乙女ゲームに転生したらしい私の人生は全くの無関係な筈なのに何故か無自覚に巻き込まれる運命らしい〜乙ゲーやった事ないんですが大丈夫でしょうか〜

ひろのひまり

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40. コレって何かの罠ですか?

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すみません。41話を先に上げておりました。
こちら40話を先にお読み下さい。よろしくお願いします!!


───────────────────────

 
 ピカッと光ってまた景色が……
着地した足元は…なんかフカフカしていた。


『あっー!!』
『げっ!!』
『……やっぱり……』

「ロウッ!!」

 ロウを呼んだ途端、グルリと尻尾が体に巻きついた。

『捕まえたか?』

 声の主はセル。
追いついてくれたのね!

『チェーーッ!つまんなーい!!』
『もうお終い?』
『ムリ…でしょう』


 はー良かった。
迎えに来てくれて、助かりました。
うぇっぷ…う…頭がグワングワンする…。


『お前達、やり過ぎだ。生身のニンゲンがこんなに飛ぶ事は普通できないぞ!』

『でもーリリィはできたじゃんー』

『リリィは属性も魔力量も多いからできた事だぞ!普通は狂うか取り込まれるぞ!』

『ーー!イヤーごめんなさーい!』
『ごめんねーリリィ!消えないでー!』
『ごめんね…リリィ』

 
 ワーンワーンと泣く精霊達に悪気は感じられなくて、ただ純粋に遊びたかっただけのようで、まぁいっかって思った。


「うぇーっぷ、きもちわる…」

『暫くここで休むしかないか…』

『あんまり騒ぐなよー?』


 ロウのふかふかに癒され、セルの冷たい鱗に顔をくっ付けて少しスッキリしてきた。


『……なんか、ここ』
『……ん。ちょっと変?』

『エント?ドリーも?どうしたのー?』


 どうしたんだろう?何か樹木の精霊の二人が元気なくなってる?さっきまですごい元気だったじゃん。


「ロウとセルは?変?」

『うー、嗅ぐと鼻が曲がりそうな匂いはするが…この場はこんな物だと認識しているが…』

「どういう意味?」

『ここ、フヴェルゲルミルの泉は別名【死と毒の泉】ここから更に深い地下が冥界の入り口に繋がっている』


 め、冥界?えーと、何だっけ死者の集まる場所だったかな??


『……ニーズヘグが目を覚ましたらめんどくさいからな、静かにしとけよー。…でも…ちょっと何かがおかしいか?』


 フルールは?平気なの?


『あたしは平気だけどー。元々ここはそんなに気分の良い場所じゃないからー……』


 ヨイショ、ちょっと回復したわ。
エントとドリーはちょっと具合悪いくらい?
元々そういう風になるの?


『ならない…こんなの初めて…』
『うえー気持ち悪い』


 んー。
なんか原因があるって事よね?

キョロリと周囲を見回すと、ここはさっきまでの森の泉よりも空気はどことなく重い。
んー、黒い重い場所が何かあっちの方にある感じがする…?


『黒い重い場所?』

 うん、わかる?

『いや、我には分からない』
『オレもちょっと分かんねー』


 あっちの方なんだよね…
ちょっと行ってみようかな、ロウとセルはついて来てくれる?フルール達はここにいるか、移動してていいよ!
ロウ達がいれば家に帰れるよね?


『帰れるが…リリィは大丈夫なのか?』

「私はもう大丈夫よ!」

『よし、じゃあ見に行くか』


 テクテクと森の中を歩いて黒い重いところへ向かいます。
ロウとセルがいるからかな?全く怖くないなぁ。


『まあ、オレ達といれば無敵だわな』

『間違い無いな』

 
 ふふふ、無敵戦隊!!
あっ!もうこの辺りな感じなんだけど…。


『あれ…なんだ?』

『む…かなり薄い…が…瘴気か?』


 瘴気って、悪い空気の事だっけ?


『まぁ、悪いモノの集まりって事だな』

『何処だー?』

 
 ん?あそこ…かな?


 見ると、小さい丸い石?ビー玉みたいな物が何個も置いてあった。


『ただの石?なのか?』

『コレだとは断定できない所だな』


 ヒョイと摘んでみる。


『チョッ!!リリィ!!触るなっっ』

『お前はっ!またそうやって!!』


 あー、スマンスマン。
でも、特に何も?って感じ?
チョットだけチリッとしたけどね。


『チリッとしてるじゃねーか!!』


 あ、なんか痒い。
ビー玉みたいなモノを潰すような感じで指先に力を入れたらプチッて鳴った。
 
 ん?

 モワッと黒い煙のような物が出て、拡散して消えた。


『何だ?』


 あれ?同じようなのが何個かあるよ。
とりあえず何か…何となくだけど嫌な感じだから、踏み潰しておこう。
…手は後でロウで拭こう。


 プチプチプチ…
 モワモワモワ…


『…コレ、瘴気溜まり作る魔具じゃねえ?』

『そうかもしれないな…』


 え!?じゃあ、潰すのはやめて何個か持って帰って調べて貰った方がいい系??

 
『そうだな。詳しく見て貰った方がいいだろう』


 わぁー、ほとんど潰しちゃった…あと3個しか残ってないけど…いいかな…。
しかもどうやって持って帰るの?手掴み?


『…コレ使ってー』


 フルール!エントとドリーまで!こんな所までついて来ちゃったの?
ていうかコレは?


『葉っぱのポーチ。加護付けといたから大丈夫だと思うー。今日のお詫びー』


 ありがとう!
では早速、ひょいひょいと葉っぱのポーチに入れます。


『だから、素手でいくなと言っているではないか!』


 大丈夫ちょっとチリッとするだけだから。
 
 
『チリッとシトルヤナイカーイ』


 お!?セル、ツッコミ覚えたね!!


『フフン!オレ様にかかればツッコミ(?)のひとつやふたつ!』

『ヨルムンガンドって、こんな風だったっけ?』

『……もっと怖い…感じ…』


 セルさん、緩い目で見られてますやん。


『ま、いいって事よ!…でも、アイツどーした』

『ニーズヘグだろう?これだけ騒いでいたら通常だったらもう来ている頃だけどな』


 さっきも言ってたけど、ニーズヘグって何?誰?


『邪竜、…と言えばいいか』


 邪竜……?セルとお仲間?


『一緒にすんなよぃ!』
 

 くくく、同族嫌悪的なアレですか?ってそんなに嫌な顔しなくてもいいじゃん?
邪竜か…あんな感じの子かな?


『あんな感じって?』
 

 あそこあそこ、木の根っこの所に絡まってる羽付きの大きい蛇?みたいな子。


『あー、確かにあんな感じだっ……た……って、アイツだよ!本人だ!!』

『なんでアイツあんな所で絡まってるんだ?』


 え?本人?だったら助けてあげた方がいいかな??


『悩みどころだな』

『確かにな、さっきも言ったけど結構厄介なんだよな』


 あ、邪竜だし?
邪竜って言うくらいだから…悪い子って事か…。
でも困ってるっぽいよ?すごいウゴウゴしてるし。
あ、目が合った。


 少し近づいて見ると何かが体に嵌められていてそれを取ろうとして絡まってる?感じ。
サイズはセルと同じくらい?大きいは大きいけどね、竜って言うほどのサイズでは無いな…顔はどっちもどっちで……


『どっちもどっちって…』


 まあ、いいじゃん。
可哀想だからとりあえず絡まりを外してあげよう。


 「よっと、お客さん絡まってますねぇー」

 あら、嫌だ。
昔のクセが出ちゃったわ…。


『てか、リリィ!勝手に色々触るなって!』

『こんなに無防備に何にでも手を出す奴も居ないだろう…』


 絡まってるのはこのリングみたいなヤツを外そうとして余計絡まった感じかな……?
うわー、なんとなく前にお父様がロウに放った捕縛魔法?だっけ?に似たなんか手を洗いたくなる感じがするなぁ…。
これも後でロウで拭こう。


『大丈夫か?』
『うーん。アイツも、大人しくしてるし…』

 
 リングは…結び目的な物もないし、ボタン的な物もないんだ…。
ヨシ、引き千切ろう。


 ブチ


 あら?意外と簡単に千切れましたー。
あとはこの絡まった体をアッチに通して、コッチに戻して…と。


『解いたな…』
『簡単に、解いてしまったな…』


 ホイ、これでオッケーじゃない?


『…………どうも』

「どういたしましてー!もう大丈夫かな?痛い所とかはない?」

 
 羽をバサバサと動かして、自分を確認して。

『………無い』

「そっか、良かったねぇ。じゃあね」

『って待て待て!!リリィ!じゃあねじゃないだろ。なんでこうなったかとか聞かねえと!』

「?。あ、そうか、あのプチプチと関係あるかもだもんね」

『プチプチて…。オイ、ニーズヘグ、てめえがなんでこんな事になってんだ?アイツは知ってるのか?』

『………アイツは知らないと思う』

『なんだなんだ、お前にしては大人しいじゃないか』


 セルもロウも知り合い?お友達?


『友達なんかじゃねえ!』

『まあ、知ってる…ってくらいのヤツだな』

『……なんだよー冷てぇなぁ。昔ながらの…じゃねえか』

「あ、やっぱり友達なんだね!良かったね!」

『あっ……おぅ。サンキュ』

『なんだなんだ?どうしたんだよ?本当にニーズヘグか?偽物じゃねえの?』

『バッ、バカやろー偽物なワケねえじゃん!今は…助けてもらったし…ちょっとくらいは…』

『くくく。お前もそう言う心を持っていたか』

『……るせぇ』


 ん?やっぱり仲良しじゃん?

 
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