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王太子の言葉に、大半の者が不思議そうにミーシャに注目したが、少数のミーシャの力を知っている者は、ハッとした表情でミーシャを見た。
「……やってみます」
そういうと、ミーシャは静かに大聖堂の像の前に立ち、覚悟を決めたように、一度大きく息を吸い込む。
そして静かに目を瞑り、自分を中心に徐々に周りに広がるように、結界を張り巡らせていった。
やがて、それはどんどん広がり、30分を経過する頃には、国全体を覆う、分厚い壁のような結界が展開されていた。
さすがに国全体を覆う力を使ったミーシャは、張り終わった頃に意識を失いかけ、倒れそうになったが、素早くシオンが駆け寄り、ミーシャの身体を支えた。
「ミーシャ! 大丈夫か!?」
シオンの腕の中でミーシャは、疲れた様子はあるも、意識はしっかりしており、笑顔で頷く。
シオンはミーシャの様子を見て、ホッとした。
「ミーシャ、お疲れ様。そして、本当にありがとう。やはり君は聖女の力を持ってたんだね」
シオンは、優しくミーシャを支えながら、笑って言った。
「実際にやった事がなかったから、自信がなかったのです。だから、上手く出来て本当に良かった……。
聖女の力と持ち上げられるのが嫌で、今まで隠してて、不安にさせてごめんなさい」
ミーシャは、少しバツが悪そうにしながら、シオンに胸の内を語った。
「君が、不安に思うのも分かるし、目立たず静かに過ごしたいっていう思いを前から持っていたのも知ってるよ。
だからこんな形でその力を使わせて、本当にすまなかった。
これからは、出来るだけ君の思いを尊重していくつもりだ。
だからこそ、隠し事は2人の間ではなしにしよう。僕たちは婚約者同士で、いずれは結婚するんだからね」
シオンに優しく言われて、ミーシャの顔は真っ赤に茹で上がる。
(ちょっ! なんてキザな台詞をサラッと言ってるの! 流石は隠れ攻略対象ね!)
などとミーシャは心の中で叫んでいた。
その様子をティナや、アズレン、ユーリも見ていた。
「そんな力があったなんて、全然知らなかったわ! ミーシャ、凄すぎるわよ!」
「本物の聖女は、ミーシャ嬢……
リセラはやっぱり違ったんだ……」
ティナは感激し、アズレンは呆然としている。
「まぁ! これって、転生チートなのかしら? ヒロインじゃなく、ミーシャ様に授かったのね。うふふ♪」
と、ユーリは、小声で笑った。
そして周りの観衆たちは、今見た出来事が信じられない思いでいたが、次の報告で、一気に実感した。
「陛下! 申し上げます! 先程、新たな結界が国中を覆い、入っていた魔物全てが消滅したとの事です! 北の領地での被害も少数に留められ、死者もなく問題は回避できました!
新たな結界は、これまで見てきた結界よりもさらに強固であるとの報告が入っております」
辺境地からの知らせを受け、陛下を始め、官僚たちやその場にいた全ての人達の視線は、一気にミーシャへと注いだ。
「ありがとうございます! ミーシャ嬢!」
「凄いです! あの方が真の聖女だ!」
「この国の救世主だ!」
みんなが口々にミーシャを褒め称え、そのうち、大聖堂の中央に座り込んでいるリセラに気づいて、不信感を露わにし始めた。
「あの人、聖女じゃなかったのか」
「どうりで、結界穴の修復も出来なかったはずだ」
「どう言う事だ? 何故あの女性が聖女だという事になっていたんだ?」
それぞれが疑問に思いながら、聖女を騙った者として、冷たい視線がリセラに向けられた。
「ま、待って! 確かに結界魔法は発動出来なかったけれど、治癒魔法は使えるわ!
私の治療を受けた人もいるでしょう?
私は嘘をついてはいないわよ!」
リセラは分が悪いと感じ、慌てて釈明した。
「確かに、この者は聖属性魔法が使える。しかし、国全体を覆う聖なる力が使えなかったとなると、聖女とは言えないであろう。
この者の事は、一旦王家預かりとし、然るべく処遇を検討することとする」
陛下がそう皆に伝え、改めてミーシャを見る。
「ミーシャ嬢、いや、聖女殿。この度はその偉大な聖なる力を駆使して、王国を守って下さった事、この国の王として、深く感謝する。
改めてミーシャ嬢が聖女であったと、国中に伝え、感謝の意を表したい」
陛下が観衆の見ている前で、頭を下げて礼を尽くす。それに倣い、他の人達も跪き一斉にミーシャに頭を下げた。
「や、やめて下さい! とんでもないことです! わたくしこそ、もっと早く名乗り出れば良かったのに、出来るか不安で言い出せなかったのです。
だからどうか、皆様、頭をお上げ下さいませ!」
ミーシャは慌てて陛下や他の皆に、そう伝え、おもむろにお願いをした。
「陛下、そして皆様にお願いがあります」
ミーシャは、皆を見廻しながら言った。
「この度、リセラさんが聖なる力を使われるのならば任せておけばいいと、わたくしの勝手な思いで、力の事を伏せていました。そのせいで皆様に不安な思いをさせてしまったのです。
勇気を出して、もっと早く行動を起こせば良かった。
そんなわたくしに今更聖女だと名乗る資格はないと思うのです。
それに、いま多くの力を使い果たし、私の中の聖なる力はもう、無くなっているかも知れません。
結界が新たに設置された今、この力は不要です。
そしてわたくしは、ここにいるシオンライト王太子殿下の婚約者です。
これからは、シオンライト王太子殿下をお支えする事が、わたくしの務めだと考えております。
なので、皆様、ここで見た事は皆様の胸の中だけにして頂けないでしょうか」
ミーシャの要望に、陛下はじめ皆、困惑していたが、シオンがミーシャの言葉を受け、とても機嫌が良さそうにしながら言った。
「私からも頼む。ミーシャ嬢は、聖女という大変名誉な肩書きより、私との未来を選んでくれた。
これからは2人でこの国のために、日々邁進していくことを誓おう」
シオンはミーシャを愛おし気に見ながら、観衆の前で宣言する。
その姿に皆は、この2人なら、この国の未来は安泰だろうと感じ、2人を温かく見守る事を決めたのだった。
「良かろう。ミーシャ嬢。その願い、しかと聞き入れた。
此度、ここで行なわれた事は、箝口令を敷き、他言無用。
聖女に関する事も、王家からの沙汰があるまで黙秘するように」
陛下からの命を受け、皆は一斉に礼を尽くした。
「……やってみます」
そういうと、ミーシャは静かに大聖堂の像の前に立ち、覚悟を決めたように、一度大きく息を吸い込む。
そして静かに目を瞑り、自分を中心に徐々に周りに広がるように、結界を張り巡らせていった。
やがて、それはどんどん広がり、30分を経過する頃には、国全体を覆う、分厚い壁のような結界が展開されていた。
さすがに国全体を覆う力を使ったミーシャは、張り終わった頃に意識を失いかけ、倒れそうになったが、素早くシオンが駆け寄り、ミーシャの身体を支えた。
「ミーシャ! 大丈夫か!?」
シオンの腕の中でミーシャは、疲れた様子はあるも、意識はしっかりしており、笑顔で頷く。
シオンはミーシャの様子を見て、ホッとした。
「ミーシャ、お疲れ様。そして、本当にありがとう。やはり君は聖女の力を持ってたんだね」
シオンは、優しくミーシャを支えながら、笑って言った。
「実際にやった事がなかったから、自信がなかったのです。だから、上手く出来て本当に良かった……。
聖女の力と持ち上げられるのが嫌で、今まで隠してて、不安にさせてごめんなさい」
ミーシャは、少しバツが悪そうにしながら、シオンに胸の内を語った。
「君が、不安に思うのも分かるし、目立たず静かに過ごしたいっていう思いを前から持っていたのも知ってるよ。
だからこんな形でその力を使わせて、本当にすまなかった。
これからは、出来るだけ君の思いを尊重していくつもりだ。
だからこそ、隠し事は2人の間ではなしにしよう。僕たちは婚約者同士で、いずれは結婚するんだからね」
シオンに優しく言われて、ミーシャの顔は真っ赤に茹で上がる。
(ちょっ! なんてキザな台詞をサラッと言ってるの! 流石は隠れ攻略対象ね!)
などとミーシャは心の中で叫んでいた。
その様子をティナや、アズレン、ユーリも見ていた。
「そんな力があったなんて、全然知らなかったわ! ミーシャ、凄すぎるわよ!」
「本物の聖女は、ミーシャ嬢……
リセラはやっぱり違ったんだ……」
ティナは感激し、アズレンは呆然としている。
「まぁ! これって、転生チートなのかしら? ヒロインじゃなく、ミーシャ様に授かったのね。うふふ♪」
と、ユーリは、小声で笑った。
そして周りの観衆たちは、今見た出来事が信じられない思いでいたが、次の報告で、一気に実感した。
「陛下! 申し上げます! 先程、新たな結界が国中を覆い、入っていた魔物全てが消滅したとの事です! 北の領地での被害も少数に留められ、死者もなく問題は回避できました!
新たな結界は、これまで見てきた結界よりもさらに強固であるとの報告が入っております」
辺境地からの知らせを受け、陛下を始め、官僚たちやその場にいた全ての人達の視線は、一気にミーシャへと注いだ。
「ありがとうございます! ミーシャ嬢!」
「凄いです! あの方が真の聖女だ!」
「この国の救世主だ!」
みんなが口々にミーシャを褒め称え、そのうち、大聖堂の中央に座り込んでいるリセラに気づいて、不信感を露わにし始めた。
「あの人、聖女じゃなかったのか」
「どうりで、結界穴の修復も出来なかったはずだ」
「どう言う事だ? 何故あの女性が聖女だという事になっていたんだ?」
それぞれが疑問に思いながら、聖女を騙った者として、冷たい視線がリセラに向けられた。
「ま、待って! 確かに結界魔法は発動出来なかったけれど、治癒魔法は使えるわ!
私の治療を受けた人もいるでしょう?
私は嘘をついてはいないわよ!」
リセラは分が悪いと感じ、慌てて釈明した。
「確かに、この者は聖属性魔法が使える。しかし、国全体を覆う聖なる力が使えなかったとなると、聖女とは言えないであろう。
この者の事は、一旦王家預かりとし、然るべく処遇を検討することとする」
陛下がそう皆に伝え、改めてミーシャを見る。
「ミーシャ嬢、いや、聖女殿。この度はその偉大な聖なる力を駆使して、王国を守って下さった事、この国の王として、深く感謝する。
改めてミーシャ嬢が聖女であったと、国中に伝え、感謝の意を表したい」
陛下が観衆の見ている前で、頭を下げて礼を尽くす。それに倣い、他の人達も跪き一斉にミーシャに頭を下げた。
「や、やめて下さい! とんでもないことです! わたくしこそ、もっと早く名乗り出れば良かったのに、出来るか不安で言い出せなかったのです。
だからどうか、皆様、頭をお上げ下さいませ!」
ミーシャは慌てて陛下や他の皆に、そう伝え、おもむろにお願いをした。
「陛下、そして皆様にお願いがあります」
ミーシャは、皆を見廻しながら言った。
「この度、リセラさんが聖なる力を使われるのならば任せておけばいいと、わたくしの勝手な思いで、力の事を伏せていました。そのせいで皆様に不安な思いをさせてしまったのです。
勇気を出して、もっと早く行動を起こせば良かった。
そんなわたくしに今更聖女だと名乗る資格はないと思うのです。
それに、いま多くの力を使い果たし、私の中の聖なる力はもう、無くなっているかも知れません。
結界が新たに設置された今、この力は不要です。
そしてわたくしは、ここにいるシオンライト王太子殿下の婚約者です。
これからは、シオンライト王太子殿下をお支えする事が、わたくしの務めだと考えております。
なので、皆様、ここで見た事は皆様の胸の中だけにして頂けないでしょうか」
ミーシャの要望に、陛下はじめ皆、困惑していたが、シオンがミーシャの言葉を受け、とても機嫌が良さそうにしながら言った。
「私からも頼む。ミーシャ嬢は、聖女という大変名誉な肩書きより、私との未来を選んでくれた。
これからは2人でこの国のために、日々邁進していくことを誓おう」
シオンはミーシャを愛おし気に見ながら、観衆の前で宣言する。
その姿に皆は、この2人なら、この国の未来は安泰だろうと感じ、2人を温かく見守る事を決めたのだった。
「良かろう。ミーシャ嬢。その願い、しかと聞き入れた。
此度、ここで行なわれた事は、箝口令を敷き、他言無用。
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