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「あんな演技じゃなく、ちゃんと感じさせてやるよ」
(1)
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「…ッぁっ……あぁっ…」
いつもと同じ羽琉との情事。
彼の部屋で向かい合って座るような形で繋がりながら、甘い声を上げる。
それが気持ちよくて、どれだけ抑えようにも止められない。
「紗奈、気持ちいい? いつもよりすっげ感じてるね」
それは、ほんの少しだけ開いたドアからこの様子を見ている瞳のせい。
羽琉の位置からは見えないだろうけど、紗奈はその視線を感じるだけで興奮してしまう。
いつも以上に敏感になって、部屋中に響く水音が更に興奮を煽る。
イケナイと思うだけ、快楽の波に溺れるばかりだった。
「…っ羽琉、もっと…っ」
見ている人物に聞こえるように、わざとねだるように言う。
ギュッと抱き着きながら、こっちを見る瞳と視線を絡ませる。
まるで見せつけるように。
羽琉とのセックスを傍観するように、琉生はその視線を逸らすことはしなかった。
それどころか、ふっ、と小さく笑みを浮かべていたのだった。
――時は数時間前、紗奈の誕生日から数日ほどが経ったある日のことだった。
「紗奈、はい」
琉生は仕事から帰ってくるなりそう言って、そっと袋を手渡してきた。
それがなにかわからずに受け取って覗くと、中には小さな箱が入っていた。
なんだろう、と思いながら開いて、紗奈は大きく目を見開いた。
それは――ピアス、だった。
「この前、誕生日だったでしょ。遅くなったけどプレゼント」
見覚えのあるそのピアスは、琉生が紅音にあげたものと同じデザインのものだった。
樹脂ですらないピアスをもらったところで、つけられないのに。
金属製のネックレスをつけてることがあるから、もしかして忘れてるのか。
金属アレルギーの症状が出るのは耳だけで、あまりひどくないにしてもつけたら赤くなって痒みも出るのに。
そのことを覚えてもないのが悲しくも寂しくもなって、返しそびれている紅音のピアスを琉生に突っ返してしまいたくなった。
「せっかくの紗奈の誕生日を忘れててごめん。来年は二人でお祝いしよ」
来年、って言った今?
他の女の人と内緒で会ってるくせに、そんなことを言うの?
金属アレルギーだってことすら、覚えてないというのに?
来年の誕生日を一緒にってことは、それまで付き合う気でいるってこと?
琉生がどういう気持ちなのか、どれだけ見ようとしてもモヤが掛かったように霞んで見えそうにない。
「…うん、ありがとう」
紗奈はお礼を言った後、でも、と続けた。
琉生の都合のいいようにされてるみたいで、それが気に食わない。
「これはいらない。私、金属アレルギーだからつけられないし」
「……っあ」
「それに、他の女の人にあげたものと同じものなんかもらいたくない」
紗奈ははっきりとそう言って、手渡されたそれを琉生に返した。
もう持っていることすら苦痛に感じて、どうしようもなく嫌だった。
返されたそれを見て、琉生はぐっと言葉を詰まらせた。
あんなにもしょっちゅう紅音の匂いをさせて帰ってくるくせに気付いていないとでも思っていたのか、……そんなわけないのに。
彼女は彼女で、あからさまに匂わせ投稿をしているのに。
いつもと同じ羽琉との情事。
彼の部屋で向かい合って座るような形で繋がりながら、甘い声を上げる。
それが気持ちよくて、どれだけ抑えようにも止められない。
「紗奈、気持ちいい? いつもよりすっげ感じてるね」
それは、ほんの少しだけ開いたドアからこの様子を見ている瞳のせい。
羽琉の位置からは見えないだろうけど、紗奈はその視線を感じるだけで興奮してしまう。
いつも以上に敏感になって、部屋中に響く水音が更に興奮を煽る。
イケナイと思うだけ、快楽の波に溺れるばかりだった。
「…っ羽琉、もっと…っ」
見ている人物に聞こえるように、わざとねだるように言う。
ギュッと抱き着きながら、こっちを見る瞳と視線を絡ませる。
まるで見せつけるように。
羽琉とのセックスを傍観するように、琉生はその視線を逸らすことはしなかった。
それどころか、ふっ、と小さく笑みを浮かべていたのだった。
――時は数時間前、紗奈の誕生日から数日ほどが経ったある日のことだった。
「紗奈、はい」
琉生は仕事から帰ってくるなりそう言って、そっと袋を手渡してきた。
それがなにかわからずに受け取って覗くと、中には小さな箱が入っていた。
なんだろう、と思いながら開いて、紗奈は大きく目を見開いた。
それは――ピアス、だった。
「この前、誕生日だったでしょ。遅くなったけどプレゼント」
見覚えのあるそのピアスは、琉生が紅音にあげたものと同じデザインのものだった。
樹脂ですらないピアスをもらったところで、つけられないのに。
金属製のネックレスをつけてることがあるから、もしかして忘れてるのか。
金属アレルギーの症状が出るのは耳だけで、あまりひどくないにしてもつけたら赤くなって痒みも出るのに。
そのことを覚えてもないのが悲しくも寂しくもなって、返しそびれている紅音のピアスを琉生に突っ返してしまいたくなった。
「せっかくの紗奈の誕生日を忘れててごめん。来年は二人でお祝いしよ」
来年、って言った今?
他の女の人と内緒で会ってるくせに、そんなことを言うの?
金属アレルギーだってことすら、覚えてないというのに?
来年の誕生日を一緒にってことは、それまで付き合う気でいるってこと?
琉生がどういう気持ちなのか、どれだけ見ようとしてもモヤが掛かったように霞んで見えそうにない。
「…うん、ありがとう」
紗奈はお礼を言った後、でも、と続けた。
琉生の都合のいいようにされてるみたいで、それが気に食わない。
「これはいらない。私、金属アレルギーだからつけられないし」
「……っあ」
「それに、他の女の人にあげたものと同じものなんかもらいたくない」
紗奈ははっきりとそう言って、手渡されたそれを琉生に返した。
もう持っていることすら苦痛に感じて、どうしようもなく嫌だった。
返されたそれを見て、琉生はぐっと言葉を詰まらせた。
あんなにもしょっちゅう紅音の匂いをさせて帰ってくるくせに気付いていないとでも思っていたのか、……そんなわけないのに。
彼女は彼女で、あからさまに匂わせ投稿をしているのに。
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