乙女ゲームに転生したらしい私の人生は全くの無関係な筈なのに何故か無自覚に巻き込まれる運命らしい〜乙ゲーやった事ないんですが大丈夫でしょうか〜

ひろのひまり

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23.お悩み解決まであとちょっと少しですか?

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 レオの話を聞いて、今だったらロウもセルもいるから精霊に話聞いてみたらどうか?とお兄様が提案した。

私も聞いてみたらいいと思うから賛成!

『闇の上位種と光の中位種だったな?』

「はい。いつも闇の力が強いので指輪で力を抑えていて、指輪の加護は深淵の魔女に頼んでいるんですが、定期的に加護が切れて指輪にヒビが入るんです」

『ーー。そんなに無理に押さえ付けたら上手く魔法も発動しないんじゃないのか?』

「…。確かに、他の同年代の奴らよりかはできる方だと思うけど、光も闇も上手く発動しない…事は多いかも」

『だわな…』

無理やりに押さえ付けても嫌がられるだけだよね。

『自分で両方呼び出せるか?無理なら我らが手伝う事もできるが…』 

「…同時に呼び出した事はないです。実母の…事を聞いてから同時には…」

『ま、そうだわなー。でも、お前の魔力量と質なら余裕だと思うけど?なあ、ロウもそう思うだろ?』

「え?」

『そうだな、問題なく呼び出せる力は持っているな』


レオってスゴイ子だったんだね!そりゃそうか、2属性持ってるのだって凄いのに相反する系!興奮してきたぞー!!

「レオ!!みんながふかのうとおもってることができるのって、すごいね!かくすひつようないじゃん!じまんじゃない?」


見せびらかせていいレベルの事でしょ!!
うらやましい!!
私も…選定式でスゴイ!とか言われたーい!!


「え?え…と…そう…なのかな…?」

『リリィは少し黙ってなさい』

えー!ブーブー!!

「…今だったらもし暴走しても皆がいるし…何とかなるよね…やってみます!」

そう言ってレオは指輪を抜いて、精霊に声を掛けた。

「光と闇、両精霊達、オレの元に…」


おお!レオのオーラがフワリと動いてるよ!
初めて見た、陰影がついたようなキラキラと光る黒いオーラ。

「きれい…おーらのばらんすはちょうどはんぶんずつなんだねー」

「え?半分?」

「え?うん、はんぶんよ」

ブワッとオーラが広がって、精霊が姿を現した。
私の目には光の塊とひと回り大きめな黒い塊。
どっちもキラキラしてキレイなオーラを振り撒いているよ!
ん?でもよーく目を凝らして見ると形が浮かび上がってきてるように見える…。


『…レオ…同時に呼ぶなんて赤ん坊の時以来じゃない?』

『…。』

「あ…あれ?両方普通に出てきてくれた…」

『あー、指輪抜いてくれたからね』

『…。』


黒い方が闇の精霊なのかな?白い方が光。
闇の精霊は無口なのかな?って、私も精霊の声が聞こえるんだけど…?今までは聞こえなかったよね?
ーーー!!
成長した証拠!!かな!!


『リリィは我らと共にいる時間も増えた事で刺激を受けたんだろう。もう少ししたら精霊の姿もはっきり見えるようになる』


わー!すごい!見れるようになるんだ。
…でもさ、もし沢山居たら?満員電車みたいな状況でギュムギュムの精霊達…なんてあんまり見たくないなぁ…。

『…リリィの目の付け所ってちょっと変わってるよな…』

『お前達、ちょっと静かにしなさい…』


『…フェンリルにヨルムンガンド…噂本当だったんだ…』
『…。』


闇の精霊は無言?あれ?なんか辛そうかも…。

「ねえ、レオやみのせいれいはびょうき?」

「え?病気…?」

「なんかつらそうだよ?」

『闇の…確かに少し弱っているな。指輪の締め付けのせいだな』

「ーー!」

指輪のせいで弱ってるんだ…かわいそうだな。

「レオ、もうゆびわやめたら?」

「え?でも、やめたら光の精霊が消えちゃうって…」

「…それってさー、ほんと?かってにみんながそうおもいこんでるだけじゃないの?」

『……うーん、リリィの言う事には一理あるよな。光と闇は一緒にはいられないって勝手に思ってるだけ…』

「でしょ?セルもそうおもうでしょ?ほんにんたちもまわりにそういわれて、そうなのかもっておもってるだけかもしれないよ?」

「ーーー!」
『ーーー!』

皆、驚きすぎたよー!だってさ、さっきも言ったけど誰かがそうです!って言っただけで本当にやった事ある人が言ったとは限らないよね?

「やみのせいれいが、そんなにくるしいのにいっしょにいてくれるんだよ?それって、いっしょにいたいからむりしてくれてるんでしょ?」


闇の精霊がコクコク頷いてる。
光の精霊が闇の精霊を見て驚いていた。
やっぱりね!ちゃんと聞いてみないと分からない物なんだよね!


「シエル、本当に?」

闇の精霊がコクコク頷いてる。

『シエル…なんで…?』

光の精霊が闇の精霊シエルに向き合って泣きそうな顔になっている。


『…セリカ…君と僕…ふたご…いつも…いっしょ…』


ほう!精霊にも双子ってあるのね!それに属性違いで更に位も違う!ってすごい。
ん?でも、双子ではないけど、ロウとセルだって種族が違うのに兄弟か、じゃあ珍しい事じゃないんだね。


『双子だったか…。光の消滅を避けるために自らが業を負った形か…』

「?さっきからしょうめつとかいってるけど、ほんとうに?きえちゃうの?ちがうぞくせいでくらいがちがうから?それだけで?なんで?」

『…光と闇は相対するモノなの!何も知らない部外者のくせに口出さないでよ!!』

「えー?どっちがしょうめつするの?」

『ボクだよっ!!』

「?なんで?きえそうになったの?」

『え?……なって…ない…』

「いまは?」

『え?』

光の精霊セリカは両手を見つめてギュッと自分の身体を抱きしめた。

『あれ?まだ何も…』

「レオのゆびわは、もうはずしてるよ?やみのせいれいシエルのほうがちからがつよいんだっけ?だからってセリカはきえちゃうの?そういうものなの?いますぐ?それともすこしずつ?」


セリカとシエルは顔を見合わせて唖然としてる。
あ、気付いたらちゃんと精霊が見えるようになってるじゃん!
えへへ。

あら、唖然としてるのはセリカとシエルだけじゃなかったわ。
この部屋にいる全員がフリーズしちゃってるじゃん…。えー?誰かそういう時間よ止まれ的な魔法使った?


「セリカ…シエル…大丈夫なの?」

『ボク…は…大丈夫。シエル!』
『うん…すこし…楽になった…』

「…やっぱりリリィの言う通りなのかも。そう言われているから…って言う思い込み…」

「クリス…じゃあ、オレは…今まで何の意味も無い事をやってシエルを苦しめてきただけ…」


うーん、仕方の無い事だったんだろうけど…。


「みんな、ひがいしゃよね。だれもわるくないじゃん」

「そんなので終わらせていい話じゃないよ…」

「えー?それこそシエルにちゃんとききなよーじぶんのいけんはそうかもしれないけど、とうじしゃどうしはそうおもってないかもだよ?」

「ーー!」


フワフワとしたシエルのオーラが少しずつ減っているように見える…。

「シエル?」

レオの手の平にふわりと降り立ちコロンと寝そべった。


『うーむ。随分弱っているな…。ああ、指輪に加護を付け直したと言っていたな…』


指輪…加護…。


「かごってだれでもつけれるの?」

『…加護は、魔法具師、魔女、精霊、聖獣だな。…自分の属性の加護を与える事ができるのは精霊と聖獣…』

「みんなつけれるんだねぇ!すごい!じゃあ、やみのかごでげんきになれって、セルがかごをあたえてあげなよ!」

『うーん。コイツ闇の上位種だろ?オレの今の魔力では難しいかもしれないぜ…』

そうなんだ…。
他に誰か…うーん……。
あ!この間のお花!!
あれの加護を付けてくれたヒトだったら?できるんじゃないの?

「ロウ、セル、どうおもう?」

『…そりゃ、アイツだったらオールOKだろうけど』

「じゃあ、あのみずうみにつれていってよ、そこにいっしょにつれていってあげたらいいんじゃない?」

『我らが…連れて行けるのは、リリィだけだ。レオは連れて行けない。そうなるとシエルは連れて行けないんだ』

「?レオとはなれられないから?」

『いや。離れられるが、こういう場合は契約者も共に居ないと…』


うーん、何かややこしいし、めんどくさい…けど、何とかしてあげたい!!
リリィ!考えるのよ!この脳内年齢二十歳ハタチ超えのパワーで!!

『ハタチって何?』
『…さ…あ?』
『何だろうな?たまにリリィが言ってるけどな』
『我にもわからない…』

もう!それはいいの!!
なんか…な…あっ!!

「レオ!りんりんさんよ!」

「え?リンリンさん?」

「そう!りんりんさんのところの、はぐるまのぺんだんとでいける!」

「え!?本当に!?」


ヨシ!そうと決まればすぐに行動!!

「って、リリィ!今からなんて勝手に行っちゃだめだよ!」

あらお兄様、いらしたの?

「じゃあ、あした!あしたいこう!レオ!わたしいまからおかあさまにいっておくから、あしたよ!」

「う…うん。そうだね!じゃあ、明日行こう」

ヨシ!

「…リリィ、君が説明すると訳が分からなくなりそうだから、僕からお父様とお母様に言っておくよ」


ヨロシク!!お兄様!!



◇◇◇◇◇



 夜の晩餐の時にお兄様とレオが全てを話してくれて、リンリンさんのお店に行く許可が降りました。
勿論、町にはセバスがついてくる事になります。


ふふふーん、明日は午前中にリンリンさんの所に行って、その後に軽くルーファスさんの所の月の雫亭で食事してから家まで戻って、世界樹の湖に飛ぶという流れにしようと思ってマス☆

楽しみだなぁ、何食べようかなぁ。
アディの食べてたガレットも美味しそうだったし、軽く食べるってなら、ラーメンでも…


『…リリィってブレないよな』
『…確かに。ハタチ…というモノはそういうモノなのかもしれないな』


ちょっと!ハタチって言わないでよねっ!!
もう、とっくに過ぎてるんだから!!

『…ゴメン』
『…スマン』

ふんっ。
わかればいいのよ!それにしても危なかったのは、お母様に町には私は行く必要無いって言われた時よ!
確かにね、私は世界樹の湖に付いて行くけど(ロウとセルが行くからねっ)リンリンさんの所へは別にレオだけでも問題ないのよね。
でも!どうしても!月の雫亭のご飯が食べたかったの!仕方ないよ、おいしすぎるもん!!

なんとかかんとか言い訳して、やっと許可を貰えたけどホント危なかったわー。


『…リリィって…』
『皆までいうな…』
『生涯かける相手間違えたか…?』
『ククク…』


そうして夜は更けていくのでした。



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