晴明、異世界に転生する!

るう

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第四章 ハンター

4-9 採集成果

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 ビギナーランクの滞在時間が迫ってきたことで、セインたちは鉱山を後にした。たくさんの採集物を抱えたセインたちに、受付の青年は驚いていた。
 植物の中にはすぐに悪くなるものもあるので、その足ですぐにギルドへと向うことにした。

「マリーさん、こちら確認お願いします」

 夕方とあって、窓口は少し混みあってはいたが、それほど待たずに順番が来た。この時間は、受付嬢は総動員のようだ。

「これは……大量ですね。えと、はい。まずこちらの指定素材の数量が明記されている依頼はすべて完璧です。状態もいいし、種類も間違いありません。さすがセイン様、よく勉強なさっておいでですね」
「あ、あはは……」

 ここはもう笑うしかなかった。

「それと、こちらの依頼書ですが一定の数量があれば、依頼料は払われますので、こちらもとりあえずは完了です」

 そう言って、マリーは銅板五枚と、銀貨一枚を差し出した。それと、一度渡したはずのいくつかの素材をカウンターに戻した。

「こちらの御品物は、直接依頼人の方へお持ちください」

 ――そういえば、持ってきた分だけ割り増しされるみたいなことを言っていたな。ギルドでもらえるわけじゃないんだ。

 場所を聞くと、そう遠くないのでそのまま向かうことにした。商店が立ち並ぶ表通りの一本奥の細い通路、ちょっと怪しげな店舗などもある寂れた通りの一角が、指定された店舗だった。
 看板は木製で、シャルロットの店と書いてある。通路にある他の店舗と比べると、いくらかこざっぱりした可愛らしい店舗だった。
 セインがつぎはぎの木でできた扉を開けると、鈴の音が、ちりん、ちりんと鳴った。

「はい、いらっしゃい」

 思った以上に若い店主だ。ふんわりした長い髪を三つ編みにしてレースのシュシュで結び、清潔そうな白のエプロンドレスという恰好だった。
 セインはこの店の依頼を受けたこと、今さっきそれを完了してギルドに報告したことを伝えた。

「あら、ご苦労様。ギルドがこちらに寄越したということは、かなり期待ができそうね」

 セインとサキがカゴに入っている採集物を店主に手渡した。すると、カウンターの向こうのテーブルにそれらを並べて、ふんふん、なるほど、これは……などと、独り言を言いながら仕訳をしている。

「びっくりよ! 素材自体は比較的低レベル地域で採れるものだけど、なにより状態がいい。そして、採集が難しいとされる綿毛草。これって高い位置に自生しているうえに、下手に触ると一気に綿の部分が飛散しちゃってね。綿毛に触らずに摘むのが難しいのよ」

 サキが高い天井あたりで採ってたものだ。やはり、貴重なものだったらしい。

「ちょっと待ってね。すぐに計算するわ」

 そういって店主はなにやら帳簿に記入しながら、ぶつぶつと計算を始めた。すると、銀貨を五枚カウンターに置いた。
 初級素材がほとんどだった割には、かなりいい値段で買い取ってもらえて大満足だった。

「貴方たち、かなり若いけど素材専門ハンターなの? もしそうなら嬉しいんだけど」
「……いえ、ビギナーランクで受けられるのが採集系しかなくて」

 セインは正直にそう言った。

「えっ? ビギナーなの。驚きだわね……うーん、ビギナーか」

 彼女は当てが外れたように唸ったので、セインは気になって「なにか?」と聞き返した。

「いえね、今回の採集技術を買って頼みたいことがあったんだけど、ビギナーランクだとちょっと厳しいかと思って」

 どうやら少し潜ったところに群生地があって、滞在時間が一日限定のビギナーランクでは厳しいとのことだった。

「残念だけど、仕方ないわね。だけど、貴方たちの持ってくるものなら高く買い取るから、ギルドで私の依頼書を見つけたらぜひ受けてくれると嬉しいわ」

 彼女はシャルロットと名乗り、サービスだと言って、数本のポーションをくれた。いわゆるサンプル品というやつである。気に入ったら買ってね、という宣伝も兼ねているのだろう。
 そうして、セインたちの初採集は大成功に終わった。
 ポイントも貰えたし、このままコツコツと小さな依頼をこなしていけば、ブロンズランクまではひと月くらいで上がれるだろう。
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