乙女ゲームに転生したらしい私の人生は全くの無関係な筈なのに何故か無自覚に巻き込まれる運命らしい〜乙ゲーやった事ないんですが大丈夫でしょうか〜

ひろのひまり

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39.これは鬼ごっこと言うのではないですか?

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 えーと…。

んーと、私かくれんぼしてて…温室に隠れようとして、花の精霊フルールに会って、樹木の精霊エントとドリーが来て、隠れるの手伝ってくれるっていうからお願いしたら……
 
 ココハドコ??ワタシハダレ?


『ココは花畑であなたはリリィだよー!』

 
 それは分かってる……例えよ…例え。


 って凄い花畑なんだけど…東の森の比じゃないくらいだよ!!一面見渡す限りの花畑…花以外何もないなんて見た事もないよ。


 『ここはねー、精霊の花畑って呼ばれててフルールの本拠地だよー!ドリーとエントはよく遊びに来てくれるのー』

 
 そうなんだ!ここ精霊の花畑!…って、ベルナー家の敷地出ちゃってるじゃんー。
ダメだよールール違反だよー。
どーしよう。


『ある意味敷地内みたいな物だよー?ココ。場所が決まってるわけじゃないしー』


 えーと、そんな…さも正しいですけど?みたいに言われても…困るよ…。
元の場所に帰る事はできますかねぇ…??


『えー?しばらくは無理だよー?』

『ヒトが通れる道が開くのは数日?に一回だからね』

『…リリィ…ごめんね…』


 えーと、コレけっこうまずいパターンのやつじゃない?どうしようかな…皆も心配しちゃうと思うし…。
ちなみに何日後ぐらいに帰れますか?


『えー?何日後とかわかんないよー』

『昔…聖女様が来た時は……』

『結構長かったんじゃないっけ?忘れちゃった!』


 えー?マジー?そんなに適当?
帰れるは帰れるの?それだけは知りたいんだけど…。


『帰れるよー』
『…うん』
『そのうちね』


 そのうちてー!マジかー。
皆が心配するしなー早めに帰りたいんだけどなーお腹も空くし。


『うーん、お腹空いたら花の蜜をあげるよー!』

 
 蜜か…それはそれで美味しいよね。ツツジの蜜とか小さい頃にチューチューしたわ。

 
 『とりあえず、遊ぼー!!』


 帰れないなら仕方ないけど…そのうち誰か迎えに来てくれるかな…?
来てくれると信じて、とりあえず一回遊ぶか!


 『リリィ!花冠作ってー!!』
 『あ!私も作って欲しい!!』
 『…僕も』


 オッケーオッケー!わかりました!
小さい花冠作りましょう、お任せ下さーい。

 
 黙々ととりあえず3つ作って「はい」と3人の頭に乗せた。
可愛い!マジ可愛い!!連れて帰りたいー!!

『わあー!嬉しいー!!リリィありがとうー!』

『ふふ、ありがとうリリィ!』

『…ありがと』


 どう致しましてー!可愛いなー!
ん?何か視線……


「ーーえ!?誰?」


 皆さん!聞いてください!!
周りをグルーーーッッと精霊達が囲んでいます!!圧巻です!コレは今まで体験した事のない出来事です!!

 
『リリィー!!皆も作って欲しいってー!!』


 え!?え…と……何人分?
花足りる?


『心配するのそこ!?』
『…リリィらしい』
『うふふー!皆楽しみだってー!』


 えーと…出来る限りは頑張るけど…手が先に悲鳴をあげるかもしれないので、それはご了承下さいー!!!

 っし!気合い入れるわっ!!


 

 ◇◇◇◇◇




『『「「ーーーー!」」』』

『『「「リリィ(様)が消えた!!」」』』


「リリィ様!ッチ!アイツら!!」
『落ち着け!!』
『アンタが動いたらややこしくなるから!』
「皆さん、リリィがどこに行ったかわかるのですか?」


『一応な、我ら契約獣、主が何処にいるかくらいは把握している』

『花畑か…アイツらはめんどくさいぜぇ?』

「フルールですか…ドリアードが一緒だと更に厄介かもしれませんね。森に飛ばれたら木々の間を一瞬で移動される」

「……花畑?」

「精霊の花畑。精霊界にあります。場所は常に移動しているので何処にあるとは言えませんが…」

『まあ、我とセルは自由に行けるが…確かにドリアードが居ると逃げられる可能性も高いな』

『花畑から、当たりを付けて飛ぶしかねえかな?二手に分かれて捕まえに行くか…』

「私めは……仕方ない、温室で張っております」

『仕方ないだろ?リリィの事考えたらこうするのが一番だ』

「セバスさん…怖いです…」

『リュド、お前は…セバスの事しっかり見とけよー?』

『精霊殺しになりかねんからな…』

「ーーー!!しっかり見させてもらいます!!」

『んじゃ、行きますか』

『まずは、花畑だな』
  
「頼みましたよ…」




 ◇◇◇◇◇




 えーと、小さい花冠だけど結構大変だわ…。
あとどれくらい?
あ、まだまだ並んでますね…。


 
『ーーー、来るかも!』

『誰ー?』

『フェンリルとヨルムンガンド!!』

『え…やば…』

 
 ん?ロウとセル?迎えに来てくれたのかな?


『リリィ!ちょっとコッチ来てー!この木に触れてー!』


 一本の大きい木の元へ促された。

「え?フルール何?ちょっと待って…」

『ドリー!エント!お願いー!』

『…いいの…かな?』

『フルールも準備はいい?』

『オッケー!』

 
 え!?ちょ、待ってまっ………


 来る時みたいにピカッと光ってまた景色が変わった…。

 ココ…どこですか??


『ココはドリアードの森よ!』

『……樹木の精霊の拠点…だよ…』

『エント、今日はよく喋るわねー!』


 ドリアード…の森……。
今度は森に来ちゃったの??
どうなってるの???


樹木の精霊みんなもリリィと遊びたいって!』

 
 え?また…囲まれてるーーーっ!?


  
 ◇



『チッ。逃げられたか…』
『ドリアードは逃げ足が早いからな…』

 
 花の精霊達が逃げ惑っている。
一部の精霊達の頭には小さな花冠が乗せられている。
リリィが作ったやつだとすぐにわかる。
花冠を乗せている精霊はどこか誇らしげな表情をしていた。


『……次はドリアードの森かぁ?』 
『そうだな。多分その後は…ノルンの所か…そこで捕まえられたらいいが…』

『じゃあドリアードの所はオレが行くから、ウルズで待ち伏せ頼んだぜ』
『了解した』



 ◇


 
『あ!もう来るかも!』
『流石に早いねー!どっちー!?』
『ヨルムンガンド!』
『うわ……』


 え?セルが来てくれる?ロウは?

『でも、ここはドリアードの森わたしたちの森だからね!どこでも飛べるわ!』

『来るってー!急げー!エント!ドリー!リリィ木に触ってー!!』

『……』


 ピカッと光ってまた同じような森の中。
だけど綺麗な泉が湧いてる。
空気もすごい綺麗だし、この泉は?あれ?あそこにも精霊かな?
それよりもチョットだけ、気分が…。


『……アンタ達、またやってるの?そのうち怒られるわよ?』

『ノルン!元気??』

『ドリー、少しは落ち着きなさいよ』

 
 お友達…?かな?


『ああ、ごめんなさいね。私はノルン。このウルズの泉の守護者よ。リリィ、この子達に捕まると振り回されて大変な事になるわよ?』

 
 あはは…確かに…ていうか、もうなっています。

『だって!ちょっとくらいリリィを独占して遊びたいんだもん!』

『はあ…。あまり騒ぎを起こさないで頂戴』

『…フェンリル様…来る』

『げ!もうー?エント!ドリーよろしく!リリィはココー!』

『オッケー』
『……』


 え?また?またなの??
もうなんか疲れてきたんだけどーー!



 ◇


『…む。逃げられたか?』

『今回は貴方達ですか…』

『ノルン騒がせてすまんな。我はこのままフヴェルゲルミルの泉へ行く泉の皆に騒がせてすまないと伝えておいてくれ』

『はい、お気を付けて…』


『…セルよ、我はフヴェルゲルミルの泉へ行く、少し時間置いてからミーミルへ飛んで捕まえられなかったら…お前も来い』

《りょーかい…。ニーズヘグにだけは関わるなよーアイツも超!面倒くさいからな》



 ◇



 う…ちょっと気分悪くなってきた…。
乗り物酔いした時みたいな感じだわ…水飲みたい…。
目の前にまた泉があるけど、ココのお水は飲んでもいいのかな…?


『飲んでもいいけどー、リリィ帰れなくなるよー?』


 え?そうなの?それは嫌だな…皆の所に帰りたいし。我慢我慢…うぇー…。


『…ドリー、エント、それにフルール。精霊界をあまり騒がすんじゃありませんよ!』


 ーーー!!
びっくりした!あれ?泉の所にまた精霊?かな?


『ーー!ミミル…ごめんなさい……』
 
『リリィ本当にごめんなさいね。私はミーミルの泉の守護者、ミミルよ』

「あ、初めまして…うぇー…ぁすみません…」

『ほら貴方達、リリィが酔ってしまったじゃないの』

『リリィ大丈夫ー?』
『ごめんね』
『…ごめん』


 あー、大丈夫。
少し休んだら多分復活するから!私乗り物には強い方だったからね!


『って事で、また来た!どうする?』
『どうしようー!』
『……』

『えーとえーと!もう、いいやエイ!!』

 
 えー?またですか…?もう大丈夫では無くなりそうです……。



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