乙女ゲームに転生したらしい私の人生は全くの無関係な筈なのに何故か無自覚に巻き込まれる運命らしい〜乙ゲーやった事ないんですが大丈夫でしょうか〜

ひろのひまり

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22.人の秘密は蜜の味って本当ですか?

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 ふむ…と、ロウとセルが2人して溜息を吐いた。

『まぁ、話はいつでも聞くぞ』

『安かぁないけどなーケケケッ』

セルが言った一言から何かお悩み相談室みたいになりそうな感じになってきちゃった。
お兄様は、何となく知ってるような感じだけど、何も口出しはしてない。
私がいると話しにくい事なのかもしれないし席を外そうかな…?


「…あの、わたし、せきはずします…」

「…でもリリィはロウとセルの契約者だし、オレの愛する人でもあるから…リリィが嫌じゃなかったら聞いて欲しい」


イヤとかは無いけど、いいのかな?っていう気持ちの方が強いんだよな。
ーー!!
しかもサラッと愛するとか言われたら!!
あー!!なんなのこのお子様イケメン様は!!


「…レオがいいのなら」

「うん。…ロウ様、セル聞いてくれるかな?」

ロウとセルが頷いた。

「…5歳の選定式で魔力量、属性、加護を鑑定。そこで皆自分の属性を知る事になるじゃないですか」

あ、私のお楽しみの選定式ね!

「…知っているかもしれないけど、本当は選定式よりも前にそれを知る事ができるし、魔法は、身体と精神と魔力のバランスが取れて初めて使えるようになるって言われてるけど、別にそれよりも前から使える。5歳っていう縛りは魔力の暴走や枯渇のないようにって、分別判断できる年齢になってから使えよってだけの話。選定式から魔法が使えるようになるっていうのは、ただの戒めなんだ」

あ、確かに本読んでてそう思ったんだ。
しかも、あの時火が空中に灯った…。

「って言っても、契約するのに魔力は結構いるし魔法使うにしても訓練が必要だし、あまり小さい頃から魔法使い過ぎると枯渇の前に他の影響も出てくる。大人はそれを知ってる…ていうか、学校で教えてもらってる。でもそれを知っていても自分の子供の属性や魔力量を知りたいと言って生まれてすぐに鑑定にかける親が少なからずいて、秘密裏に鑑定する魔女もいるんだ。まあ調べるだけなら問題ないんだけどね」


ま、魔女、出たーーー!!
さすがファンタジー!!もう驚く事もないだろうと思ってたけど魔女まで出てくるんだこの世界…。
って、だめだめ今は真面目に話聞かなきゃ!

『魔女か…まだいるんだな』

『チッ。忌々しいぜ…』


皆知ってるのね。
魔女の事…ていうかこのファンタジー世界、色々な要素詰め込み過ぎな印象なんだけど、大丈夫かな?


「うん。それで…オレも生まれてすぐに鑑定にかけられたんだ。父は反対したけど実母がね…魔力の少ない人であまり魔法を使えなかったからそれがオレに遺伝してたらどうしよう…って悩んだ末にらしいけど…」


レオって辺境伯の息子だったよね?魔力少なかったり魔法あんまり使えなかったりするのってよくない事なのかな?
 

『…人間ってのはいちいち面倒くさいよな』

「…そして魔女に鑑定を頼み込んで見てもらったんだ。この魔女は深淵の魔女であまり人前に出てこない。実母は偶然つてがあって会うことができた。そこで見てもらったら…光と闇…」

「ひかりとやみ…?」

「そう。相反する属性。水と油とかそんな関係かな。四大属性の相互関係と違って、一緒にある事ができないとされているんだ」


お父様は私が人のオーラが見えるって言った時に、自分は四大属性全て使えるって言っていた。
属性同士が反発もするけど相乗効果もあるからね、って。
水と火で熱湯とか、考え方次第で魔法は無限になるしなって納得したんだよね。
でもそこに光と闇は組み合わさらないって言ってた気がする…。


「そんな二つの相反する属性が宿ってた。魔力量は多めだし、どうなるかわからないけどとりあえず王やミシェル様に相談すべきだ、と魔女は助言してくれた。だけど、実母は闇の属性の事は隠したがった」

「なんで?そんなこと…」
「今となってはもうわからないな…」

「え?」
「死んだからね。オレの魔力の暴発に巻き込まれて」

「ーー!でもこのあいだ、おうきゅうで…」
「ああ、あの人は後妻だから」


ーー。
そんな事が…いつものレオからは想像もつかない…。


「まあ、なんで暴発したかというと、実母がなんとかオレの闇の魔力を消したかったんだろうね、赤ん坊のオレの血を使って契約精霊を呼び出そうとした。光の精霊が出てきたらそのまま契約して、闇が出てきたら消す予定で。その為に魔女から上位加護の聖水を買ったらしいし」

『また、無謀な事を…』
『魔女の薬は高いんだよなーあいつら魔女というよりぼったくり屋って名乗ったほうがいいぜ』

そんな事ができるの?
しかもレオのお母さんって魔力少ないって言ってなかったっけ?


「まあ、結果的に言うと両方一緒に出てきてオレの魔力が暴発した。実母はそれを防ぐ魔力も無くて巻き込まれて死んだ。その後、光の中位精霊と闇の上位精霊がそれぞれに加護を与えてくれたからオレは無事だったらしいけど、バランスが悪いから闇に引っ張られるんだ」

『まー、闇はなー。ヒトにとってはイマイチな属性だわな』

『光と闇、バランスさえ悪くなければもう少し良かったかもしれないが…』

バランスが悪いと何がいけないんだろう…?

「闇属性って、基本魔族の属性って言われてる。人間にも稀に出るらしいけどね。でもやっぱり皆不穏に思ってるし忌み嫌ってる。大昔は全ての種族が一緒に暮らしてたって言うしどこかで混じり合ってるなんて普通だったみたいなんだけどね」


ふむふむ。

「…えーと、それで?」

「え?」
『え?』
『え?』

「…闇は忌み嫌われるんだよ?父や王、ミシェル様やクリスを除いてオレが闇属性持ってる事を知る人は少ない。秘密にしてるからだよ。選定式だって、オレはテオとクリスと一緒に王宮内で行ったくらいなんだ」

「へー!おうきゅうないでもやれるんだね!」

「…こほん。で、えーと…なんだっけ…あ、闇に引っ張られるって言うのは、光属性の精霊の方が弱いからどんどん闇に押されて消滅してしまいそうになるんだ。それをこの指輪で闇の力を抑えてる」

「あ、だからそのゆびわむしょくのオーラなのね」

『リリィ、人の中で闇属性を抱えて生きていくのは大変なんだ。だからレオの母君も…』

「えー?なんで?むかしはみんないっしょだったんでしょ?」

『…そうだが』

『リリィ、基本的に闇とは魔、なんだぜ?だからオレだって聖から魔に落とされたんだ』

あー、確かに闇落ちした…みたいな事言ってたよね。でもなー。

「…やみってわるいものなの?」

「え?」

『まあ、そう言われると難しいな…』

『…確かに我ら聖獣ももともとは精霊獣。聖属性が発生して…光なる物の対称として闇を…。ふむ闇の精霊が悪か、と問われるとそれは…否、だな』

「わるいことなんにもしてないのに、わるいってきめつけたらだめじゃないの?ぞくせいなくしたら、みんなただのせいれいでしょ?」

「ーーー。」

「あれ?へんなこといったかなぁ?そりゃあ、ひかりとかげっていうくらいだし、やみってくろとかのイメージだから、こわがられてもしかたないかな?でもさ、なんとなく…で、きめられてもかわいそうだよ」

『リリィ…』

「ひかりって、やみがないとひかりだった、ってわからないし、ぎゃくもおなじでしょ?ふたつがそろってせいりつするんじゃないの?まぞくだって、むやみにおそってきたりしたらわるいやつだけど、ぜんいんがそうなわけでもないんでしょ?」

「……」

「まぞくとだって、いまはすみわけができてるけど、それをやぶろうとするからたたかいがおきるわけだし、やぶろうとしなければそれは、あく、じゃないただのまぞくでしょ?」

「……」


あれ?皆黙っちゃった…変な事言ってるかな?
でも、昔から思ってたんだよね戦争とかさ奪おうとするから守ろうとして武器を取るわけだし。
まあ、性根の悪い人もいるから何とも言えないけどさー。


「せいれいどうしはほんとうはなかよくしたいかもしれないじゃない?それをこっちがかってに、ぶんるいして、わかれされようとしてるとか?ってこともあるかもでしょ?」

「仲良く…?」

「うん。レオのけいやくしてくれてるせいれいたちに、きいてみたらどうかな?いっしょはいやなの?って。きめつけてるだけで、そうじゃないかもしれないし、こっちがそうやっていってるから、せいれいたちもそうおもいこんでるだけかもしれないし」

「精霊達に…聞く…」

「レオ、これがまるなげってやつよ。とうじしゃどおしでなんとかしろーってね」


『クククッ』
『ハハハッ!!』

「リリィ、君の発想には驚かされるよ…。目から鱗ってこの事だね…フフッ」

「…レオ、リリィの言うように聞いてみたら?君の精霊達に」


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