中で気づく。 私の力は奇跡を起こすものではなく、 壊れた世界を“元に戻す”本物の聖女の力だった。 一方、聖女として祭り上げられた彼女は、 人々の期待に応え続けるうち、 世界を歪め、災厄を呼ぶ魔女へと変わっていく――。

超能力者なので、特別なスキルはいりません!

ごぢう だい
ファンタジー
 十歳の頃に落雷の直撃を受けた不遇の薫子は、超能力に目覚める。その後十六歳の時に二度目の落雷により、女神テテュースの導きにより、異世界へ転移してしまう。ソード&マジックの世界で、薫子が使えるのは超能力だけ。  剣も魔法も全く使えない薫子の冒険譚が始まる……。

この子、貴方の子供です。私とは寝てない? いいえ、貴方と妹の子です。

サイコちゃん
恋愛
貧乏暮らしをしていたエルティアナは赤ん坊を連れて、オーガスト伯爵の屋敷を訪ねた。その赤ん坊をオーガストの子供だと言い張るが、彼は身に覚えがない。するとエルティアナはこの赤ん坊は妹メルティアナとオーガストの子供だと告げる。当時、妹は第一王子の婚約者であり、現在はこの国の王妃である。ようやく事態を理解したオーガストは動揺し、彼女を追い返そうとするが――

30代社畜の私が1ヶ月後に異世界転生するらしい。

ひさまま
ファンタジー
 前世で搾取されまくりだった私。  魂の休養のため、地球に転生したが、地球でも今世も搾取されまくりのため魂の消滅の危機らしい。  とある理由から元の世界に戻るように言われ、マジックバックを自称神様から頂いたよ。  これで地球で買ったものを持ち込めるとのこと。やっぱり夢ではないらしい。  取り敢えず、明日は退職届けを出そう。  目指せ、快適異世界生活。  ぽちぽち更新します。  作者、うっかりなのでこれも買わないと!というのがあれば教えて下さい。  脳内の空想を、つらつら書いているのでお目汚しな際はごめんなさい。

【長編・完結】私、12歳で死んだ。赤ちゃん還り?水魔法で救済じゃなくて、給水しますよー。

BBやっこ
ファンタジー
死因の毒殺は、意外とは言い切れない。だって貴族の後継者扱いだったから。けど、私はこの家の子ではないかもしれない。そこをつけいられて、親族と名乗る人達に好き勝手されていた。 辺境の地で魔物からの脅威に領地を守りながら、過ごした12年間。その生が終わった筈だったけど…雨。その日に辺境伯が連れて来た赤ん坊。「セリュートとでも名付けておけ」暫定後継者になった瞬間にいた、私は赤ちゃん?? 私が、もう一度自分の人生を歩み始める物語。給水係と呼ばれる水魔法でお悩み解決?

筑豊国伝奇~転生した和風世界で国造り~

九尾の猫
ファンタジー
亡くなった祖父の後を継いで、半農半猟の生活を送る主人公。 ある日の事故がきっかけで、違う世界に転生する。 そこは中世日本の面影が色濃い和風世界。 しかも精霊の力に満たされた異世界。 さて…主人公の人生はどうなることやら。

俺のスキルが回復魔『法』じゃなくて、回復魔『王』なんですけど?

八神 凪
ファンタジー
ある日、バイト帰りに熱血アニソンを熱唱しながら赤信号を渡り、案の定あっけなくダンプに轢かれて死んだ 『壽命 懸(じゅみょう かける)』 しかし例によって、彼の求める異世界への扉を開くことになる。 だが、女神アウロラの陰謀(という名の嫌がらせ)により、異端な「回復魔王」となって……。 異世界ペンデュース。そこで彼を待ち受ける運命とは?

処理中です...