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第四話
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今日は教会での視察を兼ねた、奉仕活動の日だ。教会の敷地内にある孤児院に、手作りのクッキーを持って行く予定である。
アルベルト様と一緒に教会に入ると、この教会の責任者である司祭様が迎えてくれた。
この司祭様、少し白髪交じりの髪でお顔立ちは優しく清潔感があり、立ち居振る舞いはスマートで洗練されたマナーが魅力の、イチオシのおじ様なの。
ああ、今日も本当に素敵!
あの慈愛に満ちた笑顔が何とも言えないわぁ。いつもにこやかで、生まれてから一度も怒ったことなどないのではないかしら。
「やぁ、司祭殿。今日もよろしく」
「第二王子殿下、いつもありがとうございます。子供たちは御二方が来られるのを、いつも楽しみに待っていましたよ。
ハミルトン伯爵令嬢、本日も宜しくお願いいたしますね」
司祭様が今日も優しい笑顔で、そう言って下さる。
「はい。こちらこそよろしくお願いいたします」
優雅に返答しながらも、内心ではキャーキャーと喜びで騒ぎ立てていた。
「いつも、午後からいらっしゃるのに、本日はお昼前に来られるとは珍しいですね?」
そう司祭様がおっしゃると、アルベルト様が
「たまには、子供たちの昼食風景でも見て行こうかと」
と、にこやかに返答する。
司祭様は、「なるほど」と頷き、案内してくれた。
孤児院に到着した際、此方に向かって大きな包みを持った一人の老婆が歩いてくる。
何かしら?と思って見ていると、
「ママ! そんな荷物を持って! 転んだりしたらどうするの! そういう事は僕がするから!」
と、大きな声を出して、老婆に駆け寄る司祭様の姿があった。
ん?
ママ?
「ママ、僕に心配かけないで。ママに何かあったら、僕は生きてはいけないのだから」
「まぁ、この子ったら。いくつになっても子供なんだからねぇ。これくらいの荷物、大丈夫だよ。ほら、お前の好きなおかずを作ってきたんだよ。それから、新しい下着もそろそろいるんじゃないかと思ってね」
「わぁ! ありがとうママ! ママの手作り以外のものは僕、食べられないんだ! 下着も、いつも用意してくれてありがとうね、ママ大好きだよ」
どうやら、司祭様の母君らしい。
らしいが……。
この会話は一体?
私がその様子を呆然と見ていると、
「司祭殿はとても優秀でいい人なんだけど、母親への執着が強いのが、玉に瑕なんだ。
何でも今でも眠る時は、母親に子守り歌を歌ってもらわないと眠れないらしいよ。
あ、これは内緒だからね」
と、笑顔でアルベルト様が教えてくれた。
え~っと、つまり、これは……
マザコン?
えっ! 子守り歌!? あの歳で!?
私の中の司祭様のイメージが、ガラガラと音を立てて崩れていくのが分かった。
その隣りで「また、口……口が開きっぱなし……ククッ」と、肩を揺らし、顔を背けながら笑っているアルベルト様に構う余裕もなかった。
私がその後、何をしても身が入らず、ぼーっとした様子だったので、その日の視察と奉仕活動は、そこそこに早々に切り上げて帰ることとなった。
アルベルト様と一緒に教会に入ると、この教会の責任者である司祭様が迎えてくれた。
この司祭様、少し白髪交じりの髪でお顔立ちは優しく清潔感があり、立ち居振る舞いはスマートで洗練されたマナーが魅力の、イチオシのおじ様なの。
ああ、今日も本当に素敵!
あの慈愛に満ちた笑顔が何とも言えないわぁ。いつもにこやかで、生まれてから一度も怒ったことなどないのではないかしら。
「やぁ、司祭殿。今日もよろしく」
「第二王子殿下、いつもありがとうございます。子供たちは御二方が来られるのを、いつも楽しみに待っていましたよ。
ハミルトン伯爵令嬢、本日も宜しくお願いいたしますね」
司祭様が今日も優しい笑顔で、そう言って下さる。
「はい。こちらこそよろしくお願いいたします」
優雅に返答しながらも、内心ではキャーキャーと喜びで騒ぎ立てていた。
「いつも、午後からいらっしゃるのに、本日はお昼前に来られるとは珍しいですね?」
そう司祭様がおっしゃると、アルベルト様が
「たまには、子供たちの昼食風景でも見て行こうかと」
と、にこやかに返答する。
司祭様は、「なるほど」と頷き、案内してくれた。
孤児院に到着した際、此方に向かって大きな包みを持った一人の老婆が歩いてくる。
何かしら?と思って見ていると、
「ママ! そんな荷物を持って! 転んだりしたらどうするの! そういう事は僕がするから!」
と、大きな声を出して、老婆に駆け寄る司祭様の姿があった。
ん?
ママ?
「ママ、僕に心配かけないで。ママに何かあったら、僕は生きてはいけないのだから」
「まぁ、この子ったら。いくつになっても子供なんだからねぇ。これくらいの荷物、大丈夫だよ。ほら、お前の好きなおかずを作ってきたんだよ。それから、新しい下着もそろそろいるんじゃないかと思ってね」
「わぁ! ありがとうママ! ママの手作り以外のものは僕、食べられないんだ! 下着も、いつも用意してくれてありがとうね、ママ大好きだよ」
どうやら、司祭様の母君らしい。
らしいが……。
この会話は一体?
私がその様子を呆然と見ていると、
「司祭殿はとても優秀でいい人なんだけど、母親への執着が強いのが、玉に瑕なんだ。
何でも今でも眠る時は、母親に子守り歌を歌ってもらわないと眠れないらしいよ。
あ、これは内緒だからね」
と、笑顔でアルベルト様が教えてくれた。
え~っと、つまり、これは……
マザコン?
えっ! 子守り歌!? あの歳で!?
私の中の司祭様のイメージが、ガラガラと音を立てて崩れていくのが分かった。
その隣りで「また、口……口が開きっぱなし……ククッ」と、肩を揺らし、顔を背けながら笑っているアルベルト様に構う余裕もなかった。
私がその後、何をしても身が入らず、ぼーっとした様子だったので、その日の視察と奉仕活動は、そこそこに早々に切り上げて帰ることとなった。
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