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38.かくれんぼにご注意下さい?
しおりを挟む「あーーーーっっ!!」
「ーーー!!っびっくりした!!いきなり何ですか!?」
「あ、リュド、ごめんごめん。ちょっと叫びたくなっただけ」
「叫びたく…って…」
「お勉強お勉強ってさー!まだ4才!!!あそびたいさかり!!」
「……リリィ。あなたは本当に…貴族ですか?」
『リリィにそれを聞いちゃあおしまいよ~ってか?』
『リリィはな…野生児っっいった』
ロウの尻尾を一本背負い!って引っ張っただけ!!
って!あははっ擽ったい!尻尾でワシャワシャされた~。
あ!髪がボサボサになっちゃったじゃん!
セルの鱗を鏡替わりにしてチェック。
あぁ、やっぱりボサボサ…お母様にまた叱られる…。
「リリィといるとあきない…」
「そうでしょうねぇ」
「ーー!セバスさん!いつもいつも、おどろかさないで下さいよ!」
「驚くなんてまだまだ気配察知能力が低いですね。そんな事ではお守りしたい人を守れませんよ?」
「ーー!…がんばります!」
「その意気です。では午後からの鍛錬は気配察知能力向上の為の隠れん坊にしますか」
「えーー!!ずるい!!私もやりたい!!そっちに参加したい!!!!」
「リリィ、でもあなたはお義母様と…」
「ずるいずるいずるいずるいずるいずるい…」
リュドの背中にドシッともたれ掛かって耳元で呪いのように呟き続ける…これで落ちなかったらよっぽどよ?
「やめて下さいよ!そんな事言われてもお義母様になんて言えばいいんだ…」
あら、もう少しかしら?
「ずるいずるいずるいずるいずるいずるいずるい…」
『リリィって本当に厄介な奴だな…』
『セルに言われたくないだろうが…同感だ』
失礼ねっ!だってお勉強&マナー、お勉強&マナー、お勉強&マナーーーーーーー!!
もう飽きてるの!たまには走り回りたいの!!
「…仕方ないですね。奥様には私めからお話しさせて頂いておきます」
「え!?いいの!ヤッタ!セバス大好き!!」
セバスにギューーッと抱きついてから、ロウとセルの方へ行って喜びのダンスよ!!
イヤッホイ!!
「リリィ様…」
こら、セバス頬を染めない!
リュド!呆れた顔しない!巻き込んでやる!
リュドの手を取ってめちゃくちゃに回ってやった!目が回って…ロウのお腹に一緒にダイブ!
「あー楽しい!」
「リリィ…ふふふ。ロウ様フカフカだ…」
「この時期はフカフカで気持ちいいのよ!夏はダメ。暑いし毛が纏わりついて不愉快なのよね」
「リリィ…ロウ様になんて事…」
「夏はねーセルのほうが冷たくて気持ちいいよ!冬のセルは冷たすぎてムリだけどねっ!」
『我が主ながらなんて勝手な奴なんだ…』
『まあ、それがリリィたる由縁というか、何というか…だな』
えー!まあいいでしょ。
それよりもセバスと気配察知かくれんぼ!凄い楽しそうじゃない?かくれんぼマスターとしての稔侍があるんや!負けへんで!!
『どこの言葉だ?』
『言ってる事はなんとなく判るけど…なぁ?』
「じゃあ、どうするの?リュドをきたえないといけないから、リュドが鬼?」
「そうですね、私めとリリィ様がまずは隠れますか」
「オッケー!!」
『ん!オレッチもやりたい!隠れてみたい!!』
『まぁ、我もやってやらん事はないが…』
アンタ達だってやりたかったんじゃん!!
【気配察知かくれんぼルール】
①隠れるのは敷地内のみ
②屋敷内は一階のみ利用可
③別邸内も一階のみ利用可
④働いている人達の邪魔になる場所はダメ
⑤気配察知の訓練なので一度隠れた場所から移動するのはOK
⑥鬼はスタートから5分後にスタート
⑦制限時間は40分それを過ぎたらタイムオーバーで終了
では、かくれんぼスタートです!!
どこに隠れようかなー。
これだけ広い範囲で隠れれるのって逆に困るかも。
気配察知って言っても、気配ってどうやって消すのかまだ分からないんだよな…
あら、それってちょっと不利じゃない?気配察知?感知の仕方もわからない…!!
これは…かくれんぼマスターの名折れになるんじゃ………
…いえ、リリィよく考えて!
これは土俵が違うってやつよ!
だからかくれんぼマスターの名折れになんてならないわ!
とりあえず…隠れる場所を…と。
ん?セルはそこ?
よく絡まっているリビングのシャンデリアにいるように見せかけて窓枠の所に張り付いている。
ジッとしてたら…意外とわからないのかも…?いや、わかるやろ!
『くくく、灯台下暗しとはこの事よ!』
はいはい、じゃあがんばって!!
うーん、リビングはセルが隠れたなら…キッチン…それとも玄関?それか思い切って別邸に行こうか…よし別邸へGO!
別邸に到着しました。
が、別邸の玄関ホールの花瓶の横に尻尾が見えてます。
えーと、ロウさん?見えてますが…。
あらでもいつもより随分とコンパクトな形状ね。
そこまで縮めるのって逆に気付かないかも?
って、わかるわ!!
『我のこのサイズ、置物のように思うだろう。これで気配を絶てば…フフフ…我の勝利は見えた』
あーはいはい。
て事は別邸も避けた方が良さそうね…。
そろそろリュドも動き出す時間?ヤバイ、早く隠れなきゃ。
えーと、じゃあ庭の温室にしよう。
とりあえずそこで様子を伺って移動できたらしよう。
ヨシ!
温室に到着しました。
家の庭師の方々の最高傑作の薔薇が咲いているのよね。
薔薇以外にも沢山の花々が咲き誇っているのは、本当に圧巻!!
綺麗だし、いい匂いだし。
ここは花のお陰でもしかしたらしっかり隠れられるかも。
えーと、ここの薔薇の隙間にお邪魔します。
『はーい』
「ん?」
『いいよーゆっくりしていってねー!!』
……幻聴?
『違う違うー!ココー!!』
「えーと、ようせい?」
『そうでーす。リリィ!やっとお話しできるねー!』
レオの精霊のシエルとセリカ以外の子と話が出来るなんて!!どこ?姿は…あ、この薔薇の所にいる…
…あ!見えた!!かっ!かわっっ!
可愛いーーーーーー!!
何この子メチャ可愛いんだけど!
なんの妖精?あ、お花?お花なの??
『正解よー!花の妖精フルールでーす』
はぁん!可愛い!!いい匂いだし!!
あ、初めまして、リリィです!仲良くして下さいね。
『もちろんよー!うふふ。あっ!そうだ。ここだったら来れるかなー?』
???何か楽しそうだねぇ。
来れるって何が…かな?
『エントよー。小型化できると思うから、せっかくだから呼ぶねー』
エント?エンド?エンドゥー?
エントって何?呼ぶって言ってるくらいだから、人?それとも妖精?
『エントは樹木の精霊ー。普通は巨大な身体だけど場所とかに合わせて変われるから…あ、来た来たー』
『……こんにちわ』
ん?声ちっさ!ヴィータのようだわね…。
「こんにちわ。どこにいるのかな?」
『エント!しっかりしなさいよー!もう。この子ったらシャイでねー。巨大な時とかなんて何も話さないから怖がられるばっかり!本当は優しいのにー…』
「そうなんだ…。リリィだよ!よろしくねっ!」
『…うん。よろしくです…』
『エントとは腐れ縁みたいなモノでねーふふ。リリィはかくれんぼ中だったっけー?』
「はっ!そうよ!そうだった!ここにかくれるね」
『いいよー!いつまでも隠れててー!!…ドリアードも来れるかなー?エント、呼んでみてよー』
『うん…呼んでみる』
ん?何?まだ増える感じ?
何にしてもセバスはどこに隠れたんだろう。
リュドはもうスタートしたかな??
『あ、来れるって…すぐ来る…』
『ホント?やったねー!ドリアードも来てくれれば隠せれるしー!』
んん??隠せれる?何?私の気配消してくれたりするのかな?
『はぁい!リリィ!ドリーって呼んでね』
わっ!びっくりした!!
目の前にいきなり出てくるんだもん!!ドリアードのドリー?あなたも樹木の精霊?
『そうよ。エントとは仲間ね。フルールとは友達よ』
『ねぇ!ドリー、リリィ達かくれんぼしてるんだってー!』
『え!そうなんだ!!私達かくれんぼ得意よ!』
『ねー!』
お、そうなんだ。
同じですな!ていうか、精霊もかくれんぼとかするんだね。
『うふふー。ヒトのかくれんぼとは少し違うかもしれないけどねー』
『ふふふ。でも楽しいわよね』
『…ん。楽しい』
ん?少し違うの?隠れてるのを探すんじゃないの?
『そうなんだけどねー。うふふー』
『お手伝いしてあげるよ?ふふふ』
お手伝い?やっぱり気配消してくれるのかな?
じゃあ、お願いしまーす!!
『オッケー。エントもこっち来て!』
『ん』
『ドリー、準備はオーケー?リリィはコッチー』
三人の精霊に囲まれて光で包まれた。
おお。なんかすごいぞ?
『じゃあー、精霊の花畑にレッツゴー!!』
『オー!!遊ぶぞー!』
『…おー!』
え?ちょっと待って!ちょっと待ってーー!!
ピカッと光が強くなったと思った瞬間に風景が変わった。
えーーーー!?
ここ、ドコですか??????
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