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2章 飯屋と鍛冶屋
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しおりを挟む徳井「あぁ・・・確か・・・一週間後位かな?町の掲示板に確か張り出してたから、今度行って見てみろよ?
掲示板の場所とかわかるか?って言うか、お前町に戻った事あるのか転生して以来・・・?」
加治屋「町か・・・そう言えば、ここに転生して以来町に戻った事なかったな・・・。」
徳井「は・・・?転生して以来って・・・、本当に戻ってないのか?
今まであの町に何の用事も無かったのかよ!?」
加治屋「あぁ・・・、別にあの町に愛着も何も無かったからな。他の奴等と同じだ。
それに鍛冶屋の弟子を募集してる所が町の外にしか無かったし。」
徳井「お前弟子入りしてたのか?それでこんな所に店を構えてたのか・・・。
まぁ俺はそれで助かってるんだがな。安物の包丁の刃こぼれで対応してくれるのここだけだし。」
加治屋「なぁ・・・お前、ついでにその掲示板見に来てくれないか?
そんでもってどんな内容だったか教えてくれよ。それにどうせお前3日後にまた来るだろ?」
徳井「・・・お前どんだけ町に行きたくないんだよ?離れてるけどそこまでの距離じゃないだろ?」
加治屋「・・・聞きたい・・・のか?そんなに・・・聞きたいのか・・・?」
加治屋の声は低くゆっくりと徳井にどこかとい掛けるかの様に聞いて来た。
徳井「いや、誰も聞きたいとは言って無いんだが?そこまで嫌な事でもあったって事か?」
加治屋「まぁ・・・とにかく頼むよ、俺も仕事がそんなに暇じゃないんだ。一週間後は予定空けとくから。」
徳井「・・・なぁ?その話し方だとよ、何だか俺も一緒に行く様な感じに聞こえて来たんだが?」
加治屋「・・・俺・・・人混みが苦手なんだよ。ほら、町って常に人でごった返してるだろ?」
徳井「いや、知らんがな。って言うか、お前町にいたくない理由ってそれなんだろ!?
何だよさっきの深刻そうな喋り方!?怖がって損したじゃねぇか!!」
町の外れにある鍛冶屋の店主の加治屋、そして始まりの町で飯屋を営んでいる店主の徳井。
この世界に転生した時期も年齢も違う2人が、こうして出会い交流する、前世では全く出会う事が無い人物達、
身分の違いがあろうがここでは関係のない話。そして、こういった事が起こるのがこの世界の醍醐味。
この世界では皆平等に扱われ、皆が同じ様に生活を送って行く。そして共に冒険の旅に出る事も出来る。
ここでは現世であり得なかった事が容易に起こり得る、そう・・・、それは未開の地では特に・・・。
2章 飯屋と鍛冶屋 終
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