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誕生~幼少期
2.祖父母との出会い
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育っていくなかで、ここは地球上では無い事が少しづつ分かってきた。
どうやら私の転生先は異世界のようだ。
その証拠に、この世界には魔法がある。
生活の中で自然と取り入れられているその魔法は、魔石ランプや、魔石冷蔵庫といったように、前世の時の電気の役割を果たしていたり、髪を乾かす時にドライヤー代わりに風魔法で温風を出して乾かすといった使い方をしていた。
殆どの人は魔力がそうある訳ではなく、生活魔法に使われる程度の魔法しか使えない。
だから魔石を利用して、少ない魔力を流すだけで使用出来る魔導具が主流となっている。
稀にいる、魔力量が多く魔法技法に特化した人は重視され、その多くは国が保護していた。
また魔法は、魔力が安定してからでないと教えて貰えず、12歳になったら教会で魔力検査を行い、適正魔法を調べてから、それに沿った魔法を学ぶそうだ。
まだ10歳の私は、早く自分の適正魔法が知りたいとワクワクしていた。
ちなみに父は火魔法だが魔力が少ない為、ランプに灯りを灯すくらいしか出来ない。
母は、木魔法だが同じく魔力量の問題で、種から芽を出すのがやっとだ。
まぁ、父よりは世間の皆様に貢献出来そうだが、根っからの貴族なので畑仕事なんて手伝わないから、あってないようなものだった。
そんなある日、弟が7歳になったので領地を見に行こうという話になり、王都より馬車で3日かけて領地に来た。
我が家は弟を基準に動くので、まぁ当たり前だが、もちろん私も来るのは初めてだ。
領地に着くと、前侯爵夫妻、つまり私や弟にとっては祖父母にあたる方と初めて会った。
どうやら祖父母と父母はあまり仲がいい方ではなかったらしい。
でも、ゆくゆくはこの領地を継ぐ弟に領地を全く見せないでいるのも不味いだろうと、今回領地に来る決断を下したらしい。
ちなみに、弟も父母の影響で、私とは仲良くない。というか、弟が勝手に私を見下しているから、あまり関わらないようにしている。
「父上、母上、息災で何よりです」
領地の屋敷に着いた父が祖父母に、そう挨拶する。
祖父は深緑色の髪に、髪色を少し薄くした翡翠色の目。年齢を感じさせないガッシリとした体躯の長身で高潔な感じを受ける。
祖母はラベンダーピンク色の髪を緩やかに纏め、アメジスト色の目は切れ長。こちらも年齢を感じさせない絶世の美人だ。
ちなみに、私の色も祖母と同じ。だから初めて祖母を見た時はとてもビックリした。
私も将来は祖母のように絶世の美人になるのだろうか。
そう考えるととても嬉しい。
そして、もう1つ分かったこと。
祖母と母の折り合いは良くない。
きっと、私が祖母に似ているから余計に私の事が疎ましいんだろうなぁと、妙に納得してしまった。
「お義父様、お義母様、ご無沙汰致しております。
紹介致しますわね。こちらが将来この侯爵家を継ぐ嫡男のエリオットでございます。
大変聡明なので、お義父様やお義母様もご安心頂けると思いますわ」
そう言って、ひとしきり弟の自慢話をする。
「貴女は相変わらずですね。娘は紹介してくれないの?」
冷たい視線を母に向けながら祖母はそう言った。
「あ、ああ、そうですわね。エマ、こちらに来なさい。この娘が長女のエマです。さ、挨拶なさい」
何とも素っ気ない紹介を受けて私は祖父母の前に立つ。
「初めてお目にかかります。エマ・ベルイヤと申します。お祖父様、お祖母様にお会い出来て、大変嬉しく思います。よろしくお願い致します」
カーテシーと共にそう挨拶をした私に、祖父母は優しく迎えてくれた。
「ああ、宜しくな。何もない田舎だがゆっくり寛いでくれ。長旅で疲れただろう?」
「ええ、そうね。食事の準備まではまだ時間はあるわ。各自部屋を案内させるから、それまではお茶を飲んでゆっくり休んでね」
祖父母に迎え入れられ、各自部屋を案内してもらう。
父母や弟は1階にある客室の方に案内されたが、私は家族の部屋がある2階の部屋に案内された。
「?」
不思議に思っていると、私の部屋に案内してくれた祖母が優しく声を掛けてくる。
「エマ、貴方のことは王都の屋敷にいる執事から報告を受けているわ。
全く馬鹿な息子夫婦のせいで、貴方への扱いがとても悪いと聞いた時は本当に腹立たしかった。
貴方を引き取ろうとも考えたけど、貴方はその環境にも屈する事無く、誰にでも優しく接していて勉強も頑張っていると聞いています。
私達はとても誇らしく思ったのよ」
そう言って、私を優しく抱きしめてくれた。
「さぁ、ここが貴方の部屋よ。お茶を飲んでゆっくりしていてね。私のお茶は美味しいのよ。
また後でお話しましょう。貴方のお祖父様も貴方と会ってお話するのを、とても楽しみにしていたのよ」
そう言って魔法でポットにお水をいれ、瞬時に沸かす。そして一緒に来ていた私付きの侍女のマリーに託し、お祖母様は部屋を出ていった。
マリーは、乳母のアリーの娘だ。歳は私より8歳年上の18歳。学園を卒業後、アリーの代わりに私付きでメイドとして侯爵家に就職したのだ。
アリーは引退して、今は家でゆっくり過ごしているそうだ。
「さぁ、お嬢様。暫くお休み下さい。今、お茶を入れますからね」
お祖母様が用意してくれたお茶は、今までで一番美味しかった。茶葉は王都の家の物と同じなので、やはり祖母の出してくれた魔法の水のおかげだろう。
ホッと一息入れて、夕食まで私はゆっくりと過ごした。
どうやら私の転生先は異世界のようだ。
その証拠に、この世界には魔法がある。
生活の中で自然と取り入れられているその魔法は、魔石ランプや、魔石冷蔵庫といったように、前世の時の電気の役割を果たしていたり、髪を乾かす時にドライヤー代わりに風魔法で温風を出して乾かすといった使い方をしていた。
殆どの人は魔力がそうある訳ではなく、生活魔法に使われる程度の魔法しか使えない。
だから魔石を利用して、少ない魔力を流すだけで使用出来る魔導具が主流となっている。
稀にいる、魔力量が多く魔法技法に特化した人は重視され、その多くは国が保護していた。
また魔法は、魔力が安定してからでないと教えて貰えず、12歳になったら教会で魔力検査を行い、適正魔法を調べてから、それに沿った魔法を学ぶそうだ。
まだ10歳の私は、早く自分の適正魔法が知りたいとワクワクしていた。
ちなみに父は火魔法だが魔力が少ない為、ランプに灯りを灯すくらいしか出来ない。
母は、木魔法だが同じく魔力量の問題で、種から芽を出すのがやっとだ。
まぁ、父よりは世間の皆様に貢献出来そうだが、根っからの貴族なので畑仕事なんて手伝わないから、あってないようなものだった。
そんなある日、弟が7歳になったので領地を見に行こうという話になり、王都より馬車で3日かけて領地に来た。
我が家は弟を基準に動くので、まぁ当たり前だが、もちろん私も来るのは初めてだ。
領地に着くと、前侯爵夫妻、つまり私や弟にとっては祖父母にあたる方と初めて会った。
どうやら祖父母と父母はあまり仲がいい方ではなかったらしい。
でも、ゆくゆくはこの領地を継ぐ弟に領地を全く見せないでいるのも不味いだろうと、今回領地に来る決断を下したらしい。
ちなみに、弟も父母の影響で、私とは仲良くない。というか、弟が勝手に私を見下しているから、あまり関わらないようにしている。
「父上、母上、息災で何よりです」
領地の屋敷に着いた父が祖父母に、そう挨拶する。
祖父は深緑色の髪に、髪色を少し薄くした翡翠色の目。年齢を感じさせないガッシリとした体躯の長身で高潔な感じを受ける。
祖母はラベンダーピンク色の髪を緩やかに纏め、アメジスト色の目は切れ長。こちらも年齢を感じさせない絶世の美人だ。
ちなみに、私の色も祖母と同じ。だから初めて祖母を見た時はとてもビックリした。
私も将来は祖母のように絶世の美人になるのだろうか。
そう考えるととても嬉しい。
そして、もう1つ分かったこと。
祖母と母の折り合いは良くない。
きっと、私が祖母に似ているから余計に私の事が疎ましいんだろうなぁと、妙に納得してしまった。
「お義父様、お義母様、ご無沙汰致しております。
紹介致しますわね。こちらが将来この侯爵家を継ぐ嫡男のエリオットでございます。
大変聡明なので、お義父様やお義母様もご安心頂けると思いますわ」
そう言って、ひとしきり弟の自慢話をする。
「貴女は相変わらずですね。娘は紹介してくれないの?」
冷たい視線を母に向けながら祖母はそう言った。
「あ、ああ、そうですわね。エマ、こちらに来なさい。この娘が長女のエマです。さ、挨拶なさい」
何とも素っ気ない紹介を受けて私は祖父母の前に立つ。
「初めてお目にかかります。エマ・ベルイヤと申します。お祖父様、お祖母様にお会い出来て、大変嬉しく思います。よろしくお願い致します」
カーテシーと共にそう挨拶をした私に、祖父母は優しく迎えてくれた。
「ああ、宜しくな。何もない田舎だがゆっくり寛いでくれ。長旅で疲れただろう?」
「ええ、そうね。食事の準備まではまだ時間はあるわ。各自部屋を案内させるから、それまではお茶を飲んでゆっくり休んでね」
祖父母に迎え入れられ、各自部屋を案内してもらう。
父母や弟は1階にある客室の方に案内されたが、私は家族の部屋がある2階の部屋に案内された。
「?」
不思議に思っていると、私の部屋に案内してくれた祖母が優しく声を掛けてくる。
「エマ、貴方のことは王都の屋敷にいる執事から報告を受けているわ。
全く馬鹿な息子夫婦のせいで、貴方への扱いがとても悪いと聞いた時は本当に腹立たしかった。
貴方を引き取ろうとも考えたけど、貴方はその環境にも屈する事無く、誰にでも優しく接していて勉強も頑張っていると聞いています。
私達はとても誇らしく思ったのよ」
そう言って、私を優しく抱きしめてくれた。
「さぁ、ここが貴方の部屋よ。お茶を飲んでゆっくりしていてね。私のお茶は美味しいのよ。
また後でお話しましょう。貴方のお祖父様も貴方と会ってお話するのを、とても楽しみにしていたのよ」
そう言って魔法でポットにお水をいれ、瞬時に沸かす。そして一緒に来ていた私付きの侍女のマリーに託し、お祖母様は部屋を出ていった。
マリーは、乳母のアリーの娘だ。歳は私より8歳年上の18歳。学園を卒業後、アリーの代わりに私付きでメイドとして侯爵家に就職したのだ。
アリーは引退して、今は家でゆっくり過ごしているそうだ。
「さぁ、お嬢様。暫くお休み下さい。今、お茶を入れますからね」
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